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爆竹響き船で浄土へ、長崎 故人しのぶ精霊流し

 初盆を迎えた故人の霊を船に載せて西方浄土へ送り出す、長崎県の伝統行事「精霊流し」が15日、県内各地で行われた。悪霊をはらうという爆竹が鳴り響く中、法被姿の遺族らが精霊船とともに練り歩き、亡き人に思いをはせた。

精霊船を引き、長崎市内を練り歩く人たち=15日夕
精霊船を引き、長崎市内を練り歩く人たち=15日夕

 精霊船は屋形船のような形で、大きいもので全長10メートル近く。各家庭や企業などが工夫を凝らし、故人の写真やちょうちんを飾りつけている。
 新型コロナウイルス感染症の5類移行後初めての開催で、長崎市では沿道に多くの観光客が押し寄せた。交通規制を担う県警によると、市内で約390隻が参加。念仏がなまったとされる「ドーイドイ」のかけ声とともに市中心部を進んだ。
 4月に亡くなった祖母の船を親族15人ほどで運んだ長与町の会社員古川一章さん(47)は「無事供養を終えられた」と穏やかな表情。夫と見物に来た長崎市の松尾真須美さん(66)は「ここ数年より爆竹の音が派手に聞こえて、日常が戻ってきた気がする」と話した。

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