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訪中の外国人数、回復せず 「ゼロコロナ」終了でも忌避感

 【北京共同】中国を訪問する外国人数が新型コロナウイルス流行で激減したまま回復していない。妨げとなっていた厳しい「ゼロコロナ」政策は1月に正式終了したが、米欧と中国の関係緊張による忌避感が影響しているとの指摘もある。「ガラパゴス化」した中国独自の電子決済や厳しいインターネット規制も、訪中をためらわせる要因となっているようだ。

北京首都国際空港の国際線到着ロビー=17日(共同)
北京首都国際空港の国際線到着ロビー=17日(共同)

 文化観光省によると、今年1~3月に中国の旅行会社が受け入れた外国人の観光旅行客は延べ約9900人。コロナ前の2019年の同時期は延べ約200万7千人で、大きく落ち込んでいる。
 国際往来の多い上海市の統計局によると、今年前半に観光目的などで上海から入国したか、別経路で入国して上海を訪れた外国人は延べ約75万6千人。19年前半の4分の1にも届いていない。
 中国にも危機感はあるようだ。ロイター通信によると、米中は両国を結ぶ旅客便の本数を10月下旬までに倍増させることで合意。中国当局は今月10日に日本を含む大半の国への団体旅行を解禁したのに伴い、今後、各国との国際旅客便を増やしていくとみられる。
 ただ中国は日本への短期滞在のビザ(査証)免除措置を再開させず、日本からの旅行や出張のハードルは上がったままだ。また、米紙ウォールストリート・ジャーナルは「中国と西側の関係悪化で外国人旅行客は慎重になっている」との見方を伝えた。
 中国以外で多用される地図や検索のアプリが中国で使えず、クレジットカードや現金に対応していない場所が多いのも外国人旅行客には不便だ。短期留学で今夏、日本から初訪中した20代女性は「中国の身分証や電子決済アプリがないと、地下鉄の切符を買うのも難しい」と戸惑っていた。

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