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NZ地震12年、被災地で追悼式 日本人遺族、3年ぶり出席

 【クライストチャーチ共同】2011年に日本人28人を含む185人が死亡したニュージーランド地震から22日で12年。被災地の南島クライストチャーチで追悼式が開かれ、日本人の遺族が3年ぶりに出席した。研修中の生徒12人が命を落とした富山市の富山外国語専門学校でも追悼の集いが開かれ、ビル倒壊で亡くなった留学生らの生前をしのんだ。

ニュージーランド地震の追悼式に出席した故鈴木陽子さんの父喜久男さん(左)と母千鶴子さん=22日、クライストチャーチ(共同)
ニュージーランド地震の追悼式に出席した故鈴木陽子さんの父喜久男さん(左)と母千鶴子さん=22日、クライストチャーチ(共同)

 クライストチャーチの追悼式は小雨の降る肌寒い天気の中、郊外の墓地と国立追悼施設でそれぞれ開かれ、日本から訪れた遺族や関係者計約10人が参加した。
 ビル倒壊で名古屋市の看護師鈴木陽子さん=当時(31)=を失った父喜久男さん(76)は「3年ぶりに来られて、(地震を通じて知り合った)ニュージーランドの友人とも話ができて、うれしく思っている」と話した。
 亡くなった滋賀県長浜市の看護師平林祐子さん=当時(28)=と家族ぐるみで付き合っていたというクライストチャーチ在住の調理師松並桂子さん(52)は「前向きで明るい女の子だった。地震はお昼時だったので、ビルの外にいてくれたらいいなと思っていたが、遺体で見つかってしまった」と涙ながらに話した。
 富山外国語専門学校では遺族や同級生、在校生ら約100人が黙とう。在校生代表の栗本アリヤさん(19)は「この日の出来事を忘れず、一日一日をかみしめながら生き、先輩方の記憶をつないでいく」と述べた。
 新型コロナウイルスの世界的流行でニュージーランドは昨年まで国境を封鎖。日本人遺族は渡航できず、現地の追悼式に出席していなかった。

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