未経験者歓迎の転職拡大 人手不足で育成にも力
リクルートの転職支援サービスの分析によると、未経験者を採用する求人が急拡大していることが5日、分かった。2022年度の求人数は新型コロナウイルス禍前の18年度の3・2倍だった。企業は従来、即戦力の採用を重視してきたが、人手不足などを背景に育成にも力を入れる傾向が強まっている。
サービスに登録された求人のうち「職種業界未経験OK」などの募集を抽出した。これらの未経験者の求人数について、18年度を1とした場合、19年度は1・6、20年度は1・1、21年度は1・6と小幅に上下してきたが、22年度は3・2に大幅に増加した。
業界別に18年度からの増加率を見ると、「建設・不動産」が5・2倍で最大。「外食・店舗型サービス」が3・7倍、「電気・電子・機械メーカー」が3・3倍と続いた。コロナ禍からの回復に向けて未経験でも人手を確保したいという企業や転職市場に経験者が少ない、新しいテクノロジーの担い手を育てる動きがあるという。
担当者は「量、質ともに新たな転換期を迎えた」と指摘。今後は業界や職種の枠を超えた能力や学習意欲などが採用の条件として重視されるとの見方を示した。