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テーマ : 新型コロナ・全国

中国景気、想定外の回復遅れ 市場停滞、デフレ懸念も

 【北京共同】1日までに発表された5月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は、英調査会社IHSマークイットが50・9と、好不況を判断する節目の50を2カ月ぶりに上回る一方、国家統計局は48・8と割り込んだ。習近平指導部は新型コロナウイルスの感染を抑え込む「ゼロコロナ」政策を終了したが需要は鈍く、想定外の景気回復の遅れに金融市場も停滞気味だ。

中国のペットボトル飲料を生産する工場=5月、湖北省丹江口市(共同)
中国のペットボトル飲料を生産する工場=5月、湖北省丹江口市(共同)

 消費の活力不足が物価上昇率の低さに表れ、デフレ懸念もささやかれ始めた。中国有力企業が上場する香港株式市場のハンセン指数は、経済急回復期待で年初来高値を付けた1月下旬から、2割も下落している。
 需要低迷は、コロナが流行した3年間の傷が深いためだ。厳格なコロナ対策で若者を中心に失業が相次ぎ、貯蓄を取り崩した人が多い。今年4月は16~24歳の若者の失業率が20・4%で、改善の兆しもなく、消費に向かう勢いは見られない。
 特に深刻なのが大型の消費だ。自動車販売の伸びも、前年の上海市などのロックダウン(都市封鎖)の反動を踏まえると復調が遅い。不動産販売も4月以降は「陰りが見え始めている」(業界関係者)との指摘がある。
 4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0・1%の上昇にとどまり、中国人民銀行(中央銀行)は否定しているものの、デフレへの警戒感は強まっている。みずほ銀行(中国)の伊藤秀樹主任エコノミストは、世界経済が伸び悩む中で輸出主導の回復も難しく「中国景気の足踏み状態は、しばらく続きそうだ」と分析した。

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