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テーマ : 新型コロナ・全国

季節外れのインフル感染相次ぐ 学級閉鎖や休校「冬に大流行も」

 季節性インフルエンザの流行が今年は5月になっても続いている。学校で集団感染が相次ぎ、学級閉鎖や休校となった例も。新型コロナウイルスの感染対策で2020年末以降インフルエンザがはやらなかったため、多くの人の免疫が低下したことが原因とみられる。専門家は「今年の冬には大流行する恐れがある」と警戒を呼びかける。

A香港型インフルエンザウイルスの電子顕微鏡写真(米疾病対策センター提供)
A香港型インフルエンザウイルスの電子顕微鏡写真(米疾病対策センター提供)

 「こんなに感染者が出たのは初めてだ」。大分市の私立高校の担当者は驚きを隠さない。5月11~22日にかけ、全校生徒の約4分の1と教職員の計約500人がインフルエンザに感染した。体育祭の直後だった。
 宮崎市の高校でも5月、体育祭の前後で約500人が感染したほか、東京都調布市の小学校でも約100人が感染した。
 国立感染症研究所の集計では、全国の定点医療機関で1週間に報告されるインフルエンザの患者数は、昨年12月に流行開始の目安となる1定点当たり1人を3年ぶりに超えた。2月前半に12・91人でピークを迎えた後も下がりきらず、5月8~14日は1・36人と流行入りしたままだ。コロナ前の19年は同時期0・74人だった。
 慶応大の菅谷憲夫客員教授(感染症学)によると、新型コロナ流行後、マスクの装着や会食の減少でインフルエンザの感染者が激減した。今年の長引く流行は、集団免疫の低下と新型コロナの5類移行に伴う対策緩和が原因といい「夏でも海外からウイルスが持ち込まれれば、集団感染が起きる可能性がある」と指摘。特に冬は要注意だとして「高齢者や幼児、持病のある人は重症化する恐れがある。ワクチンを打って備えて」と訴えた。

 インフルエンザ インフルエンザウイルスが原因の感染症。A型、B型などの種類があり、さらに「H5N1型」といった細かい亜型がある。主にせきやくしゃみなどを通じてうつり、38度以上の高熱や頭痛、全身の倦怠感、関節痛などの症状が突然現れるのが特徴。多くは1週間程度で自然に治るが、抵抗力が弱い乳幼児や高齢者は、脳症や肺炎を起こすなどして死亡することもある。冬に流行し、国内で毎年1千万人以上がかかるとされるが、新型コロナウイルスの感染対策が進んだ2020~21年と21~22年は極端に感染者数が少なかった。

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