トヨタ、営業利益１兆円超え ４～６月、国内企業初
トヨタ自動車が１日発表した２０２３年４～６月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比９３・７％増の１兆１２０９億円だった。２１年４～６月期の９９７４億円を抜いて過去最高を更新。日本企業の四半期営業利益で初めて１兆円の大台を突破した。新車の生産回復や価格改定、円安が貢献した。
売上高は２４・２％増の１０兆５４６８億円。純利益は７８・０％増の１兆３１１３億円と２年ぶりの増益だった。前年に影を落とした中国・上海のロックダウン（都市封鎖）が解消し、世界的な半導体不足の緩和が好業績につながった。
レクサスブランドを含むトヨタ単体の４～６月期の世界販売台数は前年同期比８・４％増の２５３万台。ハイブリッド車（ＨＶ）が好調だった。
米国や中国の市場動向が不透明なため、２４年３月期の業績は従来予想を据え置いた。売上高は前期比２・３％増の３８兆円、純利益は５・２％増の２兆５８００億円を見込む。営業利益は国内企業初の３兆円に達し、トヨタ自身の日本企業の最高記録を更新する見通し。
トヨタは業績予想に関し「（期初から）まだ３カ月で大きな状況変化はないと判断している。中間決算に向けて（修正の）検討をしていく」と説明。電動化が進む中国で厳しい戦いを強いられ、タイやベトナムの景気減速も懸念材料となる。
トヨタの業績 ２００９年３月期はリーマン・ショックが響き、連結純損益で４千億円超の赤字を計上。その後、東日本大震災や円高で悪化する年もあったが、車の基本性能向上や原価低減が成果を上げ、１９年３月期に国内企業で初めて売上高が３０兆円を超えた。２３年３月期は売上高が前期比１８・４％増の３７兆１５４２億円、営業利益が９・０％減の２兆７２５０億円、純利益が１４・０％減の２兆４５１３億円。
