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テーマ : 新型コロナ・全国

中国の研究所から流出、否定せず 米情報長官室、コロナ起源報告書

 【ワシントン共同】米国家情報長官室は23日、新型コロナウイルスの世界的流行の起源に関する報告書を発表した。同室が統括する各情報機関はいずれも、最初に人への感染が起きたのは自然界でウイルスを保有していた動物への接触だとする説と、中国・武漢ウイルス研究所に関連しているとの説は「両方あり得る」とし、研究所から流出した可能性を否定しなかった。

中国科学院武漢ウイルス研究所=2021年、中国・武漢
中国科学院武漢ウイルス研究所=2021年、中国・武漢

 各機関の見方には濃淡があり、国家情報会議などは自然起源の可能性が高いとした一方、エネルギー省や連邦捜査局(FBI)は研究所起源とみられるとした。中央情報局(CIA)などは判定不能とした。人工的に操作されたウイルスや生物兵器ではないとの見方では、ほぼ一致した。
 バイデン大統領は3月、流行の起源に関してできるだけ多くの情報を公表するとの法律に署名、今回の報告書につながった。科学者の間では、生きた動物を扱っていた武漢市内の海鮮市場が起点との見方が強い。
 報告書によると、武漢ウイルス研究所ではコウモリなどのコロナウイルスを研究していた。新型コロナそのものや、極めて近縁のウイルスは保有しておらず、研究関連の事故が起きたとの証拠もないとした。ウイルスの遺伝子改変もしていたが、流行につながる兆候はなかったとしている。
 また最初の患者の確認前だった2019年秋、研究所の複数の研究者が新型コロナに似た症状の病気にかかっていたと指摘した。一部は動物の呼吸器ウイルスの研究に関わったことがあるという。ただ新型コロナとの診断はされておらず、流行の起源だとも、そうでないとも言えないと評価した。

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