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テーマ : 新型コロナ・全国

自転車に「青切符」交付へ 反則金導入、検討会で議論

 警察庁は3日、自転車の交通違反に対し、交通反則切符(青切符)の交付を可能にする制度変更を目指す方針を明らかにした。「信号無視」などの違反をした利用者に反則金の納付を通告することができるようになる。違反抑止を図るのが狙い。有識者検討会で今月から議論を始め、年内にも提言を受け取る。道交法の改正も視野に入れる。

信号無視した男性を制止する警視庁の警察官=2015年、東京都港区
信号無視した男性を制止する警視庁の警察官=2015年、東京都港区

 健康志向の高まりや新型コロナウイルス禍で「密」を避ける傾向が強まり、移動手段としての自転車へのニーズは増している。同時に違反の摘発件数も増えており、取り締まりの在り方が課題となっていた。検討会では適用対象とする違反の種類のほか、子どもの取り扱いなども議論する。
 現行の取り締まりでは「信号無視」や「指定場所一時不停止」などでも、悪質な場合は刑事処分の対象となる交通切符(赤切符)を交付しているが、起訴を見据えた捜査が必要で、警察・違反者双方に負担が大きい。軽微な違反には安全教育の一環としてサッカーのイエローカードのような「指導警告票」を手渡すなどしてきたが、実効性には限界があった。
 青切符は、警察が違反行為を現認するなどした違反者に対し、行政手続きとして反則金の納付を通告し、違反者が納付すれば起訴されず、期間内に納付しなければ刑事手続きが進む制度。運転免許が不要で16歳以上に利用が限定されている電動キックボードも、7月1日施行の改正道交法で青切符の対象とされた。
 警察庁によると、自転車による交通違反の摘発件数は、10年前の2013年は7193件だったが、22年は2万4549件と約3・4倍に増加。22年に起きた自転車が当事者の死亡・重傷事故7107件のうち、約7割で自転車側にも交通違反があった。今年4月からは全年齢でヘルメット着用が努力義務となるなど、警察当局は自転車の安全対策を強化している。

 自転車の違反取り締まり 自転車の違反行為は道交法で定められ、罰則がある。飲酒運転が最も重く、5年以下の懲役または100万円以下の罰金。警察官は摘発が必要と判断した場合、主に交通切符(赤切符)を交付する。運転免許の有無は無関係で刑事処分となり、原則的に検察庁に書類送検される。起訴されるケースは少ないが、起訴され裁判所で違反が確定すると罰則が適用され前科となる。「指導警告票」は警察官による注意喚起の一環。各都道府県警が独自に書式や名称を決め、名前や住所などを書き込ませるものもある。

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