あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 新型コロナ・全国

全国28%でコロナ前超える人出 地方回復、首都圏は停滞

 今年上半期(1~6月)の人出が、47都道府県の各主要地点の28%に当たる13カ所で新型コロナウイルス禍前の2019年上半期を超えたことが11日、分かった。また45%に当たる21カ所でも減少率は10%未満と、コロナ禍前とほぼ同水準まで回復した。中心街の再開発や旅行需要の拡大で、特に東北や九州をはじめとする地方で増加が目立った。半面、首都圏の大都市はテレワークや飲み会の減少で回復は停滞した。

JR宮崎駅(JR九州提供)
JR宮崎駅(JR九州提供)
緊急事態宣言後初めての日曜日、閑散とするJR新宿駅前=2020年4月
緊急事態宣言後初めての日曜日、閑散とするJR新宿駅前=2020年4月
JR宮崎駅(JR九州提供)
緊急事態宣言後初めての日曜日、閑散とするJR新宿駅前=2020年4月

 IT企業クロスロケーションズ(東京)がスマートフォンアプリ利用者の位置情報から推計した人流データを基に、共同通信が分析した。各都道府県でそれぞれ主要駅を一つ選び、その半径500メートルの来訪数を比べた。
 コロナ禍前の19年上半期と比べて人出の伸びが最大だったのは宮崎で11・2%増えた。20年に駅前の商業ビル開業や広場再整備、市街地を周遊する交通機関の運行開始といった動きが相次いだ。仙台の7・5%増、松江の6・0%増が続いた。
 トップ10には東北から秋田、盛岡など4カ所が入った。4位の青森は、駅東西を結ぶ自由通路ができて回遊性が高まったほか、全国旅行支援で市外から観光客が訪れたとみられる。九州では宮崎のほか、熊本が5位にランクインした。
 下位には首都圏の地点が並んだ。45位の、さいたま市の大宮は17・0%減で、46位の横浜は20・9%減った。47位は東京・新宿で21・4%減り、人出はコロナ禍前の8割程度にとどまっている。
 大和証券の末広徹チーフエコノミストは「首都圏での人流回復遅れは勤務体系の変化によるもので、地方復調はレジャー需要が大きい」と分析。首都圏では事務系、IT系の職種を中心にテレワークに置き換わり、そのまま定着したほか、飲食文化の変容と終電の繰り上げで、人々があまり遅くまで飲み歩かなくなったと指摘した。

 人流データ 人の流れを示すデータ。新型コロナウイルス流行が始まった2020年以降、繁華街の人通りがまばらな様子を定量的に表せるとして、人流解析への関心が高まった。個人のプライバシーを侵害しない匿名のデータとして抽出したスマートフォンの位置情報を主に利用したサービスが普及している。また富山市は、市街地に設置したカメラから人出の状況を捕捉する取り組みを進めている。

▶ 追っかけ通知メールを受信する

新型コロナ・全国の記事一覧

他の追っかけを読む