世界水泳、福岡で14日開幕 コロナに揺れ「三度目の正直」
水泳の世界選手権福岡大会は新型コロナウイルスの影響による2度の延期を経て、14日に「三度目の正直」で開幕を迎える。感染症法上の分類が5類に移行されてから、国内では初の大規模な国際大会が始まる。
福岡大会は当初、2021年を予定していた。東京五輪延期に伴い、22年に変更。その後も新型コロナの影響が収まらず、最終的に今年の開催となった。
大会組織委員会は昨年の実施だった場合、選手や関係者と外部の接触を遮断する「バブル」方式を想定し、感染対策の予算として約45億円を見込んでいた。今年にずれ込み、5類に移行したことで大がかりな対策は不要に。費用は「ほぼカットできる」(平川浩紀・組織委事務局部長)という状況になった。
一方で再延期に伴い、資材のリース期間延長や物価上昇などで追加経費が約45億円発生。男子は27メートルの高さから飛び込む非五輪競技「ハイダイビング」の会場は十分な水深を確保するのに6メートルまで掘り下げたが、海浜公園内のため危険性を考慮し、いったん埋め戻す作業が必要になった。ボランティアも開催年の変更で都合がつかなくなった人が出て、改めて募集をかけた。
開幕1週間前となった7日には会場のマリンメッセ福岡などが報道陣に公開された。紆余曲折の末にスタートを切る大会は、原則無観客だった東京五輪とは違う光景が広がりそうだ。平川部長は「海外からもお客さんに来てもらえるような状況になった。コロナで落ち込んだ経済復活の起爆剤になってくれれば」と期待を語った。