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テーマ : 新型コロナ・全国

24年世界成長率2・9% IMF見通し、下方修正

 【マラケシュ共同】国際通貨基金(IMF)は10日公表した世界経済見通しで、2024年の世界全体の実質成長率を2・9%とし、7月時点から0・1ポイント下方修正した。23年は据え置いて3・0%と見込んだ。中国経済の減速や、米欧を中心に続く中央銀行による利上げなどを懸念材料に挙げた。日本は23年の見通しを2・0%とし、0・6ポイント引き上げた。

IMF本部の看板(ロイター=共同)
IMF本部の看板(ロイター=共同)

 見通しは12、13両日にモロッコのマラケシュで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での討議資料になる。G20では、先行きの不透明感が強まる中で、各国が一致した対応を打ち出せるかどうかが焦点となる。
 最新の見通しでは、新型コロナウイルスの緊急事態宣言終了などを挙げ「いくつかの逆風は今年前半で収まった」と指摘。一方で、新型コロナ対策の給付金で増えた家計の貯蓄が減るなど「景気回復に陰りが見えつつある」との見方を示した。
 23年の日本の成長率を上方修正した理由は、外国人観光客の増加や自動車輸出の回復と説明。一方で、24年は1・0%と前回見通しを据え置き、低成長を見込んだ。
 「主要国の中で最も強く回復している」とした米国は23年が0・3ポイント引き上げ2・1%、24年は0・5ポイント引き上げ1・5%と見込んだ。米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利は「現在の水準でピークとみられる」とし、利上げは打ち止めとの見方も示した。
 中国は23年が5・0%、24年が4・2%とし、ともに7月時点から下方修正。「不動産部門の危機が成長を阻害する要因の筆頭であり、さらなる低迷を示唆している」とし、先行きに懸念を示した。
 ユーロ圏は23年が0・7%、24年が1・2%と低成長を見込んだ。特にドイツは貿易の縮小などを背景に23年は0・5%減のマイナス成長に陥ると予測した。
 日米欧などが制裁を科すロシアは財政出動などによって23年を0・7ポイント引き上げ、プラス2・2%とした。

 IMF 国際通貨基金の略称。「International Monetary Fund」の頭文字を取った。1944年に設立が決まった米欧主導の国際機関で、貿易の促進や経済拡大、為替の安定を促進する。例年4月と10月に世界全体や各国・地域の経済状況を分析した世界経済見通しを発表し、7月と翌年1月にそれぞれ改定する。経済成長率や物価上昇率の予測のほか、各国が注力すべき政策の提言なども盛り込んだ報告書となっている。

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