民主党ケネディ氏、じわり存在感 大統領選、コロナ陰謀論でも健闘
【ワシントン共同】2024年米大統領選で民主党候補の指名獲得を目指す弁護士ロバート・ケネディ・ジュニア氏(69)が、じわりと存在感を増している。米政界に名がとどろくケネディ家の一員だが、新型コロナウイルスに関する根拠のない陰謀論で注目を浴びる。一族も眉をひそめる中、予想を上回る健闘ぶりで一部の共和党支持者も引き付けている。
「コロナは特定の人種を攻撃している」。ケネディ氏は7月、ニューヨークでの支持者との会合で、コロナが白人や黒人を標的とし、ユダヤ人や中国人を救うための生物兵器の可能性があると示唆。人種差別的な発言だとして物議を醸した。
ほかにも、伯父に当たるケネディ大統領の暗殺には中央情報局(CIA)が関与したと主張したり、コロナワクチンに含まれる防腐剤が自閉症の増加と関連しているとの説を唱えたりしてきた。
異端視され、妹からも「嘆かわしい」と批判を浴びるが、ケネディ氏の主張に共鳴する共和党の支持者からも選挙資金の寄付が集まり始めている。
政治サイトのリアル・クリア・ポリティクスによると、各種世論調査の支持率平均は再選を狙うバイデン大統領(80)が63・3%と大きくリードし、指名獲得が確実視されている。だがケネディ氏も13・6%で、泡沫候補とは言えないほどの人気だ。
ケネディ大統領のおいとしての知名度の高さや、高齢なバイデン氏が続投することへの民主党支持者の不安が背景にあるとみられる。
民主党では女性作家マリアン・ウィリアムソン氏(71)も出馬しているが、支持率は6・0%にとどまる。