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テーマ : 新型コロナ・全国

上場74地銀、半数超が減益 4~6月期、外債売却損も重荷

 東京証券取引所などに株式を上場する地方銀行・グループ74社の2023年4~6月期決算が14日、出そろった。全体の半数を超える40社が減益となった。政府による新型コロナウイルス対策の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済や原材料高の影響で中小企業の経営は厳しく、取引先の倒産に備えて計上する与信関係費用が増えた。外国債券の売却損も重荷だった。赤字の地銀はなかった。
 ゼロゼロ融資の返済は今夏から本格化している。政府は返済が困難な企業の借り換えを保証する支援制度を設けたが、人手不足も重なって中小企業の倒産が一段と増える可能性がある。地域経済に根ざす地銀の収益環境は苦しい状況が続きそうだ。
 74社の純利益の合計は前年同期比10・1%減の3398億円だった。米連邦準備制度理事会(FRB)による急速な利上げで価格が下落した外債を売却し、損失を計上したことも響いた。
 佐賀銀行(佐賀市)の純利益は与信関係費用の増加で38・2%減となった。山陰合同銀行(松江市)は外債の売却損で53・3%減、山形銀行(山形市)は株式や債券の運用で得られる収益が減り、77・9%減の大幅減益だった。
 34社は増益を確保した。百五銀行(津市)は貸出金利息が増えて32・6%増だった。横浜銀行(横浜市)と東日本銀行(東京)、神奈川銀行(横浜市)を傘下に置くコンコルディア・フィナンシャルグループは17・6%増だった。
 金融機関の資産運用を支援する日本資産運用基盤グループ(東京)の石田淳執行役員は「明らかに倒産が増えており、米金融政策の行方も見通しづらい。地銀の経営者は難しいかじ取りを迫られている」と話した。

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