あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 新型コロナ・全国

中国の秦剛外相、動静不明1カ月 女性問題か臆測噴出、軍でも異変

 【北京共同】中国の秦剛国務委員兼外相の動静が途絶えて約1カ月。新型コロナウイルスに感染したと報じられた上、女性問題で調査を受けているとも伝えられたが政府は説明を避け、失脚説を含めて臆測が噴出。軍でも幹部が姿を消したと異変が伝えられ、習近平指導部の政治の不透明さを浮き彫りにしている。

中国全人代の記者会見で憲法を読み上げる秦剛外相=3月、北京(共同)
中国全人代の記者会見で憲法を読み上げる秦剛外相=3月、北京(共同)

 最後に動静が伝えられたのは6月25日の日曜日。ロシア、ベトナム、スリランカの高官と相次ぎ会談したと外務省が発表した。7月中旬にあった東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合は外相が参加するのが通例だが、外務省は11日、秦氏は体調が理由で出席しないと明らかにした。
 10日付香港紙は秦氏が新型コロナに感染したと報道。これと前後して香港フェニックステレビの女性ジャーナリストとの不倫疑惑が浮上した。女性は交流サイト(SNS)で最近出産したと投稿。父親は秦氏ではないかとの臆測が飛び交った。台湾紙は15日、秦氏が共産党中央規律検査委員会に事情を聴かれていると報じた。「外相交代が検討され始めた」(中国筋)との観測も出ている。
 秦氏は習国家主席に重用され昨年12月に外相に就任し、今年3月に国務委員に昇格。記者会見で中国憲法を手に取って米国をけん制するパフォーマンスをするなど目立ってきただけに動静不明への関心は高い。検索サイト、百度(バイドゥ)によると、この1カ月の「秦剛」の検索は昨年同期の100倍以上に増えた。
 中国当局は騒ぎが広がることに神経をとがらせており、外務省は17日「中国の外交活動は正常」だと強調した。中国の著名な改革派知識人は今月、秦氏に関する発信をしないよう警察に何度も圧力をかけられたという。
 台湾メディアによると、中国軍でミサイルを扱うロケット軍の司令官や副司令官らが当局の調査を受け、副司令官が自殺したとの情報がある。ある中国人記者は「軍や外交、宣伝の各部門で統制の強化や政治闘争が起きている。秦氏の“消失”もその一環の可能性がある」と話した。

▶ 追っかけ通知メールを受信する

新型コロナ・全国の記事一覧

他の追っかけを読む