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テーマ : 新型コロナ・全国

13%の子どもに抑うつ傾向 コロナ禍の影響「回復に時間」

 国立成育医療研究センターは4日までに、新型コロナウイルス禍の影響で、子どもの13%に昨年10月時点で抑うつ傾向が見られたとする調査結果を発表した。当時より行動制限は緩和されているが、心や体の状態が回復するのに時間がかかる子どももいるとみられ、注意を呼びかけている。

2020年5月、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言下で迎えたこどもの日、神奈川県座間市の公園では、地元の有志によって飾られたこいのぼりが力強く泳いでいた。感染拡大防止のため一部の遊具の使用が禁止されていることもあり、訪れる人はまばらだった
2020年5月、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言下で迎えたこどもの日、神奈川県座間市の公園では、地元の有志によって飾られたこいのぼりが力強く泳いでいた。感染拡大防止のため一部の遊具の使用が禁止されていることもあり、訪れる人はまばらだった

 センター社会医学研究部の森崎菜穂部長は「大人は子どもに一層目を向け、話を聞いてあげてほしい」と述べた。
 対象は小学5年生~高校1年生の計約3千人で、およそ6割から回答を得た。抑うつ傾向は、気分が落ち込む頻度や、集中力、自傷行為の有無などから判断。病院を受診するのが望ましい中等度以上だった割合が13%だった。過去の調査とは対象の学年が異なるものの、2020年は6%、21年は11%だった。
 調査した22年10月はコロナ禍が長期化し、学校でのマスク着用や給食での黙食が続いていたことも影響したとみられる。
 仲間関係や情緒などの問題を含むメンタルヘルス(心の健康)も全体としての改善は見られなかった。一方、協調性や共感性といった「向社会性」の指標は良くなっていた。
 センターは今後もコロナ禍による子どもの健康に対する影響調査を継続する方針。研究基金への寄付を受け付けている。

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