コロナ後遺症、頭痛1割うつ2割 感染者12万人調査
全国の新型コロナウイルス感染者12万人超の電子カルテを基に後遺症について調べた結果、発症初期に頭痛や倦怠感、味覚障害があった人の約1割が後遺症となり、2週間以降も症状が継続したと、医薬基盤・健康・栄養研究所(大阪)などのチームが25日、記者会見で発表した。うつ症状は約2割、心肺や消化機能低下などの「廃用症候群」は約5割が後遺症となっていた。
10万人規模のコロナ後遺症の調査は、国内初という。
2020年1月~22年6月、徳洲会グループ(東京)が運営する病院で診察を受けた0~85歳の患者のカルテに記載された病名などを調べた。
アルファ株などが流行し、国民のワクチン接種率が2割未満だった第1期(20年初め~21年夏)、7割が接種を受けたデルタ株の第2期(21年夏~同年末)、7割以上が2回目の接種を受けたオミクロン株の第3期(22年初め~同年夏)に分けて解析すると、時間の経過とともに後遺症が出た人の割合もおおむね減少した。
チームは「ウイルス株の種類に加え、ワクチン接種が進んだことも影響した可能性がある」とみている。