あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 新型コロナ・全国

変異に強い新型コロナ抗体を発見 重症患者の体内で偶然発生

 新型コロナウイルスが変異をしても感染を防ぐ可能性のある中和抗体を見つけたと、広島大などのチームが国際専門誌「コミュニケーションズ・バイオロジー」に発表した。変異に強い抗体は、これまでもいくつか見つかっているが、今回のものは効果のある変異株の種類が特に多いという。
 重症化し約2カ月間入院した患者の体内で偶然できていた。無症状や軽症で済んだ人では自然に作られる見込みがほぼないが、少しずつ異なるワクチンを複数回打つなどして、体内で免疫反応が長く続くようにすれば、同様の抗体を獲得できる可能性がある。
 広島大の保田朋波流教授(免疫学)は「新たな変異株が登場しても追加接種をしなくていいような方法を開発したい」と話している。
 チームは、流行初期に欧州から流入して広がったウイルスに感染した18人の血液を分析。重症化した高齢者2人から見つかった抗体が、アルファ株やデルタ株、オミクロン株の派生型など幅広いタイプに効果があった。
 体内に長くとどまるウイルスに対抗するため、免疫細胞が増殖して変化していった結果、変異に強い抗体を作れるようになったと考えられる。
 抗体の構造を調べると、ウイルスが細胞に侵入する際に使う「スパイクタンパク質」を広く包むようにくっつくと判明。そのため変異でスパイクタンパク質の形が変わっても、感染を防ぐとみられる。

 中和抗体 ウイルスなどの異物が体内に入ると、それとぴったりくっつく「抗体」が作られ、免疫細胞が除去する。抗体の中でも、感染や発症、重症化を防ぐ効果のあるものを特に中和抗体と呼ぶ。中和抗体は、感染したり、ワクチンを接種したりすると作られる。突然変異でウイルスのタンパク質の形が変わると、中和抗体が働かなくなることもある。

▶ 追っかけ通知メールを受信する

新型コロナ・全国の記事一覧

他の追っかけを読む