静岡県勢１０選手が「金」 全国障害者スポーツ大会
全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」が２８日開幕し、鹿児島市の白波スタジアムで開会式が開かれた。初日はジャベリックスローの井戸杏香（伊東市）、立ち幅跳びの森下実咲（御前崎市）ら県勢１０選手が優勝した。
井戸は６連覇、森下は２連覇をそれぞれ達成。陸上２００メートルでは増田嶺（吉田町）が２連覇を果たし、松永大護（静岡市）も優勝した。１５００メートルでは久松昴琉（富士市）と増田吏峯（吉田町）が男女の各部門を制した。
水泳は小梁ひなの（焼津市）と加藤真吾（浜松市）が２５メートル自由形で頂点に立ち、森晴毅（三島市）は２５メートル背泳ぎで２連覇した。フライングディスクは本間明文（袋井市）が金メダルを獲得した。知的障害者フットソフトボールは２連勝で決勝に駒を進めた。
県勢は静岡県、静岡市、浜松市の各選手団の７８人が陸上、水泳、アーチェリー、卓球、フライングディスク、ボッチャ、ボウリング、フットベースボールの８競技に出場する。
井戸６連覇 ジャベリックスロー 肢体不自由者女子１部のジャベリックスローで井戸杏香（２３）＝伊東市＝が２８メートル７７を投げ金メダルに輝き、初出場から６連覇を達成した。
プレッシャーとの戦いだった。「勝利を重ねるごとに周囲の期待は高まっていった」と井戸。それでも持ち前の明るさと試合直前まで睡眠を取る独特のリラックス方法で重圧に打ち勝った。
２０１７年大会で自身が更新した大会記録２９メートル０２を超える３０メートルを目標に取り組んできた。度重なるけがの影響もあり、目標に到達することはできず「悔しくて涙が出そうだった」と振り返る。それでも、６連覇という偉業に「周囲の支えがあってここまでこられた」と達成感をにじませた。娘の勇姿に父の清司さん（５７）は「６連覇はすごいこと。けがが多く大変だったと思うが、乗り越えてくれた」とたたえた。
（白鳥壱暉）
少年男子１５００ 久松が初Ｖ 陸上の知的障害者少年男子１５００メートルに出場した久松昴琉（１９）＝富士市＝は、初出場した前回大会で２位だった雪辱を果たし見事に栄冠を手にした。
「優勝できなかったことが悔しくてもっと速くなろうと思った」と奮い立ち、１年間研さんを積んできた。支えになったのは母の暖美さんが言った「自分を信じれば必ず結果はついてくる」という言葉。基礎体力の向上とともに、腕の振り方や姿勢など技術的な改良も加えた。
「とにかく優勝だけを目指そう」と臨んだ本番。スタートの合図で勢いよく飛び出すと、そのまま一度も先頭を譲らずフィニッシュした。
「いつか日の丸を背負えるランナーになりたい」と久松。「最後の１周で足が重くなった。今度はもっと速く走れるように、帰ったらすぐに練習を再開する」と向上心は尽きない。
陸上（白波スタジアム）
【肢体不自由者男子１部】
▽２００メートル（区分１４、１５＝車いす使用）
「２組」①松永大護（静岡市）３２秒０４
【知的障害者青年男子】
▽２００メートル（区分２７）
「５組」④中村颯斗２４秒８０
「７組」①増田嶺２４秒５６
「８組」⑤古橋直幸（浜松市）２７秒２０
▽１５００メートル（区分２７）
「４組」③村松諒（浜松市）４分３９秒９８
【知的障害者少年男子】
▽２００メートル（区分２７）
「８組」②斉藤優大（静岡市）２４秒４６
「９組」②竹原友洵２４秒１８
▽１５００メートル（区分２７）
「１組」①久松昴琉４分２０秒９６⑥松島生（静岡市）４分４７秒６２
「３組」③宮城寛太４分２６秒２２⑦猿渡禾一（浜松市）４分５４秒０２
【肢体不自由者女子１部】
▽ジャベリックスロー（区分２２）
「１組」①井戸杏香２８メートル７７
【視覚障害者女子１部】
▽立ち幅跳び（区分２５）
「１組」①森下実咲１メートル９３
【知的障害者青年女子】
▽２００メートル（区分２７）
「２組」④池谷栞（浜松市）３０秒４５
【知的障害者少年女子】
▽２００メートル（区分２７）
「４組」⑤榊芽空（静岡市）３４秒１０
▽１５００メートル（区分２７）
「１組」①増田吏峯５分２０秒４７
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