あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 富士市

「故郷で経験伝えたい」 大震災で福島から富士へ 堀川さん夫妻講演

 東日本大震災から間もなく13年。福島県浪江町で被災し、東京電力福島第1原発事故の影響で富士市へ移住した堀川文夫さん(69)と妻の貴子さん(70)が2日、伊豆の国市の韮山時代劇場で講演した。震災体験と故郷への思いを語った。

東日本大震災での体験と故郷への思いを語る堀川さん夫妻=伊豆の国市の韮山時代劇場
東日本大震災での体験と故郷への思いを語る堀川さん夫妻=伊豆の国市の韮山時代劇場

 同町で学習塾を経営していた夫妻は自宅から約10キロの距離にあった原発事故で町を離れ、富士市に避難してきた。ひきこもる時期もあったが、震災体験を語る経験や元塾生との交流で再起し、2012年に市内で塾を再開。17年に「震災と原発事故でふるさとを奪われた人々の思いを記録に残したい」と体験を絵本にまとめ、思いを伝えている。
 2人は被災直後の体験に触れながら「車が弾むほどの感覚。妻は腰を痛めたが、けが人が多く診てもらえる状態ではなかった」と振り返った。自主出版した絵本を朗読したほか、やむなく取り壊された同町の自宅が解体される様子を撮影した作品も上映した。会場ではすすり泣く声も響いた。
 2人は今後同町に戻ることも考えているという。文夫さんは「故郷で震災の経験を伝える活動をしてみたい」と話し、貴子さんは「復興のあり方を考えたい」と述べた。
 震災で被災した同県を支援するボランティア団体「福島を考える起き上がりこぼしの会」が企画した。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

富士市の記事一覧

他の追っかけを読む