記者コラム「清流」 なりたい自分
「なりたい自分になる」という式典に自ら足を運ぶ人たちを力強く感じた。LGBTなどの性的少数者が思いを共有する「LGBT成人式」は今年、富士市内の会場に約40人が集まった。成人式といっても年齢は問わず、参加に込めた意味もきっとそれぞれにある。
開催は今年で9年目。新型コロナ禍を経て4年ぶりとなった懇親会は、日頃は袖を通さない晴れ着やスーツの参加者がなりたい自分を体現していた。差別や偏見を排除したひとときに、満足の声は多かった。
社会の変化を聞き出そうと会場を回る中、話ができたのは市外から交流を求めて来場したという数人。そして、会場の外には声を上げていない人がいることも想像した。ただ、あるべき自身を語っている人が生き生きとして見えたのは成果の一つだと感じた。
(富士支局・宮城徹)