製紙産業 新たな市場開拓へ、事例学ぶ 富士でシンポ
富士市主催の「製紙産業イノベーション創出シンポジウム」が1日、同市のロゼシアターで開かれ、官学民の関係者が新たな市場の開拓に向けた取り組みを紹介した。
製紙関連産業の集積地域になっている愛媛県四国中央市との共催。ペーパーレス化や脱炭素化が進むなど製紙産業を取り巻く環境が変化する中、従来の市場にとどまらない持続的な事業展開を目指すために初めて企画した。
パネルディスカッションでは、富士工業技術支援センターの深沢博之さんが「業界が持っている技術を他分野に応用していくマッチングが必要」と呼びかけた。丸富製紙(富士市)の八木英一さんは「外部との接点を持ち、チャレンジを続けていくことが求められる」と語った。
愛媛大紙産業イノベーションセンターの担当者は、植物由来の新素材セルロースナノファイバー(CNF)を活用した紙製品の開発について解説した。四国中央市の製紙関連機械メーカーの担当者は、顧客との交流や共同開発がもたらした成果について発表した。
オンライン参加を含む計約300人が報告に耳を傾けた。