心開く写真の力紹介 富士 庄司さん(フォトジャーナリスト)講演【東日本大震災13年】
富士市のフォトジャーナリスト庄司博彦さんによる講演会「でも、負げねぇよ」(市教育委員会主催)が11日、同市の教育プラザで開かれ、庄司さんが東日本大震災の被災地で写真を通じて交流した子どもたちの成長を語った。
庄司さんは震災後、宮城県石巻市の中学で写真教室を定期的に開いている。生徒には使い捨てカメラを配り、一人一人が撮りたい物を見つめたり人に見せたいカットを選んだりすることが心のケアにつながっているという。
講話では、母親を亡くした少年やピアノを弾くのをやめた少女のエピソードを紹介し、写真を撮りながら次第に心を開いていく変化を説明した。「誰もが複雑な思いを抱えている中で、写真は閉じ込めていた心を解き放つことができる。自分のように外から来た人が相手だから話せることもある」と成果にも触れた。
会場には中学生が撮影した写真を展示した。
(富士支局・宮城徹)