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テーマ : 函南町

教育、地域活性…八つの肩書 あの人に聞きたい/ラジオ運営 中野あゆみさん(伊豆の国市)【NEXT特捜隊】

 教育や地域の魅力発信を中心に、県東部で数多くの活動を手掛ける中野あゆみさん(36)。長泉町の40代の女性会社員から「子育てしながらパワフルに活動する中野さん。その原動力を知りたい」と依頼が寄せられた。取材を申し込むと、トレードマークのターバンと丸眼鏡を身に着け、柔らかな笑顔で応じてくれた。

中野あゆみさん(伊豆の国)
中野あゆみさん(伊豆の国)

 

 多様な依頼 極力「うん」


 「ママ夢ラジオ」が起点となり、幅広い仕事に関わるようになりました。ママ夢ラジオの資料を作ったりPRしたりしていたら、周りの人からブランディングやSNS活用のアドバイスを頼まれるように。それが仕事になり、広報を手伝ったり事業の相談に乗ったりする「オンライン秘書事業anen(アネン)」に発展しました。
 ネットラジオの運営、全国のローカルラジオをまとめたウェブサイト制作にも取り組んでいます。地域密着の活動では、お寺を地域の人に開放して知ってもらう「お寺deなごみ」主宰、子どもとプロが作る地域情報誌「IZUCCO(いずっこ)」代表、移住をサポートする伊豆の国ぐらしイチオシ隊、市総合計画審議会委員なども務めています。依頼に「うん」と言い続けた結果です。
 

 楽しく生きると決めた


 頼まれ事は極力引き受けるようにしています。私を思い出し、声を掛けてくれた人への恩返しだと思うから。根底には、二つの経験があります。
 一つは、20歳前後に慢性的に不安が続く「全般性不安障害」を患ったことです。それまで「自分がどうしたいか」ということを深く考えていませんでしたが、意思を持つことは生きていく上で大切だと気付きました。支えてくれた夫のためにも「自分が楽しく生きよう」と決めました。
 もう一つは、妊娠中に乳がんの可能性を指摘されたこと。乳がんは治るケースが増えてきましたが、精密検査で違う病気と分かるまでの時間はとても長く感じました。命は限りがあること、生かされていることへの感謝を意識させられました。
 

 考える前にやらなきゃ


 「自分がやりたいこと」と「誰かのためになること」が重なるときは、考える前にすぐやらなきゃ。そう思っています。考えると、やれない理由ばかり浮かんでしまいます。
 ただ、スケジュールには睡眠や休息を組み込んで“余白”をつくるようにしています。自分が苦しい状態でやっていると、続かないと思うからです。
 「地域のため」とか、「ママたちを笑顔にしたい」とか。そんな立派な動機はありません。私は、自分の家族に誇れることをしたいだけ。でも私たちの活動によって、子どもたちが自分の古里をすてきな場所だと思ってくれたり、多くの人が笑顔で子育てできるようになったりすることにつながれば、とてもうれしいです。

 <profile>なかの・あゆみ 1985年、函南町生まれ。JRの駅員、ウエディングプランナー、専業主婦などを経験。現在は、全国の子育て中の女性が企画から出演まで手掛けるラジオ番組「ママ夢ラジオ」を運営する「一般社団法人夢ラジオ」理事をはじめ、八つの肩書を持って活動している。2児の母。

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