三島らしさを壁画に 源兵衛川沿いカフェ彩る
東京芸術大大学院美術研究科２年の杉山あるくさん（２３）＝函南町出身＝が２８日、三島市広小路町のカフェ「リビエール」で壁画制作を始めた。２９日までの２日間で一面茶色だった源兵衛川沿いの壁に多様な生き物を描き、水辺の散策でにぎわう観光スポットを華やかに彩る。
さまざまな人が行き交う観光スポットのため、多様性や三島らしさがテーマ。杉山さんは「宴が始まる前の楽しげな百鬼夜行」をイメージし、ドラゴンをはじめとした空想上の生き物を赤や青、緑、ピンクのペンキで鮮やかに描く予定だ。
芸術作品を店内に展示する同店は新型コロナウイルスの影響が出始めた２０２０年３月にオープン。「コロナ禍を経て、文化や芸術は精神的な救いになるとの思いを強くした」という高塚賀行店長（４２）が「道行く人の心もワクワクさせたい」と企画。同店で１月に個展を開いて以降、来店客に即興で絵を描くイベントを毎月行っている杉山さんとの縁で実現した。
卒業作品展でメトロ文化財団賞を受賞するなど今後が注目される杉山さんは「不気味でも、面白いでも、かわいいでも何かしらを感じ取り、普段の生活の中に人生を楽しむきっかけが生まれたらいい」と期待した。
（三島支局・岡田拓也）
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