函南町(定数1―2)立候補者の決意 静岡県議選
静岡県議選は9日の投開票に向け、無投票を除く19選挙区の43議席を巡って67人が激しい選挙戦を繰り広げている。人口減少や新型コロナウイルス禍で落ち込む地域経済の活性化、防災対策など課題が山積する中、候補者は何を強調して支持を呼びかけているのか。人物像と合わせて紹介する。(届け出順。名前の右のかっこ内は党派、現元新の別、丸数字は当選回数、投票日基準の満年齢の順)
足と五感 フルに生かす
岩田徹也(いわたてつや)氏(自新、46歳)
父が興した自動車整備業を32歳で受け継ぎ、懸命に仕事に打ち込んできた。その傍らで地域貢献の必要性を感じ、4年前に依頼された小学校のPTA役員や町消防団の分団長を務めた。さまざまな人から話を聞く中で地域の課題を知り、町への思いが強くなった。
高校生の娘は障害を抱え、生きづらさを感じる子どもや保護者の悩みに思いを寄せる。2019年の台風19号を受け、放水路の拡張など治水対策も重要施策に掲げる。町と県、国をつなぎ、広域的な視点からまちづくりを考える。
政治経験はないが、支援者や仲間とともに「まずは一から勉強する」。経営者として培った現場主義を貫き、足と五感をフル活用して地域を駆け回る。
住民の本音に寄り添う
広田直美(ひろたなおみ)氏(無現②、52歳)
かつて経営した飲食店が政治によって救われた。「自分のような困っている人の声を聞き、役に立ちたい」。その思いで政治家を志し、町議2期を経て県議3期目を目指す。
町の外から見る函南は、あらためて魅力の多さに気付かされる。豊かな自然と住環境、首都圏への良好なアクセス。一方で人口が減り続ける現状がもどかしい。若者が働ける場を作り、町の良さをPRする必要性を感じる。「行政の根幹」とする防災対策にも注力し、他市町と連携しながら安全安心なまちづくりを進める。
コロナ禍で感じたのは「リアル対話の大切さ」。生活に密着した住民の本音、悩みから政治は始まる。だからこそ、現場の声を何よりも大切にする。