あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 藤枝市

静岡県内公立図書館 半数超に浸水リスク 想定区域の2割が対策「できていない」 静岡新聞社アンケート

 静岡県内の公立図書館96館のうち、考えられる最大規模の降雨時に浸水すると国と県が想定する区域「洪水浸水想定区域」に位置している施設が51館あることが、11日までに静岡新聞社のアンケートで分かった。回答を寄せた94館の54・3%に上る。このうち、浸水対策が「できていない」「あまりできていない」と回答した施設が計10館(19・6%)あった。「十分できている」「ある程度できている」と回答した施設でも、館内にハザードマップを掲示していないなど、対策が不十分な現状が浮き彫りになった。
洪水浸水想定区域内(想定最大規模)に位置していると回答した図書館
 昨年9月の台風15号で静岡市立南部図書館の地下書庫が浸水し、約2万冊を廃棄する被害があった。図書館の浸水対策は喫緊の課題になっている。
 洪水浸水想定区域内にあると答えた51館のうち、天竜(浜松市天竜区)と龍山(同)は10メートル以上の浸水が想定されていると回答。春野(同)は5~10メートル、沼津市立や森町立など7館は3~5メートル、芝川(富士宮市)や島田市立など35館は0・5~3メートル、岡出山(藤枝市)や袋井など6館は0・5メートル以下の想定だった。
水害対策が出来ているか
 対策が「できていない」「あまりできていない」と回答したのは浸水区域外の5館を含めると計15館。理由を複数回答可で聞いたところ、「予算の問題」が最も多く12館。「人員不足」10館、「職員の防災の知識や意識の不足」4館と続いた。
 対策が「十分できている」「ある程度できている」としたのは53館。「避難訓練や研修」「行動計画の作成」などを理由に挙げた。ただ、「土のうや止水板などの常備」と答えたのは15館(28・3%)にとどまった。リスク周知の基本となる「ハザードマップの館内掲示」は35館(66・0%)だった。
 「被害の想定はされているが、周囲の状況などから特別な対策は必要ないと判断している」とした館が6館。同区域内に自館が位置しているかどうか「わからない」と回答した施設も1館あった。
 静岡市立南部を含め計12館が地下書庫を持つ。対策の実施状況について、半数の6館が「していない」とした。浸水だけでなく、土砂災害や津波などのリスクが併存する図書館も複数ある。アンケートは10月に行い、南伊豆町立と松崎町立を除く94館から回答を得た。
 (社会部・鈴木志穂)

 洪水浸水想定区域 国と県が水防法に基づき作成、公表している区域。県内では天竜川や安倍川など計520河川が対象。このうち公表されているのは1級河川を中心に326河川(63%)で、県は残る194河川(37%)を2024年3月末までに完成させるとしている。同区域内に含まれる図書館は今後、増える可能性がある。同区域を基に避難場所や避難経路などを盛り込み、市町村が洪水ハザードマップを整備し公表している。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

藤枝市の記事一覧

他の追っかけを読む