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テーマ : 藤枝市

静岡県盛り土条例見直しへ/伊東・メガソーラー「認められない」/地域おこし協力隊8割定着/教職員人材バンク登録促進/「ひかり」増便など国に働きかけ方針 静岡県議会12月定例会

 静岡県議会12月定例会は12日、自民改革会議の中田次城氏(伊東市)、落合慎悟氏(藤枝市)、杉山盛雄氏(沼津市)と、ふじのくに県民クラブの佐野愛子氏(藤枝市)が一般質問を行った。不適切盛り土による災害を防ぎ、生活環境を守るために施行した県盛り土規制条例について、高畑英治くらし・環境部長は「条例を見直し、災害防止の規制は盛り土規制法で行う」との方針を示し、環境面の規制も合理化するとした。中田氏への答弁。

 県盛り土規制条例は、熱海市伊豆山の大規模土石流を教訓に制定されたが、事業者に土壌や水質の検査を求めるなど規制の厳格化に伴い、工事の遅れや価格高騰を懸念する声が上がっていた。各種団体の要望を受け、県は土壌調査手続きを簡略化し、出先機関に申請窓口を設置するなど運用面の規則を一部改正した。
 一方、国は23年5月に盛り土規制法を施行し、全国一律で盛り土の高さや面積などを規制し、安全性を確保するための許可基準を設けた。県は25年5月までに同法を本格運用する方針。
 現状のままでは、同法と県条例の「二重規制になる」と指摘した中田氏に対し、高畑部長は規制力の強い同法で災害防止に関する規制を行うため、条例を改正する方針を示した。環境上の規制については、関係団体の意見や他法令による規制の状況を踏まえて「合理化していく」と述べた。また、条例を円滑に運用できるよう、許可申請の受け付けや審査に関わる職員の研修を充実させるなどして体制を整えるとした。
 (政治部・豊竹喬)

静岡県「認められない」 伊東・メガソーラー
 伊東市八幡野の大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設計画で、事業者の伊豆メガソーラーパーク合同会社が県に提出した林地開発変更許可申請について、高畑英治くらし・環境部長は「現時点において認められない」と述べた。中田氏への答弁。
 同市はメガソーラー規制条例に基づき、同社の建設事業に同意しておらず、市が管理する八幡野川の河川占用許可申請も不許可としている。高畑部長は、事業地内の防災施設を設置する上で、事業者と市の間で調整がついていないと指摘し、林地開発許可要件である「災害の防止」を満たしていないとした。

地域おこし協力隊 終了後も定着8割
 森貴志副知事は地方に移住して活性化に取り組む「地域おこし協力隊」の隊員について、任期終了後もそのまま地域に定着した人の割合が約8割に上っていると明らかにした。落合氏への答弁。
 県によると、2022年3月末までに任期を終えた125人のうち、97人がそのまま地域にとどまっている。定着率は77・6%で、全国平均の65・4%を上回った。
 森副知事は隊員のさらなる増加と地域への定着を促進するため、「隊員が気軽に相談、交流できる環境整備が必要」と指摘。過疎地域での担い手確保と安定した雇用の創出を目指す「特定地域づくり事業協同組合」が隊員の定着にも有効として、県内での設立を後押しする考えを示した。

教職員人材バンク 60代の登録促進
 池上重弘教育長は、産休・育休や病気による教職員の欠員対策として取り組む教職員人材バンクについて、柔軟な働き方が可能な60代の登録者の掘り起こしを進める意向を示した。佐野氏への答弁。
 教育現場の現状を「多忙や疲弊の状況を感じていて、対策を思慮している」と述べ、教職員を退職した60代の人材活用が重要との認識を示した。今後、教育関係団体に対して人材バンクへの登録依頼などを検討するという。
 県教委が2021年3月に開設した教職員人材バンクは、教員免許が必要な非常勤講師などだけでなく、免許を必要としない部活動指導員などを希望する人も含めて情報を一元化するシステム。早期の人材確保や採用活動の負担軽減につなげる。

「ひかり」増便など国に働きかけ方針
 勝又泰宏交通基盤部長は、リニア中央新幹線開通後の東海道新幹線のダイヤについて、県内各駅での停車回数が増加する可能性が示された国の調査結果などを参考に、「ひかり」の増便などの改善要望と需要喚起策の検討を進め、国やJR東海に働きかける方針を示した。杉山氏への答弁。
 勝又部長は、JRが開業後の運行体系を「開業時期の経済情勢や他の輸送機関の動向を踏まえて開業が近づいた時点で決定する」などと説明していることを紹介した。
 開業後のダイヤは「県民の県内外の移動だけでなく、地域経済の発展につながる重要な課題」との認識を示し、沿線市町と利便性が高まるダイヤ実現を目指す意向を示した。

一般質問要旨 自民・中田氏

 静岡県盛り土規制条例は善良な個人や事業者にも例外なく規制がかかり、課題が多い。5月施行の盛り土規制法との二重規制にもなる。同法の運用開始を見据え、県条例のさらなる改善が必要だ。伊東市八幡野の大規模太陽光発電所計画に関する事業者の林地開発変更許可申請は許可すべきではないと考える。県の判断は。

一般質問要旨 自民・落合氏

 地域おこし協力隊の隊員は静岡県でも年々増加しているが、活動への悩みや任期終了後の生活に不安を抱く隊員もいるようだ。自由な発想でさまざまな課題に取り組む協力隊は地域に活力をもたらす存在で、隊員が核となり持続可能な地域を実現していくことが重要だ。隊員の増加と地域への定着をどう支援するか。

一般質問要旨 ふじ・佐野氏

 2023年度は県教委管轄の小中学校の教員が76人欠員の状態で始まった。その後も体調を崩して休職する教員らが相次いでいるが、補完する教員がいない。教育現場は人が足りない危機的状況だ。県教委はこの事態をどのように捉え、対策を打ったのか。教職員の人員配置の拡充について県教委の考えは。

一般質問要旨 自民・杉山氏

 国土交通省はリニア開業後の県内東海道新幹線駅について、停車回数の可能性を現在の約1・5倍と発表したが、知事は同省を小学生扱いし、公表内容をさげすんだ。当事者意識に欠け、建設的な議論にならない。不満があるのなら具体案を持つべき。県はダイヤの在り方を検討し、JR東海や国に申し入れるべきだ。

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