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テーマ : 藤枝市

劇団「ユニークポイント」拠点移動へ 藤枝市「白子ノ劇場」24年1月閉館

 藤枝市の小劇場「白子ノ劇場」が2024年1月で閉館する。劇団「ユニークポイント」の専用劇場として多くの演劇ファンや市民に親しまれた約6年。劇団主宰で劇作家・演出家の山田裕幸(焼津市出身)は「やれることは全てやった。貴重な創作の場だった」と感謝を込めて振り返る。

「市制施行70周年を迎える藤枝を演劇で盛り上げたい」と語る山田裕幸=12月上旬、藤枝市の白子ノ劇場
「市制施行70周年を迎える藤枝を演劇で盛り上げたい」と語る山田裕幸=12月上旬、藤枝市の白子ノ劇場

6年の活動支えた 創作の場  同劇場が入る築約50年の建物の取り壊しを見据え、管理する不動産会社から今年2月に退去の要請があったという。12月9~11日にユニークポイントの最終演目「5deer」を上演。来年1月のワークショップ「みんなでつくる演劇」が最後の活動となる。
 1999年に東京で活動を始めたユニークポイントが藤枝市に拠点を移したのは2018年。席数約40の小劇場で、新作8本を含む15本の公演を行った。山田は「特に(20年からの)コロナ禍では、自分たちの稽古場兼劇場が存在することが大きな力になった」と話す。感染状況に応じた細かい日程調整などは、自前の劇場があったからこそ可能になったという。感染対策として劇場に“個室”を作った体験型演劇「ザムザオンザベッド」をはじめ、空間を自由に使えることが多様な創作につながった。舞台と客席、ロビー、住居が一つのフロアに収まる約500平方メートルの広さも劇団運営の安定に寄与した。
 約6年の活動で、劇団の県内での知名度は格段に向上した。22年から始まった春の広域イベント「藤枝ノ演劇祭」は来年3月、3回目の開催を予定する。山田によると「白子ノ劇場」の機能を受け継ぐ劇団の新たな拠点が、同市内で計画されている。
 「県内のほかの劇団や関係者とも連携して、演劇を見るだけでなく“やる”楽しさも伝えたい。海外との交流も深めていく」
 (教育文化部・橋爪充)

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