三保沖・船釣り カワハギ竿頭28匹 選択肢多く試行錯誤【魚影を追って】
筆者の今年の初釣りはカワハギ。1月初旬、静岡市清水区の開業したての釣船NBJr.(エヌビージュニア)で三保沖へ出撃。釣果は15~30センチを乗船者6人で58匹。この数だけ見れば好漁なのだが、トップは28匹。筆者を含むほとんどの人が1桁釣果で、カワハギ釣りの奥深さを、まざまざと思い知らされる釣行となった。
三保造船横へ集合し、各自支度を整え出船。午前6時半、釣り開始。1投目から本命を釣り上げたのは、右舷舳先、同区の長沢宣裕さん。道具、仕掛け共に、ひと目でカワハギフリークと分かる手だれだ。
筆者は魚を釣った3人を写真に収めたところで、船長に風の吹く頃合いを聞くと、意外と早く吹き始めるかもしれないとの見立て。矢も盾もたまらず釣りを開始した。
専用仕掛けにアサリのむき身を刺し、20メートルほどの海底に届ける。「コンッ」という感触で、海底は硬い岩盤だと分かる。
竿下に仕掛けが来るように底取りを数回繰り返すと、ククッと穂先に当たり。合わせを入れる決定打ではない気がして、より強い当たりを待つ。当たりが途切れたタイミングで仕掛けを回収すると、餌はきれいに取られている。
3投目、期待していた当たりを捉え、まずは1匹。このポイントでは小ぶりな15センチ。3投で1匹なら、終了までの4時間があれば、それなりの数釣りができると踏んだのだが、そうは問屋が卸さなかった。
隣に入った藤枝市の塩川恵美子さんは、カワハギ初挑戦。最初は当たりが分からないと苦笑していたが、連れの人や船長の指導の下、釣り開始2時間後にまずは1匹目をゲット。船長からは5匹目標ね!と励まされる。
カワハギは海底がメインのタナだが、重りを海底につけて、その重さを穂先でギリギリ感じないところをキープして当たりを出す「ゼロ点」や、わざと底から重りを離して宙吊り状態で当たりを捉える「浮かせ」など、さまざまな釣り方がある。
餌持ちの善し悪しも釣果に影響し、それには針への刺し方も関わる。とにかく選択肢が非常に多い。
久々にガツッと良い手応えで「やった!」と思い、巻き上げを開始するとフッと軽くなった。残念、針外れ、と思ったら針が折れていた。ここには30センチを超える良型がいる。針の強度にも気を配らなければならない。
塩川さんは1匹目を皮切りに波に乗り始め、筆者を軽く置き去りにした。
11時半、沖上がり。試行錯誤の中、筆者は5匹しか手中にできなかったが、塩川さんは8匹、長沢さんは28匹とダントツだった。
NBJr.は、現在はカワハギをメインに、タイラバ、ティップラン、中深海など、近場のポイントを中心に多彩な釣りを提供してくれる。
乗り合いでも1人から出船可能とのことで、船釣り愛好者にとっては非常にありがたい営業形態だ。
筆者は今回得た教訓から、キッチリ修正して次回に臨む事を誓ったのは言うまでもない。
問い合わせは、釣船NBJr.<電090(8670)8293>へ。
(松田智博・フィッシングライター)