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テーマ : 函南町

函南町の観光振興 脱“通過点”へ魅力発信【記者コラム 湧水】

 伊豆への玄関口に構える道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」(函南町)が1日、開駅から5周年を迎えた。隣接する伊豆わさびミュージアム、めんたいパークなどを含め、特に連休中は大勢の観光客でにぎわう。一方、同町は伊豆に向かう“通過点”としてのイメージも色濃い。町内の豊かな自然や食、観光資源を生かし、滞在時間を少しでも増やす努力が欠かせない。
 その一つとして注目されるのがご当地グルメ。地元産の食材を使ったメニューは、その土地ならではの魅力となる。同町でも2018年度、特産の丹那牛乳で作る「函南カルボナーラ」が立ち上がった。町は国の交付金を受けて500万円の予算を計上し、民間企業にブランドのプラットフォーム(基盤)づくりを委託。数軒の飲食店が独自レシピを考え、提供を開始した。
 フェイスブックなどSNSを使った函南カルボナーラの情報発信にも乗りだし、企業への委託が終了した19年4月からは町が管理を担っている。ところが、フェイスブックに掲載されている最新の記事は「19年3月29日」。町に運営が移ってからの3年間、ただの一度も更新されていない。
 プラットフォームは立ち上げただけでは意味がなく、そこで活動するプレーヤーを増やし、育てていく取り組みが重要だ。町は「商工会や各業者に活用してもらい、ブランドを広めてもらうのが理想」とするが、十分な指導や働き掛けもなしにできるはずがない。道の駅などにパンフレットを置いて配るだけでは、ブランドの定着は難しいだろう。
 一事が万事―と言うつもりもないが、地域の魅力を発信する町の本気度が問われている。町内には多くの観光資源と豊かな自然があり、首都圏からの交通アクセスも良好。観光的にも“通過点”に甘んじるような地域ではないはずだ。
 仁科喜世志町長が2期目に入り、町は4月からメディア向けの定例記者会見を始めた。まずは一歩前進と評価できる。各自治体ともシティープロモーションに力を入れる中、積極的な情報発信は町の生命線と位置付けたい。
 

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