経済部 金野真仁
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最賃審議、静岡県内本格スタート 「目安ありき」決め方に異論 8月5日、静岡労働局に答申へ
厚生労働省諮問機関の中央最低賃金審議会が示した2024年度の最低賃金(最賃)引き上げ目安額を受け、静岡地方審議会で26日、県内の最賃改正に向けた本格的な議論がスタートした。全都道府県が過去最高の一律50円引き上げとする目安額に対し、使用者側の審議委員からは「目安ありきの決め方は納得できない」と異論が相次いだ。労働者側は物価高の中で低所得者の生活を支える賃上げの必要性を強調した。 国の目安額に対して中央審議会で意見が一致しなかった点について、使用者側の委員は「使用者は合意せず、歩み寄ったわけではない」とし、地方の事情を踏まえた「エビデンス重視の議論をしていきたい」と述べた。他の委員は「物価高
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建設DX、人材教育の事例共有 全国ネットワーク 三島でイベント
全国の建設業108社によるネットワーク「オンサイトX」の交流イベントが24日、三島市の加和太建設で開かれ、会員6社が現場のデジタル化や人材教育などの取り組みを発表した。スタートアップ(新興企業)とも連携し、人手不足が深刻な業界の課題解決に挑む各社のノウハウ、アイデアを共有した。 群馬県の石川建設は建設DX推進部を立ち上げ、ドローンを活用した測量や定期撮影などをサポートする建設ディレクターを配置。ITを駆使して現場作業を支える仕組みを整えたことで「作業員がコア業務に集中できる」とした一方、デジタル化がなじまない作業への対応や写真、動画の作成にかかる手間などの課題にも触れた。 加和太建設はス
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静岡人インタビュー「この人」 内部通報窓口サービスの新会社を設立 和田康佑さん(静岡市葵区)
しずおかフィナンシャルグループ(FG)の社内ベンチャー制度に基づき、企業向け内部通報窓口サービスの新会社「リレイズ」を立ち上げた。人工知能(AI)を活用し、不祥事やハラスメントなどの相談を匿名で受け付ける。42歳。 ―どんなサービスか。 「自動会話プログラムのチャットボットで不祥事などの情報を入力してもらう。写真などの証拠も添付でき、内容はオペレーターが要約した上で契約企業の管理部門に伝える。匿名、実名は本人が選択し、原則として企業側と接触しない形でやりとりを進める。ハラスメントのほか、設備導入の要望など職場改善への提案も受け付ける」 ―サービスの企画意図は。 「きっかけは身近で起き
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夏季一時金82万2812円 静岡県内民間労組 第2報
静岡県が23日までに発表した県内民間労組の夏季一時金要求・妥結状況第2報(9日現在)によると、調査対象500組合のうち192組合が妥結し、平均妥結額は加重平均で82万2812円、支給月数は2・65カ月だった。前年同期(238組合妥結)を金額で5万8083円、月数で0・11カ月上回った。 業種別は製造業が平均妥結額87万5334円(支給月数2・76カ月)、運輸・郵便業が50万2472円(1・84カ月)といずれも前年同期を上回った。従業員規模別は300人以上が84万6959円(2・72カ月)、299人以下が59万7287円(2・23カ月)だった。 一時金を要求した203組合の平均要求額は加重
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河川環境 すみか作り 機運を次代へ【ウナギつなぐ 絶滅危惧10年㊦】
「ウナギだ!」「カニもエビもいる!」 海から約300メートル、穏やかな潮風が吹く庵原川(静岡市清水区)の河口近くで歓声が響いた。川に設置した石倉かごの中から姿を現す多彩な生物に、大人も子供も興味津々。21日、地元住民を主体とする「いはらの川再生PJ会」のモニタリング調査で大小56匹のウナギが見つかった。 間口が狭く、奥行きが細長い建物を「うなぎの寝床」というように、ウナギは川底の地中や岸壁の割れ目など窮屈な場所を好む。しかし、治水対策として全国の河川に普及したコンクリート護岸はウナギのすみかを奪い、生息数を減少させた。石倉かごは、そんなウナギの“シェルター”として
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中小DI 2期連続悪化 県信金協調査 原材料高騰響く 4~6月期
静岡県信用金庫協会がまとめた合同景況調査によると、4~6月期の県内中小企業の業況判断指数(DI)はマイナス18・4で、2期連続の悪化となった。自動車メーカーによる認証不正の影響などで県西部の製造業が落ち込んだほか、原材料価格の高騰や人手不足も幅広い業種の足かせとなっている。7~9月はコスト増加分の価格転嫁や販路拡大により業況の改善を見込んだ。 調査は県内9信金の取引先1200社(回答率99・9%)が回答した。地区別DIは東部マイナス19・3(1・8ポイント上昇)、中部マイナス11・1(4・4ポイント上昇)、西部マイナス19・8(3・2ポイント下降)で、全体のDIは0・6ポイントの悪化となっ
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静岡県内企業 設備投資「計画」60.8% 4年ぶり下降 24年度調査
信用調査会社の帝国データバンク静岡支店が18日までにまとめた2024年度の設備投資調査によると、県内企業329社のうち「設備投資計画がある」と答えたのは60・8%(5・0ポイント下降)だった。前年度を下回るのは4年ぶり。長引く円安や物価高、人件費の高騰などで先行きを見通せず、省力化やデジタル化などの必要性を感じつつも設備投資に踏み切れない企業も一定数に上った。 設備投資を「予定していない」は30・4%で4・0ポイントの上昇。理由は「先行きが見通せない」が43・0%で最も多く、「投資に見合う収益を確保できない」「現状で設備は適正水準」がいずれも23・0%と続いた。「製品コストの上昇で利益が見
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長引く円安 外国人苦境 母国家族への仕送り目減り 静岡県内企業 職場環境改善に力
歴史的な円安が長期化し、母国に送金する外国人労働者の負担が増している。国によっては年金制度がなく、仕送りの目減りは親の死活問題になりかねない。円の価値下落を受けて送金額を上乗せする外国人も多く、「非常に大変」との嘆きも。雇用主は貴重な労働力の定着に向け、外国人が働きやすい職場環境の整備に力を入れる。 2020年に来日したインドネシア人女性のアニサヌルファトナさん(24)は、介護資格を取得して5月から特別養護老人ホーム「百々山」(浜松市天竜区)で働く。同僚との関係は良好で、特に同国出身のイラヌルファリラアグシティナさん(27)、マルカナさん(27)とは互いに助け合う仲だ。「日本が好き。ずっと
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増える静岡県内外国人労働者 地域の受け入れ態勢が鍵
静岡労働局がこのほどまとめた外国人雇用状況(2023年10月時点)によると、静岡県内の外国人労働者数は過去最多の7万4859人(前年同期比10・3%増)。国内の人手不足を背景に受け入れの動きが強まり、外国人を雇用する事業所数も9523カ所と前年を5・6%上回った。 国が27年をめどに開始する新制度「育成就労」では、外国人の未熟練労働者を原則3年で即戦力の「特定技能1号」水準に育成する。在留期間は最長5年とし、熟練技術を要する「特定技能2号」に移行すれば事実上の永住も可能。農業や建設業など16分野で受け入れ、長期就労を促す。 外国人労働者の問題に詳しい静岡文化芸術大(浜松市)国際文化学科の
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今春の採用計画「充足せず」64% 入社「ゼロ」も2割超 静岡県内企業実態調査
静岡県内経済団体や大学などで組織する「しずおか産学就職連絡会」が12日までにまとめた静岡県内企業の新卒採用実態調査によると、2024年春の採用計画人数を「充足しなかった」とする企業は64・1%(前年比7・6ポイント上昇)で、調査を開始した11年以降で最も高かった。採用活動の印象を「大変厳しかった」が47・7%に上り、「やや厳しかった」との合計は前年を10・1ポイント上回る79・5%となった。 調査は無作為抽出した1200社を対象に行い、347社から回答を得た。ほぼ全ての企業が1人以上の採用計画を立てていたものの、最終的な入社人数が「ゼロ」は21・5%(3・8ポイント上昇)。同連絡会は「人
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静岡ガス バイオガス事業に参画 インド企業に出資 温暖化防止期待
静岡ガスは11日、インドでメタンを主成分とするバイオガスの生成、販売を手がけるファームガスプライベートリミテッド(FG社)に出資すると発表した。牛ふんや稲わらを発酵させて作るメタンガスは車の燃料などとして普及が進み、有効活用により地球温暖化の防止効果も期待される。国家戦略としてバイオガスの利用を促進する同国で日本の技術を取り入れ、生産能力向上を図る。 同社のプラントで生成されるバイオガスは1日に5トン程度で、乗用車600~700台分の燃料を満たす量という。静ガスはメタンと不純物を分離させる日本企業の技術などを活用して生成を効率化するほか、設備も増強させて生産量を1日15~18トン程度に増やす
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⚾高校野球観戦もキャッシュレス 静岡大会、入場券の販売迅速化
静岡県高校野球連盟は、第106回全国高校野球選手権静岡大会で、各球場の入場券販売にキャッシュレス決済を導入して支払いの迅速化を進めている。準決勝や決勝では多くの観戦者が見込まれ、炎天下の売り場前に並ぶ待ち時間を少しでも減らして熱中症予防にもつなげる。 キャッシュレス決済の機材を提供する静銀カード(静岡市清水区)によると、クレジットカードや交通系を含む電子マネーなど「QRコード以外はほぼ全て対応可能」という。タッチ決済やスマートフォンでの支払いもでき、所要時間は1人約5秒。現金を用意して釣り銭を受け取る手間がなく、クレジットカードなどのポイントも付与される。 初めて導入した昨年の入場券購入
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8信金 最終増益 3月期決算 島田掛川も黒字確保 資金運用など堅調
静岡県内9信用金庫の2024年3月期決算が5日までに出そろった。資金運用収益の増加などで8信金が最終増益となり、前年に大規模な赤字を出した島田掛川も黒字を確保した。社会経済活動の正常化で高まる中小企業の資金需要を取り込み、貸出金残高(期中平均)は7信金が前年水準を上回った。一方、今後の金利上昇は取引先企業の収益を圧迫しかねず、各信金は経営改善支援などきめ細かな対応を強化する。 本業の収益力を示すコア業務純益が伸びたのは6信金。浜松いわたは法人のM&A(合併・買収)や事業承継支援に関する手数料収入など役務取引等収益が堅調に推移し、前年比33・4%増と大幅に伸長した。沼津は25・7%増、しずおか
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日経平均株価が最高値更新 静岡経済研専務理事「円安で割安感、日本企業への期待」
日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)の終値が史上最高値を付けた。静岡県内経済への影響や今後の見通しについて、静岡経済研究所(静岡市)の恒友仁専務理事に聞いた。 日本企業の収益性とガバナンス向上に対する海外投資家の期待は大きく、円安による割安感もあって日本株に投資しやすい環境が続いている。前日には利下げへの期待感から米国の半導体株が買われ、その流れが日本市場に好影響を及ぼした可能性がある。米国経済の先行きと利下げのタイミングは、日本の株価を左右するポイントになっている。 東証プライム市場に上場する企業の時価総額を指数化したTOPIXの最高値更新は、日経平均株価よりもマクロ的に日本経済の
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子供優先 無理なく 中原精密(静岡) 製造現場女性9割「人手不足の悩みなし」
設立40年を4日に迎えた部品加工業の中原精密(静岡市駿河区)は、従業員45人のうち女性が40人を占める。“男社会”と思われがちな製造業の現場で女性が機械を操り、ミクロン単位の緻密な金属加工も手がける。創業以来、近所の主婦を集めて生産を続けてきた同社の軸は「子供が最優先」。子育て中の母親も無理なく働ける職場は、今も「人手不足の悩みはない」という。 長さ2センチほどの金属部品を、回転するヤスリに当てて削る―。きれいに整頓が行き届いた工場で、細かな手作業を繰り返す従業員。「仕事が丁寧で繊細、根気も強い。女性ならではの良さを感じている」。岩崎篤社長(54)が目を細める。半
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【東証史上最高値】実体経済との差大きく(静岡経済研究所 恒友仁専務理事)
東証株価指数(TOPIX)と日経平均株価の終値が史上最高値を付けた。県内経済への影響や今後の見通しについて、静岡経済研究所(静岡市)の恒友仁専務理事に聞いた。 ◇ 日本企業の収益性とガバナンス向上に対する海外投資家の期待は大きく、円安による割安感もあって日本株に投資しやすい環境が続いている。前日には利下げへの期待感から米国の半導体株が買われ、その流れが日本市場に好影響を及ぼした可能性がある。米国経済の先行きと利下げのタイミングは、日本の株価を左右するポイントになっている。 東証プライム市場に上場する企業の時価総額を指数化したTOPIXの最高値更新は、日経平均株価よりもマクロ的に日本経済の
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「地元産」の新紙幣に感慨 日銀支店、静岡県内金融機関に払い出し
日銀は3日、約20年ぶりにデザインを刷新した紙幣の発行を開始した。精巧な偽造防止技術と、外国人らも使いやすいユニバーサルデザインの導入が特徴。日銀静岡支店は同日、国立印刷局静岡工場(静岡市駿河区)で製造された573億円の新紙幣を静岡県内金融機関に払い出した。各銀行、信用金庫は準備が整い次第、取り扱いを始める。 発行初日に取り扱いを開始した静清信用金庫本店(同市葵区)では、新紙幣を求めて両替に訪れる来店客も見られた。同市の飲食店経営八木励さん(63)は窓口で受け取り、「早く見てみたいと思っていた。新鮮な感じで面白い」と満足げ。同本店営業部の山梨有香事務長は「何カ月も前から問い合わせが寄せられ
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役員と全社員が意見交換 静岡ガス 年内250回、1800人
静岡ガスは、役員とグループ社員が座談会形式で意見交換するタウンホールミーティングを重ねている。役員11人が各拠点を回り、5~7人ずつの社員から仕事や会社に対する声に耳を傾ける。年内に計250回の開催を予定し、非正規を含む全社員約1800人が参加する。 6月中旬のミーティングには20~60代の社員7人が集まり、杉山武靖常務との懇談に臨んだ。テーマは「静岡ガスの好きなところ、嫌いなところ」。若手の男性社員は「若い人にも挑戦させてくれる」と語り、充実した新入社員の研修制度なども好印象とした。ただ「良くも悪くも考え方の似たもの同士が多い。専門性の高い人が少ないかも」と指摘した。 ある社員は「異動先の
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日銀静岡支店6月短観 2期連続で県内DI悪化 製造業中心に落ち込む
日銀静岡支店が1日発表した6月の県内企業短期経済観測調査(短観、回答260社、回答率99・6%)は、景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業でプラス5だった。3月の前回調査から2ポイント下降し、2期連続の悪化となった。自動車メーカーなど5社による型式指定の認証不正と停滞する中国経済の影響が下押し要因となり、製造業を中心に景況感が落ち込んだ。 製造業はマイナス8で、前回調査比7ポイント下降。輸送用機械が14ポイント下降のプラス4、はん用・生産用・業務用機械が4ポイント下降のマイナス8。素材業種の木材・木製品は20ポイント下降のマイナス60、紙・パルプは11ポイント下降のマイナス22で、人手不
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静岡県内路線価 横ばい 15年ぶり下げ止まり 都市部中心に人流回復
国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2024年分の路線価(1月1日時点)を公表した。静岡県内約9千地点の標準宅地の対前年変動率は横ばいとなり、2009年以来続いた下落が15年ぶりに止まった。新型コロナウイルスの5類移行に伴う人流回復が都市部を中心に広がり、駅前再開発事業への期待感も追い風に評価額が上昇する地域も見られた。 県内13の税務署別最高路線価で上昇したのは熱海、浜松東、清水管内などの6地点で、前年よりも3地点多い。最も上昇率の高い熱海市の平和通りは10・0%のプラスと、2年連続で2桁の伸び率。このほか静岡市清水区草薙で5・3%、浜松市中央区和田町で4・8%と、いずれも前年の
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駅前再開発への期待大きく各地で上昇、回復基調 静岡県内路線価
1日公表された静岡県内13税務署の最高路線価(1月1日時点)は、社会経済活動の正常化に伴う人流増加により各地で上昇、回復基調が強まった。JR静岡駅、三島駅など再開発事業が進むエリアでは市街地の将来性に対する期待感も高い。新型コロナウイルス禍で広がったテレワークから出社勤務に戻す企業が多く、首都圏へのアクセス良好な本県はオフィス需要も堅調に伸びている。 JR静岡駅北側の紺屋町・御幸町地区では、2029年の完成を見据えた市街地再開発事業が進む。葵タワーに並ぶ地上110メートルの高層ビルを建設し、マンションのほか低層階にオフィス、店舗を構えて街中のにぎわいを生み出す。15年の準備組合設立から9年
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静岡ガス 高級魚養殖へ 静岡支社に設備 ノウハウ蓄積
静岡ガスは、沖縄県沖など温暖な海域に生息する高級魚ヤイトハタと海ぶどうの陸上養殖を試験的に開始する。静岡市駿河区の同社静岡支社に小型の養殖設備を導入し、1年目は約100匹の稚魚を飼育する計画。ノウハウを蓄積しながら養殖する魚の量と種類を増やし、将来の世界的な人口増加に対応したタンパク質の提供など社会課題の解決につなげる。 アーク(東京)が提供する陸上養殖システムを導入し、ろ過装置で水を循環させながらヤイトハタの稚魚を1年で1~1・5キロの大きさに成長させる。一緒に養殖する海ぶどうは魚のふんに含まれる窒素を養分とし、酸素も排出して水質を浄化する。水の入れ替えが不要になり、寄生虫や病原菌のリス
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5月の静岡県内有効求人1・11倍 製造業中心に採用見合わせ
静岡労働局が28日発表した5月の県内有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0・04ポイント下降の1・11倍で、全国値(1・24倍)を20カ月連続で下回った。原材料・エネルギー価格の高騰や停滞する海外経済の影響を受け、製造業を中心に求人を見合わせる動きが広がった。人員整理など事業主都合による退職者も増加し、有効求人倍率の下降が続いている。 産業別の新規求人数は、製造業が前年同月比12・4%減の2779人。人件費を含むコスト上昇分の価格転嫁が進まずに収益を確保できない企業も多く、幅広い製品種目で求人数が落ち込んだ。宿泊業は32・9%減の627人で、新型コロナウイルスの5類移行により求人が増加した
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供給網全体でCO2削減 鈴与商事と都内2社連携 可視化 提案
鈴与商事は27日までに、温室効果ガス排出量の可視化システムを開発、販売する2社とデータ連携に関する基本合意を締結した。主に大企業が使う高機能システムと中小企業向けの低価格帯サービスを連携させ、サプライチェーン(供給網)全体で二酸化炭素(CO2)排出量の把握、削減につなげる。 同社とウイングアーク1st(東京)が共同開発したシステム「エコニパス」は電力やガス、ガソリンなどの消費量を入力すると、CO2排出量を自動算定する。排出方法やエネルギー種別でもグラフ化され、価格は月額4800円と中小企業にも利用しやすい。一方、ゼロボード(東京)が提供するシステムは、エコニパスの機能に加え、社員の出張時や物
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景況感3期連続改善 静岡県内経営者 24年下期 価格転嫁広がり見込む
静岡経済研究所が26日発表した県内企業経営者の2024年下期(7~12月)景気見通し調査は、景況感を示す業界景気見通し指数(BSI)がプラス11で、3期連続の改善となった。原材料・エネルギーの価格高騰や仕入れ値の上昇が続く中、価格転嫁の広がりを受けて増収を見込む企業が多い。一方で深刻な人手不足に対する懸念も大きく、先行きへの不透明感は強まっている。 製造業(11業種)はプラス8、非製造業(7業種)はプラス13。業種別では全18業種のうち、改善が12業種、悪化が6業種だった。販売価格、数量の増加で売上額の伸長を見込む企業が製造、非製造業ともに多い一方、原材料・仕入れ価格と賃金の上昇に伴う負担
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しずおかFG社員提案で初の事業化 企業向け内部通報サービスの新会社 AI活用しハラスメントなど受け付け
しずおかフィナンシャルグループ(FG)は24日、社内ベンチャー制度に基づき社員が事業化を提案した企業向け内部通報窓口サービスの新会社「リレイズ」を設立したと発表した。人工知能(AI)を活用し、契約先の社内で生じた不祥事やハラスメント、職場改善の要望など幅広い相談を匿名で受け付ける。通報者と企業の管理部門を仲介し、問題の重大化防止や早期解決につなげる。 サービスを利用する企業の社員は、スマートフォンやパソコンから専用ウェブサイトに入り、自動会話プログラムのチャットボットで相談内容を入力する。最初はハラスメントの種類や発生した部署といった質問への答えを選択し、徐々に具体的な状況を書き込む形で対
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迫る7月3日新紙幣発行 静岡県内飲食店など準備急ぐ 券売機や釣り銭機更新 認識装置品薄で対応遅れも【動画あり】
7月3日に迫る新紙幣発行に向けた準備が、県内の飲食店や観光施設などで進んでいる。従業員による会計作業の手間を省く券売機やセルフレジの導入が広がる中、各店舗は新紙幣に適応した機材への更新を急ぐ。ただ、高まる需要を受けてお札を認識する券売機のユニット(装置)は品薄状態で、メーカーや販売店が対応に苦慮するケースも出ている。 「だいたい半年待ちぐらい。注文を受けたお客さまにはそう伝えている」。券売機などを製造する三幸エンジニアリング(静岡市)の青木兼弘社長によると、挿入した新紙幣を識別するユニットの納入期間は早くても5カ月ほど。既存の券売機もユニットを交換すれば新紙幣を使用可能になるが、「今のまま
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コア預金評価の意義学ぶ 静銀など6行が勉強会
国内金利が上昇局面を迎える中で銀行が持つ資産と負債の価値を正確に把握し、適切な経営リスクの管理につなげる地銀6行の勉強会が21日、都内で初開催された。静岡銀行が9月から新たに導入する「コア預金評価モデル」が紹介され、金利変動を踏まえた経済価値の計測により預金を有効活用する仕組みと意義を考えた。 静岡銀と他県の地銀でリスク管理を担当する行員が参加した。マイナス金利下では「コスト」とみなされてきた預金の重要性が各行で見直される中、「預金を集める感覚のない行員の意識変革は不可欠」との声が上がった。引き出されずに滞留するコア預金の価値を可視化し、将来余力を把握して事業や融資の原資に活用することが収
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静岡に宿泊施設誘致 しずおかFG新会社、市と契約 訪日客需要 対応強化へ
しずおかフィナンシャルグループが昨年11月に立ち上げた新会社のSFG不動産投資顧問は20日、静岡市と宿泊施設誘致に向けた調査に関する有償コンサルティング契約を締結した。市が観光戦略に掲げるインバウンド(訪日客)需要への対応強化を見据え、ハイブランドホテルを中心に市内への進出可能性を探る。 市内の建設候補地や再開発計画などの情報を踏まえ、進出意欲のあるホテル事業者へのヒアリングを実施する。ターゲットとする客層や施設に盛り込む機能などの意向も確認し、市場調査を通じて具体的な誘致交渉につなげる。出店計画が固まれば、私募ファンド立ち上げなどの手法を検討し、資金調達を含む事業戦略の助言も通じて円滑な事
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女性向け賃貸物件検索 静岡駅1位、浜松駅2位 民間まとめ、東海4県対象
住宅賃貸物件の情報提供サービスを手がけるCHINTAI(東京)が、2023年に女性向け物件検索サイトでの問い合わせが多かったエリアの最寄り駅をまとめたところ、東海4県(静岡、愛知、岐阜、三重)では1位が静岡駅、2位が浜松駅だった。同社は新幹線による良好なアクセスと街づくりが進む駅前エリアの将来性が高評価につながっていると分析する。 駅前で再開発事業の計画が進む静岡は、前年の3位から順位を上げた。買い物や食事を楽しめる商業施設が多いほか、郵便局やクリニックも近いなど生活利便性の高さが人気という。前年と同じ2位をキープした浜松も百貨店などが立地する駅周辺のにぎわいに加え、山や海などの自然も身近
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生産面、評価引き下げ 日銀静岡支店景気判断 6月全体は据え置き
日銀静岡支店が17日発表した6月の県内金融経済動向は、「一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している」との景気の全体判断を3カ月連続で据え置いた。ただ、自動車メーカーなど5社による型式指定の認証不正で関連企業の先行き懸念が強まっているとして、生産面の評価を「横ばい圏内の動き」に引き下げた。 蒲地久司支店長は6月に発覚した自動車関連の認証不正の影響について「まだ見極められない」としつつ、関連企業が抱く不安には「合理性がある」と指摘。自動車・同部品に与える下押し圧力の長期化を見込み、「何かしら影響が出る可能性はある」との見解を示した。紙・パルプは4月の値上げ前に高まった駆け込み需要の反動
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5月企業倒産22件 従業員10人未満85% 民間調査
信用調査会社の東京商工リサーチ静岡支店がこのほど発表した5月の県内企業倒産件数(負債額1千万円以上)は前年同月比5件増の22件、負債総額は約3倍の104億1500万円だった。負債額10億円以上の大型倒産は、磐田市の不動産賃貸・管理業者(84億4500万円)による特別清算の1件。 産業別では製造業が5件増の8件と最も多く、前年同月に0件だった小売業は4件、建設業は1件増の3件。規模別では従業員10人未満が19件で85%を占め、小口倒産が目立った。地域別は東部が1件増の8件、中部が4件増の6件、西部が同数の8件だった。 原因は「販売不振」が7件増の16件で全体の7割。新型コロナウイルス関連の破綻
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AI製品拡販へ丸紅出資 自動見積もり5年1000社提供へ レボックス(静岡)
ソフトウエア開発のレボックス(静岡市清水区)は、丸紅の出資を受けて製造業の見積もりを人工知能(AI)で自動作成する製品の拡販を強化する。中小企業を中心に人手不足が深刻化する中、同製品による大幅な業務効率化を提案する。丸紅が持つ国内の顧客ネットワークも活用し、今後5年で現在の20倍となる千社への提供を見込む。 樹脂部品製造業プラポート(同区)から2021年に分社化したレボックスは、AIで図面を読み込み、過去データとの類似検索や差分表示などを行うソフトウエアを開発。プラポートでは設計や見積額の算定、部品調達などにかかる時間が従来の3日から1日以内に短縮し、担当する人員も5人から2人に削減できた
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AIがもたらす未来考察 中部未来懇話会・春季シンポ
静岡県中部地区の発展に向けた将来構想を提言する中部未来懇話会(会長・中西勝則しずおかフィナンシャルグループ会長)は12日、本年度総会と春季シンポジウム(静岡新聞社・静岡放送共催)を静岡市葵区で開いた。「AI(人工知能)の現状と今後」と題して県立大経営情報学部の六井淳学部長が基調講演したほか、行政や企業の関係者によるリレー講演も行われ、AIがもたらす恩恵やリスクについて考えた。 六井学部長はAIの本質を「もっともらしさの探索」とし、大多数の考えや成功率の高い経営戦略などを導くツールとしての有効性を強調した。ただ「確率的指標に過ぎず、うのみにするのは危険」とも指摘し、知能としてAIが人間を上回
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建設3社 若手合同研修 県営団地の現場見学 静岡市
木内建設(静岡市)、須山建設(浜松市)、加和太建設(三島市)は10日、3社合同の若手社員研修を静岡市内で開いた。従業員の高齢化が進む建設業界は担い手の確保、育成が急務で、会社の垣根を越えた若手の交流を通じて互いに学び、高め合う関係性を構築する。 入社1~6年目の計39人が参加し、木内建設を含む共同企業体(JV)が建て替え工事を進める県営住宅団地の現場を訪れた。建物内では同世代の作業員から工法や構造の特徴などについて学んだほか、夕方以降や早朝、休日は特に配慮する騒音対策、整理整頓の徹底による安全対策などの説明を受けた。いずれも木内建設で入社1年目の渡会駿さん(22)、阿部剛大さん(22)は「
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電力の需給調整市場に参入 静岡ガス&パワー
静岡ガスグループの電力事業会社「静岡ガス&パワー」(富士市)は7日までに、電力の需給調整市場に参入した。太陽光発電など天候に左右されやすい再生可能エネルギーの普及で電力の需給バランスが不安定になる中、市場の要請を受けて電力の過不足に対応する「調整力」を提供する。 液化天然ガス(LNG)を原料とするエンジン発電設備を昨年2基増設し、計4基の稼働体制で電力供給の安定性を高めた。調整できる最大電力量は1時間当たり3万800キロワットで、年間では一般家庭5万世帯分に上るという。担当者は「電力系統の安定確保は社会的な課題。解決により、再エネのさらなる普及にも貢献したい」と語る。 電力市場は需給バラ
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労災死傷者4576人、高齢者転倒多発 23年静岡県内、前年比増
静岡労働局がこのほどまとめた2023年の労働災害発生状況によると、休業4日以上の死傷災害(新型コロナウイルス感染を除く)は前年比29人増の4576人だった。転倒で負傷する高齢者が多く、外国人労働者の労災も増加傾向が続いた。死亡事故は建設業で特に多発し、同局は労災の原因を分析しながら予防策を進めている。 死傷災害を原因別に見ると転倒が最多の1191人(26%)で、墜落・転落が666人(15%)、動作の反動・無理な動作が644人(14%)など。転倒災害による負傷者は60代以上が45%を占め、50代を含めると73%に上った。業種別では製造業が1382人で前年を89人上回り、商業も15人増の701
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「正社員採用予定」6割 24年度企業調査 2年連続で下降 コスト高影響も
帝国データバンク静岡支店がまとめた2024年度の雇用動向に関する県内企業の意識調査によると、「正社員の採用予定がある」との回答は23年度比4・2ポイント下降の60・2%だった。前年度を下回るのは2年連続。原材料などのコスト高で収益が圧迫され、採用を控える動きが小規模企業で顕著になっている。 正社員の採用予定がある企業のうち、全体の採用人数が「増加する」は5・0ポイント上昇の24・8%、「減少する」は1・6ポイント下降の7・8%。規模別では大企業75・6%、中小58・0%、小規模37・0%。パートや派遣社員など非正社員の「採用予定がある」は3・0ポイント下降の46・3%と3年ぶりの前年度割れで
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2025年卒の学生採用選考解禁 企業説明会など活発化 「働きやすさ」アピール
来春卒業予定の大学、短大、専門学校生らを対象にした採用面接などの選考活動が1日に解禁され、静岡県内でも合同企業ガイダンスや就職面接会などが始まった。人手不足を背景に学生優位の〝売り手市場〟が続く中、企業は休日の確保や研修制度の充実などで働きやすさを強調。大企業を中心に内定の早期化が進み、学生も自分に合った仕事を求めて就職活動を本格化させている。 静岡労働局などが主催の「しずおか就職フェア」は3日、浜松市を皮切りにスタートした。社会福祉法人「三幸会」(浜松市)のブースでは、育児休暇取得率と取得後の復職率がともに「100%」とする張り紙で良好な職場環境をPR。介護人材の確保が難しい中でも全体の
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余剰電力を複数社で融通 静岡の恩田原・片山エリアで静ガス子会社 再エネ利用、最大化
土地区画整理事業が進む静岡市駿河区の恩田原・片山エリアで太陽光発電事業を展開する静岡ガス子会社の「S&F地域マネジメント」は、太陽光由来の電力をエリア内の複数社で融通する新たなシステムの運用を開始した。倉庫の屋上などにソーラーパネルを設置できない企業に他社の余剰電力を供給し、エリア全体で脱炭素を推進する。 静ガスとともにS&F社に出資するフジタの子会社「恩田原・片山2A開発」が運営する倉庫と、隣接する「生活協同組合ユーコープ」の物流拠点を電線で結んだ。屋上に3200枚のソーラーパネルが設置された2A社の倉庫は約200万キロワット時の年間発電量が想定されるものの、使用量は約25%にとどまる。
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環境価値購入し、アイスタ電力に付加 鈴与電力 地元産再エネ 実質100%
サッカーJ2清水エスパルスの本拠地IAIスタジアム(静岡市清水区、アイスタ)に電力を供給する鈴与電力は本年度、静岡県内で産出された再生可能エネルギーの環境価値を購入し、同スタジアムで使用する全ての電力に付加する取り組みを開始した。電力の地産地消を推進し、二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロに抑える。 CO2削減など再エネの環境価値に対して日本卸電力取引所が発行する「トラッキング付非化石証書」を、オークションで年4回購入する。取引価格は1キロワット時当たり0・4~4円に設定され、アイスタで昨年使用された電力は約40万キロワット時。全量に証書を付加し、実質的に地元産100%の再エネ化を図る。
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畳石式ワサビ田の修復技術 守りつなぐ 災害被害多発、進む高齢化 求められる繊細な感覚 県内生産者対象に研修会
日本一のワサビ生産量を誇る静岡県で、伝統的な畳石式のワサビ田を修復する技術の継承が課題になっている。安定した水流を保つ畳石式のワサビ田は山間地の斜面に連なり、台風などによる崩壊、流失などの被害を受けやすい。復旧には適切な勾配や石の組み立てなど細かな築造技術が求められるが、高齢化で技術者の数は減りつつある。県は本年度、ベテランのワサビ農家を講師に本格的な技術指導に乗り出す。 「勾配は1メートルで1~2センチ。傾斜が大きいと作土が流れてしまい、小さければ水が滞留してワサビが育たない」。約40年前から伊豆市でワサビ農家を続ける塩谷広次さん(73)は、築田に求められる繊細な感覚を説明する。ワサビ栽
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“若手に伝わる対話術”習得、中堅社員が合同研修「相手目線で」
対人関係が希薄な新型コロナウイルス禍を学生時代に経験した若手社員との接し方を学ぶ中堅社員向け合同研修会がこのほど、静岡市清水区で開かれた。県中部の中小企業13社から、将来の職場リーダーとして活躍が期待される20~40代計27人が参加。入社3年以内の離職率が高い新入社員の定着と効果的な育成も見据え、より相手に伝わる指示や説明のスキル習得に臨んだ。 「庭で男性がゴルフの素振りをし、近くに犬が座っている―」 4~5人ずつの班に分かれた実習では、イラストを渡されたリーダーの説明を聞いて他のメンバーが正確に絵を描けるかを試した。答え合わせをすると、必要な要素が欠けていたり、逆に余計な絵が加えられて
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4月の静岡県内有効求人倍率1・15倍 転職活発、採用消極化 静岡労働局
静岡労働局が31日発表した4月の県内有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0・03ポイント下降の1・15倍で全国値(1・26倍)を19カ月連続で下回った。物価上昇により好待遇を求める転職活動が活発化する一方、企業側にはコスト高で採用を控える動きが広がっている。正社員の有効求人倍率は7年ぶりに1倍を下回り、雇用情勢は「改善の動きに弱さがみられる」とした基調判断を据え置いた。 産業別の新規求人数は、製造業が前年同月比13・7%減の2967人。原材料・エネルギー価格や輸送コストの高騰に対して価格転嫁が進まず、求人を最小限にとどめる傾向が強まっている。卸売・小売業は2710人で、採用計画を見直した2
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静岡県内建設3社 若手教育連携 共通「育成シート」作成 人的交流で定着図る
従業員の高齢化が進む建設業界で担い手の確保・育成に向け、木内建設(静岡市)、須山建設(浜松市)、加和太建設(三島市)の県内3社が連携して若手の教育プログラムに乗り出す。現場で必要な知識、技術の習得を目的に共通の育成シートを作成し、明確な目標設定と人的交流を通じて互いに高め合う関係性を築く。小さな達成感の積み重ねを成長につなげ、若い労働力の定着を図る。 育成シートに盛り込んだ業務内容は約250項目。あいさつ、マナーから安全、施工にかかる具体的な作業工程まで、施工管理のスペシャリストとして数年間で学ぶ知識や技術を3社が出し合って作成した。成果はグラフで可視化し、それぞれの成長曲線を比べるなどコ
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記者コラム「清流」 デジタル依存
スマホを「ピッ」とかざして支払い完了。QRコード決済の登場により、買い物で現金を使う回数は劇的に減った。小銭を数える煩わしさもなく、入金も簡単にできる。これなら財布は持ち歩かなくても…。そんな油断が思わぬピンチを招いた。 昼食に入った店で、QRコード決済のアプリがなぜか起動しない。慌ててポケットに手を突っ込んだが財布はなく、できるのはスマホをひたすらタップすることだけ。奇跡的に決済コードが表示され事なきを得たが、後で知らされたアクセス障害の発生にデジタル依存の怖さを思い知った。 日常生活でIT技術に触れない日はない。便利さの半面、情報流出やネット詐欺など多くのリスクも潜む。
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「コア預金」評価モデル導入 静岡銀行、国内金利の上昇受け 将来余力把握、有効活用へ
長く低水準で推移していた国内金利が上昇局面に入る中、静岡銀行は長期間引き出されず滞留する「コア預金」の新たな評価モデルを導入する。流出リスクが低いコア預金は銀行の資金調達コストの抑制効果も見込まれ、安定性が高い。金利変動を踏まえた正確な経済価値の計測で銀行が持つ将来の余力を把握し、事業や融資の原資となる預金の有効活用と適正なリスク管理につなげる。 9月末に導入を予定する新たな評価モデルは人口動態、ボーナス支給や長期休暇など月ごとの季節要因を踏まえ、預金の粘着性から将来の預金残高を推計する。日銀による金利操作で上下する市中金利の追随率も加味し、バランスシートに内包された価値を可視化しながら
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ゴールデンウィーク人出778万人 前年比7・2%増 静岡経済研調査
静岡経済研究所がまとめたゴールデンウイーク(4月27日~5月6日)の集客動向調査によると、静岡県内観光レジャー施設や主要イベント(計243カ所)の人出は延べ778万9千人。浜名湖花博2024による観光需要の高まりに加えて交流拠点、商業施設などが県内全域でにぎわい、大河ドラマ「どうする家康」で盛り上がった前年を7・2%上回った。 新型コロナウイルス感染症の5類移行で社会経済活動の正常化が進み、人流の回復傾向が顕著となった。平日なしの10連休だったコロナ禍前の2019年(928万8千人)には届かなかったが、天候にも恵まれて県外や海外からの訪問客が前年比で増加。飲食代や入場料などの値上げによるマ
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4月倒産倍増 22件 「販売不振」最多の原因 民間調べ
信用調査会社の東京商工リサーチ静岡支店がこのほど発表した4月の県内企業倒産件数(負債額1千万円以上)は、前年同月比11件増の22件、負債総額は3・8倍の23億6千万円だった。 負債額10億円以上の大型倒産はなく、従業員数5人未満の企業が19件を占めるなど小口倒産が目立った。産業別では小売業が4件増の5件、製造業が2件増の5件、建設業が2件増の4件など。地域別では中部が同数、東部が5件増でいずれも6件、西部が6件増の10件だった。 原因は「販売不振」が6件増の13件で最も多く、前年同月に0件だった「既往のしわ寄せ」は6件。新型コロナウイルス関連の破綻も6件となり、4月に最後のピークを迎えた実質
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スポーツ用品販売のシラトリ、学販事業参入 地域密着、将来顧客獲得へ 御前崎の老舗同業店買収
スポーツ用品販売のシラトリ(静岡市)は6月、後継者不足に悩む地域の老舗同業店を買収し、学生の体操服や上履き、部活動のユニホームなどを提供する学販事業に乗り出す。人口減少に伴う需要縮小が懸念される中、児童生徒とのつながりを将来の顧客獲得への足掛かりとする。大型店販売や通販事業にも力を入れつつ、地域密着型のビジネスでさらなる浸透を図る。 買収するチヨダスポーツ(御前崎市)は1960年に創業し、地元の小中学生からスポーツを楽しむ大人まで幅広い世代に親しまれてきた。かつては周辺市町を含む3カ所で店舗を展開したが、現在は1店舗での営業。21年前に死去した創業者の沢入隆さんから経営を受け継ぐ妻のこま
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児童、銀行の仕事体験 両替や小切手印刷に挑戦 静銀呉服町支店で講座
商店街の仕事を体験する「呉服町こどもゼミな~る」(静岡呉服町名店街主催)の講座が18日、静岡市葵区の静岡銀行呉服町支店で開かれ、小学生ら17人が両替や小切手の印刷など銀行業務に挑戦した。 通常のお札と同じ素材で作った1千万円分の疑似紙幣の束に、「意外と軽い」「分厚い」と興味津々。行員からお金の数え方について教わりながらお札を扇形に広げたり、指に挟んで1枚ずつめくったりして枚数を確かめた。お金を持ち歩くリスクを減らす小切手の役割も学び、チェックライターで好きな金額を打ち込んで思い思いに印刷した。両替機に500円玉を入れて10円玉50枚と交換する作業も体験した。 厚さ25センチほどの鉄扉を
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生産好調、景気底堅く 静岡県内、主要産業4~6月期見通し
静岡経済研究所が16日までに発表した4~6月期の静岡県内主要産業景気見通しは、新型コロナウイルス禍に広がった部品の供給制約が解消に向かい、好調な生産活動を受けて底堅く推移するとした。一部自動車関連メーカーによる認証不正の影響は限定的とし、自動車部品は「普通」から「順調」へ1段階上昇。円安の影響を受ける食品・飲料も、価格転嫁の進展などで売り上げ増を見込む。 全15業種のうち「順調」は自動車部品、建設、情報サービスの3業種。「普通」は11業種で1~3月期から1業種減った。「低調」は前期から引き続き住宅の1業種。資材価格や人件費の高騰で割高感が強く、金利上昇を見据えた駆け込み需要も見られない。
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静岡県中部3月有効求人倍率 焼津以外3所で前年比下降
静岡県中部ハローワーク4所(静岡、清水、焼津、島田)がこのほど発表した3月の有効求人倍率(実数値)は、静岡が1・61倍(前年同月比0・29ポイント下降)、清水が1・14倍(0・13ポイント下降)、焼津が1・09倍(0・13ポイント上昇)、島田が0・87倍(0・09ポイント下降)だった。 業種別新規求人数は製造業で清水が6・2%減の213人、焼津が18・0%減の296人などと落ち込みが目立った。建設業は静岡が10・3%減の279人、清水が37・6%減の88人、島田が1・7%増の117人、焼津が19・5%増の141人。卸売・小売業は静岡が73・3%減の474人、島田も50・0%減の54人と前年
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静岡県内地銀3行でコア業務純益減少 2024年3月期決算まとめ
静岡県内地銀4行(静岡、スルガ、清水、静岡中央)の2024年3月期決算が14日までに出そろった。本業の収益力を示すコア業務純益が前期比で増加したのは静岡のみ。静岡中央は本業が堅調に推移したが、投資信託解約損益の影響で前期を下回った。スルガは貸出金残高の減少で資金利益が落ち込み、清水は外貨調達コストの増加が負担となった。 新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う経済活動の正常化で設備投資などの需要が高まるほか、長引く円安に伴うコスト高を受けて資金繰りに窮する地域企業も多い。実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済も本格化し、各行とも生産性向上や省力化などへの伴走支援で経営基盤の強化を後押
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しずおかFG 増収増益 3月期 役務取引が伸長
しずおかフィナンシャルグループ(FG)が10日発表した2024年3月期連結決算は、主力の静岡銀行が資金利益や役務取引等利益を伸ばし、経常収益は前期比20・5%増の3465億2600万円、経常利益は38・2%増の1022億2400万円、純利益は10・2%増の577億6千万円だった。特別損失に将来の減価償却費を前倒し計上したが、2年連続で最終増益を確保した。 静岡銀単体の業務粗利益は6・5%増の1538億3800万円。貸出金利息の増加で資金利益が1297億3600万円と前期を6・6%上回り、役務取引等利益も21・5%増の257億600万円と大幅に伸ばした。本業の収益力を示すコア業務純益は9・1%
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TOKAIHD売上高2315億円、過去最高 3月期 ガスやCATV顧客増
TOKAIホールディングスが9日発表した2024年3月期連結決算は、LPガスやCATVなどの顧客数が伸び、売上高は2315億1300万円(0・6%増)と過去最高を更新した。前期にベトナム関連会社におけるのれんの減損損失を計上した反動もあり、経常利益は16・9%増の155億3100万円、純利益は31・2%増の84億8100万円となった。 事業別売上高は、エネルギーが1・5%減の1009億7400万円。LPガスは気温高による消費量の落ち込みを顧客増で補ったが、都市ガスは仕入れコストに連動した原料費調整制度の影響で減収だった。情報通信は法人向けクラウドサービスが好調に推移し、5・0%増の566億
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環境配慮型住宅「ZEH」マンション 建設続々 省エネ性能に魅力 表示制度開始 需要掘り起こし
省エネや高断熱などの性能で国基準を満たした環境配慮型住宅「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」のマンション建設が県内で広がっている。4月に建築物の省エネ性能ラベル表示制度が始まり、環境性能が住宅価値を判断する明確な基準として位置づけられた。不動産業者は省エネによる光熱費削減や快適性といったエコ住宅のメリットを発信して需要の掘り起こしに力を入れる。 静岡市駿河区八幡で3月、ZEH基準の賃貸マンションが完成した。所有する静岡不動産(同市)によると、ソーラーパネル71枚を配置した屋上から電力が各住戸に送られ、未使用分は売電されて入居者の収入となる。二重窓や高断熱素材を採用して空調効果も
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女性管理職 横ばい20% 民間企業「いない」4割 静岡県23年度調査
静岡県が実施した2023年度雇用管理状況調査によると、県内企業の管理職に占める女性の割合は22年度と同じ20・4%だった。課長相当職以上の割合は増加傾向が続くものの、管理職登用の入り口となる係長相当職は前年度を下回った。女性の管理職がいない企業は4割に上り、政府が2020年代の目標とする「女性管理職30%」の水準にはまだ遠い。 女性管理職が占める割合は役員28・3%(2・0ポイント上昇)、部長相当職13・8%(1・9ポイント上昇)、課長相当職16・4%(1・5ポイント上昇)、係長相当職22・3%(3・4ポイント下降)。管理職に占める女性の割合を業種別に見ると、医療・福祉が57・6%で最も
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余剰電力を地域通貨で調達 静岡ガス、島田で新事業 公共施設に供給、経済循環促進
静岡ガスは23日、一般家庭の太陽光発電で生じる余剰電力を買い集め、地元の公共施設に送るサービスを島田市で開始したと発表した。各家庭への電気料金は、地元商店で活用できるデジタル地域通貨「しまだペイ」で支払う。通常よりも割高な買い取り価格を設定し、エネルギーと経済の地域循環を促進する。 調達した電力は市役所庁舎や小中学校、公民館など同市所有の47施設に分散して送る計画。同社によると、10年の固定買い取り制度(FIT)適用期間後は1キロワット時当たり7~9円程度で買い取られるのが通常だが、同サービスは同13・2円分のしまだペイを付与する。一般家庭の余剰電力は年間3千~4千キロワット時とされ、月換
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企業のCO2算定、排出削減後押し 金融など静岡県内9機関の連携会議発足 行政とも協力
企業の二酸化炭素(CO2)排出量を算定し、脱炭素に向けた取り組みを推進する静岡県内の7金融機関と2公共機関による連携会議が22日、静岡市で発足した。静岡銀行が他行や信用金庫と展開するクラウド算定サービス「しずおかGXサポート」の普及を図り、取引先各社の現状把握と排出削減を後押しする。成功事例などを情報共有し、行政とも連携しながら地域で脱炭素社会の実現を目指す。 参加機関は静岡、スルガ、清水の3銀行と静清、浜松いわた、三島、島田掛川の4信金、県産業振興財団企業脱炭素化支援センター、県信用保証協会。電力などのエネルギー使用量を表計算ソフトに入力、可視化するGXサポートの活用を取引先企業に促し
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静岡県内の4月景気判断、2年1カ月ぶり下方修正 日銀支店、車認証不正など要因
日銀静岡支店が18日発表した4月の県内金融経済動向は、全体の景気判断を「一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している」とし、3月の「緩やかに回復している」から引き下げた。下方修正は2022年3月以来、2年1カ月ぶり。自動車関連メーカーによる認証不正の影響で一部製造業の受注が落ち込み、海外経済の停滞も下押し要因になった。 生産動向は、3月の「幾分持ち直している」から「一時的な下押し圧力を受けて、持ち直しの動きが足踏みしている」へと11カ月ぶりに下方修正した。1月の鉱工業生産指数が前月比8・0%減に悪化するなど自動車業界の認証不正の影響は大きく、自動車・同部品の評価を引き下げた。長引く中
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静岡銀行 共通KPI作成 持続的社会への活動指標 温室ガス削減や雇用多様性 取引先企業に提案へ
静岡銀行は、環境や社会経済に好影響をもたらす企業活動の方向性を示した共通KPI(重要業務指標)を作成した。行政や国際社会が設定する目標とも結びつけ、気候やエネルギーなど項目別に想定される成果も記した。活動の内容や度合いを評価・分析して融資するポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)の指標として、取引先企業に提案する。 これまで同行がPIFを実行した取引先企業の活動を整理し、業種横断的な取り組みや成果、業種別の傾向などを分析。共通項目を抽出し、全業種向けと製造、医療・福祉、建設など各業種の共通KPIを設定した。 「気候」分類では温室効果ガス(GHG)排出量の可視化、目標設定によりG
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中小DI 4期ぶり悪化 1~3月期 コスト高、マイナス17.8 信金合同調査
静岡県信用金庫協会がまとめた合同景況調査によると、1~3月期の県内中小企業の業況判断指数(DI)はマイナス17・8で、4期ぶりの悪化となった。仕入れ価格や原材料費の高騰、人手不足などで経営環境は厳しく、製造業や卸売業などを中心に景況感が落ち込んだ。コスト上昇は今後も続く見通しの一方、価格転嫁の進展により4~6月期は改善を見込んだ。 調査は県内9信金の取引先1194社(回答率99・7%)が回答。地区別DIは東部マイナス21・1(9・7ポイント下降)、中部マイナス15・5(7・8ポイント下降)、西部マイナス16・6(11・3ポイント下降)で、いずれの地区も前回調査(2023年10~12月期)から
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代位弁済28%増、159億円 コロナ融資影響 23年度静岡県内
新型コロナウイルス禍で減収となった企業への救済措置として実施された実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が本格化した2023年度、県信用保証協会が県内企業の廃業などにより返済を肩代わりした代位弁済は前年度比28・0%増の1522件、金額は27・7%増の159億円に上った。ピークは4月まで続く見込みで、各金融機関は借り換えや経営改善などの支援に力を入れる。 23年4月~24年3月に代位弁済した企業を業種別に見ると、製造業が33・5%、非製造業が66・5%。コロナ禍で影響を受けた飲食店やサービス業の影響が色濃く、機械工業なども増加した。原材料やエネルギーの価格高騰など経営環境は厳しさを増
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ウナギ稚魚、静岡県内で高騰 許可漁業移行で仕入れ競争激化 養殖業者「続けられない」悲痛の声
養殖に使うニホンウナギの稚魚シラスウナギの価格が静岡県内で高騰している。従来は県内での養殖のみを条件とする県知事許可の特別採捕だったシラスウナギ漁は、昨年12月に始まった今漁期から漁業法に基づく許可漁業に移行。稚魚の県外出荷が可能になったことで仕入れ競争が激化し、採捕量は昨年を上回るにもかかわらず価格が跳ね上がる。養殖業者は「ここまで高いと続けられない」と悲痛の声を上げている。 浜松市の浜名湖養魚漁業協同組合によると、養鰻(ようまん)業が盛んな浜名湖地区で取引される稚魚価格は1キロ(約5千匹)195万円。3月には229万円まで上がり、深刻な不漁だった昨年と比べ数十万円高い水準が続くという。
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静岡県内の23年度倒産210件 負債総額は19%増、477億円
信用調査会社の東京商工リサーチ静岡支店が9日発表した2023年度の県内企業倒産件数(負債額1千万円以上)は前年度比6件増の210件、負債総額は19・6%増の477億1800万円だった。新型コロナウイルス関連の破綻は減少した一方で原材料やエネルギーの価格高騰が経営を圧迫し、2年連続で前年度を上回った。 負債総額10億円以上の大型倒産は不動産賃貸業の東名小山カントリー俱楽部(御殿場市、175億円)、自動車部品製造業のMPPコマツ(浜松市、50億円)など1件減の5件。新型コロナ関連破綻は3件減の59件だった。 業種別はサービス業他が前年同数の51件で最多。建設業は14件増の45件、小売業は6件
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静岡県 6年連続転入超過 アクセス良好、賃料割安 23年企業動向調査
帝国データバンク静岡支店がまとめた静岡県内の転出入企業に関する動向調査によると、2023年の本県への転入は29件で、転出を8件上回った。転入超過は6年連続。新型コロナウイルス禍で普及したリモートワークが定着し、首都圏との良好なアクセスや割安感のあるオフィス賃料で本県を選ぶ企業が増えているとみられる。 転入前の所在地は東京が9件で最も多く、愛知が5件、神奈川、埼玉が各3件と続いた。転入は前年から4件増え、業種別はサービス業10件、建設業7件、製造業4件など。売上高の規模別は1億円未満が15件、1億~10億円未満が11件だった。 県外への転出先は東京が15件(前年比8件増)で最多。22年は愛
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健康経営 無理なく効率的に デジタル活用、産業医連携 各社、意識高揚図る
従業員の健康増進を企業の生産性向上につなげる「健康経営」の取り組みが県内で広がっている。産業医との連携やデジタル技術の活用によって社員が自身の健康状態に目を向け、運動や食事管理につなげるなど多様な仕組みづくりが各社で進む。勤務中の隙間時間も使いながら、無理なく効率的な健康意識の高揚を図る。 静清信用金庫は1月、就業時間中のオンライン診療を開始した。受診対象の症状はアレルギー、便秘、睡眠時無呼吸症候群(SAS)。花粉症に悩む職員の大石彩子さんは3月中旬、職場でタブレット端末の画面越しに数分間の問診を受けた。処方薬は指定の薬局で受け取れ、「待ち時間がなくて便利。仕事を休む必要もない」と満足げ
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外国人材と企業 マッチング 東南アジア 機関と連携、融資 人手不足解消、「選ばれる県に」 しずおかFG 就労支援サービス
しずおかフィナンシャルグループ(SFG)は、外国人の就労支援サービスに乗り出した。特定技能の在留資格を受ける東南アジアの人材を日本に呼び込み、人手不足に悩む取引先企業とマッチングを図る。フィリピンの技能実習生には、来日にかかる資金の融資を安全に受けられる環境整備を現地金融機関と進める。 同サービスを手がけるのは、同社傘下のSFGマーケティング。人口増が続くフィリピン、インドネシアなどで現地の関係機関と協業し、日本での就労希望者を取引先企業に紹介する。高い日本語能力と職業専門性を持つ特定技能労働者は、人手不足が深刻な介護業界などで求人意欲が強く、対象業種への追加が見込まれる運送業など4分野でも
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静岡県内DI、7期ぶり悪化 日銀支店3月短観 不正認証など影響
日銀静岡支店が1日発表した3月の静岡県内企業短期経済観測調査(短観、回答262社、回答率99・2%)は、景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業でプラス7だった。昨年12月の前回調査から5ポイント下降し、7期ぶりに悪化した。自動車関連企業の認証不正問題や海外経済の停滞が製造業を中心に景況感を押し下げた。 製造業はマイナス1で、前回調査比10ポイント下降。豊田自動織機の認証不正による受注減や中国、欧州経済の減速などが影響し、輸送用機械が7ポイント下降のプラス18、その他製造業が24ポイント下降のマイナス13となった。消費者の節約志向で食料品もマイナス25と36ポイント下降するなど、加工業種の
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記者コラム「清流」 過去との決別
1万分の3ミリ―。この目に見えないわずかな誤差を測定し、自社製品に狂いがないかを証明する。浜松市で輸送機器部品の外装ケースを試作する浅沼技研は、「加工精度の保証」を経営の軸に据える。中小企業には決して安くない2億円超を投じ、世界最高峰の測定機を導入した。 日経平均株価が4万円を超え、バブル期以来の「失われた30年」は過去の話に。海外投資家が日本企業に熱視線を向け、金融市場は活況を呈す。国内産業ピラミッドの頂点に君臨する大企業の力だけではない。地道な研さんで技術力を磨く中小があってこそだ。 適切な価格転嫁が中小の経営を支え、巡り巡って日本経済を豊かにする。下請けいじめなどもってのほか。株高
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【静岡県内公示地価】熱海、若者にぎわう街に 出店需要高まり商業地回復
新型コロナウイルス感染症の5類移行で人流が回復し、静岡県内の市街地がにぎわいを取り戻しつつある。26日に発表された県内公示地価(1月1日時点)は、商業地がプラス0・2%と4年ぶりの上昇。円安で旅先に国内を選ぶ邦人やインバウンド(訪日客)で活性化し、首都圏から近い観光地ではホテルやテナントの出店も相次ぐ。 県内の商業地で最も高い上昇率を示した熱海市銀座町。JR熱海駅から徒歩15分程度の熱海銀座商店街は、平日の昼間も大勢の観光客でにぎわう。同商店街振興組合の小倉一朗理事長(54)によると「感覚として観光客の7割は20~30代」。プリンや海鮮丼、ドラマのロケ地など多くの魅力を求めて若者が足を運ぶ
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商業地4年ぶり上昇 静岡県内公示地価 沿岸部下落続く、都市部との二極化も
国土交通省は26日、1月1日時点の公示地価を発表した。静岡県内32市町672地点の対前年比平均変動率は、新型コロナウイルス感染症5類移行による社会経済活動の正常化を受け、商業地がプラス0・2%(前年マイナス0・2%)と4年ぶりに上昇へ転じた。住宅地はマイナス0・2%(同マイナス0・5%)と下落幅が縮小し、工業地はプラス0・5%(同プラス0・2%)で2年連続の上昇。回復基調だが、沿岸部と都市部の二極化も進む。 住宅地の上昇地点は156地点で、前年の112地点を上回った。静岡市葵区西草深町や音羽町、清水区谷田など生活利便性が高い市街地で上昇した一方、津波リスクがある沿岸部や高齢化、過疎化が進む
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東南アジアで企業のマッチング強化 静岡県内金融機関 進出需要一巡、課題解決後押し
新型コロナウイルス禍に途絶えていた海外との交流が徐々に再開される中、静岡県内の金融機関が東南アジアでのマッチング強化に力を入れている。現地では輸送機器関連を中心にサプライチェーン(供給網)の整備が進み、周辺国との物流も活発化。一方で、資材価格の高騰や人手不足などの影響も出始め、各金融機関は企業同士を結びながら課題解決を後押しする。 静岡銀行は2月下旬、インドネシアとタイを4年ぶりに視察。両国の現地法人によるネットワーク「静友会」のメンバーが集い、人的資源や人事・組織戦略をテーマにしたセミナーを通じて研さん、交流を図った。滝和彦常務執行役員はインドネシアについて「国の成長を含めて重要性をあら
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スルガ、清水銀行など静岡県内5金融機関 預金金利引き上げ
スルガ銀行、清水銀行、静岡中央銀行、しずおか焼津信用金庫、静清信用金庫は22日、日銀のマイナス金利解除を受けて普通預金の金利を現在の0・001%から0・02%に引き上げるとそれぞれ発表した。スルガ銀は25日から、清水銀、静岡中央銀、しずおか焼津信金、静清信金は4月1日から適用する。
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静岡銀行、普通預金の金利引き上げ 他行、信金も検討進む
日銀のマイナス金利解除を受け、静岡銀行は21日、普通預金の金利を現在の0・001%から0・02%に引き上げると発表した。適用開始は4月1日。定期預金の金利についても「引き上げを予定している」とし、改定する商品、利率などを今後決めるとした。 他の静岡県内地銀も、日銀の政策変更に伴い対応を協議する。スルガ銀行は「引き上げる方向で検討中」、静岡中央銀行は「日銀の政策変更を受けて検討している段階」。清水銀行は「今のところ利上げは検討していない」とし、他行の情報収集を進める。 静岡県内の信金は「普通、定期など引き上げの対象やタイミングを含めて検討する」(浜松いわた信金)、「周りの金融機関の動向を注
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診療所の医業承継 強化 金融機関と医師会協定 マッチング支援拡大へ
静岡県医師会と県医師信用組合、静岡銀行は21日、勤務医の高齢化が進む県内診療所の医業承継に向けた包括連携協定を締結した。診療所の運営や後継者不足などで相談を受ける医師会、金融機関が情報を共有し、地域事情や多様な経営環境が絡む医療現場のマッチング支援を強化。診療所閉鎖に伴う医療空白地域の発生を食い止め、地域社会の持続性を確保する。 厚生労働省の統計によると、2020年の県内診療所に勤務する医師の高齢化率は37・8%。12年の28・4%から約10ポイント上昇し、診療所の廃止も18年の85件から20年の224件に増加。近年は開設、廃止ともに年間200件前後で推移し、診療所の数は横ばいとなっている
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【マイナス金利解除】静岡県内金融トップ「システム正常化に期待」「中小への影響懸念」
日銀がマイナス金利政策を含む大規模緩和の解除を決めた19日、静岡県内の金融機関トップは金融システムの正常化に期待感を示しつつ、影響を受ける地域経済や地元企業への適切な支援継続の重要性を強調した。地元経済団体では「影響は限定的」と冷静な見方の一方、借入金利の上昇に伴う中小企業の経営悪化を懸念する声も上がった。 静岡銀行の八木稔頭取は日銀の政策変更を「時宜を得た決定」と評価した。今春闘の賃上げ率が5%を超え、物価の上昇傾向も強まるなど「長く低成長が続いた国内経済の情勢は着実に好転している」。マイナス金利解除で「本来あるべき正常な金融システムに回帰する」とした上で、今後の市場変動や取引先の課題、
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サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)取り扱い開始 静清、三島両信金 信金中金支援で事業者負担軽減
静清、三島の両信用金庫は15日、事業活動における二酸化炭素(CO2)の排出削減目標を達成した企業の融資利率を引き下げる「サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)」の取り扱いをそれぞれ開始した。信金中央金庫の支援を受け、事業者が負担する目標設定などフレームワーク(枠組み)策定の費用は不要。取り組みの伴走支援も強化し、地域の脱炭素を後押しする。 信金中金のフレームワーク組成支援を利用したSLLは全国初。従来は個別企業ごとに策定していたフレームワークを定型化し、事業者が支払う格付け会社の外部評価費用など数百万円の負担をなくした。CO2の削減目標は国が掲げる指針や事業者の排出実績、業界の状況など
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森林のCO2吸収量 売買 J―クレジット 官民推進 普及着々 藤枝で新モデル始動
適切に管理した森林の二酸化炭素(CO2)吸収量を売買する「J―クレジット制度」の活用が静岡県内で広がり始めた。藤枝市では制度の認証登録で事業者にかかる費用を市が一部補助し、地域でのクレジット流通を地元企業が後押しする新たな仕組みが動き出した。静岡、浜松市でも企業が保有林でクレジット創出に乗り出すなど、環境価値の創出で生み出す資金を循環させて脱炭素社会の実現を推し進めている。 藤枝市で山林を所有する渡辺林業とTMホームが12日、国が認証するJ―クレジット制度の登録を受けた。対象の森林は2社合計で約200ヘクタール、年間のCO2吸収量は700トンを見込む。登録手続きを支援したしずおかフィナン
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景況感3期ぶり下降超過 海外経済の停滞影響 1~3月期
東海財務局静岡財務事務所が12日発表した1~3月期の県内法人企業景気予測調査は、景況感の「上昇」から「下降」を引いた全産業の景況判断指数(BSI)がマイナス9・0だった。下降超過は3期ぶり。中国経済の減速が響き、製造業を中心に景況感が悪化した。 製造業はマイナス16・4で、2023年10~12月期を23・7ポイント下回り3期ぶりの下降超過となった。中国経済の停滞に加え、ダイハツ工業や豊田自動織機の認証不正発覚に伴う受注減により、輸送用機械がマイナス17・4(前期比42・4ポイント下降)と大幅に悪化。原料高が続く非鉄金属も61・9ポイント下降のマイナス28・6と景況感を押し下げた。非製造業
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静岡ガス、知育玩具のサブスク開始 1800種類以上から貸し出し
静岡ガスは、子供の思考力や判断力を養う知育玩具の定額配送サービスを開始した。子供の年齢や興味関心に合わせた数種類の玩具を各家庭に届ける。 対象年齢は0~6歳。知育玩具のサブスクリプションサービスを展開するトラーナ(東京)と業務提携し、1800種類以上の中から指先を使ったり音を聞いたりする多彩な玩具を貸し出す。随時行うアンケートで子供の好みや希望を聞き取り、2カ月ごとに交換することで飽きずに楽しみながら成長する子供の遊びを後押しする。 静岡ガスは当面、新築希望の顧客を中心に同サービスを提案し、いずれはショールームやウェブサイトで紹介、受け付けも予定する。担当者は「便利なガス機器の使用で家事
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賃上げの春、中小奮闘 大手大幅ベアの一方…止まらぬコスト高 静岡県内、実施企業も人材流出に危機感
賃上げ機運がさらに高まる中でヤマ場を迎えた今春闘は、県内でも一部大手企業が大幅なベースアップ(ベア)や一時金の上乗せ方針を打ち出している。一方で、原材料・エネルギー高が収益を圧迫する中小企業の経営環境は依然厳しく、労務費の増加は大きな負担としてのしかかる。利益をいかに確保し、社員の待遇改善につなげるか。経営者の奮闘は続く。 輸送機器部品の外装ケースを試作する浅沼技研(浜松市中央区)は4年前、発注元から渡される設計の図面と試作品の誤差を測る高精度3次元測定機を導入した。投資費用は2億1500万円。誤差の測定能力は世界最高峰の0・3ミクロン(1万分の3ミリ)と、一般的な測定機と比較して10倍
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静岡銀行のシステム導入やIT企画、AIが最高責任者 4月から実験
静岡銀行は8日、行内で進める新たなシステム導入などの事業起案に対し、適切な助言や判断を行う最高情報責任者(CIO)に生成AI(人工知能)を活用すると発表した。同行が目指す方向性や戦略、金融業界の動向など幅広い情報をAIに記憶させ、専門知識や経験が求められるIT企画業務の高度化、効率化に役立てる。 事業変革などの企業支援を手がけるKPMGコンサルティング(東京)と連携し、生成AIで擬人化した「デジタルCIO」を対話パートナーとして位置づける。静岡銀の企業戦略や業界全体の情報などに加え、インターネット上で得られる幅広いデータを学ばせ、行員から寄せられるシステム化の問い合わせや相談、企画書の作成
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インターナショナルスクール誘致 外国人材確保の環境整備 静岡市推進協が初会合
静岡市は6日、国内で働く外国人材の受け入れ強化に向け、多国籍の子供が通うインターナショナルスクールの誘致推進協議会を立ち上げた。生産年齢人口(15~64歳)の減少が進む同市では、国内外の多様な人材確保が喫緊の課題。首都圏に近い市の優位性も生かし、家族とともに住みよい環境を整備して労働力の定着を図る。 市によると、2020年の生産年齢人口は39万5897人で、15年比で約2万2千人減少している。一方、22年の外国人労働者数は9206人で19年を900人ほど上回り、雇用事業所数も増加傾向。市内の学校に通う外国人の児童生徒数も年々増える中、静岡商工会議所は多様な教育の受け皿整備に向けたインターナ
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新浪氏(サントリーHD社長)×中西氏(しずおかFG会長) デフレ時代に「決別の意思を」 新たな社会経済へ 静岡で対談
デフレ脱却への転換点に立つ日本経済の将来を語り合う「しずおか経済講演会」(静岡経済同友会静岡協議会、県経営者協会、静岡商工会議所共催)が5日、静岡市駿河区で開かれた。サントリーホールディングスの新浪剛史社長と、しずおかフィナンシャルグループの中西勝則会長が対談し、人的資本投資や地域貢献など新たな社会経済の実現に向けた企業、地方の役割について考えた。 新浪氏はバブル経済崩壊後のデフレ下で企業が思考停止に陥り、雇用を守るためにコストカットを続けた昭和、平成の約30年に対して「決別の意思をしっかり持つことが大切」と訴えた。物価上昇を超える賃上げや人材教育の継続で企業の生産性を高める勢いを形成し、
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【日経平均4万円超】事業拡大続けた静岡県内企業 「革新」と「挑戦」が成長の鍵に
日経平均株価は4日、初の4万円台に達した。バブル経済崩壊後の1990年代以降、静岡県内の主要な製造業は海外の急速な経済成長を追い風に事業を拡大し、株価は浮き沈みを繰り返しつつも上昇基調を保ち続けた。今後も不透明感が強まる時代を見極めながら、技術革新と挑戦を継続できるかが成長の鍵を握る。 1996年の上場以来、株価の急激な上昇カーブを描いたのは浜松ホトニクス。88年に製造子会社を設立した中国などで業績を伸ばしたほか、大口径光電子増倍管がニュートリノ研究のノーベル賞受賞を後押しするなど高い技術力を国内外に示した。スズキはインドでの生産を大幅に拡大し、23年には累計生産台数が2500万台を突破。
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2025年春卒学生の就活解禁 売り手市場、県内企業は魅力PR
2025年春の卒業を予定する大学生・大学院生の新卒採用に向けた会社説明会が1日、解禁された。新型コロナウイルスの5類移行で人手不足に拍車がかかり、学生優位の売り手市場は今年も変わらず。各社はオンラインやSNSによる情報発信を強化し、学生に自社の魅力を売り込もうと工夫を凝らしている。 はごろもフーズ(静岡市駿河区)は25年春採用に向け、半年がかりでウェブページの採用情報サイトを刷新した。若手社員のインタビューや座談会で仕事の内容、やりがいを伝え、4種類あった会社紹介動画は対談形式で分かりやすく1本にまとめた。 同日からエントリーの受付を開始し、担当者は「当社が学生の記憶に残り、就職先の選択
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新卒選考「早めた」半数以上 主要30社調査 2025年春採用、学生争奪戦激化
静岡新聞社が1日までに実施した県内主要企業30社への新卒採用アンケートによると、2025年春の採用スケジュールについて「選考時期を早めた」とする企業が17社に上り、前年の9社からほぼ倍増した。学生の採用数を「増やす」は前年と同数の12社。社会経済活動が正常化する中で首都圏を中心に採用意欲が高まり、各社は選考を前倒しして人材確保を目指し、学生争奪戦が一段と激化している。 選考開始時期は1月以前が7社、2月が8社、3月が7社で、全体の73%に当たる22社が3月までに面接などの採用活動に乗り出すと回答。最も早く内定を出す時期も3月以前が63・3%(計19社)を占めた。選考時期を早めた17社のうち
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1月の静岡県内有効求人倍率1・21倍 人流増、小売りで積極採用
静岡労働局が1日発表した1月の県内有効求人倍率(季節調整値)は前月を0・01㌽上回る1・21倍で、全国値(1・27倍)を16カ月連続で下回った。人流やインバウンド(訪日客)の増加を受けて小売業の求人数が大幅に伸びた一方、原料・エネルギー高に苦しむ製造業では採用に消極的な姿勢が目立った。 新規求人数を業種別に見ると、建設業が前年同月比8・3%増の2359人。公共工事やリフォームの受注が増加したほか、電気自動車(EV)の蓄電設備を導入する住宅も増え、3カ月連続で前年同月を上回った。小売業は46・5%増の3455人、飲食店は2・5%増の570人で、いずれも来客数の増加で採用意欲が高まっている。製
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成長事業へ投資加速 静岡ガス 中期経営計画 再エネや海外 拡大
静岡ガスは29日、2024年を初年度とする3カ年の中期経営計画を発表し、再生可能エネルギーや海外事業など成長事業への投資を加速させる方針を示した。連結経常利益に占める非ガス事業の割合を18~20年の平均14%から、24年に30%超へと高め、30年には都市ガス事業と同水準まで拡大する。環境負荷の少ない天然ガスの普及を国内外で進めつつ、事業領域を広げて収益を安定確保する。 26年12月期の売上高目標を23年実績比37億円増の2177億円とした。投資額は3年間で総額610億円を見込み、うち64%を再エネや海外など成長事業に充てる。 海外事業はインドを「未開の市場」とし、スズキをはじめとする現地の日
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賃上げ持続の鍵は? 春闘、公労使で議論 静岡県内
静岡労働局と県、県内経済団体による「働きやすい職場づくり推進公労使協議会」が28日、静岡地方合同庁舎で開かれ、今春闘で機運が高まる構造的賃上げを議題に掲げた。経済団体の代表者は人件費高騰で収益が圧迫される企業経営の窮状を訴えたのに対し、労働者側は「社会を変える正念場」として物価上昇を上回る賃上げの必要性を呼びかけた。 企業間で適正な価格での取引を促し、賃上げの原資となる利益の確保を後押しする「パートナーシップ構築宣言」の実態について、県が実施した調査結果も公表された。コスト高騰分の価格転嫁率は42・3%で全国水準を下回り、「全くできていない」とする企業は22・7%。経済団体の出席者からは「
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0.1%上昇で「借り換え」3割 中小で懸念強まる 静岡県内企業 金利調査
信用調査会社の東京商工リサーチ静岡支店が静岡県内企業を対象に実施した金融政策に関するアンケートで、借入金利が既存利率から0・1%上昇した場合に30%が「他行へ調達を打診する」と答えた。観測が広がる日銀のマイナス金利解除は年内を見通す企業が7割。原材料・エネルギー価格高騰が続く中、小規模事業者を中心に金利上昇への懸念が強まっている。 0・1%の金利上昇を「受け入れる」企業は64%、0・3%は35%。0・5%上昇になると許容する企業は24%まで減り、76%は借り入れ断念や借り換えを検討するとした。大企業は0・5%の利上げでも87%が受け入れ姿勢を示した一方、資金力の乏しい中小企業は8%にとどま
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1月DI50 景況感横ばい 県版景気ウオッチャー 家計消費伸びず
静岡経済研究所が実施した1月の県内版景気ウオッチャー調査によると、家計消費や事業所向けビジネス、雇用関連の景況感を3カ月前と比較した現状判断指数(DI)は「横ばい」を示す50・0だった。物価高を受けて消費者の節約志向が強まり、家計消費では小売り、飲食、サービス関連がそれぞれ悪化した。 家計消費全体は50・0で、前回調査を1・8ポイント下回った。全国的な賃上げ機運の高まりで戸建て需要が増加するなど、一時期に落ち込んだ住宅関連で改善傾向が続いているという。一方、飲食、小売り関連は2期連続の悪化。飲食店では「週末の来店客数や宴会件数が伸びていない」との声が上がったほか、スーパーでも「1人当たり
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BCP、4月から策定義務化 静岡県内介護事業者 見直し機運高まる 能登地震受け危機感 実効性ある運用へ
4月から事業継続計画(BCP)の策定が義務付けられる介護事業者で、能登半島地震を受けて実効性のある計画運用や見直しの意識が高まっている。要介護者の屋外避難は難しく、限られたスタッフで施設内の被災生活を余儀なくされる可能性が高い。大規模災害のたびに突き付けられる課題にどう対応するか。関係者は「BCP策定は防災の始まり。終わりはない」と対策に磨きをかける。 海岸線から約300メートルの高台に立地する特別養護老人ホーム「久能の里」(静岡市駿河区)。建物北側に裏山が広がり、東西には川も流れる。大地震による土砂崩れで道路や河川が寸断されれば、避難や救助、支援活動は困難を極める。2022年9月に策定し
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Uターン就職34%最低 若者の静岡県外流出止まらず 23年卒大学生
しずおか産学就職連絡会が19日までにまとめた2023年春卒業の静岡県内出身大学生の就職状況によると、静岡県外に進学した学生が県内に戻って就職するUターン率は前年比2ポイント下降の34%。前年を下回るのは2年連続で、調査を開始した16年春卒以降で最低となった。県内出身者全体の県内就職率は48%と半数に届かず、若者の県外流出に歯止めがかからない。 19年春に県内の高校から大学に進学した学生は全体の52%に当たる1万6728人で、70%の1万1774人が県外大学に進んだ。このうち23年春に76%の約8900人が就職し、県内への就職率は34%(約3100人)。地域別では首都圏が30%、その他地域
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建設業でDX加速 静岡県発ネットワーク全国拡大 人材不足解消へ【迫る24年問題】
静岡県内の建設業でデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速している。本県発の業界ネットワークは全国各地の103社に拡大し、スタートアップ(新興企業)などと連携しながら省人化や省力化に向けたシステム、ロボットの導入が進む。成果や取り組みは企業間で共有し、今春始まる残業時間の上限規制で深刻な人手不足が懸念される業界全体の課題解決につなげる。 校舎の長寿命化工事が進む浜松市立神久呂小で、荷台を付けた横幅1メートルほどの運搬ロボット「サポット」が廊下を行き来した。廃材を一度に300キロまで搬出でき、作業員を感知して自動追従する機能も備える。施工する須山建設(同市)管理チームの木村雄紀課長は「
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確定申告受け付け開始 インボイス対応も混雑避けて「スマホで」 3月15日まで
2023年分の所得税などの確定申告受け付けが16日、全国一斉に始まった。今回は同年10月のインボイス(適格請求書)制度開始を受け、消費税の申告を初めて行う課税事業者の来場が想定される。各税務署は会場の混雑を避けるため、スマートフォンで自宅から入力する国税電子申告・納税システム(eーTax)活用を呼びかけている。 静岡、清水両税務署の合同会場となった静岡市駿河区のツインメッセ静岡には午前9時から個人事業者や会社員らが訪れ、自らのスマホで必要事項を入力して申告作業を進めた。場内にはスタッフが待機し、手続き方法に不明な点がある来場者をサポートした。インボイス制度導入で課税対象となった事業者向け相
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新卒採用活動長期化 募集を予定・継続43% 就職支援財団調査
就職支援財団(静岡市)が県内企業に実施した2024年春の新卒採用調査によると、23年12月時点で学生の募集を予定、継続している企業は43・4%を占めた。前年比3・4ポイント上昇し、深刻な人手不足で企業の採用活動が長期化している。インターンシップの実施率も上昇傾向を示し、学生と接点を増やす企業の積極姿勢がうかがえる。 12月時点の募集は新型コロナウイルス禍の20年に20%台まで下降したが、22、23年ともに40%台まで上昇。業種別は卸売・小売業が67・4%と高く、採用予定数に届かず募集を続ける企業も多い。社会経済活動の正常化で首都圏を中心に企業の採用意欲が強まり、県内の募集活動は「大変厳しくな
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2月景気「緩やかに回復」 日銀支店、判断据え置き
日銀静岡支店が15日発表した2月の県内金融経済動向は、全体の景気判断を「緩やかに回復している」と3カ月連続で据え置いた。一部自動車メーカーの認証不正を受けた出荷停止が新車販売に影響するものの、宿泊や飲食などの個人消費が堅調に推移した。省人化に向けた設備投資も増加傾向が続き、景況感を下支えしている。 個人消費は、新車登録台数・新車販売台数で「持ち直しが一服している」と23カ月ぶりに評価を引き下げた。ただ、出荷再開までの一時的な後退とし、消費全体に与える影響は限定的との見方を示した。物価高に伴い食料品や家電などの販売で消費者の節約志向も根強い半面、行楽期を前に予約が好調な宿泊業や飲食業も目立つな
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連合静岡、賃上げ5%以上を要請「労使協力を」 春闘本格化
連合静岡は13日、静岡県経営者協会に2024年春闘について、ベースアップ(ベア)と定期昇給を含む5%以上の賃上げを要請した。物価高と深刻な人手不足を受けて賃上げ機運が高まる一方、原料費高騰などで人件費の負担増に難色を示す中小企業も多い。政府が目指す成長と分配の好循環実現に向けて持続的な賃上げとなるか、注目の静岡県内春闘が本格化する。 連合本部の方針に沿い5%程度とした昨年を上回る内容。ベアは11年連続で、労働組合に属さない未組織労働者や非正規労働者にも、早期に時給1200円以上の処遇改善を求めた。連合静岡は「賃上げが物価上昇に追いつかない状況が長期化している」と指摘。労務費の適正な価格転嫁
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春闘本格スタート 中小支援など課題 デフレ脱却へ「正念場」
連合静岡が13日、県経営者協会に「5%以上」の賃上げを盛り込んだ要請書を提出し、2024年春闘が本格的に始まった。県内の労使代表は急速な物価高に賃金の伸びが追い付かない現状を続け、緩やかな回復基調にある個人消費の腰を折らないためにも賃上げの流れを弱めてはならないとの共通認識を示した。ただ、相次ぐコスト増で疲弊する中小企業への支援など、持続的な賃上げ実現には課題も多い。 「5%以下はないということ。物価上昇を超える賃上げを目指す」。連合静岡の角山雅典会長は「5%程度」の賃上げを要請した昨年との違いをこう表現した。 厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、物価変動を考慮した23年の実質賃金は前年比
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静岡経済研「景気回復一段と鈍化」 1~3月期 物価高、人手不足懸念
静岡経済研究所がこのほど発表した1~3月期の県内主要産業景気見通しは、設備投資の受注増を見込む建設が「普通」から「順調」に1段階上昇した。一方、物価高による消費者の買い控えや人手不足で先行きへの懸念を抱える企業も多く、担当者は「景気回復の足取りが一段と鈍化しそう」との見方を示した。 全15業種のうち「順調」は自動車部品、情報サービスを加えた3業種。「普通」は昨年10~12月期から1業種減って11業種、「低調」は前期から引き続き持ち家需要が低迷する住宅の1業種となった。 認証不正が発覚したダイハツ工業の全車種生産停止については、同社を主な取引先とする業者が県内に少ない上、下請け企業への補償
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若手行員集い両県魅力探る 静銀、山梨中央銀 連携3年 静岡で対話型交流会
静岡銀行と山梨中央銀行の包括連携協定(アライアンス)締結から3年を記念し、両行の若手行員らによる交流会がこのほど、静岡市清水区の静岡銀研修センターで開かれた。静岡銀などしずおかフィナンシャルグループ34人、山梨中央銀グループ33人が互いの営業地域に抱く印象や長所を話し合い、交流人口の増加に向けた方策を考えた。 5、6人でテーブルを囲み、メンバーを交代しながら気軽に議論するワールドカフェ方式のグループ討論で、両行員が静岡、山梨両県の魅力を模造紙に書き込んだ。「富士山がある」「食べ物やお酒がおいしい」「サッカーが盛ん」など共通の魅力も多く、「意外と方言が似ている」との声も。両地域に人を集める方法
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2023年休廃業・解散1620件 静岡県内、黒字で「あきらめ」も
帝国データバンク静岡支店がまとめた2023年の静岡県内休廃業・解散企業数は1620件で、前年から6・3%増加した。新型コロナウイルス禍に国の補助で実施された資金繰り支援が終了し、原材料やエネルギーの価格高騰などで経営環境に厳しさが増した。黒字ながら事業の将来を悲観した「あきらめ廃業」も一定数に上るとみられる。 直近の純損益が黒字で休廃業した割合は、前年を9・5ポイント下回る45・5%。資産超過かつ黒字の休廃業は前年とほぼ同水準の21・2%で、現状は安定経営が可能でも物価高、人手不足などの課題と事業の先行きを考慮し、「ダメージが広がる前にやむなく事業をたたむ健全企業の休廃業の広がりを反映し
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しずおかFG 増益 静銀、資金利益伸長 4~12月期
しずおかフィナンシャルグループ(FG)が1日発表した2023年4~12月期連結決算は、資金利益や役務取引等利益を増やした静岡銀行を中心に好調を維持し、経常収益が前年同期比21・9%増の2570億9400万円、経常利益が35・9%増の758億4100万円となった。特別損失に将来の減価償却費を前倒し計上しているが、純利益は1・0%増の400億7千万円と増益に転じた。 静岡銀単体の業務粗利益は7・5%増の1154億円。貸出金利息の増加で資金利益が4・2%増の958億円、役務取引等利益は20・7%増の191億円。本業の収益力を示すコア業務純益は前年に51億円の外為売買益を計上した反動で3・2%減の4
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外国人労働者 大幅増 23年10月 過去最多 7万4859人 入国制限撤廃と人手不足背景
静岡労働局がこのほど発表した外国人雇用状況(2023年10月末時点)によると、県内の外国人労働者数は過去最多の7万4859人(前年同期比10・3%増)。新型コロナウイルス禍の入国制限が22年10月に撤廃され、国内の人手不足も背景に大幅増となった。技能実習生は3年ぶりに前年を上回ったほか、19年度に導入された特定技能に在留資格を切り替える傾向も見られた。 在留資格別では、日系人などの定住者や日本人の配偶者など「身分に基づく在留資格」が3万9511人(3・4%増)で最多。コロナ禍で2年続けて減少していた「技能実習」は1万4437人(16・5%増)と増加に転じた。「専門的・技術的分野の在留資格
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JR静岡駅北口前に110m高層ビル 2030年度完成予定
JR静岡駅北口前で計画が進む市街地再開発事業で、マンションや商業施設、オフィスなどが入る地上110メートルの高層ビルが建設されることが30日までに分かった。2030年度の完成に向け、24年中に都市計画決定や再開発組合設立などの手続きに入る。総事業費は現時点で270億円を見込み、国と静岡市が補助金を支出する。市は24年度当初予算案に関連費用約3億円を盛り込む予定。 事業予定地は葵タワーと松坂屋静岡店に挟まれ、現在は商業施設やオフィス、金融機関などが並ぶ。約4千平方メートルの敷地に地下1階、地上27階の複合ビルを新築し、7~27階に計270戸のマンション、下層階に商業施設やオフィスが入る計画
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23年の静岡県内有効求人1・23倍 人手不足もコスト高で慎重
静岡労働局が30日発表した県内有効求人倍率の2023年平均は、前年に比べて0・05㌽下降の1・23倍だった。社会経済活動の正常化により幅広い業種で人手不足が深刻化した一方、原材料やエネルギー価格の高騰を受けて求人を控える動きが広がった。 同日発表した23年12月の県内有効求人倍率(季節調整値)は前月と同じ1・21倍で、全国値(1・27倍)を15カ月連続で下回った。新規求職者数は前年同月比5・1%増の7994人。物価高を受けて好待遇の仕事を求める転職活動や、年金だけでは生活費が不足する高齢者の求職活動も盛んになっている。 業種別の新規求人数は、建設業が16・5%増の2427人。公共工事の増
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中小苦境、賃上げ支援を 静岡県経営者協会/鈴木良則専務理事【キーパーソン・最前線】
昨年の静岡地方最低賃金(最賃)審議会に使用者側の立場で出席した。12月に発効した製造業3種の特定最賃は997~1028円。全労働者に適用される県内の最賃は984円で、過去最大の40円が引き上げられた。賃上げの必要性を理解しつつコスト高騰にあえぐ中小企業の窮状を訴える。 ―昨年の最賃引き上げをどう見るか。 「賃上げによって経済が循環する仕組みは理解しているが、急すぎる上げ幅には企業経営がついていけない。今回の議論も『物価ありき』で話が進んでいったが、最賃は本来、生活費の水準と賃金レベル、企業の支払い能力を総合的に判断しなくてはならない。企業の9割を占め、労働者の7割を抱える中小企業にとって
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中小賃上げ「実施」8% 静清信金 企業調査 物価高で見通し厳しく
静清信用金庫が県中部の中小企業1417社に実施したアンケートで、半年以内に賃上げを「実施予定(済み)」との回答は8・0%にとどまり、「実施しない」「できない」が計48・8%と約半数を占めた。大企業を中心に全国的な賃上げ機運が高まる一方、原材料・エネルギー高騰で収益を圧迫される中小の苦境ぶりが浮き彫りになった。 「検討中」は43・2%、「実施しない」は41・4%、「実施したくてもできない」は7・4%。「実施予定(済み)」のうち、業績改善を背景にした賃上げは4・2%で、「改善していないが実施する」が3・8%だった。 業種別は製造業の10・8%、建設業の6・2%、飲食業の9・4%がいずれも賃上
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静岡県内の1月景気判断を据え置き 日銀支店「緩やかに回復」
日銀静岡支店が25日発表した1月の静岡県内金融経済動向は、全体の景気判断を「緩やかに回復している」と2カ月連続で据え置いた。物価高に伴い消費者の節約志向が強まる一方、社会経済活動の正常化を背景に高まった年末年始の「晴れの日需要」が景況感を下支えした。製造業は停滞する海外経済の影響を受けつつも自動車部品などの生産持ち直しが着実に進んだ。 個人消費では冷蔵庫や洗濯機などの買い控え傾向が見られる家電販売を「弱めの動きとなっている」とし、28カ月ぶりに評価を引き下げた。値上げが続く食料品、日用品も購入点数が減少するなど消費者の節約志向は根強い。一方で富裕層やインバウンド(訪日客)の高額品消費が伸び
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記者コラム「清流」 お金の役割
2024年、大きな変化の一つといえば新紙幣の発行。お札の“顔”が変わるのは20年ぶりだ。キャッシュレス化が進む現代とはいえ、財布に入れて持ち歩かないと不安になる人も多いのではないか。日本経済の根幹をなし、国民生活を支えるお金の役割はいつの時代も変わらない。 そんなお札の印刷工場は全国4カ所にあり、静岡市の静岡工場もその一つ。戦時下の外地で物資を調達する疑似紙幣の「軍票」を送るため、80年前に清水港近くの国吉田に開設された。今年7月に発行される新紙幣の印刷が既に始まっているという。 新紙幣の精巧な偽造防止技術はまさに職人技。外国人や目が不自由な人への配慮も随所に施さ
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地域発展へ結束 静岡経済懇話会が賀詞交歓会 静岡市
大手企業の県内支社、支店の代表でつくる静岡経済懇話会(代表世話人・平松岳人中部電力常務執行役員静岡支店長)は18日、新春賀詞交歓会を静岡市内で開いた。出席した約80人はさらなる成長と地域経済の発展に向けて結束を強めた。 平松代表世話人は浜松市で今春開催される浜名湖花博、プロ野球2軍ウエスタン・リーグに参入する静岡市の新球団「くふうハヤテベンチャーズ静岡」、大相撲で活躍する熱海富士と翠富士などの話題を紹介し、「皆さんの活動で静岡をさらに明るくしてほしい」と期待を込めた。 事務局を務める静岡新聞社・静岡放送の大須賀紳晃社長は緩やかな景気回復が進んだ2023年を振り返る一方、原材料の価格高騰や
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友情築く学生マンション 個室と共有スペース整備「シェアハウス型」 アイワ不動産 静岡に建設 大学垣根越え交流
アイワ不動産(静岡市葵区)は、同市駿河区の静岡大静岡キャンパスや県立大短期大学部近くの同区小鹿に学生専用マンションを建設した。個室と共用スペースを整備したシェアハウス型とし、新型コロナウイルス禍に高校時代を過ごした学生の交流を後押しする。在学生と今春の新入生を対象に入居者を募集し、2月上旬から供用を開始する予定。 木造3階建てで1階に大型テレビを備えたリビングと共用キッチン、冷蔵庫などを配置し、2階にはシアタールームやトレーニングルームも設けるなど入居学生が集まりやすい空間を提供する。個室は29室あり、約5畳の広さに個人用冷蔵庫とベッドを備え付けた。3階は女性専用フロアとしたほか、オートロッ
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顧客寄り添い 課題解決/しずおかフィナンシャルグループ社長 柴田久氏【変革力 新年トップインタビュー②】
―金融業界の見通しは。 「時期はともかく、金利が上がることは間違いない。現役行員の多くが経験してこなかった世界に入っていく。金利のない世界はいわば値段が何もない、タダみたいな状態。それが今後は預金や貸出金の絶対的なボリューム、地域シェアが収益の差になる。地域のお客さまに対し、どれほど正面を向いてサポートに取り組んできたのか、金融機関として真価が問われる年になる」 ―金利の上昇局面では何が重要になるか。 「地域、企業が抱えている課題の解決力だ。ニーズを的確に捉えることから始めなくてはならない。デジタル化や脱炭素という社会に共通した方向性はもちろん、企業ごとで異なる細かな課題も多い。持続的
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生物多様性保護を率先 しずおかFG TNFD提言採用 地銀初
しずおかフィナンシャルグループ(SFG)は4日までに、世界の機関投資家らでつくる自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)がまとめた提言に賛同し、採用者として登録したと発表した。企業活動が生物多様性に及ぼす影響について的確な把握と情報発信を行い、地域や取引先と連携した環境資源保護につなげる。 SFGによると、大手金融機関や大企業はTNFDの提言採用者に名を連ねるが、地銀は初とみられる。環境破壊などによる生物多様性の損失が国際的脅威となる中、傘下の静岡銀行を中心に幅広い業界と接点を持つSFGが地域の環境保全の取り組みを率先する。融資先の企業活動が及ぼす自然への影響なども踏まえ、生態系の破壊
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景気回復へ力強さ欠く 2023年の静岡県内経済
2023年の県内経済は、新型コロナウイルス禍から正常化へと向かい、輸出型企業を中心に経営環境が上向いた。製造業の多くは円安進行や半導体など部品不足の緩和が業績回復に寄与した。個人消費は持ち直し傾向が続いたが、物価高に賃上げが追い付かない状況が影を落とした。人手不足や海外経済の減速など下振れ材料も多く、景気回復の足取りは力強さを欠いた。 株価 円安追い風 製造業堅調 日経平均株価は新型コロナが5類に移行した5月を境に上昇傾向が強まり、7月3日に23年最高値の3万3753円を付けた。日米金利差を背景に進む円安の基調は変わらず、輸出型企業を中心に業績が伸び、23年後半は常に3万円台を維持する
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静岡銀行が不正検知システムを共同開発 本格運用開始 ネット上の金融犯罪阻止へ
投資詐欺やロマンス詐欺など手口が多様化、複雑化するインターネット上の金融犯罪対策として、静岡銀行は口座開設時の本人確認プラットフォームなどを運営するアクシオン(東京)と不正検知システムを共同開発し、本格運用を開始した。同行での実証実験では資金の不正移動を7営業日で22件防ぐなど高い効果が得られたとし、今後は他行への展開や一層の精度向上に取り組む方針。 他人の預金口座を不正入手した犯罪者がネットバンキングにログインした際の不自然な手続き、要注意人物の関与が疑われるケースなど、過去の犯罪データや多発する手口を基に想定した詐欺の予兆をシステムで検知する。複数項目に当てはまる口座は静岡銀が振り込み
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輸送時間を圧迫 荷役や荷待ち 運転手拘束の重荷【迫る 24年問題】
来春からトラック運転手の残業時間に上限が設けられる物流業界で、荷役作業と荷待ちの時間短縮が課題となっている。本来の輸送業務以外で生じる運転手の拘束時間は1日数時間に及ぶ例もある中、労働時間が制限されれば輸送能力の低下につながりかねない。改善の必要性を感じる業者は静岡県内にも多く、「自社努力は限界がある」として荷主の協力を訴える。 県中部の業者によると、首都圏の運送先では各地から集まるトラックの渋滞は珍しくない。荷降ろしが始まるまでに1時間、その後に積み荷を降ろす作業が約1時間。同社幹部は残業規制の開始を見据え、「輸送時間を削るのは無理。どこかで作業効率化を図らないと物流維持は難しい」。同業
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常葉大橘高生が新事業提案 球場演出、ペットボトル回収ロボ… 静岡市清水区で発表会
静岡銀行が進める金融経済教育の一環で新規事業の企画立案に取り組んできた常葉大橘高(静岡市葵区)のアイデア発表会がこのほど、静岡市清水区の同行研修センターで行われた。1年生12人が3チームに分かれて議論を重ね、地域活性化や環境対応なども踏まえて作成したビジネス構想を発表した。 「静岡にプロ野球球団を作る」との新規事業を打ち出した生徒は、沢村栄治とベーブ・ルースが対戦した草薙球場を舞台に試合を開催し、テラス席での海鮮バーベキューや電光掲示板での演出、打ち上げ花火など会場でのサービスについて発表した。チケット代や応援に使うペンライトの料金、駅から球場までのバス代なども具体的に示し、「サッカーの
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静岡県内景気 12月は6カ月ぶり上方修正 日銀支店「緩やかに回復」
日銀静岡支店が21日発表した12月の県内金融経済動向は、自動車関連を中心に幅広い業種の景況感が上向く状況などを踏まえ、全体の景気判断を「緩やかに回復している」と6カ月ぶりに上方修正した。これまでは「資源高の影響を受けつつも、持ち直している」としていたが、社会経済活動の活発化や半導体不足の解消、賃上げによる所得増などを背景に景気回復の流れが加速している。 最低賃金の上昇や前年を上回る一時金の妥結状況を受け、雇用・所得動向の評価を「緩やかに改善している」と17カ月ぶりに引き上げた。消費は物価高に伴う節約志向で日用品販売が苦戦する一方、百貨店や家電販売などで富裕層やインバウンド(訪日客)の需要が
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24年問題まで半年 社会全体でコスト負担【記者コラム 黒潮】
物流、建設業などで深刻な人手不足が懸念される「2024年問題」が半年後に迫る。来年4月からトラック、バスなどの運転手や建設作業員らの残業時間に上限が設けられ、県内でも物流や建設工事が滞る事態となれば、その影響は幅広い業種に及ぶ。円滑な経済活動を維持するには、労働力の確保に向けた賃上げなどで上昇するコストが価格に転嫁され、社会全体で負担し合うことが重要だ。 政府の働き方改革として進む時間外労働の削減は、影響が大きいとしてこれまで猶予されていた物流、建設業などにも適用される。残業時間の上限はトラックやタクシー、バスなど「自動車運転の業務」が年間960時間、建設業が720時間。残業を減らして同じ
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欧州静岡銀を年度内清算 ベルギー 情報収集拠点を新設
静岡銀行は19日、同行初のヨーロッパを拠点とする海外現地法人として1991年から営業を続けてきたベルギー・ブリュッセルの欧州静岡銀行を本年度中に清算すると発表した。来年1月1日に「ブラッセル駐在員事務所」を現地に新設し、金融規制や環境対応などに関する情報を集めて取引先に提供する。 欧州静岡銀行は欧州大陸では国内の地銀で唯一営業する金融機関で、従業員は日本人と現地採用による行員の計10人。30年以上にわたり本県から欧州に進出する企業への融資や事業支援などを続けてきたものの、資金繰りに関するリスク管理やガバナンス強化など現地の金融規制が厳格化する中で機能と役割の見直しを決めた。 ブラッセル駐在員
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静岡県内企業の51.9%後継者不在 3年連続下降、全国で30番目
帝国データバンク静岡支店が静岡県内企業を対象に実施した調査で、後継者が「いない」「未定」との回答割合は51・9%と前年調査から1・7ポイント下降した。後継者の不在率が前年を下回るのは3年連続で、この5年間に後継者を決めた企業は26・5%。同族承継は減少傾向が続く一方、M&A(合併・買収)が全体の4分の1を占めた。 静岡県の不在率は全国で30番目。業種別では建設業が62・7%で最も高く、不動産業61・6%、小売業57・2%が続いた。 事業承継は5~10年程度かかるとされ、経営者が60代の「適齢期」に後継者不在は34・6%。50代では59・6%で、いずれも減少傾向が続く。ただ事業承継の必要性
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荒廃茶園をワサビ田に 静岡県が基盤整備計画 災害リスク抑え安定生産へ 葵区中山間地
昨年夏の台風15号で甚大な被害を受けた静岡県産ワサビの安定生産に向け、県は2024年度から静岡市葵区でワサビ田の基盤整備に乗り出す方針を固めた。新たな造成地として活用するのは、価格低迷や生産者の高齢化で荒廃が進む同市中山間地の茶畑。ワサビ栽培発祥の地で知られる有東木地区を含めたオクシズ一帯で、今後数期に分けて継続的なワサビ田の整備に向けた検討を進める。 市街地から車で約50分。同区内匠(たくみ)地区の曲がりくねった細い山道を進むと、枯れた赤い葉が所々に目立つ茶畑が広がる。今年の一番茶を最後に生産を終え、今は誰も管理していない。「この辺りには荒廃茶園がいくらでもある」と安倍山葵業組合の出雲
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日銀静岡支店12月短観 県内DI8ポイント改善、5年ぶり高水準
日銀静岡支店が13日発表した12月の県内企業短期経済観測調査(短観、回答社261社、回答率99・2%)は、景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業でプラス12だった。9月の前回調査から8㌽改善し、新型コロナウイルス拡大前の2018年12月調査以来、5年ぶりの水準。半導体不足の緩和による自動車関連産業の回復や社会経済活動の正常化が幅広い業種の景況感を押し上げた。 製造業はプラス7で、前回比10㌽改善。自動車生産の増加を受けて電気機械が22㌽改善のプラス7、輸送用機械が9㌽改善のプラス25となった。加工業種の食料品もコスト上昇分の価格転嫁が進み、プラス10と前回から30㌽改善した。海外経済の停
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9月中間決算、7信金で純利益増加 静岡県内まとめ
静岡県内9信用金庫の2023年9月中間決算が12日までに出そろった。純利益は島田掛川と富士を除く7信金で前年同期を上回り、総額で16・3%増加した。一方、新型コロナウイルス禍に国の補助で実施した実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の利子補給期間が終了し、返済の本格化で6信金の貸出金利回りが低下。各信金は資金需要の掘り起こしに向け、取引先への提案力強化に取り組む。 本業の収益力を示すコア業務純益の増益はしずおか焼津、静清、三島、遠州、沼津、富士の6信金。経費削減効果や有価証券利息配当金の増加が寄与した。長期プライムレートから基準金利を設定する三島は、長期金利の上昇を受けて貸出金利息が増加
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景況感過去最高水準 中小2年ぶりプラス 静岡県内10~12月期
東海財務局静岡財務事務所が11日発表した10~12月期の県内法人企業景気予測調査は、景況感の「上昇」から「下降」を引いた全産業の景況判断指数(BSI)がプラス8・7だった。中小企業も2年ぶりのプラスへと転じ、現在の調査方法になった2004年以降で過去最高水準。輸送機器関連などの産業で景況感が大幅に上向いたほか、社会経済活動の正常化に伴う人流回復で非製造業も改善傾向が続く。 製造業はプラス7・3で、7~9月期を4・6ポイント上回り2期連続の上昇。半導体の供給制約が緩和し、自動車部品用のアルミ加工など非鉄金属、輸送用機械が大幅改善した。非製造業も3期連続で上昇し、過去2番目となるプラス9・6
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脱炭素提案で顧客拡大 次期社長の成長戦略 松本尚武 静岡ガス常務執行役員【聞きたい】
来年1月、静岡ガスの新社長に就く。人口減少に伴ってエネルギー需要の将来的な低下が見込まれる中、環境負荷の少ない天然ガスへの切り替えや再生エネルギー由来の電力供給など脱炭素を見据えた事業展開に力を入れる考え。都市ガス以外にも事業領域を拡大し、暮らしをトータルで支援するビジネス基盤構築を進める。 ―ガス事業の状況は。 「グループ全体の使用戸数は右肩上がりだが、県外転出が多い静岡市などは頭打ちの状態。エネファームを活用したエネルギーの高度利用などを提案し、市の周辺エリアも含めて都市ガスの普及を進めていく。産業向けは石炭や重油燃料から天然ガスへの移行を促すなど、低炭素に向けた提案を通じて顧客の
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オフィス市況 改善続く 静岡、浜松 需要エリア拡大 10月空室率DI調査
日本不動産研究所がまとめた10月現在のオフィス市況調査によると、半年前と比較した空室率の改善、悪化の傾向を表す業況判断指数(DI)は静岡市で38・1、浜松市で11・1と、いずれも横ばいを示すゼロを上回った。新型コロナウイルスの5類移行でテレワークから出社勤務に戻す企業も多く、社会経済活動の正常化を受けて両市ともに改善が続いた。 両市中心部で延べ床面積3千平方メートル以上のオフィスビルを所有する企業や賃貸業者など三十数社に聞き取りを行い、「横ばい」を除いた上で「改善」から「悪化」を引いた回答割合を指数化した。 静岡市は悪化の回答がなく、DIが4月の前回調査(40・0)に続く大幅な改善傾向
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工場長に聞く「新紙幣製造への思い」 国立印刷局静岡工場80周年
国立印刷局静岡工場(静岡市駿河区)は、日本銀行券を印刷する全国4工場の一つで、戦時下の1943(昭和18)年に開設され、今年で80周年。来年夏には20年ぶりの改刷が予定され、新紙幣の製造に向けて準備が進む。宮本義政工場長(57)に静岡工場の歴史と新たな紙幣に込められた技術、思いを聞いた。 ―静岡工場の歴史は。 「戦時中は、外地で物資などを調達する際にお金の役割を果たす(疑似紙幣の)軍票を作って輸送しなくてはいけない。そこで、清水港に近い国吉田が最適な地として選ばれた。東京、小田原に続いて3カ所目の工場。昭和18年6月1日は、日銀静岡支店も同時に開設された。紙幣を印刷する工場が日銀の支店と
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DI、50超えも消費低迷 飲食など苦戦 10月静岡県版景気ウオッチャー
静岡経済研究所が実施した10月の県内版景気ウオッチャー調査によると、家計消費や事業所向けビジネス、雇用関連の景況感を3カ月前と比較した現状判断指数(DI)は50・7だった。3期連続で景気の横ばいを示す50を上回ったものの、7月の前回調査比で4・3ポイント下降した。物価高騰で強まる節約志向を受け、飲食業やサービス業に消費意欲の低下が見られた。 家計消費関連は51・8で前回を4・0ポイント下回った。物価高の影響が大きい飲食関連で「節約志向で女性客が減少した」「(客が)飲食代を少し抑えている様子」などと客数、客単価の伸び悩みが指摘された。小売関連も消費の冷え込みぶりを説く声が目立った。 事業所
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冬ボーナス2.4%増 消費効果は限定的 静岡経済研究所が予想
静岡経済研究所が27日発表した静岡県内民間企業の2023年冬のボーナス予想は、1人当たりの支給額が前年比2・4%増の41万6千円だった。輸出関連企業を中心とする業績改善や人手不足の影響を受け、3年連続の増額。一方、急速な物価上昇には追い付かず、消費の押し上げについて「一助にはなるが、効果は限定的」との見方を示した。 企業規模別では、従業員30人以上が2・4%増の48万1400円、29人以下は2・0%増の28万7200円。支給総額は3・3%増の5078億円、対象者は0・9%増の122万千人と見積もった。 県内上場企業の9月中間決算は、円安効果などを追い風に自動車関連や輸出型製造業で収益の改
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ゼロゼロ融資返済「全額できる」91% 民間調査 「不安」は6%
帝国データバンク静岡支店が実施した新型コロナウイルス関連融資に対する県内企業の意識調査によると、売り上げが落ち込んだ事業所に対する実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済について、借り入れ企業の91・3%が「条件通り全額返済できる」と答えた。「返済に不安」とする企業は6・7%で、2月の前回調査比で6・2ポイント下降した。年内に返済を開始するのは85・2%。 調査時点でゼロゼロ融資を既に全額返済した企業は13・0%。借り入れ中は45・0%で、返済の進展割合は「5割以上」が20・8%、「3割以上5割未満」が18・1%、「3割未満」が46・3%だった。返済中の企業の4・7%が「返済額の減額など
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輸送や荷役 どう効率化 静岡労働局 運輸支局 ジヤトコと意見交換【迫る 24年問題】
来春に残業時間の上限規制が適用される物流業などで深刻な人手不足が懸念される「2024年問題」を見据え、部品や製品輸送の効率化を物流業者と進めるジヤトコと静岡労働局、静岡運輸支局の意見交換が22日、富士市の同社で行われた。荷役や荷降ろし待ちの時間短縮など、運転手の拘束時間を減らす工夫について話し合った。 同社は数年前から24年問題への対策を始め、部品の輸送で運転手の拘束時間が13時間を超える8ルートの検証を進めている。荷役作業員を従来の1人から2人に増やして時間短縮を図り、荷降ろし待ちの時間も減らすなどして5ルートの改善にめどを付けた。残り3ルートも物流業者と連携し、中継輸送やドライバー確保
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中小「人手不足」6割 「定年制廃止」4分の1 しずおか焼津信金調査
しずおか焼津信用金庫が県中部を中心に中小企業337社を対象に実施した人手不足の現状と動向に関するアンケートによると、「非常に不足している」「やや不足している」との回答が計59・8%に上った。多くの企業が労働条件の改善などに努めるものの、半数近くが「新規の人材獲得が困難」としている。4分の1が定年制度を廃止するなど、雇用年齢を引き上げる動きも目立つ。 業種別では、「非常に不足」との回答が建設業で18・9%と、全業種平均(9・4%)の約2倍。「やや不足」との合計も建設業が79・3%と最多で、サービス業68・9%、卸売業60・5%、製造業57・9%が続いた。人材確保の取り組みは賃金や福利厚生など
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富士見高 動画で最優秀 地域発信コンテスト 起業コースは静高、稲取高
静岡銀行はこのほど、県内の中高生が地域課題の解決や魅力発信に取り組むプログラム「アオハルし放題」の最終コンテストを静岡市内で実施した。地元の良さを紹介する「動画コース」は富士見高が、新たな特産品を開発する「起業コース」は静岡高と稲取高がそれぞれ最優秀賞に選ばれた。 富士見高は、生徒が自転車で富士市内を巡る動画を数分間に仕上げた。田子の浦など各地の風景に加え、特産のしらすや地元でおなじみのサイダーかん、つけナポリタンなどのグルメも紹介。音楽や食レポも盛り込み、高校生らしい躍動感ある作品が評価された。 起業コースでは高校生が県内企業の伴走支援を受けて商品開発に挑んだ。静岡高は静鉄ストアと規格外野
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欧州意識 健康と環境 ジェトロ静岡 食品市場を解説
日本貿易振興機構(ジェトロ)静岡はこのほど、健康や環境問題への意識が高まる欧州市場への進出入門セミナーを静岡市内で開いた。10月にドイツでの国際総合食品見本市を訪れたジェトロ静岡の峯裕一朗係長が、環境や健康に関する認証制度が広がりつつある欧州食品市場の動向を解説した。 峯係長は同見本市のセミナーで示されたオランダ調査会社のデータに触れ、新製品開発で重視する要素の1位が健康、2位が環境意識だったと紹介。消費者は健康的な有機農法に対して関心を寄せ、プラスチック削減などエコなパッケージにも注目するとした。同時に、価格や品質を重視する傾向も強く、商品選択の要素は多様化が進んでいると説いた。 栄養、環
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地銀3行で増収確保 9月中間、本業が堅調推移 静岡/スルガ/清水/静岡中央
静岡県内地銀4行(静岡、スルガ、清水、静岡中央)の2023年9月中間決算が13日までに、出そろった。スルガを除く3行は、貸出金利息や役務取引等収益の増加など本業が堅調に推移して増収を確保した。本業の収益力を示すコア業務純益は静岡中央が増加した一方、清水は資金調達費用などがかさみ、スルガは資金利益の減少が響いてそれぞれ減益に。静岡も前年同期に一過性の増益要因が生じた反動が作用した。 新型コロナウイルス感染症の5類移行で個人消費や設備投資が活発化する一方、人手不足や原材料費の高騰など企業が抱える不安は依然として大きく、各行は取引先の収益力強化策を下支えする。脱炭素など社会課題解決に向けた融資
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しずおかFG経常増益 9月中間 役務取引が堅調
しずおかフィナンシャルグループ(SFG)は10日、2023年9月中間連結決算を発表した。経常収益は傘下の静岡銀行の増収などが寄与し、持ち株会社移行前(静岡銀行連結決算)の前年同期比28・8%増の1795億800万円、経常利益は42・4%増の554億2900万円となった。純利益は、特別損失に今後数年間の減価償却費を前倒しで計上した影響で、12・2%減の247億5400万円。 静岡銀単体の業務粗利益は資金利益や役務取引等利益などが増加し、5・0%増の774億3100万円。本業の収益力を示すコア業務純益は18・5%減の301億6700万円となった。 期中平均の貸出金残高は4・1%増の10兆1286
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牧之原の会社「やさいバス倶楽部」設立 農業課題解決へ新法人 商品開発や経営 農地で実証
農産物流通事業を展開するエムスクエア・ラボ(牧之原市)は、農業課題の解決を考える一般社団法人「やさいバス倶楽部」を立ち上げた。人手不足や環境負荷、エネルギー調達などで関係者が知恵や知見を持ち寄り、さまざまな実証実験を通じて持続可能な営農に資する情報の共有を図る。農業者向けサービスや商品の企画開発も進め、新ビジネス創出につなげる。 同倶楽部は10月発足し、農業事業の研究開発を進める法人や個人、農業者らを対象に全国で会員を募集している。菊川市の農地を「スマート・ヴィレッジ・ラボ」として実証実験の場に活用し、事務所や大型冷蔵庫などを整備する計画。生産技術や商品開発に関する「作業」、経営や販売に
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路線バスやむなく減便 静岡県内、縮小拍車に懸念【迫る24年問題】
静岡県内で路線バスを減便する動きが広がっている。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ乗客数が完全に戻らない中で、燃料費高騰の打撃が重なり、不採算路線を中心に合理化を図るバス事業者が多い。深刻な運転手不足で路線維持が困難に陥るケースも出始め、来年春に残業時間の上限規制が適用される2024年問題が顕在化すれば、さらなるダイヤ縮小につながるとの懸念も強まっている。 伊豆箱根バス(三島市)は本年度、県東部を運行する三島営業所管内で3度のダイヤ改正を行った。今年3月ごろに運転手の退職が増え、新規募集をかけても思うように人員を確保できない。観光バスの運転手を充てて対応してきたが、コロナの5類移行などに伴う
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CO2排出量を見える化 静岡銀行がクラウドサービス 企業の現状把握、削減計画支援
静岡銀行は、企業の二酸化炭素(CO2)排出量を算定するクラウドサービス「しずおかGXサポート」の取り扱いを始めた。企業規模が大きく、CO2排出量も多い2千社などにサービスを無償提供し、各社が現状を把握した上で削減の計画や目標の設定を促す。静岡県内の商工会議所や行政、他の金融機関とも連携しながら地域全体で脱炭素実現を目指す。 金属のスクラップを加工、切断して製鋼原料を製造する山内商店(静岡市葵区)は、工場の電力使用量が設定値を超えるとモーター稼働数が自動的に落ちる装置を設置するなど、脱炭素の取り組みを続ける。2年後には菊川市内の2工場を統合し、省エネ設備や太陽光発電を取り入れてCO2の大幅
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TOKAIHD、売上高1052億円 過去最高 9月中間、増収増益
TOKAIホールディングスが2日発表した2023年9月中間期連結決算は、売上高が1・1%増の1052億2600万円で、中間期として3年連続で過去最高を更新した。前年同期にベトナム関連会社におけるのれんの減損損失を計上した反動があり、経常利益は79・1%増の43億5500万円、純利益は15倍の22億1900万円となった。 事業別の売上高は、エネルギー事業が2・5%減の429億5200万円。中京圏などで拡大した新たな営業拠点を軸にLPガスの顧客数を伸ばしたものの、猛暑で家庭用ガス販売が落ち込んだ。情報通信事業は5・3%増の274億5700万円で、法人向けサービスが順調に推移した。CATV事業は
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中小DI 2.3ポイント改善 静岡県信金協調査 7~9月 コロナ前水準に
静岡県信用金庫協会がこのほどまとめた合同景況調査によると、7~9月期の県内中小企業の業況判断指数(DI)はマイナス10・9と前回の4~6月期から2・3ポイント改善した。原材料やエネルギー価格の高騰、人手不足が幅広い業種で足かせになっているものの、社会経済活動の正常化や半導体の供給制約緩和でマイナス幅が縮小し、景況感は新型コロナウイルス禍前の水準まで回復した。 調査は県内9信金の取引先1199社(回答率99・9%)が回答し、景況感を「良い」とする割合から「悪い」と答えた割合を引いた県内のDIは2期連続の改善となった。業種別ではサービス業が10・6ポイント上昇のマイナス0・9、小売業が10・3
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静岡県内9月有効求人1・19倍 雇用改善に「やや弱さ」 静岡労働局
静岡労働局が31日発表した9月の静岡県内有効求人倍率(季節調整値)は前月比0・01㌽下降の1・19倍で、全国値(1・29倍)を12カ月連続で下回った。原材料・エネルギー価格高騰の影響を受けて求人を控える動きが広がり、有効求人数は4カ月連続の減少となる6万5346人。同労働局は「改善の動きにやや弱さがみられる」とする雇用情勢の評価を据え置いた。 新規求人数を業種別に見ると、卸・小売業が3122人で前年同月比16・6%減、医療・福祉が5270人で10・3%減など非製造業の幅広い分野で落ち込んだ。運輸・郵便業は旅客運送の求人が増えたものの、貨物輸送は大幅に減少した。製造業は半導体不足の緩和で受注
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物価高、人手不足で停滞感 静岡経済研 10~12月期景気見通し
静岡経済研究所が24日発表した10~12月期の県内主要産業景気見通しは、半導体の供給制約緩和に伴い自動車部品が「普通」から「順調」に上昇した一方、二輪車部品は海外需要が高まった前年実績には届かない見通しで、家庭用エアコンなどの買い換え需要が一巡した民生用電器部品とともに「順調」から「普通」に下降した。経済活動の正常化で増収が見込まれるものの、原材料やエネルギーの価格高騰、人手不足による停滞感も見られる。 全15業種のうち、「順調」は自動車部品と官民のデジタル化需要が旺盛な情報サービスの2業種。「普通」は7~9月期から1業種増えて12業種で、コスト高や人手不足が景気の不透明感を強めている。住宅
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ダルマ自転車で1500キロ 140年前、長崎→横浜の旅再現 米国の男性2人
1886年に長崎から横浜までの約1500キロを自転車で走破するなどし、世界一周を達成した米国人トーマス・スティーブンスの偉業を再現しようと、米国人男性2人が横浜市を目指して旅を続けている。巨大な前輪が特徴の「ダルマ自転車」と呼ばれる当時の自転車に乗って19日、静岡市に到着した。10月下旬のゴールを予定する2人は「歴史を感じながら旅を楽しみたい」と笑顔を見せる。 2人は大学時代からの友人でサイクリング仲間のエリック・ナイトさん(55)とマーク・ケネディさん(55)。ナイトさんが旅を企画し、2人で9月24日に長崎市を出発した。関門海峡を渡って山陽道、東海道と進み、できるだけ当時の雰囲気を再現す
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企業目標達成で高校生の夢応援 「生徒との約束守る」 山一金属(長泉) 寄贈型PIF
アルミのリサイクルを手がける山一金属(長泉町)は、環境や社会、経済の各分野における地域貢献を後押しする静岡銀行の「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)」を通じ、高校生の自主性を養う教育支援に乗り出す。二酸化炭素(CO2)削減などPIFで定める目標達成状況に応じ、高校生の主体的なイベントに出資する。自ら課した条件を生徒との「約束」とし、自社の課題解決力に磨きをかける。 同社は運転資金として3億円の融資を受けるPIFの契約で、CO2排出量の2019年比28%減、25年までにリサイクルの新技術を開発―など7項目の重要業績評価指標(KPI)を設定。同行が毎年実施する審査で4項目以上を達成
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中部横断道軸に観光戦略を探る 静岡で未来懇話会
静岡県中部地区の発展に向けた将来構想を提言する中部未来懇話会(会長・中西勝則しずおかフィナンシャルグループ会長)は17日、秋季シンポジウム(静岡新聞社・静岡放送共催)を静岡市葵区で開いた。2021年8月に静岡―山梨間が全線開通した中部横断自動車道を軸とする「南北縦軸経済圏」の構築をテーマに、新型コロナウイルスの収束を見据えた県中部の観光戦略を探った。 基調講演した県立大経営情報学部の八木健祥教授は、コロナの行動規制が緩和された23年度も中部横断自動車道の利用が伸びていない状況に触れ、滞在時間を増やして経済効果を創出するために「宿泊しなくては体験できないコンテンツ」の整備を強調。山梨、長野県
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観光客目線で戦略を 中部未来懇話会 中部横断道効果に課題
中部未来懇話会が17日に静岡市内で開いたシンポジウムでは、2年前に静岡―山梨間で全線開通した中部横断自動車道の効果を十分に生かし切れていない本県の課題が示された。特に山梨、長野両県から県中部に向かう人の流れは限定的とみられ、情報発信や観光ニーズの把握などを戦略的に進める必要性について意見が上がった。 基調講演した県立大経営情報学部の八木健祥教授が静岡、山梨、長野3県で実施したアンケートによると、中部横断自動車道の利用者数は2年前と比べてやや減少傾向。静岡方面に向かう利用者はプレミアム・アウトレットがある御殿場エリアを目的地とするケースが多く、日帰り客が大半を占める。 パネル討論では、牧之
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マレーシア金融大手と提携 静岡銀行、企業支援など強化
静岡銀行は12日、マレーシア第2位の大手金融グループCIMBバンクと業務提携契約を結んだ。同国に進出する県内企業へのサポート拡充に加え、同国からのインバウンド(訪日客)や働き手の受け入れ強化につなげる。 CIMBはマレーシア国内に217店舗を構え、タイ、ベトナム、ロンドンなどの海外支店も展開している。静岡銀によると、進出している県内企業は約30社。同国は東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の中でも高度なインフラや語学力、地理的優位性などがあり、企業にとって有望な投資先になっているという。提携に基づき、同国に進出済みか進出を予定する取引先に法人預金口座の開設や現地通貨建て融資など、CIMBを
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静岡県内の企業、管理職「男性のみ」半数超 女性8.7%に下降
帝国データバンク静岡支店が実施した女性登用に対する県内企業の意識調査によると、女性管理職の割合は平均8・7%(前年比0・6ポイント下降)にとどまり、管理職全員を男性が占める企業は51・1%(1・9ポイント上昇)と半数を超えた。政府が2020年代の目標に掲げる「女性管理職30%」の達成企業は8・8%(0・4ポイント下降)で、女性の要職起用は低水準が続く。 企業規模別の女性管理職の平均割合は小規模14・7%、中小9・0%、大企業6・4%。業界別では農林水産の21・3%が最も高い一方、現場作業が多い建設(7・1%)、製造(6・1%)、運輸・倉庫(2・7%)はいずれも前年水準を下回った。「休まれる
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日米金利差、円安基調続く 静岡経済研究所 恒友仁専務理事
ニューヨーク外国為替市場で円相場が3日、一時1ドル=150円台を付けた。約1年ぶりに大台を突破した背景と県内経済に生じる影響について、静岡経済研究所の恒友仁専務理事に聞いた。 ◇ 金利の高止まりが市場想定を上回って長期化する見通しの米国、10年来の異次元緩和を継続して低金利を維持する日本。円安進行の背景にある日米の金利差は、両国中央銀行のスタンスの違いによるところが大きい。今後、短期的に円高に振れる可能性はあっても大局的な円安基調は変わらないだろう。 米国は原油高で物価動向が不安定になっている。想定される年内の利上げで景気鈍化が鮮明になれば利下げに転じる可能性もあるが、現時点で見込み幅は
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日銀静岡支店9月短観 県内DI横ばい 改善と悪化押し合い
日銀静岡支店が2日発表した9月の静岡県内企業短期経済観測調査(短観、回答社263社、回答率99・2%)は、景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業でプラス4と、6月の前回調査から横ばいとなった。半導体の供給制約緩和や新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う人流回復など改善要因はあるものの、中国をはじめとする海外経済の減速、人手不足、物価高などが幅広い業種で足かせになった。 製造業はマイナス3で、前回比1ポイントの改善。素材業種の紙・パルプが12ポイント改善のマイナス38、加工業種の輸送用機器が10ポイント改善のプラス16だった。中小企業を中心に価格転嫁が進まない課題はあるが、半導体不足の緩
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静岡県内企業で内定式 人手不足 若い力に期待の声 迫る24年問題
2024年春に入社を予定する大学生や高校生などを対象にした静岡県内企業の内定式が2日開かれ、人手不足が深刻な業界で若い力に期待する声が上がった。新型コロナウイルス感染症の5類移行で社会経済活動が正常化し、来春から物流、建設業などで従業員の残業時間に上限規制が適用される「24年問題」も間近に迫る。内定証書を手にした学生は、次代を担う自覚を新たに意気込みを語った。 総合物流業の鈴与(静岡市)では、昨年と同じ39人の採用を内定した。物流業界は来年4月からトラック運転手の時間外労働が年960時間以内に制限され、人手不足のさらなる深刻化が懸念される。内定式で鈴木健一郎社長は「無駄を放置したままでは物
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課題解決力 成長の鍵 設立1年 一定の手応え 柴田久 しずおかFG社長【聞きたい】
静岡銀行などを傘下とする持ち株会社「しずおかフィナンシャルグループ」(SFG)設立から1年となる10月3日を前に、柴田久社長(59)が27日、静岡新聞社の取材に応じた。傘下の銀行や事業会社それぞれが独自性を発揮し始めるなど一定の手応えを感じつつ、地域課題の解決に向けて行政や民間企業、地域とさらに連携する必要性を強調。提案力を幅広く強化し、ソリューション企業としての成長を見据える。 ―1年を振り返り、成果と課題は。 「事業会社は銀行依存ではなく自ら事業を開拓して深く、大きく広げるスタンスを目指している。ベンチャー支援や脱炭素などで新たな挑戦が動き始めた。ファンドでも管理報酬で収益を上げる
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静岡人インタビュー「この人」 世界マスターズ水泳選手権で3位 荒木光介さん(静岡市駿河区)
8月に福岡県で開催された世界マスターズ水泳選手権2023九州大会に初出場し、200メートルバタフライ(35~39歳の部)で自己ベストに迫る2分20秒57をマーク。念願の表彰台で銅メダルを手にした。静岡ガス水泳部所属。岐阜県出身。37歳。 -どのような大会か。 「7月に福岡で開催された世界水泳選手権、世界パラ水泳選手権に続く大会。マスターズには世界100カ国から約1万人の選手が集まり、元五輪選手も参加した。自分が出場したのはバタフライの200メートル、100メートル、50メートル。事前に標準タイムをクリアするのが大会に出る条件で、静岡ガス水泳部からは3人が出場した」 -いつ水泳を始めたの
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しずおかFG 減価償却前倒し計上 余力向上、DXなど推進
しずおかフィナンシャルグループ(SFG)は26日、店舗戦略の強化に向けて固定資産評価を見直し、グループの共有資産としていた勘定システムや渉外支援などソフトウエアの帰属を営業店に変更すると発表した。今後5年間の減価償却費として特別損失に190億円を前倒しで一括計上する。将来負担を減らして投資余力を高め、2027年までの中期経営計画に盛り込んだデジタルトランスフォーメーション(DX)や人的資本投資を推進する。 23年4~9月期の中間連結業績予想を修正し、経常利益を期初予想比37・3%増の530億円、純利益を12・9%減の235億円とした。政策投資株式の売却益約150億円を活用し、特別損失計上によ
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静岡県内のメインバンク 静岡銀行首位 取引社数調査、信金の増加目立つ
東京商工リサーチが実施した企業のメインバンク調査によると、静岡県内のメイン取引社数は静岡銀行がトップの1万7052社で、シェアは39・28%と高水準を維持した。昨年4位のしずおか焼津信用金庫は僅差で清水銀行を上回り、3位に浮上。島田掛川信金(151社増)や三島信金(52社増)など、信金の増加が目立った。 静岡銀のシェアは中部地区2位(8・82%)、全国11位(1・17%)。地銀などの統合が各地で進み、銀行持ち株会社も含めた順位は静岡銀を傘下とするしずおかフィナンシャルグループが14位だった。 県内2位は浜松いわた信金(取引社数4505社、シェア10・38%)で、しずおか焼津信金(3031
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静岡県内基準地価 住宅、商業地で減少幅縮小 都市部中心に上昇
静岡県は19日、7月1日時点の基準地価を発表した。平均変動率は住宅地が前年比マイナス0・5%、商業地がマイナス0・2%で、いずれも減少幅が縮小。工業地は高速道路インターチェンジ周辺の開発が進み、上昇幅が拡大した。生活利便性の高い都市部を中心に上昇基調が続くほか、下落傾向が常態化する伊豆地域でも改善の兆しが見られた。 調査610地点のうち上昇は住宅地110地点(前年80地点)、商業地45地点(同31地点)、工業地11地点(同9地点)といずれも増加した。市町別変動率は熱海市1・8%、三島市0・6%、長泉町0・6%と、新幹線で首都圏に通勤圏内の県東部が上位を占めた。最下位の松崎町はマイナス3・4
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ゼロゼロ融資 返済ピーク 金利据え置き満了 代位弁済 前年比28%増
新型コロナウイルス下で売り上げが落ち込んだ企業への救済措置として実施された実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済がピークを迎えている。金利据え置き期間の満了に伴い繰り上げ返済する企業も多い一方、原材料やエネルギーの価格高騰で資金繰りが悪化し、返済が困難に陥るケースも見られる。金融機関は新たな借り換えや経営改善による支援に力を入れている。 企業の債務を保証する県信用保証協会(静岡市)によると、1~8月に廃業などで同協会が返済を肩代わりした県内の代位弁済は584件(前年同期比28・1%増)。全国的には東京都(50%増)、大阪府(64%増)、福岡県(79%増)と大都市圏を中心に増加している。
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新インターン始動 5日間以上/半分は実習 キャリア形成とマッチング
国が新たに定義したインターンシップが本年度スタートし、静岡県内でもより実践的なカリキュラムを導入する企業が出始めた。実施期間は5日間以上、日程の半分以上を職業実習に当てる-など、要件を満たせば企業はインターンで得た学生の情報を採用の広報や選考に活用できる。キャリア形成と人材のマッチングを支援する仕組みだが、制度の周知は進まず定着にはまだ課題も多い。 しずおか焼津信用金庫(静岡市葵区)は8月中旬、本年度のインターンシップを実施した。金融業務の基礎的座学とグループワークが2日間、各支店での実務体験が3日間。同市駿河区の丸子支店では学生が開店から閉店までを経験し、窓口や営業などを担当する若手職員
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景況感7期ぶり上昇超 静岡県内、7~9月期 製造業など上向き
東海財務局静岡財務事務所が13日発表した7~9月期の静岡県内法人企業景気予測調査によると、景況感の「上昇」から「下降」を引いた全産業の業況判断指数(BSI)はプラス3・3。4~6月期から10・4ポイント改善し、2021年10~12月以来7期ぶりの上昇超過となった。半導体不足の緩和などで製造業を中心に業績が上向いたほか、新型コロナウイルスの5類移行による人流回復も景況感を押し上げた。 製造業のBSIは2・7で、前期(マイナス18・4)から21・1ポイント改善してプラスに転じた。半導体の供給制約緩和で生産が上向く輸送用機械製造が54・7ポイント上昇したほか、リサイクル製品や楽器なども好調とい
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新紙幣お披露目 静岡県などで製造 2024年7月発行予定
2024年7月前半に発行開始が予定される新紙幣の見本券が12日、日本銀行静岡支店で報道陣にお披露目された。偽造防止の新技術や障害の有無にかかわらず紙幣を識別できるデザインなど、多彩な工夫が施されている。 緻密な連続模様を描いた高精細なすかしや、光が当たる角度を変えると肖像が回転する3Dホログラムなど世界初の偽造防止技術が採用されている。斜線マークを1万円、5千円、千円の券種ごとに異なる位置に配し、目が不自由な人も手で触れば識別しやすく配慮した。額面の洋数字は従来よりも大きく記し、訪日外国人旅行者らにも扱いやすくした。 新紙幣の肖像は1万円札が渋沢栄一、5千円札が津田梅子、千円札が北里柴三
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9月の景気判断「据え置き」 日銀静岡支店 自動車生産など改善
日銀静岡支店が12日発表した9月の県内金融経済動向は、景気全体の判断を「資源高や供給制約の影響を受けつつも、持ち直している」と据え置いた。半導体不足の緩和で自動車生産などに改善の動きがみられる一方、物価高や人手不足、中国の景気減速などの影響も依然根強い。 全体判断を構成する主要項目は全て「横ばい」とした。個人消費は社会経済活動の正常化に伴い化粧品など外出関連商材の売り上げが堅調なほか、活発な人の動きが飲食や宿泊業の回復に寄与している。日用品や食料品など消費者の節約志向はあるものの、高額消費やインバウンドによる経済効果など「プラス要因が上回っている」とした。 生産では、自動車・同部品を「持
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SDGs積極的58% 企業イメージ向上実感 民間調査
帝国データバンクが11日までにまとめた持続可能な開発目標(SDGs)に対する県内企業の意識調査によると、SDGsの取り組みに積極的な企業の割合は58・1%で、昨年の前回調査から2・8ポイント上昇した。「企業イメージの向上」を実感する企業が多いほか、商機獲得や業績改善に結びつくケースもあった。 調査は6月19~30日に実施し、県内771社が回答した。SDGsの意味、重要性を理解している企業は90・2%で、このうち「取り組んでいる」は33・3%、「取り組みたい」は24・8%、「取り組んでいない」は32・1%だった。 一方で「重要性を理解できない」(6・6%)、「言葉も知らない」(0・3%)はいず
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若者目線で企業情報発信 県が冊子作成へ 学生が取材 Uターン就職増狙う
若者の視点で県内企業の魅力を伝えようと、県は大学生や専門学校生による企業取材を実施している。来年1月までに集めた情報を冊子にまとめ、県内外の大学やハローワークなどの就職支援機関で配布する予定。Uターンで県内に戻る学生の減少傾向が続く状況を打開し、地元で就職する若者の増加につなげる。 県内外の大学、専門学校に通う1~3年生14人が数人のグループに分かれ、8月下旬から県内各地の計10社を訪問している。5日に静岡市の静岡鉄道を訪れた3人は、鉄道車両の点検、修理を行う入社5年目の曽根健広さん(23)をインタビュー。専門職を選んだ理由や就職活動を楽しむ方法などを質問したほか、同社が柱とする事業や社員の
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静岡経済研 企業危機意識調査 感染症「関心」44.1%に上昇
静岡経済研究所が1日までにまとめた県内企業のリスクに対する意識や事業継続の取り組みに関する調査で、感染症リスクに「関心がある」との回答が44・1%に上り、新型コロナウイルス禍を経て約3割の企業が感染症について事業継続を脅かす要因として認識を改めた実態が浮かんだ。風水害やエネルギー高など各リスク項目でコロナ前より関心が高まり、調査担当者は「多様な事業中断リスクが顕在化した」とみる。 調査は事業継続に影響する9項目を挙げ、回答各社は「コロナ禍前から関心がある」「現在、関心がある」項目を選んだ。コロナ前に比べて最も関心が高まったのが「感染症の流行」で、「エネルギー価格の高騰・供給不安」(69・1%
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価格転嫁相談 気軽にどうぞ 「よろず支援」に窓口開設1カ月 交渉術、原価計算など指導
地域企業の経営に関する相談にワンストップで応じる県よろず支援拠点(静岡市葵区)に「価格転嫁サポート窓口」が設置されて1カ月が過ぎた。窓口での助言を受けて取引先と価格交渉が進んだ実例もあるが、相談や問い合わせはわずか数件。担当者は「悩んでいる企業は多いはず。気軽に相談を」と呼びかける。 窓口は原材料・エネルギーの価格高騰が続く中、7月中旬に開設された。取引先との力関係でコスト上昇分を転嫁できない下請け企業などの相談を受け付けている。これまでに県中西部の製造業などから3件の相談があった。ある業者は取引先に自社の決算書を開示した上で価格上乗せを求めたが、さらなるコスト削減を迫られて値上げは認めら
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自動車産業支援へ地銀連携 静岡銀行など全国7行 情報共有
静岡銀行など、国内大手自動車メーカーが本社や生産拠点を構えるエリアの地銀7行が28日、関連産業支援の高度化に向けたネットワークを立ち上げた。脱炭素化や電気自動車(EV)対応など産業全体が変革期を迎える中、各行が取り組みや情報を共有し、サプライチェーン(供給網)が抱える課題解決と持続的な成長を後押しする。 同日、覚書を締結したのは静岡銀のほか、名古屋銀行(愛知県)、横浜銀行(神奈川県)、広島銀行(広島県)、群馬銀行(群馬県)、足利銀行(栃木県)、山形銀行(山形県)。本県はスズキ、愛知県はトヨタ、神奈川県は日産など、各行が本店を置く地域には、自動車大手の本社や主要工場、下請けの部品メーカーが集
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処理水放出開始 静岡県内スーパー「買い控えに危機感」 漁業者「国の情報発信重要」
東京電力福島第1原発で始まった処理水の海洋放出を受け、静岡県内で鮮魚を扱う一部のスーパーで消費者の買い控えを懸念する声が上がった。漁業関係者は水産物に対する風評対策の徹底を国に求めた。 「国が『安全面に問題はない』と言っても、消費者が敬遠するのは目に見えている」。そう語るのは県中部のスーパー経営者。「自分たちのような小さな企業はリスクを取れない」とし、三陸ワカメなど東北産海産物の仕入れを当分停止する方針を決めた。 別のスーパー経営者は、年末商戦に向けた商談や販売計画への影響を危惧する。新型コロナウイルスの5類移行を受け、会食の需要が高まる年末年始は書き入れ時。食の安全や健康面に対する消費
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海洋資源で産業創出「MaOIプロジェクト」 静岡県、民間2事業採択
静岡県はこのほど、海洋資源を活用して産業の創出、育成を図る「MaOI(マリンオープンイノベーション)プロジェクト」の事業化促進事業として、民間企業のドウマンガニ養殖と海洋プラスチックごみ削減の2事業を採択した。 ドウマンガニの養殖技術開発を手がけるのは、自動車部品製造エフ・シー・シー(浜松市)。県水産・海洋技術研究所の技術を活用し、水槽内をカメラで監視しながら自動給餌を行うなどのシステム構築を目指す。浜名湖などで水揚げされるドウマンガニは幻のカニと呼ばれる高級食材。同社は養殖したドウマンガニの販売に加え、将来的には技術を業者に提供してビジネスの拡大も見据える。 海洋プラスチックごみ削減事
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AIが河川水位予測 TOKAIケーブルネットワーク システム開発
TOKAIケーブルネットワークは、人工知能(AI)を活用して河川の水位を監視するプラットフォームの提供を開始した。河川の規模ごとに国や県、市町などが個別に発信している水位情報をクラウド上に集約し、高精度な予測で早期避難などを支援する。 同社のプラットフォームは、各河川管理者が水位計や監視カメラで収集した情報を一元化した上でAIによる解析を行い、6時間後、12時間後の水位を予測。河川の上流から下流まで広域の状況を一度に確認でき、流域住民の迅速な災害対応につなげる。 過去の災害データを深層学習させたAIアルゴリズムで高精度な水位予測を可能にした。急な増水もリアルタイムに通知する。同社は自治体
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DI、2期連続50超え 7月静岡県版景気ウオッチャー 飲食中心に改善
静岡経済研究所が実施した7月の県版景気ウオッチャー調査によると、家計消費や事業所向けビジネス、雇用関連の景況感を3カ月前と比較した現状判断指数(DI)は55・0で、4月の前回調査から2期連続で景気の横ばいを示す50を上回った。新型コロナウイルスの5類移行で人の交流が回復し、飲食関連を中心に消費の改善が続いた。 家計消費関連は55・8と前回(60・3)を4・5ポイント下回ったものの、小売、飲食、サービス関連からは客足の増加を実感する声が寄せられた。事業所向けビジネス関連はコロナ禍で中止していたイベントの再開、受注の回復を背景に前回を1・0ポイント上回る54・8。雇用関連は人手不足感が広がる一
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静岡県内主要企業 景気は拡大傾向6割 コロナ5類で業績好調 物価高、円安に懸念も 静岡新聞社調査
静岡新聞社が18日までにまとめた県内主要企業トップの景気動向アンケートは、現状の景気を拡大傾向とする回答が6割を超え、1月の前回調査(24%)の2・5倍となった。新型コロナウイルスの5類移行に伴う社会経済活動の正常化が個人消費を押し上げ、企業業績の回復を支えている。一方で原材料・エネルギー価格の高騰や過度な円安、世界経済の減速などに対する懸念も根強い。 7月下旬に製造業、非製造業50社ずつにアンケートを送付し、8月上旬までに90社から回答を得た。現状の景気認識は1・1%が「拡大」、62・2%が「緩やかに拡大」と答えた一方、28・9%が「横ばい」、7・8%が「緩やかに後退」とした。半年後の景
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静岡県内主要企業 静岡新聞社調査 価格転嫁50%未満4割 原料高に追い付かず
静岡新聞社が18日までにまとめた静岡県内主要企業トップへの景況アンケートで、原材料やエネルギーの価格上昇分を自社の製品・サービスの価格にどの程度転嫁できているか聞いたところ、「50%未満」が1年前の調査と同水準の約4割を占めた。多くの企業が価格転嫁に取り組むものの、急激なコスト上昇のスピードに追い付かない状況などが背景に浮かんだ。 原材料・エネルギー価格の高騰が事業に与える打撃は「深刻な影響が出ている」(31・1%)、「やや影響が出ている」(64・4%)の合計が95・5%に達した。対応策(複数回答)は「価格転嫁」(84・4%)が最も多く、転嫁度合いは「全て」「75%以上」「50~75%程度
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観光バス 運転手不足深刻 コロナで離職から復職せず【迫る 24年問題】
観光バスの運転手不足が深刻化している。新型コロナウイルス禍で仕事が激減して転職した人材の多くが復職せず、社会経済活動の正常化に伴い回復基調の観光需要に対応しきれていない。秋の行楽シーズンに向け、各バス事業者が運転手を募集しても「応募はほとんどない」。来春には運転手の残業時間に上限が設けられる「2024年問題」が迫り、人材確保に苦慮している。 静岡市清水区の丸勇交通は、23人いたバス運転手がコロナ禍で12人まで減った。雇用調整助成金を活用して賃金維持に努めたものの、残業代の目減りや激減した仕事への不安は大きかった。トラック運転手に転職するケースもあった。武本弘之社長(59)によると、求人へ
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静岡ガス 通期予想修正 販売減も利益伸長
静岡ガスは8日、2023年12月期の連結業績予想を修正し、売上高は期初予想比7・7%減の2158億3千万円、経常利益は18・7%増の168億1千万円、純利益は18・8%増の109億5千万円とした。中国で長引く景気減速の影響を受ける輸出型製造業などへのガス供給が減少する一方、前年の液化天然ガス(LNG)価格高騰を受けた販売単価の上昇で予想を上回る増益を見込んだ。 同日発表した23年6月中間決算は、売上高が1262億1600万円(前年同期比33・1%増)、経常利益が193億3700万円(約2・1倍)、純利益は138億3800万円(約2・3倍)だった。 23年1~6月のガス販売量は前年同期比6
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7月倒産19件増 民間調査 静岡県内企業
信用調査会社の東京商工リサーチ静岡支店が8日発表した7月の県内企業倒産件数(負債額1千万円以上)は、前年同月比19件増の24件、負債総額は約112倍の196億9700万円だった。 負債総額10億円以上の大型倒産は、破産開始決定を受けた東名小山カントリー倶楽部(御殿場市、負債総額175億3100万円)の1件。 産業別では建設業8件、製造業5件、サービス業他4件など。従業員10人未満が22件を占め、小規模事業所の倒産が目立った。地域別は東部5件、中部9件、西部10件。円安やコスト増などの影響が懸念され、担当者は「業績回復が遅れている中小零細企業の動向に警戒感が高まっている」と述べた。 静岡
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4月個人破産118件 前年比14件減 静岡県内
静岡商工データがまとめた4月の県内個人破産(手続き開始決定)件数は、前年同月比14件減の118件だった。 地区別では東部が9件増の55件、中部は11件減の40件、西部は12件減の23件。市郡別では静岡市が31件、浜松市が15件、富士市と富士宮市が各10件だった。 同社は「賃金の上昇が物価高に追いついていないのが現状。長期的に注視する必要がある」としている。
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静岡県内最低賃金 40円上げ 過去最大、時給984円 審議会答申
静岡地方最低賃金審議会(会長・畑隆常葉大経営学部特任教授)は7日、県内の最低賃金(最賃)を現行の944円から40円引き上げ、時給984円とする案を静岡労働局の笹正光局長に答申した。対前年引き上げ率は4・2%。国が示した賃上げ目安と同額で、答申通りとなれば引き上げの額、率ともに時間額表示となった2002年以来で最大となる。 同局は即日、答申内容を公表し、22日まで異議申し立てを受け付ける。寄せられた意見を同審議会で検討し、最短で10月1日から新たな最賃に改定される。 審議会では国が本県を含む地域に示した引き上げ目安額40円に対し、使用者側の委員が反発。原材料やエネルギーなどのコスト高が続く
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ベテラン農(ノウ)ハウ 若手教員に 静岡農高 指導力底上げへ
静岡農業高(静岡市葵区)は、静岡県のGAP(農業生産工程管理)認証を受けた安全で適切な農作業のノウハウを教職員が継承する取り組みを進めている。ベテランや中堅の教員が指導役となり、肥料の管理や農機具の使い方などを若手教員に教える。教職員の働き方改革や世代交代も見据え、誰でも一定レベルの教育ができるよう知識と技術の両面で指導力の底上げを図る。 授業数が少なくなる夏休み前の7月中旬、実習助手として生徒を指導するようになってから2年目の田沢柊菜さん(20)が慣れない手つきでトラクターの運転に挑戦していた。「自動車よりも前後両方の注意が必要で難しい」。トラクターを運転するのは2回目。教員歴18年目の
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TOKAIHD4~6月期 顧客増で売上高最高更新 人件費増などで減益
TOKAIホールディングスが3日発表した2023年4~6月期連結決算は、売上高が前年同期比4・2%増の539億7100万円で、第1四半期として3年連続で過去最高を更新した。一方、営業費用や人件費の増加が響き、経常利益は22・8%減の26億1700万円、純利益は25・4%減の13億3800万円となった。 事業別の売上高は、主力のエネルギー事業が239億6600万円(3・0%増)。気温高で家庭用ガスの販売量が減少したものの、中京圏を中心に顧客数を伸ばしたのが増収に寄与した。情報通信事業は4・6%増の134億6800万円で、法人向けのサービスが好調に推移した。CATV事業は光通信サービスを組み合
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最賃上げ、目安額に反論相次ぐ 静岡地方審議会 本格議論始まる
厚生労働省の中央最低賃金審議会が示した2023年度の最低賃金(最賃)引き上げ目安額を受け、静岡地方審議会で1日、県内の最賃改正に向けて本格的な議論がスタートした。地域に応じて過去最大となる時給39~41円の目安額が示されたのに対し、使用者側の審議委員からは「地方と中央は事情が違う」「一度に大きな額は上げられない」などと反論が相次いだ。 中央審議会が都道府県別にランク付けした3区分のうち、本県が入るBランクの引き上げ目安額は40円。同日の静岡地方審議会で、労働者側の委員は目安額について「労組を持たない労働者には心強い」と述べ、「隣県の状況から静岡県の立場を理解して議論したい」と語った。 一
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枝豆栽培に生分解性マルチ 撤去不要、環境負荷低減も 植物原料由来、焼津で実証実験
農地の畝にビニールなどをかぶせて除草と保温・保湿効果を高めるマルチ栽培に、植物原料由来のフィルム「生分解性マルチ」を用いる実証実験が焼津市の枝豆畑で始まった。生分解性マルチは土壌の微生物によって分解されるため、従来のフィルムで収穫後に行っていた撤去作業が不要になる。環境負荷の低減効果も見込まれ、地元の生産者やJAなどでつくる協議会が有効性を調べている。 一般的なポリエチレン製のフィルムは廃棄時に発生する二酸化炭素(CO2)の問題も指摘されている。地域の枝豆生産者とJA大井川、市、県志太榛原農林事務所でつくる協議会は本年度、生分解性マルチの実証実験を国の「みどりの食料システム戦略」事業とし
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味、香りさわやか 早生ミカン 飲料用果汁に 静岡で目ぞろえ会
飲料用果汁に使われる早生(わせ)ミカンの目ぞろえ会が6日、JA静岡市の長田集出荷場(同市駿河区)で開かれた。20日ごろから収穫が始まり、果汁パック「すっぱみかん」に加工し、同JAファーマーズマーケットで販売される。 色づく前のウンシュウミカンを収穫し、8月上旬までに1~2トン程度出荷する。さわやかな酸味と香りが特長で、生産者によると果汁は焼酎やサイダーなどに割って飲むのがおすすめ。今年は例年よりも1週間程度早く生育が進み、果実が大きく、味や香りも上々の出来という。 目ぞろえ会では出荷規格や病気への注意点などを確認した。生産者の小野田潔和さん(63)は「市内の一部の居酒屋でもサワーとして提
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浜名湖産ノリやアオサ 乳酸菌と米で果物発酵 県農林技術研究所 色と香り変化 成分解析 CF20日まで
静岡県農林技術研究所(磐田市)は、浜名湖のノリやアオサから採取した乳酸菌と米でイチゴやメロンを発酵させ、果物の成分変化を調べる基礎研究に取り組んでいる。これまでの発酵試験で色が変わったり、香りが強くなったりするなどの変化がみられたという。同研究所は消費が落ち込む米や果物で新たな加工食品の開発を見据え、機能性成分などの科学的解析を進める。 ノリやアオサから分離させた乳酸菌を米のかゆに入れて培養し、すりつぶした果物を混ぜて発酵させる。1日程度で甘い香りが際立つようになったほか、メロンは緑から黄色になるなど「劇的な変化が起きた」(研究員)という。乳酸発酵させた農産物の成分解析データは少なく、同研究
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アサリ復活 道筋に“光” 浜名湖で稚貝を垂下養殖 浜松ホトニクスと浜名漁協
浜松市の光学機器メーカー浜松ホトニクスと浜名漁協が進める浜名湖のアサリ資源回復に向けたプロジェクトは、陸上施設で産卵能力を回復させた親貝が生む浮遊幼生を健全な稚貝に育てる「人工種苗生産」に一定の道筋が見え始めた。7月から稚貝を浜名湖のカキ棚につるして成長させる「垂下養殖」に乗り出す。実験の場を自然界に広げ、適切な成育環境を見極める新たな段階に入る。 同市西区の施設でアサリ研究を担当する同社の松永茂さん(60)によると、昨年度に施設へ持ち込まれた浜名湖のアサリが自然産卵した回数はゼロ。交流がある地元水産卸問屋でも産卵がなく、「湖内の環境悪化で親貝の卵を産む力が弱くなっている」とみられる。
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JA静岡中央会 新会長に鈴木氏内定 信連に梶氏 経済連に河原崎氏
JA静岡中央会と各連合会(県信連、JA静岡経済連、JA静岡厚生連、JA共済連静岡)は23日までに、任期満了に伴うトップ人事を内定した。中央会の会長は、鈴木政成氏(69)=JA遠州中央経営管理委員会会長=が就任する。関係者への取材で分かった。 鈴木氏は厚生連、共済連の会長も兼ねる。副会長はJA静岡市の三津山定組合長(63)が就く。各連合会の最終意思決定機関に当たる経営管理委員会の会長は、県信連がJAふじ伊豆の梶毅組合長(68)、経済連がJA遠州夢咲の河原崎友二組合長(67)で固まった。 いずれも30日に開催される各会の総会などで正式決定する。任期は3年間。
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国産利用増 合板需要が鍵 ウッドショック後の木材市場 野田励/「ノダ」社長【聞きたい】
約2年前に世界中が木材の供給不足に陥った「ウッドショック」と呼ばれる混乱は、海外産に依存する国内市場の弱さを浮き彫りにした。政府が木材自給率50%を目標に国産材の利用を促進する中、静岡市清水区と富士市の建材生産工場で県産材の需要を創出している。 ―木材市場の展望は。 「国産材の利用を伸ばすには、合板メーカーの需要が一つの鍵になる。2015年に稼働を始めた富士市の合板工場は年間15万立方メートルの木材を使い、毎日の使用量も一定。林業にとって経営計画が立てやすく、間伐材の利用で県内の森林管理も進む。政府は自給率を現在の約40%から50%に引き上げるため、住宅以外の木造建築物を増やす計画を立て
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浜松のアパレルメーカー 久留女木の棚田で綿花栽培挑戦 農村の魅力込めた商品を
遠州織物のアパレルメーカー「HUIS(ハウス)」(浜松市西区)は、同市北区引佐町の久留女木の棚田で綿花の栽培に乗り出した。棚田の維持管理に取り組む地域住民と連携し、耕作放棄地の活用と地産地消の洋服作りを目指す。自然や農業の厳しさ、住民の思いなど背景のストーリーにも目を向け、商品を通じて農村や伝統技術の価値を発信する。 5月に約200平方メートルで種まきを行い、秋の収穫に向けて栽培を始めた。地元で里山の保全に取り組む「久留女木竜宮小僧の会」が管理作業を担い、育てた綿花をシャツやワンピースの原料とする計画だ。栽培を開始した直後に台風や大雨に見舞われたものの、松下昌樹社長(43)は「自然の厳しさ
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二酸化炭素の吸収量取引、静岡県が促進 J―クレジット制度普及へ
静岡県は温室効果ガスの排出削減量や吸収量で国が認証したクレジットを売買する「J―クレジット制度」の普及に乗り出した。企業などがクレジットを購入することで資金を循環させ、脱炭素化を加速させる。県は本年度、森林分野で制度の登録に必要な審査費用の補助と情報提供に取り組み、適切な森林管理を促し二酸化炭素(CO2)吸収量を高める。 審査費補助や情報提供、森林適切管理促す 静銀経営コンサルティング(静岡市)によると県内の森林面積は約50万ヘクタールで、1ヘクタールの年間CO2吸収量は1~10トン。J―クレジットの相場はCO21トン当たり1万円程度とされ、1ヘクタールの年間吸収量を5トンとすると計算上
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「ウッドショック」収束へ 気をもむ関係者 国内外で需要減、価格下落
約2年前にウッドショックと呼ばれた木材の深刻な供給不足が一転、国内外での需要減速で供給超過に陥っている。今年は輸入量が減少しているものの国産材の荷動きは鈍く、木材価格は下落して従来水準に戻りつつある。エネルギー価格の高騰などで生産コストが増える中、静岡県内の関係者も木材相場の動向に気をもんでいる。 新型コロナウイルス禍による海外での木材生産の減少に端を発したウッドショックは、2021年春ごろに影響が顕在化した。同年1月に1万8100円だったヒノキ中丸太の国内価格(1立方メートル当たり)は、10月に3万3千円まで高騰。スギ中丸太も1月の1万3500円が8月には1万8千円を超え、以後は1年以上
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デジタル林業静岡県東部で実証へ ICT活用し生産と流通効率化
静岡県や県森林組合連合会(県森連)は本年度から、東部地域をモデルに林業の生産、流通の効率化に乗り出す。浜松市天竜区の天竜材が有名な県内林業は“西高東低”とされるが、東部でも伊豆市の中間土場を拠点に木材の安定供給に向けた動きが進む。富士市の合板工場向けに木材の新たな需要が高まり、関係者はデジタル技術で生産現場と市場、工場を円滑に結ぶネットワークの構築を目指す。 県森連が1月に開設した伊豆市大平の中間土場で、伊豆半島の全域から運ばれたスギやヒノキが高く積み上げられていた。以前は生産者が丸太市場に個別出荷していたが、現在は中間土場で品質ごとに仕分けされ、用途に応じて合板工
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静岡人インタビュー「この人」 静岡労働局長に就任した 笹正光さん(静岡市駿河区)
バブル直前の1984年に入省。地方のハローワークや中央労働委員会などに勤務し、主に職業安定行政に携わってきた。山形県出身。58歳。 ―新型コロナウイルス禍はどんな業務に従事したか。 「2019年から福岡労働局の職業安定部長を務め、着任から9カ月後ぐらいにコロナの感染拡大が始まった。単に仕事を探す人は減ったが、ハローワークで失業認定を受けようとする人が急増した。助成金担当の窓口も雇用調整助成金の特例措置が始まる前から事業主が殺到し、現場は大変だった」 ―コロナの収束で労働環境も新たな局面に入る。 「景気が改善すると、より良い条件の仕事を探す求職者が増える。物価が上がればさらに高賃金を求
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母の日前に ガーベラ最盛期 「おうち時間」で需要開拓、引き合い強く 静岡県が生産量全国一
静岡県が全国1位の生産量を誇るガーベラの出荷が、14日の母の日を前に最盛期を迎えた。社会経済活動の正常化に伴いイベントが徐々に再開され、贈答用などの需要回復で花き類はコロナ前を上回る引き合いが続く。資材や光熱費の高騰で原価は上昇したものの、新型コロナウイルス禍で「おうち時間」の楽しみ方を提案し、新たなファンを開拓した関係者の努力が花開きつつある。 全国生産量の18%を占める浜松市。佐藤加志吾さん(46)のハウスでは、オレンジや白、黄色の鮮やかなガーベラが広がる。今年は2月の温暖な気候で生育が進み、「出来は例年になく良い」。通常よりも半月ほど早い3月下旬から花が増え始め、今春は彼岸や入学式
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農業はカッコイイ! 三島の若手「のうみんず」 デザイナーらとPR
三島市の箱根西麓で農業を営む若手グループ「のうみんず」は、地元のデザイナーやカメラマンとタッグを組んで農業の魅力を発信している。プロの技術でポストカードやポスター、ロゴを製作し、活動や地域を紹介する写真展も開催。「農業ってカッコイイ」。そんな思いを届けようと、若手農家の奮闘は続く。 鮮やかな緑が広がる同市川原ケ谷のロメインレタス畑で4月下旬、30代のメンバー5人がそろいのジャンパーとTシャツ姿でポーズを決めていた。地元のデザイナー岡本雅世さんとカメラマンの真野敦さんが細かな指示を出すと、5人は手を組んだり表情を変えたり。3年ぶりの撮影会は30分ほどで終わり、出来上がった写真はポスターや販売
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川根本町産ユズでビール 酒販店オープン目指す 6月までクラウドファンディング
川根本町のまちづくりNPO「かわね来風(らいふ)」は、県内3社の醸造所と連携し、町特産のユズを使ったクラフトビールを開発した。クラウドファンディング(CF)で調達した資金で町内に酒販店を整備する計画。過疎化が進む地域で「人を呼び込む起爆剤に」と期待を込める。 茶農家などが農閑期に栽培するユズは、寒暖差で育まれる豊かな香りが特徴。生産量は県内1位で、用途拡大に向けてビール開発を企画した。人口減少や台風被害による大井川鉄道の運休で地元に活気が薄れる中、業種を超えて地域課題を解決する県の「地域食品産業連携プロジェクト」で完成にこぎ着けた。 ビールは果汁感を楽しめる「フルーツエール」、優しい風味
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デジタル林業 静岡県東部で推進 国の事業に採択
静岡県東部の林業に情報通信技術(ICT)を導入し、県産材の増産と流通の効率化を図る「県東部地域デジタル林業推進コンソーシアム」が、国が公募したデジタル林業戦略拠点構築事業に採択された。コンソーシアムの計画は2025年度までの3年間で、本年度は国から3700万円の補助金を受ける。 伊豆市で1月に整備された木材の一時集荷所「中間土場」を核に、合板工場や林業経営体などが木材の種類、需給情報を共有するシステムを構築する。生産現場での測量はドローンや衛星測位システム(GNSS)を活用し、効率的な生産計画の作成や施工管理の省力化につなげる。国の事業採択を受けたのは本県を含む全国3地域。 コンソーシア
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“厄介者”ウニを養殖 焼津水産高、用宗の海藻食害解消へ
静岡市の用宗海岸で海藻類を食害するムラサキウニを捕獲し、野菜の残さを餌に与えて養殖する試みが焼津市の焼津水産高で進んでいる。3月までの実証試験では、旬の時期ではない冬場にも順調に成長し、可食部は一部で商用と遜色ない大きさに育った。地元では海藻を新たに特産化する動きもあり、“厄介者”を有効活用することで一石二鳥を狙う。 用宗海岸では、ウニなどが海藻類を食べ荒らす「磯焼け」が深刻化している。水揚げがほとんどないウニは増加し続け、海藻を餌とするアワビやサザエが減少するなどの弊害も浮上した。地元では新たな名物としてアカモクなどの海藻類に注目が集まる中、磯焼け解消は喫緊の課題
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茶農家苦悩「先見えぬ」 農業担い手、止まらぬ減少 継承可能な環境づくりに支援必須
新茶シーズンが間近に迫った3月下旬、静岡市葵区内牧の茶園に新緑の景色が広がっていた。山間地の適度な日照量と冷涼な環境が良質な茶を育む。「味は良い。できる作物は限られるが、お茶づくりには最適な土地」。地元で約50年にわたり生産を続ける牧野隆夫さん(66)は語る。 組合長を務めるマルウチ茶農協では約30年前、100軒以上の農家が茶葉を出荷していた。荒茶工場を回す正組合員も「いくらでもいた」が、現在は農家が38軒、正組合員は17人に減った。「茶の単価が安くなり、農家も年を取った。後継者は出てこない」と苦しい胸の内を明かす。 農業の担い手不足が深刻化している。農林水産省の統計によると、2010年
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畑ワサビにICT活用 静岡で実証試験 地元3社連携 販路開拓へ
冷涼な環境で生育する「畑ワサビ」の栽培に情報通信技術(ICT)を取り入れ、気温変動などに左右されず安定した収穫、出荷を目指す実証試験がこのほど、静岡市で始まった。葉や茎は1年を通じて収穫され、さまざまな商品への加工も可能。販路の確保など事業の採算性も含めて2年間の検証に取り組み、収量が落ち込むワサビ栽培の巻き返しを図る。 一般的な「沢ワサビ」は清流が豊かな山あいのわさび田で生育するのに対し、畑ワサビは他の野菜と同様に平野部の農地でも栽培される。さわやかな風味と歯ごたえが特徴で、茎や葉の酢漬けや天ぷらなど多彩な食べ方が楽しめる。一方、農家の後継者不足などで2010年に229トンだった県内の
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JA中央会 Wワーク導入推進 職員が有償で農作業
JA静岡中央会は農業の生産拡大に向けた労働力確保の支援策として、JA職員が副業で農作業に取り組む「W(ダブル)ワーク」の本格導入を推進する。新年度からスタートする2カ年計画に盛り込み、28日にJAの各連合会と開催した臨時総会で決定した。 Wワークは昨年度からJA遠州中央と中央会が試験的に開始した取り組みで、繁忙期に職員が休日を利用するなどして農作業を有償で手伝う。中央会は援農や職員教育の枠を超えた仕組み作りを進め、「職員による労働力支援の幅を広げる」とした。地域貢献に取り組む企業の社員がボランティアで収穫などの作業に参加する「しず農コレクト」の活用拡大も図る。 効率的な農業の手法を支援す
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休業手当助成3月末終了 雇調金の申請大幅減 労働市場の活性期待も
新型コロナウイルスの影響で従業員を休ませた企業に対し、休業手当を補塡(ほてん)する雇用調整助成金(雇調金)の特例措置と緊急雇用安定助成金(緊安金)が3月末で終了する。緊急時の雇用維持に一定の役割を果たしたが、最近は全国的に申請数がピーク時に比べて大きく減少。助成終了の影響は限定的とみられる。 雇調金は雇用保険加入者が対象で、2020年に始まった特例措置では、従業員1人当たりの日額上限を1万5千円に設定。経済活動の再開に伴い22年10月から段階的に縮小し、23年1月末でコロナ前と同じ8355円に戻った。4月からは1年を超えての申請ができなくなり、再受給には1年間の無給期間を挟む必要がある。
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タケノコ 今年も高品質 JA静岡市など 目ぞろえ会
静岡県内主要産地の4JA(ふじ伊豆、しみず、静岡市、おおいがわ)によるタケノコの目ぞろえ会が27日、静岡市駿河区の県農業会館で開かれた。今年は裏年で出荷量が少ないものの、適度な雨量で質の高いタケノコが育ったという。4月中旬までが出荷の最盛期となる見込み。 収穫時期は12~4月で、今期は前年比221トン減の292トンが地元や東京、東北に出荷される見通し。市場に近い本県のタケノコは収穫の翌日には販売されるため、九州など2日後に売り出される他産地よりも高い鮮度が特徴という。出荷がピークに入ると地元スーパーにも多く並ぶようになり、関係者は「煮物や天ぷらなどさまざまな食べ方を楽しんでほしい」と語る。
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河川への排水緩やかに 豪雨備え「田んぼダム」静岡県が補助制度 流域に協力呼びかけへ
近年激甚化している豪雨災害に備え、県は新年度から水田にたまった雨水を河川へ緩やかに放出する「田んぼダム」の普及に乗り出す。公費であぜを再構築するなど田んぼダムの補助制度を新たに創設し、農業者に協力を呼びかけて河川流域の治水対策につなげる。 田んぼダムはV字の切り込みや小さな穴を空けた調整板を水田の落水口に取り付け、時間をかけてゆっくりと水を川に流す仕組み。大雨のピーク時に排水量を減らすことで河川の急激な水位上昇を抑え、氾濫などの被害を防ぐ。農林水産省が新潟市でシミュレーションを実施したところ、10年に1度の大雨ではピーク時に排水路の流量を20%以上減少させる結果になった。 県は本年度、浜
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AIで人流・交通状況予測 まちづくりや課題解決 NTT西日本、静岡で実証実験
NTT西日本静岡支店はこのほど、オープンデータや人工知能(AI)を活用して地域の人流や交通状況を予測するプラットフォーム「みんなのまちAI」の実証実験を静岡市で開始した。従来比64倍の高精度で人流情報を収集し、施設やエリアに応じた人の行動特性などを分析。データを可視化し、まちづくりや地域課題の解決につなげる。 実証実験は全国の自治体で初。市内イベントでの人流分析、公共施設の配置シミュレーションなど、市の協力を得て2024年3月末までシステムの有用性を検証する。田辺信宏市長との協定締結式に臨んだ番匠俊行支店長は「静岡市は都市規模が程よく実証環境に最適。市全体でデジタル化を推進する思いにも共感
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三島市 ポストコロナの観光振興【東部23年度予算案②】
宿泊客でにぎわう週末の富士山三島東急ホテル(三島市)。ロビーの一角にあるツーリングラウンジで2月中旬、県東部の地酒試飲会が開かれた。主催した法被姿の大学生が5種類の地酒を振る舞うと、口に含んだ観光客の笑顔がほころぶ。横浜市から訪れた柴田裕昭さん(71)は「三島はせせらぎの街。酒もいっそうおいしく感じる」と話した。 地域の食文化に触れる観光「ガストロノミーツーリズム」の一環。同市の日大国際関係学部で観光を学ぶゼミ生が企画し、観光客、インバウンド、地元住民など2日間で約200人が訪れた。ゼミを指導する矢嶋敏朗准教授は「こんなに大勢が集まるとは思わなかった。水を連想させる三島で酒は観光のキーワー
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記者コラム「清流」 感動の4年間
4年前、三島支局に赴任した時のことを昨日のように覚えている。前任地の浜松で仕事を終え、三島に到着したのは夜遅く。翌朝、近くのコンビニに行く途中で見えた富士山の壮大さに圧倒された。 初めて食べた箱根西麓三島野菜のおいしさには驚いた。食の恵みを育む豊かな自然は市内各所で感じられ、中でも源兵衛川などを流れる透き通った湧水にはいつも心が洗われた。歩道を彩る花々も相まって、街中がいっそう輝いて見える。 振り返れば感動の連続だったように思う。それは、地元の魅力を磨き続ける市民のパワーがあってこそ。そんな方々の思いを取材し、時に酒を酌み交わして語り合った経験は記者の貴い財産だ。感謝の気持ちを込め、これから
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ネット使う子ども守れ 新入学児の保護者、対策学ぶ 三島
三島市の三島ロータリークラブはこのほど、年長園児の両親や祖父母がインターネットの基礎知識を学ぶセミナーを三島商工会議所で開いた。子や孫が新年度から通い始める小学校ではタブレット端末が1台ずつ配布されるため、保護者がネット上の危険やトラブルから子どもを守るポイントを学んだ。 講師を務めた「草の根サイバーセキュリティ推進協議会」の吉岡良平常務理事は、性犯罪や詐欺などの重大事案から情報漏えい、いじめ、ネット依存など日常的な危険まで幅広いトラブルについて説明した。約49億人とされるネット利用者には「犯罪者、テロリスト、悪意のある人もいる」とする一方、何げない会話で無意識に相手を傷つけるリスクにも触
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川の「いのち」見つけた 絵本と巡る自然観察会 「ママとね」企画
静岡県東部の子育て支援グループ「ママとね」は25日、三島市芝本町の飲食店「風土」で運営しているあひる図書館のイベントとして、自然観察会「絵本とめぐる源兵衛川のいのち」を市内で開いた。親子9組、約30人が参加した。 生き物の生態を題材にした「科学絵本」の読み聞かせで子どもらが好奇心を高めた後、市の中心部を流れる源兵衛川に入って生き物探しに挑戦。生態学に詳しい県職員の吉田大祐さんが講師として参加し、ヨシノボリやヌマエビなど見つかった生き物について子どもらに詳しく解説した。川沿いでは沢ガニの物語を描いた紙芝居も披露された。 子どもらは生き物を観察して絵を描き上げた後、生き物を川に戻した。吉田さ
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静岡人インタビュー「この人」 みしまバーニャを企画した 大滝真人さん(三島市)
標高50メートル以上の高地で生産される箱根西麓三島野菜にソースを付けて味わうバーニャカウダ。新たな三島の名物として市内飲食店に提案し、1カ月で23店舗のメニューに加わった。JAふじ伊豆三島函南地区本部営農販売課の課長補佐。41歳。 ―みしまバーニャとは。 「3品以上の地元野菜をオリジナルソースとともに提供する。少量多品種の箱根西麓三島野菜は年間を通じて50種類以上が生産され、旬の野菜は季節に応じてさまざま。店によってソースも異なるので、食べ歩いて楽しんでも面白い」 ―バーニャカウダで売り出す理由は。 「元々はイタリア発祥の家庭料理。生でもゆでても焼いても良く、種類が豊富な箱根西麓の野
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谷田幸原線、三島駅北口線開通 三島で式典 アクセス向上、渋滞緩和
三島市幸原町の三島、長泉の市町境から東へ向かう都市計画道路「谷田幸原線」と、北への延伸工事を進めていた「三島駅北口線」が23日、開通した。 谷田幸原線は三島裾野線に接続する312メートル、三島駅北口線は青木橋手前までの320メートルがそれぞれ供用開始となった。片側2車線の谷田幸原線は歩道なども含めた全体の幅員が27メートル、総事業費は約37億円。開通区間3カ所での信号機設置に伴い、三島裾野線との交差点から150メートルほど南にある信号機は廃止された。三島駅北口線は駅北側の渋滞緩和が期待され、約29億円を投じて完成した。 同町では3月18日に県道大岡元長窪線が開通する予定で、三島市幸原町か
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ドニプロから三島に避難 ネジェリコさん、故郷の惨状に心痛「負ければ世界が終わる」 ウクライナ侵攻1年
1年前の「あの日」から全てが一変した。2022年2月24日。ウクライナ東部ドニプロの自宅で就寝中だったネジェリコ・マリーナさん(63)は、三島市に住む娘の原アンナさん(41)からの電話でロシアの軍事侵攻を知らされた。現地時間は午前4時。「ロシアが攻めてきた」という娘の言葉は、どこか遠い国の出来事のように信じられなかった。 人口100万人のドニプロはキーウ、ハルキウ、オデーサに次ぐウクライナ第4の都市だ。街中にはカフェやレストランが並び、平常時はにぎやかに人が行き交う。しかし、ロシアが攻めてきてからは街のあちこちに戦車の侵入を防ぐバリケードが並ぶ。昨年秋から民家もロシア軍の標的とされ、今年1
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会員制カレー店 三島に4月オープン サウナや交流生む仕掛けも
食とサウナを通じて人がつながる会員制カレー店「6curry&sauna(シックスカレー・アンド・サウナ)」が4月、三島市のLtGスタートアップスタジオにオープンする。月額の会費を支払うメンバーが共通の趣味で部や同好会を結成したり、一日店長を体験したりする。3月26日までクラウドファンディングを実施し、初代メンバーを募集している。 2018年から東京・渋谷、恵比寿で2店舗を運営していた「シックスカレー」のブランドを三島市の加和太建設が受け継ぎ、三嶋大社前の市中心部に店を構える。メンバーは会費に応じて3種類に分けられ、月に2500円を支払うと1日1杯のカレーが無料になる。敷地内の石倉を改装した
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「防火の神」石祠再生へ 大場地区でグラウンドワーク三島 荒廃の山中参道整備
三島市のNPO法人グラウンドワーク(GW)三島は、同市大場地区の鎮火・防火の神をまつるとされる石祠(せきし)の再生に乗り出した。荒廃した山中の竹林を伐採し、少しずつ参道を整備しながら地域に忘れ去られた石のほこらに“光”を当てる。 GW三島によると大場地区の山奥にある小さな石祠は、近くの光明寺境内に小祠がまつられている秋葉神社に由来する可能性があるという。かつては参拝に出向いた地元住民が維持管理を行っていたものの、現在は竹林が生い茂る放置状態に。ほとんど人が寄りつかず、うっそうとした山中の参道も荒廃が進んでいる。 GW三島は3月までに石祠周辺の竹林除去に取り組む計画
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函南・丹那地区 乳牛品評会50回で幕 高齢化や維持費高騰打撃に
酪農が盛んな函南町の丹那地区で半世紀続いた乳牛の品評会「丹那ブラック&ホワイトショー」がこのほど、50回目の開催を節目に幕を下ろした。酪農家の高齢化に加え飼料代や光熱費の高騰が経営を圧迫し、品評会を続ける余裕がなくなったという。関係者は「1年先の状況も読めない。50回も続けたことを前向きにとらえ、終わりにしたい」と語る。 品評会は乳器を付ける牛の正確な骨格やたたずまい、歩き方などが審査され、家畜を飼育、調教するための技術を互いに学び合う恒例行事。主要産業の酪農を盛り上げようと1972年に始まり、これまでJA函南東部の青年部を主体に酪農家の研さんの場として続けられてきた。品評会を立ち上げた石
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横田さん(田方農高3年)高校生初大臣賞 フローラルアクセサリー
12都県のアーティストが出品する「第71回関東東海花の展覧会」で、田方農業高(函南町)フラワーデザイン部の横田和奏さん(3年)が全3部門の最高賞となる農林水産大臣賞に輝いた。主催する日本フラワーデザイナー協会によると、高校生の農水大臣賞の受賞は初めて。 フローラルアクセサリー部門に出品した横田さんは、耳に着けるイヤーカフを制作した。カスミソウやブーゲンビリアなど4種類の植物をあしらい、トンボが羽休めする秋の風景をデザイン。ルスカスの葉を編んでトンボの体をつくり、羽は植物由来のスケルトンリーフで表現するなど精巧な技術で作品を仕上げた。 同展覧会はフローラルアクセサリー、ブライダルブーケ、
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一流の演奏 児童に披露 三島せせらぎ音楽祭本番前に学校訪問
国内屈指の一流音楽家が集う「三島せせらぎ音楽祭」(実行委員会主催)のコンサートが12日に三島市民文化会館で開かれるのを前に、出演者による訪問コンサートが9日、北小、南小で開かれた。演奏家が楽器の特徴や曲に込められた思いなども説明しながら美しい音色を響かせた。 9人が訪れた北小ではバイオリンやチェロ、コントラバスなどの弦楽器をそろえ、モーツァルトやチャイコフスキーなどの4曲を披露した。曲の合間にはトークを交え、音楽の流れを継承する作曲家の気持ちや時代背景なども解説。「みんなも先輩の良いところをどんどん取り入れてほしい」などと語りかけ、ステージでは息の合った演奏を繰り広げた。 同音楽祭はコ
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おなかの働き 仕組みを学ぶ 三島の幼稚園
三島市のしらゆり幼稚園で7日、東静岡ヤクルト販売(沼津市)の社員を講師に招いた健康教室が開かれ、年長園児約70人がおなかの働きや仕組みについて学んだ。 デジタル紙芝居ではおなかの中で悪い菌が増えると下痢をしたりする話を披露し、良い菌を増やすための「8つの約束」として早寝早起き、野菜や朝ご飯をしっかり食べることなどを呼びかけた。食道や胃、腸などを紹介する模型も示し、口から入った食べ物がどのように栄養となって排出されるか―などの仕組みも解説した。
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被災時「共助が人命救う」 三島・加屋町自治会、防災研究報告
三島市の加屋町自治会はこのほど、2年間にわたって研究を積み重ねてきた地域防災の発表会を市西地区コミュニティー防災センターで開いた。 溶岩層の地盤は強固で家屋が崩れにくい一方、道路幅が狭く住宅が密集し、古い木造の建物も多い―など、同町の防災的な強みや弱点などを分析した。その上で西風が強い冬場の夕方に震度6強の大地震が発生するなど、最悪のシナリオにどう対応するかをテーマに掲げた。広域避難所の三島西小は収容人員が限られ、他地域への移動や自家用車内での生活、臨時避難所の開設などさまざまなケースが想定されるとした。 日ごろからできる有事への備えとして水や食料の備蓄、中高生による若い力の結集、トイ
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函南町予算案 一般会計124億円 利便性向上へ改革
函南町は7日、2023年度当初予算案を発表した。一般会計は前年当初比6・7%増の124億7400万円で、特別会計と企業会計を含めた予算総額は235億7600万円(4・6%増)。ウィズコロナ、アフターコロナを見据え、情報化社会に対応した自治体DXの推進など町民の利便性向上を目指し改革に取り組む。 一般会計の歳入は町税が0・4%減の50億9300万円。個人住民税は若干増加するものの、地価の下落傾向と設備投資の減少に伴い固定資産税の減額を見込んだ。地方消費税交付金はコロナ禍の影響による経済状況の回復で15・0%増の9億1100万円。地方交付税は地域デジタル社会推進などで34・6%増の18億280
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三島の野菜ふんだんに 学生と飲食店 コラボメニュー店舗で提供
地元産の食材を使ったメニュー開発に取り組んできた三島市の飲食5店舗と鈴木学園中央歯科衛生士調理製菓専門学校の学生が6日、完成した新メニュー5品を同校でお披露目した。今後、各店舗で順次提供されるほか、高校生やインフルエンサーもSNSで情報発信して三島の食を盛り上げる。 鳥獣被害をもたらす鹿の肉をミンチにし、三島のタマネギやワサビの茎を加えた「伊豆メンチ」、肉の代わりに豆腐と地元のキャベツを用いたギョーザなど多彩なアイデアメニューが並んだ。素材の味がそのまま楽しめる「ふろふき人参(ニンジン)」は白みそとサクラエビをかけて味わい、地元産のトマトをパスタにも練り込んだ真鯛のトマトラグーは野菜の甘み
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ホタル舞う源兵衛川に GW三島、餌のカワニナ採取し放流
三島市のNPO法人グラウンドワーク(GW)三島は4日、市内を流れる源兵衛川の下流部でホタルの餌になるカワニナを採取し、夏になるとホタルが飛び交う中流部に放流した。 GW三島によると、幼虫のホタルは餌のカワニナを食べて成長し、3月ごろに川から土手に上がって4月下旬から飛び始める。参加者は富士山南東消防本部西側の源兵衛川で3万個のカワニナを集め、例年ホタルが多く見られる三島メディカルセンター周辺の源兵衛川に放った。 GW三島はこのほかにも外来植物の除去など水辺環境の整備に取り組み、ホタルの保全活動を続けている。生息調査(4月下旬~6月)では、12年前の1200匹から昨年は3200匹まで観測
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新校名案は「伊豆中学校」 準備委、市教委に答申
2025年度に伊豆市内3中学を統合して誕生する新中学校の開校準備委員会は3日、新校名を「伊豆中学校」とする案を市教育委員会に答申した。市教委は27日の定例会で校名に関する意向を決定する予定。 新中学に統合する修善寺、中伊豆、天城の3中学の地域で1月、小中学生や保護者、教職員らを対象に校名投票を実施した結果、全5候補のうち「伊豆中学校」が全体の43%を占める最多の877票を集めた。これを受けて準備委員会で検討し、「シンプルで呼びやすく分かりやすい」「幅広い年代で支持されている」などとして全会一致で新校名案に決定した。 同市中伊豆支所で準備委の原京委員長から答申を受けた梅原賢治教育長は、「市
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記者コラム「清流」 生活に変化を
以前は取材先へ向かう移動手段に自転車を多用していたが、今はできるだけ徒歩に切り替えている。歩く間にいろんなことを考えたり、街中のふとした変化に気付いたり。偶然出会った方々に声をかけられるのもしばしばだ。 あるセミナーで聞いた言葉にはっとさせられた。「『地元の自慢は何か?』。この質問が意外と難しい」。初めて訪れた土地は魅力を感じやすいが、長く住むとそれが当たり前になる。三島に暮らして間もなく4年。なるほど、確かにそうかもしれない。 だからこそ、日々の生活に少し変化を加えてみる。普段は自転車で通り過ぎていた景色が、歩けば少し輝いて見えるような。1日の歩数計が1万歩を超えるのも珍しくなくなった
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三島市予算案 一般会計過去最大424億円 発展へ地盤固め
三島市は1日、2023年度当初予算案を発表した。本格的な着工を予定する三島駅南口東街区の再開発事業や公営住宅の建て替えなどで投資的経費が増加し、一般会計は過去最大の424億8千万円(前年比8・4%増)。大場地区の土地区画整理事業も含め、将来の持続的発展に向けた地盤固めに重点を置いた。 19億6千万円を計上する駅前再開発は、買収する土地、建物の権利変換を経て解体工事に入る見通し。地下水、湧水を保全するモニタリング調査や建築工事への補助、退去するテナントの補償などに予算を盛り込んだ。31年度の供用開始を目指す市役所の新庁舎整備事業には1500万円を充て、建設地を含めた基本構想を年度内に策定する
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外国人住民が恵方巻き作り 三島 風習も学ぶ
三島市国際交流協会は29日、外国人住民を対象にした立春交流会「恵方巻きをつくろう」を市民生涯学習センターで開いた。 ベトナムやインド、中国など8カ国、20人が参加した。同協会員から「すしロール」の作り方を学んだ後、お米をといで炊く作業から取りかかった。具材のキュウリやかんぴょうなどをちょうど良い長さに切りそろえたほか、卵焼きにも挑戦した。エビやツナなどさまざまな具を酢飯の上にたっぷりと乗せ、手前からゆっくりと巻いて完成させた。 協会員から今年の方角の南南東に向いて食べる風習について説明を受け、完成した恵方巻きを各家庭に持ち帰って味わった。
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新庁舎整備へ検討委 三島市役所 10人に依頼状交付
築60年が経過して老朽化が進む三島市役所の新庁舎整備に向けた検討委員会の委員依頼状交付式が30日、市役所で開かれた。学識経験者や各種団体の関係者ら10人が委嘱を受け、新庁舎の規模、建設地、導入する機能などについて意見をまとめる。 新庁舎は市制90周年の2031年度をめどに新設する計画が進んでいる。現時点の建設候補地は現在の市役所がある北田町か南二日町グラウンド。延べ床面積は約1300平方メートルを想定し、建設費は北田町が115億円、南二日町は浸水対策も含めて91億円が見込まれている。検討委は市民から寄せられた意見も踏まえ、学術的、専門的な見地から新庁舎の適切なあり方を考える。 依頼状を交
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「好きになることが大事」 ボクシング五輪金 入江さん 三島の小中生に講演
東京五輪のボクシング女子フェザー級で金メダルを獲得した入江聖奈さん(日本体育大4年)が30日、三島市の中郷中、北小を訪れて講演した。ボクシングや選手引退後の新たな目標に据えるカエル研究への思いを語り、「好きになれば自発的、主体的に取り組める。それが成功への近道」と生徒らにアドバイスした。 中郷中では生徒の質問に答える形で講演した。ボクシングでのモチベーションについて「ゴールは五輪の金メダルだが、最初は現実味が湧かない。逆算して県、全国大会など身近な目標に向かった」と振り返った。部活動の試合で「いつも緊張してしまう」という生徒には、「本番の緊張や練習よりも動きが悪くなるのは当たり前。そう思え
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ウクライナへの思い訴え 避難家族と交流授業 三島北中
ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナの東部ドニプロから三島市に避難しているネジェリコ・マリーナさんと孫のミランさん、同市に住む娘の原アンナさんらが30日、市立北中を訪問して母国への思いを生徒に語った。 ネジェリコさんらは2022年4月に来日し、三島で暮らす原さんの自宅に身を寄せている。交流授業ではウクライナ各地の風景写真を交えながら、近隣各国への良好なアクセスや肥沃(ひよく)な土壌で生産される豊かな農産物などさまざまな魅力を紹介した。ソ連から独立して現在の国家を形成するまでの歴史にも触れ、手に入れた平和の尊さや自由と平等を重んじる国民性などについて語った。 22年2月の軍事侵攻から生活が一
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伊豆箱根鉄道、すべらない砂で合格祈願 修善寺駅で28日、受験生に配布
伊豆箱根鉄道(三島市)は28日、電気機関車の車輪にまいて空転を防ぐ砂を袋に小分けした「すべらない砂」を、駿豆線修善寺駅(伊豆市)と大雄山線大雄山駅(神奈川県)で配布する。入試が間近に迫った受験生の合格祈願として各100個を用意する。 同社には1947年製の電気機関車が2機あり、現在も車両や重機などの輸送に使われている。運ぶ対象物が重いと車輪が空転する危険が高まるため、レールとの間に砂をまいてすべらないよう安全対策を行っているという。受験シーズンを前に「すべらない砂」を小さな袋に入れ、合格祈願の絵馬をデザインしたパッケージとともに受験生に配る。 28日午前10時から配布し、なくなり次第終
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函南メガソーラー計画 トーエネック撤退「事業を進めるのは困難」
函南町軽井沢で大規模太陽光発電所(メガソーラー)事業を計画していた中部電力グループのトーエネックは24日、「事業環境が厳しくなり、開始が困難」として事業からの撤退を発表した。一方で他の事業者が計画を継続する可能性もあり、同社は事業の完全撤退に向けて交渉を行っているという。 同事業は東京ドーム13個分に当たる65ヘクタールに約10万枚のソーラーパネルを設置する計画。同社と開発事業者のブルーキャピタルマネジメント(東京)が進めてきたものの、地元では防災上の危険や景観への影響などから住民による反対運動が起きている。一昨年に熱海市で発生した大規模土石流で危機意識がさらに高まり、トーエネックの藤田祐
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箱根西麓野菜でバーニャカウダ 28日から三島市内飲食店で提供
年間を通じて多彩な品種を生産する箱根西麓三島野菜を使ったバーニャカウダ「みしまバーニャ」が28日から、三島市内の飲食21店舗で一斉に提供を開始する。四季折々の旬な野菜を用意し、添えるソースは各店が開発するオリジナル。静岡県内外で高い評価を受ける三島野菜の素材を生かし、新たな名物として売り出す。 標高50~数百メートルの箱根西麓は日当たりと水はけの良い土壌が広がり、寒暖差も生かして高品質な野菜が生産されている。葉物や根菜類など種類も豊富で、ジャガイモやサツマイモをはじめとする季節の作物は全国の市場でも人気が高い。そんな野菜の味をそのまま感じられる料理としてバーニャカウダの開発を進め、JAふじ
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三島の課題にチャレンジ 学生、社会人が最終プレゼン
静岡県内外の社会人や大学生、高校生による6チームが三島市内の課題解決策を探る研修プログラムの最終プレゼンテーションがこのほど、同市の三島商工会議所で行われた。 観光、移住定住、地域参画のテーマごとに2チームずつに分かれ、昨年11月から三島で聞き取り調査などを行いながら地域の現状や課題を分析した。最終プレゼンで観光について発表したチームは三島駅と三島広小路駅、三嶋大社を結ぶ三角形を軸に、周辺エリアにも観光の範囲を広げる方法を提案。自転車や子どもの体験学習など多彩な分野を紹介する「インタープリター」が三島ならではの観光素材を発信し、誰もが情報を追記できるデジタルマップの活用を打ち出した。 若
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外国の文化、暮らし学ぶ 函南東小の児童700人
函南町の函南東小で24日、さまざまな国の文化や暮らしを学ぶ出前教室(静岡県主催)が開かれた。米国、フィリピン、ブラジルなど6カ国の国際交流員や地域外交専門官ら20人を講師に、全校児童約700人が多文化共生への理解を深めた。 同校の「スペシャルイングリッシュデー」に合わせて学年やクラスごとに行われ、各国の特徴を題材にしたゲームやクイズなどにも挑戦した。ブラジルでよく食べられる伝統的な料理やベトナムの方言、日常的な乗り物などについて学んだほか、人口の8割がキリスト教信者というフィリピンでは9月からクリスマスが始まり、街中ではイルミネーションや歌声が広がる―などと講師から説明を受けた。 3人一
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楽しくボール遊び メダリストらと三島で体験会
日本トップリーグ連携機構が主催する団体球技の体験プログラム「ボールゲームフェスタ」が21日、三島市民体育館で開かれた。児童や保護者ら約200人が参加し、各競技の元一流選手と一緒にボールを使う楽しさを体験した。 五輪金メダリストの元スピードスケート選手高木菜那さんをはじめ、バスケットボールやラグビーの4競技から8人の元アスリートが参加した。午前の部では園児から小学校低学年までの子どもと保護者がボールを使った遊びに取り組んだ。テニスボールやバレーボールを手で付いてドリブルしたり、不規則に転がるラグビーボールを体の中心でキャッチしたりして楽しんだ。 午後の部は小学校高学年の児童がラグビーやソフ
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静岡銀行支店で強盗対処訓練 三島署 カラーボール活用も
三島署は19日、強盗対処訓練を三島市の静岡銀行三島支店で実施した。 同署員が演じる犯人役2人が模擬の刃物や拳銃を手に店内へ侵入し、来店客役の市職員を人質に取って窓口の行員に現金を要求した。行員は声を荒らげる強盗犯にたじろぎながら、相手を刺激しないよう現金を手渡した。逃走する犯人を追いかけてカラーボールを投げる訓練も行ったほか、過呼吸で意識を失った想定の人質役に自動体外式除細動器(AED)を持ってきて手当てした。 同署管内では昨年10月に同市のリサイクルショップで数十万円が奪われる強盗事件が発生し、現在も捜査を継続中。訓練後の講評では犯人役の署員が「もたもたされると不安になる。犯人はすぐに
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仕事、家庭の両立 理想の働き方は 長泉でワークショップ
ワークライフバランスの推進に力を入れる三島信用金庫は19日、仕事と家庭の両立を支援するワークショップを長泉町の同金庫本部で開いた。県東部で子育て支援に取り組む「ママとね」を講師に、行員8人がそれぞれに適した働き方や子育てとの向き合い方を考えた。 社会人になってから現在までの幸福度を線グラフで示した後、昇進や結婚など線が上下したきっかけの出来事を思い返して書き出した。働きながら子育てに取り組むママとねの女性は、出産を機に時短勤務を始めたもののフルタイムを余儀なくされて幸福度が下降。再び切り替えた時短ではスケジューリングと“報連相”を心がけて勤務した経験を語り、周囲の協
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スキンケアマスク キコーコーポレーション(三島市) 糸の美容液、瞬時に浸透【静岡ものづくり最前線】
200層にも重ねた美容成分ヒアルロン酸の細い糸が、水にぬらすと瞬時に溶け出す。顔全体に無駄なく均一に美容液が広がり、従来のように肌に張ったまま10~15分程度の待ち時間もない。老化を防ぐとされる成分「ニコチンアミドモノヌクレオチド」(NMN)も配合した。 電極を利用してヒアルロン酸の美容液を空中に飛ばす「電界紡糸」の技術で極細の糸を作り、メッシュに吹き付けてマスクを開発した。ヒアルロン酸は浸透しやすいよう低分子に切断し、水でぬらした顔に張ると成分がわずか1秒で溶け出して肌に染み込む。まぶたの集中ケアも可能で、顔からメッシュをはがした後は何もする必要はないという。 13年間にわたり研究開発
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明るい選挙ポスターコンクール 高田さん(三島南中)入賞
全国の小中学校や高校から作品が寄せられる明るい選挙啓発ポスターコンクールで、三島市立南中1年の高田梓さん(13)が「明るい選挙推進協会長・都道府県選挙管理委員会連合会長賞」を受賞し、18日に同校で表彰状授与式が行われた。 同コンクールは全国の計8321校、11万6776人から応募があり、県内では小学生1人、中学生2人が受賞した。高田さんはまばゆい青空と太陽を背景に投票する1票を描き、「未来を創るのは、私。」とのメッセージを添えた。投票率の低下が進む中で「投票が明るい未来につながる」との思いを込め、「自分も18歳になったら投票に行きたい」と語った。 高田さんの作品は、昨年の市長選で投票済み
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厄よけ豆 コロナ収束願い込め、手際よく袋詰め 三嶋大社
2月3日に節分祭が開かれる三島市の三嶋大社で16日、厄よけ豆の袋詰め作業が行われた。同大社敬神婦人会の140人が参加し、約4万袋に豆を詰めた。 節分祭では、70歳以上の崇敬者から選ばれた年男が舞殿から厄よけ豆をまく予定。祈とうなどの際にも厄よけ豆を授与するほか、福祉施設にも慰問して豆まきを行うという。 袋詰め作業では、盆などに盛られた豆を手際よく三角形の袋に入れてのり付けした。多田与枝子会長は「コロナの収束と、皆さんの1年の幸せ、健康を祈って袋詰めした」と思いを語った。
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わさび一本茶漬け ふじのくに新商品金賞 山本食品(三島)が4年連続受賞
三島市のわさび漬け製造販売「山本食品」が開発した「わさび一本茶漬け」が静岡県主催のふじのくに新商品セレクションで金賞に輝き、山本豊社長らが16日に市役所を訪ねて豊岡武士市長に報告した。 わさび一本茶漬けは地元で生産された「三島わさび」の茎と葉、だしの粉末、ノリやあられなどの具材を、ワサビにかたどった10センチほどのもなかの皮で包んだ一品。ちぎってご飯に乗せ、お湯をかけて味わう。授産施設を運営する特定非営利法人「にじのかけ橋」とのコラボ商品で、同社の金賞受賞は4年連続。 江戸時代に撮影された三島宿の写真に茶漬け屋が軒を連ねていたのをヒントに開発され、山本社長は「今後も『わさびをもっと面白く
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身近な素材でアート体験 三島市の北上小 全校児童、思い思いに工作楽しむ
三島市を拠点に子どものアート活動の普及推進を図る「ラボ・キュリオ」は16日、使用済みの身近な素材を使ったアート体験を北上小で行った。全校児童約360人が参加し、思い思いに工作を楽しんだ。 児童が持ち寄ったペットボトルやお菓子の箱、ロール紙の芯などを中身が分からないよう袋に詰め、6人ほどのグループに分かれて工作に挑戦した。高く積み上げる体験で素材の形や特徴を確認した後、8個の材料を選んで組み立てた。2個で土台の足を作り、残りの6個を接着させて完成させるルールで行い、児童は作品をイメージしながら夢中になって取り組んだ。 身の回りの資源に目を向けて活用法を考えてもらうとともに、素材を生かした芸
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無病息災を祈願 三嶋大社でどんどん焼き
三島市の三嶋大社で15日、新年恒例の「どんどん焼き」が行われた。参拝客が持ち寄った正月飾りやお守り、だるまなどを燃やし、1年間の無病息災を祈った。 本殿でおはらいを受けた忌火(いみび)を同大社の宮司や崇敬会の代表者らが受け取り、境内に積み上げられたしめ縄などに着火した。次々と正月飾りが投げ込まれると勢いよく燃え上がり、参拝客や見物に訪れた市民らが手を合わせて見守った。食べると健康になるとされる団子も火で焼いて味わった。
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マラソン、駅伝 健脚競う 4コースで力試し 函南町
函南町マラソン大会が15日、町内で開催された。1~5キロの4コースで310人が力走し、年代や性別ごとに12部門でタイムを競った。 結果は次の通り。 【1キロ】小1・2年男子 ①山田大智②松浦陽夢③小野奏祐▽同女子 ①寺田優笑②渡辺未来③塩沢七咲▽一般女子 ①松浦久美②塩沢佳子③阿部千佳 【2キロ】小3・4年男子 ①野田航成②井上直太郎③関野暖斗▽同女子 ①岡本彩那②小林美利那③加藤湖々優 【3キロ】小5・6年男子 ①寺田温翔②浅田來輝③加藤壮祐▽同女子 ①中野風香②市川瑠奈③田村未歩▽中学男子 ①久保田高碧②岡本陵太郎③藤田寛人▽同女子 ①田中レオナ②遠藤華恋③曽我実花▽一般女子 ①
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リキュール売上金 一部をジオ保全に 東海自動車が寄付 三島
伊東市の東海自動車は12日、地元産のニューサマーオレンジを使用したリキュール「新夏蜜柑酎うめえら!」などの売り上げの一部11万2120円を美しい伊豆創造センター(会長・豊岡武士三島市長)に寄付した。伊豆半島ジオパークの保全や研究活動の費用に充てられる。 同社は2009年からリキュールの販売を始め、昨年春に同センターへ組織統合された伊豆半島ジオパーク推進協議会に16年度から寄付を続けてきた。リキュール1本の売り上げにつき10円を寄付し、8回目となる今年で合計額は95万930円となった。 三島市民文化会館で贈呈式が開かれ、金野祥治社長が豊岡会長に寄付金を手渡した。豊岡会長は「大切に使わせても
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青年海外協力隊 グアテマラで環境教育 三島の冨岡さん意欲
三島市在住の冨岡健太さん(29)は13日、国際協力機構(JICA)青年海外協力隊の一員として31日からグアテマラに赴任するのを前に、市役所に豊岡武士市長を訪ねて意気込みを語った。 冨岡さんは専門学校を卒業後、地域おこしや自然保護の活動に取り組んでいた。両親も約30年前に青年海外協力隊に所属し、冨岡さんは幼いころから「自分もいつかやりたい」と思っていたという。グアテマラへの派遣期間は2年間で、小学校での環境教育や環境問題に関する調査に携わる予定。 グアテマラはメキシコの南に位置し、スペイン語が公用語。冨岡さんは「現在スペイン語の勉強中」と語り、「ごみが減ればどんな良いことがあるか子どもたち
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新年節目を祝う 三島商議所が懇談会 会員企業集う
三島市の三島商工会議所は11日夜、新春懇談会を市内のホテルで開いた。会員企業などから約150人が参加し、交流を深めながら地域経済の発展を祈った。 会食形式の開催は3年ぶり。石渡浩二会頭は新型コロナウイルスへの対応に尽力した1期目の3年間を振り返り、今後に向けて「スピード感を持ち、積極的に活動していく」と2期目の決意を述べた。みしま経営支援ステーション「M―ステ」による企業の自己改革支援や働きがいの向上、環境問題への取り組みを重点課題に掲げ、「企業が元気でなければ地域は良くならない。一致団結して今に向き合う」と語った。 バイオリンとピアノの演奏家2人による「プロジェクトM」のステージも披露
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記者コラム「清流」 最大の難問
三島市長選を通じ、あらためて三島の宝は「自然」だと実感した。市街地を流れる清らかな湧水や、箱根西麓で取れる新鮮な野菜。さまざまな主張を繰り広げた候補者も、自然を大切にする思いは共通していた。 選挙では市の課題も浮き彫りになる。やはり一番の問題は人口減少だろうか。若者を呼び込んで子どもを増やす。お年寄りの健康長寿―。人口確保の必要性はどの候補も力を込めて訴えた。 ともすれば市民の分断も招きかねない選挙だが、町の将来を考える4年に1度の貴重な場。地元の良い面と課題にしっかりと目を向け、異なる思いをぶつけ合うことに意味がある。ところが、今回の投票率は過去最低。市長選が突きつけた最大の難問はそこ
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「日本一の出会いの場に」 みしま未来研究所4周年 多彩に記念イベント
三島市のコミュニティー施設「みしま未来研究所」がオープン4周年を迎えた。旧幼稚園舎を改装して開設された出会いと交流の拠点は、“みらけん”の愛称で幅広い市民に親しまれている。 恒例の「朝フェス」に合わせて記念イベントがこのほど開催された。参加者は三嶋大社から源兵衛川沿いなどを巡る朝散歩を楽しんだ後、同研究所に並ぶキッチンカーなどで朝食を味わった。4周年に合わせてライスヌードル「フォー」も売り出されたほか、「全力ラジオ体操」ではキーボードや三味線、フルートなど多彩な楽器の生演奏に合わせてラジオ体操に取り組んだ。 同研究所は2019年1月にオープン。NPO法人みしまび
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函南町制施行60年「新たなスタート」 初顔合わせ会
函南町はこのほど、新年初顔合わせ会を町文化センターで開いた。仁科喜世志町長は町制施行60周年となる今年を「新たなスタートの年」と位置づけ、政策の柱に掲げる環境、健康、交流の3分野の充実を図りながら「希望ある未来に向かって飛躍する年にしたい」と語った。 功労者、団体への表彰も行われた。表彰を受けたのは主に次の通り。 功労表彰 土屋学、今井美智子、杉崎雅子、西原卓也、和田敦子、岸端康子、木ノ内妙子、鎌野千江子、内田よね子、鈴木雄三、村越信子、下郷宰▽善行表彰 高橋喜久雄、今井利一、鈴木好文、内山宏幸、仁田区、間宮区、塚本区、肥田区▽スポーツ奨励賞 秦くるみ
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ホタルの成育環境整備 源兵衛川で草刈り グラウンドワーク三島
三島市のNPO法人グラウンドワーク(GW)三島はこのほど、同市の源兵衛川で草刈りを行い、夏になると周辺を飛び交うホタルの成育環境を整えた。 三島メディカルセンター近くの源兵衛川中流域で約100メートルにわたって作業に取り組んだ。GW三島によると、ホタルは3月の啓蟄(けいちつ)を過ぎると土の中にまゆを作って羽化し、成虫になって5月ごろから飛び始めるという。護岸に生い茂る外来植物やクモの巣がホタルの成長を妨げるため、参加者10人がアシやヨシ、ツユクサなどを刈り取って環境を整備した。 GW三島が毎年続けている調査では、昨年の4月末~6月末に観測したホタルは過去最多の3200匹。12年前の3倍に
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新成人がデザインのバッグ 二十歳記念品に 故郷・三島をイメージ
三島市で8日に開催される「二十歳を祝う式典」の記念品として、三島をイメージしたトートバッグが出席者に贈られる。デザインを手がけたのは同市に住む専門学校生の加藤咲希さん(20)。「気軽に使ってもらい、故郷の三島を思い出してもらいたい」と語る。 三島駅北側のイチョウ、富士山からの豊富な湧水、伝統の祭りばやし「しゃぎり」で使うすりがねのイラストを幾何学模様に描き上げた。「三島らしいけど三島過ぎず」を心がけ「普段使いやすいデザインに仕上げた」という。緑、水色、紫、オレンジ、ピンクの5種類を用意し、新成人にはランダムに配られる。 以前からデザインが得意で、式典の実行委員会から昨年夏頃に声が掛かった
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「約束全力でやり遂げる」 三島市の豊岡市長 仕事始めで訓示
三島市は5日、新年仕事始め式を市役所で開いた。昨年末の市長選を経て4期目に入った豊岡武士市長は「市民との約束は全力でやり遂げる決意」と語り、職員に一層の協力と努力を求めた。 美しく品格あるまちづくり「ガーデンシティ」と市民、地域、産業が健康になる「スマートウェルネス」、「きずなづくり」を市政運営の柱に掲げたほか、三島駅前再開発や中心市街地のリノベーションも推進して「三島全体をブランド化する」と述べた。コロナ禍や物価高など不透明な社会情勢も続く中、職員が各自の目的を確認しながら「チーム三島で一丸となって取り組んでほしい」と呼びかけた。
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「パリ五輪出場決める」 自転車ブリヂストン選手ら 三嶋大社で必勝祈願の初詣
三島市を拠点に活動する自転車競技のチームブリヂストンサイクリングは5日、必勝祈願の新年初詣を三嶋大社で行った。 ご祈禱(きとう)などの神事が行われ、選手やスタッフが1年の活躍と社会の平穏を祈った。昨年10月にフランスで開催された世界選手権男子スクラッチで日本人初の銀メダルを獲得した窪木一茂選手(33)は「パリ五輪の出場を決める。リオ五輪の経験も生かし、若手選手にもよい影響を与えたい」と語った。一昨年の東京五輪に出場した橋本英也選手(29)は「チームの目標はパシュートでの五輪出場。今年は素晴らしい年になる」と自信をのぞかせた。 宮崎景涼監督(42)は2月から始まる国際大会に向け「五輪出場枠
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恵明学園の大学生 2人に支援金贈呈 三島商議所
三島市の三島商工会議所は28日、児童養護施設「静岡恵明学園」(同市)児童部の大学生2人に各20万円を贈呈した。 支援金を受け取ったのは、いずれも19歳の静岡福祉大1年と聖隷クリストファー大1年の男子学生。石渡浩二会頭は「頑張りをお手伝いさせていただく。いつか三島に戻ってきてほしい」と語り、活躍を期待した。学生らは社会福祉士や作業療法士を目指して勉学に励んでいる学生生活について報告し、同学園の杉村伸一理事長は「良い大人になったと感激している。感謝しかない」と成長を喜んだ。 支援金の贈呈は、家庭の事情などで同施設に入所した学生の就職、進学を支援する取り組み。各企業から寄せられる協賛金から支出
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「手づくり郷土賞」で最高賞 GW三島 自然保護活動に評価
三島、沼津の市境を流れる松毛川で森林再生に向けて活動を続けるNPO法人グラウンドワーク三島はこのほど、全国で各地の魅力を創出する取り組みをたたえる「手づくり郷土賞」(国土交通省主催)で最高の「ベストプレゼン賞」に輝いた。源兵衛川などで環境改善を続ける長年の功績も評価され、「社会貢献者表彰」も受賞した。 GW三島は不法投棄と放置竹林の拡大で荒廃した松毛川の河畔林を整備し、森林に再生する活動を約20年にわたって続けている。周辺の土地約3千平方メートルを買い取って永続的な管理も行い、これまで両岸の3・4キロで竹林の伐採と8千本の植林に取り組んだ。18日に都内で開かれた手づくり郷土賞の発表会では、
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自動で本の貸し出し、返却 座席オンライン予約も 三島市立図書館が導入
三島市立図書館はこのほど、本に取り付けたICタグを読み取る自動貸出機、自動返却機を導入した。座席のオンライン予約も開始し、非接触で迅速な手続きを可能にすることで感染症対策や業務の効率化につなげる。 自動貸出機の前に本を置いて借りる冊数を入力し、貸し出しカードをかざすだけで手続きが完了する。24日に訪れた男性(87)は職員の説明を受けて利用し、「簡単に借りられた。次からは1人でも使えそう」と語った。自動返却機も本を1冊ずつ返却口に通すだけでICタグが読み取られ、非接触のまま本を返すことができる。 座席管理システムも導入し、専用端末から学習室利用のウェブ予約が可能に。ホームページ上では館内の
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宿場町文化「三島そば」の手打ち楽しむ 20人が参加
かつて宿場町として栄えた三島市のそば文化を盛り上げようと、NPO法人グラウンドワーク三島が栽培している「三島そば」を使ったそば打ち教室が24日、市民生涯学習センターで開かれた。 10組20人が参加し、そば粉と割粉に水を加えてこねた後、形を整えながらのし棒を転がして延ばし、適度な太さに切って完成させた。仲間と毎月そば打ちを楽しんでいるという安藤英彰さん(74)らが力の入れ方や均等な太さに整える切り方などを手ほどきし、参加者は苦戦しながら集中してそば打ちを楽しんだ。 GW三島は約20年前から同市元山中の耕作放棄地を利用してそばづくりに取り組んでいる。豊かな香りと甘みが特長で、今年も出来は上々
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経理テーマに議論 三島信金と経営者、後継者ら
三島信用金庫と取引がある若手経営者らによる「さんしんチャレンジクラブ」の定期総会が22日、三島市のホテルで開かれた。経理をテーマにした交流会も行われ、50歳以下の経営者や企業の次期後継者ら53人が各社の現状や思いを語った。 売り上げや発注などに関する経理を経営者がどのように把握し、社員に認知させているかについて各社の状況を発表した。社員への周知を始めた会社の社長は「これまで社長の責任と思っていた数字を社員が考えるようになった」とし、「仕入れについて理解し、経費削減の方法を現場から提案してきた」と社員の意識改革につながった好事例を紹介した。一方で、「なかなか下の社員まで浸透するのが難しい」と
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三島駅前再開発「信得た」 「推進」主張の豊岡市長が会見
三島市の豊岡武士市長は23日、4選を果たした市長選後、初の定例記者会見に臨み、選挙戦で「推進」を明確に打ち出した三島駅南口東街区の再開発事業について「市民の信を得られた」との見解を示した。 同事業では再開発組合が6月に設立された際、認可した県から事業の検証や市民合意に関する「5分野16項目」の要請が市長や事業関係者に出ている。3氏が出馬した市長選では他候補が同事業について「反対」「検証、見直し」を訴える中、「早期実現」を主張した豊岡市長が2万1千を超える得票数で当選した。豊岡市長は今回の選挙結果を「市民合意の一つの形と受け止めている」とし、「引き続き丁寧に市民への説明を続けていく」と語った
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三嶋大社 神池に「雲海」出現 豊富な富士山湧水を噴霧し演出 31日~1月3日にイベント
富士山からの伏流水が湧き出る三島市の三嶋大社は、境内の豊富な湧水を噴霧して「雲海」を作るライティングイベントを31日~1月3日に実施する。本番を前にしたデモンストレーションが20日に行われ、神池に広がる「雲海」が幻想的な雰囲気を醸し出した。 北条政子が神をまつったとされる同大社の厳島神社を囲む神池沿いに、一般的な噴霧器よりも4分の1ほどの細かなミストを大量に発生させるノズルを100個設置した。1時間に200リットルを噴霧できるポンプも4台取り付け、神池には雲のような霧が瞬く間に広がった。参拝者は足を止めて「雲海」に見入り、さし込む太陽の光や風の流れで変わる境内の風景を楽しんだ。 ライティ
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DXで市民サービス向上 三島市、推進委員会を発足
三島市は21日、市民サービスの向上と業務の効率化に向けてデジタル技術の導入を図る「DX(デジタルトランスフォーメーション)推進委員会」を庁内に設置した。横断的に配置した各部署の課長級職員が事業や業務に対するDX導入の可能性を探り、来年5月までにDX推進計画を策定する予定。 市民サービスや行政運営、基盤整備などについて利便性と効率性を高める四つの基本方針を柱に掲げ、各課が実施、計画している事業に導入できるDXのあり方を検討する。ペーパーレス化やデジタル人材の育成、マイナンバーカードの普及などを進め、具体的な成功事例を蓄積していく方針。環境・エネルギー、子育て支援、防犯・防災など分野別にもDX
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全国初出場「楽しみたい」 日大三島高 都大路健闘誓う
11月の静岡県高校駅伝競走大会女子の部で優勝し、25日に京都の都大路で開催される全国高校駅伝への出場を決めた日大三島高(三島市)陸上部の選手、監督らが20日、市役所に豊岡武士市長を訪ねて本番での健闘を誓った。 創部65年で初出場。県大会では1~4区の1、2年生がトップでたすきをつなぎ、アンカーの3年生が後続を振り切って優勝を決めた。田中浩章監督(42)は「選手がのびのび走れるようサポートしてくれた3年生のおかげ」と振り返り、全国大会に向けて「目指してきた場所を楽しみたい」と語った。陸上部の長距離ブロックで主将を務める中村由奈さん(3年)は「卒業生の思いもたすきに込めて走りたい」、2年の武田
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4期目豊岡市長が訓示「市政全体を考えて」 三島
18日に投開票が行われた任期満了に伴う三島市長選で4選を果たした豊岡武士市長が20日、新たな任期の開始に当たって市の部課長職員約60人に市役所で訓示を行った。 選挙戦を通じて市のまちづくりに感謝する声が多数寄せられたとし、「皆さんがチーム三島で頑張った成果が花開き、市民が高く評価してくれたと実感している」と述べた。三島のさらなる発展、市民生活の充実を行政の目的に掲げ、「事務作業が目的化しないよう、部課長のリーダーが常に市政全体を考えて役割を果たしてほしい」と語った。 4期目に向け、「(自身の)頭と心をリセットしてまちづくりに取り組む」と決意を新たにした。
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駅前開発「賛成」59%/市役所建設「現在地」53% 三島市長選 期日前投票出口調査
18日に投開票が行われた三島市長選に合わせ、静岡新聞社が期日前投票の出口調査で有権者の意向を尋ねたところ、争点となった三島駅南口再開発事業について59%が「賛成」、21%が「反対」と答えた。老朽化により建て替え計画が進む市役所本庁舎の希望建設地は「現在地」が53%で、「南二日町広場」の27%を上回った。 出口調査は期日前投票が行われた12~17日に市役所大社町別館で行い、有権者700人から回答を得た。 三島駅前に広域健康医療拠点やマンションを建設する再開発事業では「駅前がにぎやかになる」「カフェがほしい」などと賛成派が6割を占めた一方、「資材価格の高騰でコスト面が心配」「自然に影響を及ぼ
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三島市長選 豊岡武士氏に当選証書 4選、前回より得票増「評価、期待いただいた結果」
任期満了に伴う三島市長選(18日投開票)で4選を果たした現職の豊岡武士氏(79)は19日、三島市選挙管理委員会の望月正己委員長から市役所で当選証書を受け取った。 三島駅南口東街区に広域健康医療拠点やマンションを建設する再開発事業の実現を公約に掲げ、新人2氏を破り当選した。市長としては県内最高齢の当選に「健康年齢は人それぞれ。特段の問題はない」とし、過去最低の投票率でも前回選より得票を伸ばした点について「これまでの取り組みが評価され、今後の期待をいただいた」と語った。 当選証書を手渡した望月委員長は「一層の市政発展のため、ご健勝とご活躍を祈念する」と述べた。 豊岡氏の任期は20日から4年
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豊岡三島市長4選 新人の石井氏、近藤氏破る 投票率は過去最低
任期満了に伴う三島市長選は18日、投開票が行われ、無所属で現職の豊岡武士氏(79)が新人の元市議石井真人氏(43)、会社経営近藤正文氏(46)を破って4選を果たした。投票率は44・97%で、前回選を4・86ポイント下回り、過去最低だった。 豊岡氏は三島駅南口東街区で進む再開発事業の早期実現を公約に掲げたほか、任期中に実質的な市の借金を大幅に減少させた財政健全化など3期12年の実績をアピール。連合静岡や公明党など推薦団体も活発に動き、支持を拡大した。 石井氏は自民党三島市支部の推薦を取り付け、「市政刷新」を旗印に若さと独自政策を訴えたが一歩及ばなかった。近藤氏は子育て世代への支援策を打ち出
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木のぬくもり 憩いの場に 三島「Via701」1月14日リニューアル 木工体験、DIY作業場も
三島市本町の交流スペース「Via701」が1月14日にリニューアルオープンする。ギャラリーやカフェに加え、1階はDIYを体験する作業場や建材の展示コーナーなど木のぬくもりを感じられる憩いの場に生まれ変わる。 市中心街の大通りに位置するVia701は1999年から第三セクター「みしま街づくり株式会社」が運営していたものの、経営難により平成建設(沼津市)が施設を受け継いで今回のリニューアルに至った。1階の「まちの作業場」は端材ビュッフェと称し多様な木材で工作を楽しめて、常駐する大工職人が要望に応じてアドバイスしてくれる。建築の書籍も並べたほか、好みの建材を自由に選べるセレクトショップの展示など
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妊娠前から出産…高校生まで 子育て支援1冊に 三島市「すくすくガイド」作成
三島市は母親の妊娠前、妊娠期から子どもの出産、幼児期、高校生まで年齢に応じた市の子育て支援策を1冊にまとめた「みしまっ子すくすくガイド」を作成した。子どもの成長過程において担当する部署が変わるケースもあり、一覧表で示して全庁的に子育てをサポートする態勢を整えた。 妊娠前、妊娠期では不妊・不育症治療やアプリを活用した電子母子手帳サービス、出産時には第1子に1万円、第2子に5万円、第3子以降に15万円を支給する「すくすく祝金」などの独自施策を掲載している。高校生相当年齢までは医療費を無料とするほか、子育てコンシェルジュや育児サポーターなど母親の心身を支える取り組みも行っている。 ガイドはA4
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「挑戦重ね、夢作る」 サッカー元日本代表の市川さん 三島・徳倉小で講話
サッカー元日本代表で来季からJ2清水エスパルスのコーチを務める市川大祐さんが15日、三島市立徳倉小で児童に職業講話を披露した。6年生約60人が、夢を持つために身近な目標に挑戦し続ける大切さを学んだ。 市川さんは高校サッカーからJリーグ、ワールドカップ(W杯)へと夢を持ち続けた現役時代を振り返り、「目標に挑戦し、達成すれば新しい目標ができる。その積み重ねで夢が作り上げられる」と語った。左右で計13回も手術した足のけがには悩まされたものの「けがをしたから感じることもある」とし、「発想を変えながら自分のスピードで前に進むのが大事」と呼びかけた。 児童からは「新しいチームに入ったら何をしますか」
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自転車競技「強い気持ちで」 五輪出場の脇本雄太選手 三島・徳倉小で授業
三島市を拠点に活動する自転車競技のチームブリヂストンサイクリングに所属し、昨年の東京五輪で7位となった脇本雄太選手がこのほど、徳倉小を訪れて交流授業を行った。6年生約60人が受講し、競技にかける思いなどに耳を傾けた。 脇本選手は国民体育大会での優勝を経て目標を「世界一」に掲げ、五輪への出場に向けて練習を重ねた日々について語った。初出場したリオ五輪は「出るだけで精いっぱいだった」とし、満を持して出場した東京五輪でも「何が起こるか分からない。準決勝を勝ち上がれなかった」と振り返った。五輪出場への思いとして「賞金はなくても出たい。強い気持ちを持ち続けるのが大切」と述べた。 児童からの質問にも
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ギャラリーと大画面開設 三島・本町交差点、情報発信の拠点に
静岡不動産(静岡市)は13日、三島市の本町交差点の一角に所有するビルに芸術作品を展示するストリートギャラリーとデジタルサイネージによるコミュニティービジョンを開設した。中心市街地の歩道に向けてガラス越しに設置され、観光や文化、スポーツなどの情報を発信する。 デジタルサイネージは86インチの画面に多彩な映像を表示するほか、地元企業の情報もPRする。ギャラリーは芸術作品を一定期間で切り替えて展示する予定で、初回はいずれも市内在住の永冶晃子さん(44)と二村有音さん(40)の作品。本町交差点で感じる音や風景、人の流れを和紙とツルで表現し、「自分だけでは生まれない作品。こういう場を設けていただき光
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イチョウ並木を清掃 三島北中出身の高校生有志
三島市文教町のイチョウ並木でこのほど、三島北高と近隣の沼津東、韮山、伊豆総合の各高校に通う地元出身の生徒有志30人がボランティアの清掃活動を行った。 生徒らは三島北中に通っていた2年前、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い捨てられたマスクを拾う清掃活動を開始した。自ら県に補助金を申請して清掃に使う道具をそろえ、その後も活動を続けてきた。今回は三島北高、北中の正門前に続くイチョウ並木で行い、約100メートルの区間で道路の両脇に積もったイチョウの葉をほうきで掃いてかき集めた。 活動の中心となった三島北高2年の沈香里さんは「今後は小学生や中学生にも参加を呼びかけ、継続した取り組みにしたい」と話し
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2010年度以降 借金実質減 市税収入は増 数字で見る財政【迫る 三島市長選 番外編】
11日告示、18日投開票の三島市長選は市の財政状況にも注目が集まる。現市政が始まった2010年度からどう変化したのか。借金、貯金、収入の面から数字でひもとく。 市債は10年度に367億円だったが、20年度は401億円。数字上は34億円の増加となるが、20年度の市債は10年度よりも「臨時財政対策債」が51億円増えている。これは各地の行政サービスに格差がないよう国が補助する制度で、市の借り入れだが実際に元金と利子は国が返済する。このため、20年度の市債から51億円を差し引くと、実質的な市の借金は10年間で17億円の減少となる。 収入の市税総額は、10年度の168億円から20年度は176億円に
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駅前再開発事業 期待と懸念、割れる見解【迫る 三島市長選㊤】
首都圏から近く、伊豆や富士山など各地へのアクセスが良好なJR三島駅。周辺の地価は県東部で1位、清らかな湧水をはじめ豊かな自然が点在する駅前の都市空間は、官民の連携で守り続けてきた三島の宝だ。さらなるにぎわいの創出を目指し、駅の南口では広域健康医療拠点や商業施設を整備する再開発事業が進む。 完成は2026年度の予定。今年6月には再開発組合が発足したものの、認可した県は事業の検証にかかる「5分野16項目」を市長や事業関係者に要請した。「市民の不安や懸念を払拭するため」とし、地質や地下水への影響などについて必要な調査と対策を検討するよう求めている。 市長選の4選出馬を表明した現職の豊岡武士氏(
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スマホアプリで健康支援 三島市 ポイント付与、景品と交換
三島市はこのほど、市民が自らの体調や生活習慣を記録して健康増進につなげるスマホアプリ「ケンポス」の運用を開始した。地域イベントへの参加や健康的な活動にはポイントが付与され、電子マネーなどさまざまな景品と交換できる仕組み。クイズや抽選などの機能も盛り込まれ、楽しみながら継続する取り組みをサポートする。 アプリでは日々の歩数や体重、食事、睡眠などを入力して自らの健康状態を管理できるほか、健康クイズや医師らが監修する健康コラムなどが配信される。利用するとたまるチケットで抽選ゲームに参加でき、付与されたポイントを集めると電子マネーや日用品など約3千種類の景品と交換できるという。市は関連イベントも開
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函南駅周辺「民間誘導」 都市機能集積目指す 一般質問、町が答弁
函南町議会12月定例会は7日、一般質問を行った。町はJR函南駅周辺の開発について、高低差の激しい地形やアクセス道路などの課題を示した上で「ポテンシャルの高い地域」とし、民間企業による開発誘導を含めた長期的な検討を行う考えを示した。兵藤慎一氏(無会派)への答弁。 函南駅は三島、熱海の両新幹線駅に一駅で行ける好立地にありながら、周辺は過疎化が進んでいる。駅の南北ともに傾斜地が広がっているほか、北側は市街化調整区域の農業振興地域のため農地転用が難しいという。一方、神奈川県西部と伊豆地域を結ぶ伊豆湘南道路が開通すれば交通利便性はさらに高まり、町は「駅周辺に都市機能の集積、産業誘導を図りながらコンパ
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三島駅前再開発 三者三様の意見 市長選立候補予定者が公開討論会
任期満了に伴う三島市長選(11日告示、18日投開票)の立候補予定者による公開討論会(三島青年会議所主催)が5日、市民文化会館で開かれ、現職の豊岡武士氏(79)、市議石井真人氏(43)、会社経営近藤正文氏(46)が登壇した。三島駅南口東街区の再開発事業に対する考えは3氏ともに食い違い、4年前の前回選に続き再び争点となる見通し。 同事業は民間企業を主体に広域健康医療拠点や高層マンション、商業施設などを建設する計画。総事業費は209億円で、このうち補助金を含む市の支出は37億円を見込む。 豊岡氏は「30年越しの最大の課題であり、三島の持続的発展には欠かせない。何としてもやり遂げる」と推進の姿勢
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三島市 地下水保全へ調査追加 駅南口再開発 静岡県の要請受け対策強化
三島市は5日、三島駅南口東街区の再開発事業における地下水保全や地盤の安全性などについて、必要な調査と対策を求める県の「5分野16項目」の要請を受け、追加のボーリング調査を3カ所で実施したと明らかにした。事業用地でのボーリング調査は計17カ所となる。同日の市議会11月定例会で、甲斐幸博氏(緑水会)の一般質問に答えた。 地下水観測用の井戸も1カ所新設し、モニタリング調査などで得られたデータも踏まえて設計業務を進めるとした。建物の基礎構造や耐震性、地下水保全策を確認する「地下水対策委員会」では地盤と構造に精通した専門家2人を新たに加え、体制強化を図る。市民の合意形成や情報公開については、各地で実
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身近なSDGs探そう 三島の子育て団体がマップづくり
静岡県東部の子育て支援グループ「ママとね」はこのほど、身近なSDGsを探す「サステナブルマップづくり」を三島市民活動センターで開いた。小中学生と保護者ら18人が三島と長泉町の白地図を使い、SDGsの視点で地元を見つめ直した。 一般社団法人「サステナブルマップ」(川崎市)の今井雄也代表理事を講師に、国連が定める持続可能な開発目標(SDGs)の17項目について自分が取り組みたいことをそれぞれ考えた。気候変動の課題については「給食を残さず食べて燃やすごみを減らす」、クリーンエネルギーの問題は「電気を使わないときに消す」など、普段からできる生活習慣や活動を思い思いに書き出した。 白地図には地元の
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4メートルのツリー、飾り華やか 富士山三島東急ホテル
三島市の三島駅南口と直結する富士山三島東急ホテルは26日まで、高さ4メートルのモミの木を装飾したクリスマスツリーをロビーに展示している。 赤いバラやポインセチアの造花をらせん状に飾り、空に伸びるようなイメージに仕上げたという。金色の飾りや電球も取り付け、一足早いクリスマスムードを演出。生の木に独特なさわやかな香りが漂い、窓から見える町並みや富士山と相まって華やかな雰囲気に包まれている。
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医療機能検討の経緯説明 駅前再開発巡り答弁 三島市議会一般質問
三島市議会11月定例会は1日、一般質問を行った。三島駅南口東街区に広域健康医療拠点を整備する再開発事業について、市は導入する医療機能の相談を市医師会の役員と重ねてきた経緯を明らかにした。河野月江氏(共産)への答弁。 河野氏は医療拠点に進出の意向を示している順天堂大の構想に対し医師会内部で反発する声が上がっているとし、これまでに医師会と交わされた説明と協議について質問した。市当局は具体的な医療機能に関する意見を地元医師会に聞きながら、事業主体のミサワホームを中心に医療拠点のパートナー探しを行ってきた経緯を説明。再開発組合が設立された今春以降、順大から進出の意向が示されたとした。 順大が進出
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三島駅前再開発、順大が進出意向 医療福祉の充実期待 市議会 一般質問答弁
三島市は30日、広域健康医療拠点を整備する三島駅南口東街区の再開発事業について、伊豆の国市で付属病院を運営する順天堂大が進出の意向を示していることについて「医療・福祉の充実につながる可能性がある」との認識を示した。同日の市議会11月定例会で、野村諒子氏(緑水会)の一般質問に答えた。 関係者によると、順大は高層棟4階の約千平方メートルに高機能な健診センターや診療施設を導入する計画。市当局は進出する医療機関について「正式に決定している段階ではない」としつつ、順大の構想に期待を示した上で「市医師会の意見を伺いながら具体的な機能を決定していきたい」と語った。 また建築資材の高騰に伴い工事費が上昇
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ウクライナ侵攻でシンポジウム 日大国際関係学部 三島に避難の女性、思い訴え
三島市の日大国際関係学部は29日、ロシアの軍事侵攻に伴う「ウクライナ問題が日本の生活に与える影響」と題したシンポジウムを同学部の三島駅北口校舎で開いた。歴史や経済などの視点から戦争を考えたほか、ウクライナから同市に避難しているネジェリコ・マリーナさんら家族も思いを訴えた。 元ウクライナ大使の黒川祐次氏は両国の歴史的な背景を説明し、ソ連崩壊前の超大国を復活させようとするロシアが政治、宗教の発祥地でもあるウクライナを手に入れようとしていると指摘。欧州との間に位置するウクライナは安全保障上の影響も大きく、300年以上にわたって侵略、支配を続けてきたロシアには「ウクライナは国家ではなく、主権もない
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キャンプ向け”参加型スイーツ”を提案 三島にケーキ店、30日オープン
ITのトータルサポートを手がける「ストラテジックセキュリティ」(三島市)は30日、野外で楽しむスイーツを取りそろえたケーキ店を同市にオープンする。現地で盛り付けたり加工したりする商品を用意し、新型コロナウイルス禍で同社が始めたアウトドア向けの軽乗用車、キャンプ用品のレンタル事業にさらなる価値を加える。 車でキャンプ場に向かう最中に揺れてケーキが崩れることも多いため、現地で加工して仕上げる“参加型スイーツ”を提案。クリーム、スポンジ、果物を別々に提供して盛り付けるシフォンケーキや、ホットサンドメーカーでスポンジに季節の具材を挟んで完成させるスイーツを用意した。地元産の
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農産物など販売 JAふじ伊豆が三島で農業祭
JAふじ伊豆三島函南地区本部は27日、三島市の長伏公園で農業祭を開催した。地元の野菜などを販売するブースが並び、大勢の来場者でにぎわった。 県東部の旧8JAが合併してから初めての農業祭。ブースではダイコンや白菜などの野菜が並んだほか、特産のジャガイモ、サツマイモで作ったみしまコロッケやさつまスティックなども販売された。農産物品評会や優良農林業者などの表彰も行われ、品評会で出品された野菜の直売会も開かれた。輪投げなどのコーナーも設けられ、親子連れの人気を集めた。
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台風災害復旧支援に感謝 栃木・佐野市長が三島訪問
三島市と災害時相互支援協定を結ぶ栃木県佐野市の金子裕市長がこのほど、2019年の台風19号で甚大な被害を受けた佐野市に職員を派遣し、復旧業務を支援した三島市を訪れて豊岡武士市長に感謝の言葉を述べた。 台風19号で激甚災害の指定を受けた佐野市では河川の堤防が決壊するなど大きな被害を受け、三島市は職員18人を現地に派遣。約2カ月にわたって計8陣を送り、罹災(りさい)調査の受け付けや結果の集計、家屋被害調査などの業務を担った。金子市長は「佐野は過去に災害が少ない地域。三島の支援は大変助かった」と振り返った。 両市は日大国際関係学部(三島市)の前学部長で、現在は佐野日大短期大(佐野市)で学長を務
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書籍100冊を三島市に寄贈 新聞販売店「MISH」
創業100周年を迎えた三島市の新聞販売店「MISH(ミッシュ)」は25日、地域の教育振興に向けて書籍100冊を市に寄贈した。市は市立図書館に特設コーナーを配置する予定。 子どもから大人までが読めるよう、市が選んだ多様な本が贈られた。市役所を訪れた渡辺幸一郎社長は「地域に支えられたからこその100周年。お役に立てれば」と語り、豊岡武士市長に目録を手渡した。豊岡市長は「子どもたちにもたくさん本を読んでもらいたい」と語り、同社の節目を「次の100年に向けてさらなる発展を願っている」と祝福した。 同社は1922年に新聞販売業を始め、2021年1月に三島新聞堂から現在のMISHに社名を変更した。
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農業通じた観光発信へ 三島野菜の収穫・調理体験 旅行業者が視察
農業を通じた地域活性化プロジェクト「スープアップ!三島」に取り組む三島市観光協会は25日、箱根西麓三島野菜の収穫や調理を体験する視察ツアーを市内で開いた。個人向け観光商品を開発する旅行業者8人が首都圏や静岡市から訪れ、豊かな食と自然を満喫した。 一行は地元農家の畑を見学し、葉物野菜の収穫を体験したほか、形や大きさが規格外の「はじかれ野菜」が出る現状や地元特産の七草の生産などについて話を聞いた。その後、坂公民館に移動して調理に挑戦し、水を加えた小麦粉をこねて作ったすいとんを野菜のスープと一緒に食べる「農家めし」を仕上げた。 富士山を望む屋外のテーブルで昼食を味わった後、JAふじ伊豆の直売所
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ソフトクリームスタンド一新 廃校中学校の備品を活用 道の駅・伊豆ゲートウェイ函南
函南町の道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」で町特産の丹那牛乳を使った商品を販売するソフトクリームスタンドが25日、廃校となった中学校の備品を利活用して装いも新たにリニューアルする。校長室の表札や本棚などが取り付けられ、懐かしの学校を感じさせる雰囲気に。長年にわたり学校給食で親しまれる丹那牛乳の“思い出の味”を提供する。 備品は3月に閉校した下田市立稲梓中で使用された11点。「稲梓中学校」「贈 昭和51年度卒業生」などと記した本棚は商品棚として再利用され、黒板の予定表や掲示板は宣伝看板として活用される。木製の扉には「校長室」と書かれた表札を取り付け、学校の廊下を思い起こさ
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地元野菜でおもてなし 三島の専門学校生考案 「コース料理」に
三島市一番町の中央歯科衛生士調理製菓専門学校は19日、地元野菜を生かして学生が考案したレシピの審査会で優秀作品に選ばれたメニュー5品を「おもてなしコース料理」にアレンジし、地元の農家やJAふじ伊豆、市の関係者を同校に招いて振る舞った。 優秀作品に選ばれたのは彩り野菜のおかずケーキ、ごろごろ野菜たっぷりキッシュなど。学生は箱根西麓三島野菜の畑を訪れて収穫体験も行い、生産者から野菜の特徴を学んでレシピを開発した。市やJAとも連携して審査会が開かれ、優秀作品に選ばれたメニューの一部は商品化されて同校や市内店舗で販売される予定という。 コース料理では4品を盛り合わせた前菜にスープやメインディッシ
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新たな交差点など了承 三島市都市計画審議会 「谷田幸原線」の延伸区間
三島市都市計画審議会がこのほど、市役所で開かれ、来年2月に一部で供用開始となる都市計画道路「谷田幸原線」の延伸区間に新たな交差点を設ける都市計画と、三ツ谷工業団地(同市)の建物規制を一部緩和する地区計画をいずれも変更する案について了承した。 谷田幸原線は長泉町方面から三島裾野線との交差点までの区間が来年2月につながり、今後は令和10年代後半をめどに同市壱町田方面に延伸する計画。その際、徳倉小学区の通学路が分断されるなどの課題が想定されるため、徳倉宮川と交わる区域に新たな交差点を設けるとした。 三ツ谷工業団地は人手不足や自動化の普及など社会情勢が変化する中、これまで「倉庫業を営む倉庫」に限
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沿線風景をカレンダーに 伊豆箱根鉄道が販売開始
三島市の伊豆箱根鉄道は、2023年版カレンダーの販売を開始した。駿豆線(三島―修善寺)、大雄山線(小田原―大雄山)の沿線風景を撮影した写真を募集し、寄せられた213点から厳選した入賞、入選作品13点が掲載されている。 表紙は富士山をバックに進む7000系の写真を選んだほか、雪や菜の花、桜並木など季節感あふれる風景と車両を撮影した力作を月ごとにそろえた。B3判の縦型で価格は千円(税込み)。通販サイトのほか、各線の有人駅でも販売している。問い合わせは同社鉄道部運輸課<電055(977)1207>へ。
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台湾政府職員が三島視察 清流スポットで魅力体感
台湾政府で河川の整備や維持管理を担当する経済部水利署の幹部職員7人がこのほど、豊富な湧水を生かしたまちづくりを進める三島市内を視察に訪れた。源兵衛川を復活させ、今も守り続けるNPO法人グラウンドワーク三島の案内を受け、市内の清流スポットを回った。 講師を務めたGW三島の渡辺豊博専務理事は、かつて生活排水で汚染された源兵衛川が地道な努力で再生した歴史を紹介し、民間の活力をまちづくりに生かす意義を強調した。住民が自ら参加することで地元への愛着が生まれ、維持管理にも積極的に関わろうとする原動力になるとし、「市民の思いを大切にしないと結果的に大きな損を被る」と訴えた。 一行は源兵衛川沿いを歩いた
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武田さん(静岡)男子個人V 高校新人将棋静岡県大会 女子は佐々木さん(日大三島)
静岡県高校将棋新人戦静岡県大会(県教委など主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が19日、三島市の日大三島高で開かれた。地区大会を勝ち抜いた男子32人、女子26人がトーナメント戦に臨み、熱戦を繰り広げた。男女上位2人は2月に山梨県で開かれる全国大会に出場する。 結果は次の通り。 男子個人 ①武田華成(静岡1)②丸一健悟(浜松日体1)③原田孝太郎(藤枝明誠1)④山田志蕗(静岡2)⑤鈴木颯史(藤枝明誠1)⑥小宮山颯太(富士見2)⑦鈴木元耀(藤枝明誠2)⑧古谷龍之介(静岡東1)▽女子個人 ①佐々木香歩(日大三島1)②藤原花恋(東海大翔洋1)③大石彩乃(磐田南1)④渡辺佳央(富士見2)⑤天野詩音(同1
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社会福祉大会で功労者を表彰 三島
三島市社会福祉協議会はこのほど、社会福祉大会を市民生涯学習センターで開き、中村正蔵会長が長年にわたって社会福祉事業に尽力した功労者を表彰した。 表彰を受けたのは次の通り。 長沢禎文、大村洋子、森茂樹、仲地唯克、田中周子、峯岸弘芳、渡辺昭史、平賀三男、青木博、野田弘、新城須美子、滝口博行、芹沢利子、高村勝信、増田千代子、高田博実、渡辺幸代、鈴木英則、石川善一郎、野田ふじ江、山田夕、石田えつ子、正木講一、大谷のり子、室住秀子、鈴木洋子、加藤智彦、長沢俊彦、土佐谷純子、西原典子、中園英子、山本光広、平木良枝、松田奈都子、露木朋美、山本賢臣、三木裕子、宮沢亜沙美、芹沢朋子、金子奈々美、矢田理子、
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三島市庁舎建て替え 跡地利用策、学生が提案 市長「わくわく」
2031年度の供用開始を計画する三島市役所の新庁舎整備で、現在の分散した行政機能を集約化する際に生じる跡地の有効利用に向けて調査、研究を続けてきた明治大大学院の理工学研究科による最終報告会がこのほど、三島市民文化会館で開かれた。 市は市役所庁舎の建て替えに当たり現在は離れている中央町別館、大社町別館を本庁舎にまとめる考えで、現在地か南二日町広場を建設候補地としている。学生15人は8月に市内で5日間の合宿を行い4グループに分かれて現地調査を実施しながら跡地利用に関する議論を重ねてきた。老朽化が進む社会福祉会館、民営化も検討される市営駐車場の利活用についても考えた。 報告会では現在地、南二日
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熱海消防長招き勉強会 三島市建設産業連合会 土石流での経験学ぶ
災害復旧に向けて建設関連7団体が連携する三島市建設産業連合会はこのほど、昨年7月に大規模土石流が発生した熱海市で被災者の救助や復旧作業を指揮した同市の植田宜孝消防長を招いた勉強会を三島市の三島建設業協会で開いた。 発災直後や翌日以降の救助、捜索活動の状況を説明。熱海市独特の地形と大量の泥が重機の進入を妨げる中、機械操作に慣れた建設業者によるサポートを「プロに助けられた」と振り返った。消防団も応援隊の誘導や被災者の要望対応に加え、現場周辺の夜間パトロールなどで治安維持に重要な役割を果たしたという。 ライブカメラで土石流の再発を監視して二次災害の防止を図るなど効果的な対応もあった一方、計画に
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函南・桑村小児童 太極拳や手品体験 地元住民が講師
函南町立桑村小でこのほど、趣味などで専門的な知識や技術を持つ地元住民を講師に招いた「地域人材を生かしたクラブ活動」を同校で開いた。4~6年生約40人が受講した。 手品、英語、工作などを趣味で続けている住民5人が講師を務め、児童に手ほどきした。太極拳のクラブでは町体育協会武術太極拳部の塚田光広部長(62)が基本の動作を指導。児童は呼吸を意識し、指先の向きや手首の返し、重心の取り方にも注意しながらゆっくりと腕や脚を動かした。 4年の加藤直紀君は「ゆっくりの動きだったので疲れる。難しい」と話した。
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三島間税会「税の標語」入賞者表彰 3市1町の小中生応募
三島間税会(前田磨会長)が三島、伊豆、伊豆の国、函南の3市1町の小中学生に募集した「税の標語」の入賞作品が決まり、このほど前田会長と三島税務署の山田孝一郎署長が三島市立北中を訪れて表彰を行った。 各校への呼びかけを強化した本年度は、例年の約2倍に当たる1200点が寄せられた。「納税は まだ見ぬ君への おくりもの」など社会を支える税金の大切さが表現されている。今後、同税務署や確定申告会場などで啓発に活用される。 受賞者は次の通り。 三島税務署長賞 栗山翔(三島山田小6)小牧優里奈(三島北中1)▽税務推進協議会長賞 高岸心優(三島南小6)▽三島間税会長賞 真野有彩(三島東小6)中村晃大(三
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藤岡弘、さんトーク「水が全人類の未来」 グラウンドワーク三島 設立30年でシンポ
設立30年を迎えた三島市のNPO法人グラウンドワーク(GW)三島は12日、俳優の藤岡弘、さんを招いた記念シンポジウムを同市の三島商工会議所で開いた。藤岡さんは清流がもたらす日本の未来に期待を込め、自然環境を活用した子どもの「人間力」を高める教育の重要性を訴えた。 世界各国を旅する藤岡さんは豊富な水を有する日本がいかに恵まれているかを強調し、「水が全人類の未来。いかに大事に守っていくか、世界中の注目が集まっている」と述べた。水温、水質のバランスが求められる水中花のミシマバイカモがGW三島の継続的な活動によって復活し、三島で守られている現状に「日本の未来を感じた。傍観者はいくらでもいる中で、子
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従業員への交通安全指導 タカラスタンダード三島工場を表彰
三島署と自動車安全運転センター静岡県事務所は16日、運転記録証明書を活用して従業員の交通安全意識を高めている三島市のタカラスタンダード三島工場に対し、優秀安全運転事業所の銅賞として連名表彰した。 同社は通勤や勤務中に自動車を運転する従業員140人の運転記録証明書を取得し、違反者の数や年齢などの傾向を基に交通安全指導につなげている。全社で「ながら運転」の禁止を呼びかけているほか、社有車を使用する際はドライブレコーダーに免許証を読み込ませて個人の運転の癖もチェックしているという。内田一弘署長、森田幸光所長から表彰を受けた同工場の新居京静事務課長=写真右=は「交通安全の取り組みに終わりはない。さ
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三島の課題解決 若者世代が議論「つなげる30人」プレイベント
若者世代が地域の課題を設定し、主体的に解決方法を探る「三島をつなげる30人」のプレイベント(準備委員会主催)が15日、三島市の三島商工会議所で開かれた。20~30代を中心に地元のNPO法人や企業、市役所などから36人が参加し、日ごろ感じる三島の課題や目標などについて意見を交わした。 「つなげる30人」は東京都渋谷区を皮切りに全国10地域に広がっている取り組みで、異業種の人材が集まって地域の課題解決に向けた立案、実行につなげるプロジェクト。 準備会では参加者が輪になり、「挑戦が多い街にしたい」「地域のプレーヤーを増やす」など三島の課題、やってみたいことを出し合った。続いて4グループに分かれ
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新庁舎整備へワークショップ 求めるサービス議論 三島市役所
2031年の供用開始を目指して計画を進めている三島市役所新庁舎の整備に関するワークショップがこのほど、同市社会福祉会館で始まった。高校生から70代までの市民32人が来年春まで新庁舎について議論を重ね、意見は来年度までに策定される基本構想に反映される予定。 初回は25人が参加し、市職員も含めた5グループに分かれて意見を交わした。テーマは「どんな街中が良いか」「どんな市民サービスが必要か」。参加者は街中に求める資源として湧水や緑などの豊かな自然環境、観光資源を巡る遊歩道、くつろげるスペースなどを挙げた。市や新庁舎に求めるサービスとしては、自動化や広い駐車場、ワンストップサービスなどさまざまな意
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カンボジアの生活 JICA職員語る 三島で講演会
NPO法人グラウンドワーク三島はこのほど、国際協力機構(JICA)教育政策アドバイザーとしてカンボジアに勤務する松田徳子さん(55)のグローバル講演会を三島市民文化会館で開いた。 カンボジアは7月の安倍晋三元首相銃撃事件で全土に半旗を掲げ、カラオケなどの娯楽を禁止して追悼するほどの親日国という。同国の教育支援に向けて松田さんらが進める「教員養成大学プロジェクト」では、8月に行った第1期生の終了式や、学びを改善する研究調査などについて話した。 過去に赴任したガーナの子どもについても紙芝居風に取り上げた。カカオの収穫作業が忙しくて学校に行けない男児など、困窮する生活を紹介した。 松田さんは
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納税功労者ら表彰 三島税務署、関連団体など10人
三島税務署は10日、納税表彰式を三島市の三島商工会議所で開き、関連団体の10人に署長表彰や三島税務推進協議会長表彰などを行った。 表彰を受けたのは次の通り。 三島署長表彰 木村英治(清水町)井村大輔(三島市)三田宏一(函南町)大津均(三島市)▽三島税務推進協議会長表彰 今井信義(同)山村誠(同)原兄多(伊豆の国市)岩崎俊哉(三島市)▽財務大臣表彰 西山洋雄(同)▽名古屋国税局長表彰 立岩康男(伊豆市)
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上岩崎公園で秋まつり盛況 三島、地域住民が交流
三島市で地域交流スペースを提供する「ジモット」は12日、秋まつりを同市文教町の上岩崎公園で開いた。 多目的広場の特設ステージでは市民らの弾き語りグループ「三島フォークビレッジ」のメンバーが歌声を披露し、来場者を楽しませた。会場には52のブースが並び、野菜や手作り小物の販売や子どもが参加するワークショップなどが行われた。周辺はイチョウや紅葉の木々が美しく、来場者はゆったりとした秋のひとときを満喫していた。
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3陣営が出席 三島市長選説明会 12月11日告示
三島市選挙管理委員会は11日、任期満了に伴う市長選(12月11日告示、18日投開票)の立候補予定者説明会を市役所で開いた。 出馬を表明している現職豊岡武士氏(79)、市議石井真人氏(43)、会社経営近藤正文氏(46)の3陣営が出席し、立候補の届け出や選挙運動での注意点などについて説明を受けた。立候補届け出書類の事前審査は29日に行う。9月1日現在の選挙人名簿登録者数は9万951人(男4万4135人、女4万6816人)。
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日系米国人の歴史知って 三島市役所で短編映画上映PR 三島ー米パサディナ交流尽力のタケダさん
三島市との姉妹都市提携65周年を迎えた米国パサディナ市で長年にわたり両市の交流に尽力しているブライアン・タケダ氏(67)が11日、制作した短編映画「日系アメリカ人の歴史を知る」を13日に三島市民生涯学習センターで上映するのを前に、豊岡武士市長を訪問して日米友好の思いを語った。 タケダさんの父は戦時中に日本兵として中国に渡り、敗戦後はシベリアに2年間抑留された。2020年の父の死去を機に、シベリアでの生活を中心に描いた7分間の短編映画を制作。「日系人がシベリア抑留されたという事実はあまり知られていない。伝えていくことが大切だ」と映画に込めた思いを述べた。 20年以上前から三島を何度も訪れ、
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はじかれ野菜で地域活性 「スープアップ!三島」、メニューや観光商品開発
三島市観光協会は地元のデザイナー、カメラマンと連携し、変形や傷などによる“はじかれ野菜”のスープで地域活性化を図るプロジェクト「スープアップ!三島」を立ち上げた。同市の佐野体験農園で初のイベントをこのほど開催し、スープと野菜を販売した。今後、飲食店での新メニューや観光商品の開発にもつなげる予定。 水はけと日当たりが良好な箱根西麓は農業が盛んな一方、形や大きさなどで市場に出荷できない野菜も多い。デザイナーの岡本雅世さん(47)、カメラマンの真野敦さん(45)は味や品質も確かなはじかれ野菜を通じて農業、生産者とつながる取り組み「サルベジー」を開始。野菜や農業による観光振
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レスリング全国優勝 錦田小6年の小林さん 三島市役所で喜び報告
10月に焼津市で開催された全日本女子オープンレスリング選手権大会のキッズ5、6年生45キロ級で優勝した三島市立錦田小6年の小林叶実さん(12)=沼津レスリングクラブ=が9日、市役所に豊岡武士市長を訪ねて喜びを報告した。 小学2年でレスリングを始め、現在は週3回の練習で腕を磨いている。同大会では1、2回戦をテクニカルフォール勝ち、準決勝、決勝は判定で相手を下して優勝した。「家族やコーチ、監督、自分のために戦った」と振り返り、今後の目標については「来年1月の全国大会でライバルと戦って優勝したい」と話した。 市が国際的な選手育成に向けて開催している「みしまジュニアスポーツアカデミー」にも第7期
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世界の演芸や料理堪能 三島でフェア、在住外国人と市民交流
三島市国際交流協会はこのほど、在住外国人と市民が交流する「オータムフェア」を同市の楽寿園で開いた。 ステージではポールダンスやインド舞踊、二胡(にこ)演奏など世界各国の演芸が披露され、会場を訪れた大勢の観客から拍手が上がった。飲食ブースも並び、ブラジルやシンガポール、ベトナムなど各国の料理が提供された。
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自動運転の進展に期待 三島市長、長泉町長が座談会
11日から沼津市で実証実験が始まる自動運転の遠隔コントロールセンターが設置された三島市の日大国際関係学部三島駅北口校舎で8日、豊岡武士市長と長泉町の池田修町長による座談会が開かれ、自動運転技術がもたらす地域活性化の期待や行政が取り組むべき課題について意見を出し合った。 直接の路線がないJR三島駅―下土狩駅(長泉町)間における将来的な実証実験の可能性について、豊岡市長は「距離や交通量などで実証実験に最適な路線。新たなモビリティーへの期待が高まる」と語った。池田町長は通勤時間帯の周辺道路の混雑や電車と連動した運行間隔など「いろんな課題があるが、解決に向けたスタートとして賛成」とした。今後のまち
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絵本作家デザイン マンホール、三島市に寄贈 加和太建設協和会
三島市在住の絵本作家宮西達也さん、えがしらみちこさんの作品に登場するキャラクターをモチーフにしたデザインマンホール各1枚がこのほど、製作した加和太建設(同市)協和会から市に寄贈され、宮西さん、えがしらさんが運営する店の前の歩道にそれぞれ設置された。 官民で社会課題を解決する「共創」の一環として、下水道事業への理解拡大に向けた取り組み。宮西さんは「ティラノサウルスシリーズ」の恐竜をユニークに表現し、えがしらさんは「あめふりさんぽ」の表紙を描き下ろした。2人の店舗は人通りが多い同市中央町に隣り合い、マンホールを設置して三島を「えほんのまち」としてPRする。 市役所を訪れた宮西さんは「マンホー
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箱根旧街道「三島東海道ラン&ウォーク」 標高差520メートル、25キロ挑戦
三島市と包括連携協定を結ぶアールビーズスポーツ財団(東京)は5日、箱根旧街道を巡る「三島東海道ラン&ウォーク」を市内で初開催した。県内外から255人が出場し、標高差520メートル、25キロのコースに挑んだ。 同市文教町の市民体育館から箱根旧街道を通り、国指定史跡の山中城跡(同市山中新田)を折り返すコース。上位者の表彰はなく、参加者はそれぞれのペースで走ったり歩いたりしながらゴールを目指した。坂公民館、山中城跡、錦田公民館のチェックポイントでは、ご当地グルメのみしまコロッケなど食べ物や水分が配られた。 参加者は景色を楽しみながら日本遺産の箱根旧街道を進み、心地よい汗を流した。
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深い学びへICT活用 三島南小で教育研究発表
三島市教育委員会が教育研究指定校とする市立南小でこのほど、研究発表会が開かれた。1人1台のタブレット端末が配布された教育現場の現状と課題が報告され、参加した教職員が「深い学び」の推進に向けたICT活用の方法を考えた。 同校の教諭がタブレットを活用した理科や国語など授業の取り組みを発表した。写真を使った視覚的な学習や複数の児童による意見の比較などで理解の深まり、考えの広がりにつながるほか、話し合う時間の確保や子供の変容に応じた授業の実施などICT活用のメリットを報告した。校務の効率化で子供と向き合う時間を増やし、円滑な学校運営につなげる研究成果も発表された。 静岡大教育学部の塩田真吾准教授
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演劇や和太鼓、多彩に 三島で静岡県中学総合文化祭
静岡県中学総合文化祭の三島大会(県中学文化連盟主催)が5日、三島市民文化会館で開かれた。多彩なステージが繰り広げられたほか、25日からは展示部門も含めた動画、画像をウェブで紹介する「オンデマンド公開」も予定している。 ステージ発表では県内11校の生徒が登壇し、演劇や演奏、ダンスなどを披露した。和太鼓演奏では威勢のよいかけ声とともに息の合った音色を響かせ、聴衆を楽しませた。ヒップホップダンスやチアダンスなども華やかに繰り広げられた。 オンデマンド公開は25日から来年1月23日まで。ステージ発表の動画と美術・工芸、書写の作品写真を同連盟ホームページで配信する。
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ろう者柔道で世界2位 三島の佐藤さん文科相表彰、市役所で報告
昨年10月の世界ろう者柔道選手権大会男子66キロ級で銀メダルを獲得した三島市在住の佐藤正樹さん(29)が文部科学大臣表彰を受け、このほど、市役所を訪れて豊岡武士市長に喜びを報告した。 生まれつきの聴覚障害を抱える佐藤さんは7歳で柔道を始め、現在はケイアイスター不動産のチームに所属。同市に移住して練習を重ね、同大会の準優勝に続いて今年もブラジルで開催された夏季デフリンピックで5位に入った。裾野市では子供を対象とした柔道教室も定期的に開催し、障害の有無を問わずに柔道の楽しさを伝えている。 文科大臣表彰を受けて「つらい経験を乗り越えて頑張った証し。育ててくれた親に感謝したい」と語り、柔道教室に
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倒木除去、車両救助 大地震想定し訓練 三島、800人参加
大規模地震を想定した三島市総合防災訓練が6日、市内で開かれた。主会場の南二日町広場では各種啓発ブースが設けられたほか、自衛隊や建設団体による被災者救助などの実動訓練も行われた。 負傷者の救出を妨げる倒木、ミニバイクの除去訓練では、市建設業協力会の会員が木にくくりつけたロープをショベルカーの先に結んで持ち上げた。バイクの撤去が完了すると救急車も到着し、負傷者に見立てた人形を搬送した。 2台が積み重なった車両の救助訓練も行い、1台をクレーンでつり上げて下の車両を引っ張り出した。宙づりになった窓ふき作業員の救出、ドローンを使った上空からの情報収集にも取り組んだ。 会場には20の啓発ブースが並
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三島の魅力、路上絵に 80メートル「水のたび」テーマ
アートと地域をつなぐ市民団体「アルテ・プラーサ」は6日、三島市の長伏浄化センターで敷地内の路上に絵を描くワークショップを開いた。市民の生活を支える浄化センターを身近に感じてもらおうと企画し、参加者100人が富士山や三嶋大社など三島の魅力を約80メートルにわたって描き上げた。 テーマは「水のたび」。浄化槽できれいになった水が川を流れる様子を中心に、そこでの生活や豊かな自然、名所などをモチーフに描いた。下絵は沼津市のアーティスト2人が手がけ、参加した小中学生らが水性ペンキで色とりどりのイラストを完成させた。 参加者は5日に事前学習も行い、各自で考えた好きな絵も自由に描き加えた。同団体の坂田芳
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ブランド米「ゆめみしま」 鎌で刈り取り、収穫祝う 三島
三島市のNPO法人グラウンドワーク三島は5日、市内を流れる源兵衛川の水で育てるブランド米「ゆめみしま」の収穫祭を同市梅名の田んぼで開いた。 ゆめみしまは産地品種銘柄の認定を受けて昨年から出荷を始め、今年は市内3カ所の田んぼ約9000平方メートルで4.2トンを収穫する見込み。大きな粒と豊かな甘みが特徴という。 収穫祭には品種開発に協力した日本たばこ産業(JT)の社員や都留文科大(山梨県)の学生も参加し、30人が鎌で稲を刈り取ってはざかけを行った。
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タクシー乗客の異変を察知 詐欺防止で感謝状 三島署
三島署はこのほど、乗客の高齢女性が詐欺に遭う危険性を感じて被害を防いだタクシー運転手と三島信用金庫の職員、別の日に高額の現金を引き出そうとする高齢夫婦を制止した同金庫職員にそれぞれ感謝状を贈った。 富士急静岡タクシーの運転手石毛弘成さん(48)は9月13日、焦って同金庫に向かおうとする乗客の70代女性が「息子が会社で失敗し現金が必要」と話しているのを聞き、詐欺を疑って同金庫本店営業部の古地さくらさん(39)に伝えた。女性が400万円を引きだそうとしていたため、古地さんは話を聞いて説得し、警察に通報した。同27日には同金庫三島北支店の間野翔太さん(25)が、200万円を下ろそうとする80代の
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函南に「居場所カフェ」オープン 日生財団助成、多世代交流の場に
函南町社会福祉協議会は10月から、幅広い年代の町民が集まる居場所「あしたまたカフェ」を同町仁田でオープンしている。配食サービスの仕出店を改装し、誰もが気軽に交流できるスペースを提供する。町民の孤独を減らす重層的な取り組みは日本生命財団の「高齢社会地域福祉チャレンジ活動」として、2年間で計400万円の助成事業に認定された。 1月に休止した同町塚本の常設型居場所に代わり、新たなコミュニティーカフェとして開設した。月―土曜に無料で利用でき、現在は10人ほどが体操したりお茶を飲みながらおしゃべりしたりして交流を深めている。農産物の直売なども行われ、同社協は子育て世代や高齢者など年齢を問わずに町内全
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70事業所見学 地域への思いは 三島南高生が学ぶ
三島田方法人会はこのほど、三島南高の1、2年生を対象とした企業見学ツアーを開催した。三島、伊豆の国市や函南町など70事業所が生徒を受け入れ、仕事の内容や地域に対する思いなどについて説明した。 1年生205人は6~15人のグループに分かれて3事業所ずつ、2年生175人は30人ごとに2事業所をそれぞれ訪問した。三島市のフランス料理店「おんふらんす」では、オーナーシェフの田中季次さんからホテル1階で営業する店の特徴や地産地消へのこだわりなどについて説明を受けた。同市の丸善工業では、ドリルを使ってコンクリートを砕く製造プロセスなどを見学した。 函南町のマックスバリュ東海函南店では小売業の流通や品
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全国のワサビ求め バイクで走破 伊豆わさびミュージアム運営の2人 活用のヒント探る
コロナ禍でワサビを求めてオートバイの旅を始めた男性2人が10月、47都道府県の走破を達成した。函南町の伊豆わさびミュージアムなどを運営する山本食品の山本豊社長(60)と、同施設で屋内わさび田の造成に協力した水道設備業リブテックの野田始彦会長(56)。若者のワサビ離れもささやかれる中、各地で「日本特有のスパイス」の魅力を追った。 2020年6月の静岡市を皮切りに、愛知、岐阜、長野などのわさび田を目指してスタート。今年10月に訪れた最後の沖縄県まで走行距離は3万キロに上り、各地の食文化を通じてワサビに対する意識の違いや新たな活用法のヒントを探った。様子は映像に収めて編集し、山本社長が立ち上げた
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地産地消の新料理開発へ 学生と飲食店がコラボ 三島南高生らSNSで情報発信
三島商工会議所飲食・旅館業部会は2日、三島市の鈴木学園調理製菓総合学科の学生と地元の飲食店が協力してメニューを開発し、三島南高の生徒とインフルエンサーがSNSで情報を発信するプロジェクトを立ち上げた。地元食材を使った地産地消の料理を来年2月までに完成させ、新たな販路開拓とにぎわい創出につなげる。 同日は出発式が開かれ、学生11人と飲食5店舗の関係者が出席した。店舗ごと学生2~3人ずつに分かれ、特産の箱根西麓三島野菜などを使った新メニューのアイデアについて話し合った。各店舗に出向いて試食や打ち合わせも行った。 今後、学生と飲食店が連携しながらメニューを開発し、来年2月に店舗販売を開始する予
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出店や芸能など宿場まつり盛況 三島
かつて宿場町として栄えた三島市の恒例行事「秋の大通り宿場まつり」(三島大通り商店街まつり実行委員会主催)が3日、3年ぶりに開かれた。伊豆箱根鉄道の三島広小路踏切から大社西交差点までの約700メートルが歩行者天国となり、多くの出店やイベントなどで盛り上がった。 同時開催された「ふるさと芸能フェスタ」では、全盲の和太鼓奏者片岡亮太さん(38)=同市出身、在住=が妻のホルン奏者山村優子さん(45)と演奏を披露した。八丈島の伝統芸能やオリジナル曲などを奏で、勇ましい和太鼓と優雅なホルンの競演を繰り広げた。みしまサンバや農兵節なども披露された。
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自転車チームの仕事を児童体験 三島 競技の種類学習も
三島市を拠点に活動する自転車競技のチームブリヂストンサイクリングは3日、小学生を対象にした「子ども自転車チームお仕事体験」を同市松本のクラブハウスで開いた。児童9人が参加し、選手やチームスタッフの説明を受けてさまざまな仕事に挑戦した。 自転車のメンテナンスを行うメカニックルームでは、汚れをきれいに落とした後でチェーンに油を差す作業に取り組んだ。指導に当たった担当スタッフは「選手の命を預かっている。ネジ1本の緩みも許されない」と語り、選手を支える仕事の重要性を説明。トレーニングルームではスポーツバイクの体験も行われ、沼津第五小5年の鈴木麻友香さんは「ギアを変えるのが難しかったけど楽しかった」
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熱海の日本画家 坂本さんが個展 三島で新作36点
熱海市の日本画家で三島市でも絵画教室を開いている坂本武典さん(46)の個展「心にとまったものたち」が3日、同市のみしまプラザホテルギャラリーで始まった。8日まで。 夜明けの伊豆高原で馬が草を食べる様子や近寄ってくるコイの輝きなど、坂本さんの心に残った一瞬を描いた新作36点を展示した。豚舎で見た養豚に生きる意味を考えさせられ「急に切なく、愛らしくなった」という作品「幸せな夜に」は、穏やかな夜空にたたずむかわいらしい豚がモチーフ。岩絵の具で彩る日本画は鉱物が持つ自然な色合いが特徴的で、きらきらとした輝きをちりばめた美しい作品が来場者の注目を集めている。
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ロス五輪女子マラソン 増田明美さん 走るこつと楽しさ伝授 三島・佐野小児童139人に
ロサンゼルス五輪女子マラソン日本代表でスポーツライターの増田明美さんが1日、三島市立佐野小を訪れて全校児童139人に走り方のこつを伝授した。 増田さんは速く走るためのポイントに「腕振り」を挙げ、直角に曲げた肘を後ろに引くことで「足が上がって前に進む」と説明。手は小石を持つ感覚で軽く握るよう呼びかけたほか、スキップした後に走ると腰が高い位置に維持されて美しいフォームになると指導した。子供らと一緒にグラウンドを走り、上手な児童には手をたたいて褒め、みんなの前でお手本を披露してもらいながら走る楽しさを伝えた。
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自殺願望者の対応学ぶ 函南でゲートキーパー研修
函南町はこのほど、自殺願望を抱く人に気付いて適切に対応する「ゲートキーパー」の養成研修会を町役場で開いた。町職員が受講し、自殺とうつ病の関係やゲートキーパーの心得などを学んだ。 講師を務めたエムオーエー奥熱海クリニックの佐久間哲也院長は、4人に1人が自殺願望を抱いたことがあり、コロナ禍で特に若者が多いという昨年の調査結果を示した。死にたい思いを誰にも相談しない人が7割に上り、「うつ病と同じ傾向」とした。自殺に関する誤解として、病院にかかれば自殺しない▽自殺者は心が弱い▽止められないのは周囲の責任―などを挙げた。 相手の言葉に共感する「傾聴法」についても説明し、沈黙を恐れず、賛同と理解、繰
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食べて飲んで「はしご酒」 三島市内20店舗参加「鎌倉殿ゆかりの街」PR 11月30日まで
三島市は楽寿園で菊まつりが開催中の11月30日まで、市内宿泊客を街中に呼び込む「鎌倉殿ゆかりの街 三島はしご酒」を開催している。市内の飲食20店舗で特別メニューを提供する。 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に合わせ、観光協会や商工会議所と連携して企画した。各店舗でフード、ドリンク各1品の「鎌倉殿セット」(千円)を注文するとパンフレットにスタンプがもらえ、源頼朝が行った「二所詣で」にちなんで2個集めると三島観光案内所で「みしまコロッケマグネット」がプレゼントされる。 唐揚げとドリンクのセットを提供する食事処「松韻」(同市中田町)の伊丹秀之社長は「鎌倉殿を追い風に、飲食でも地域をさらに盛り上げて
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菊の鶴岡八幡宮、三島に 楽寿園まつり、11月30日まで
三島市立公園の楽寿園で29日、恒例の「楽寿園菊まつり」が開幕した。今年のテーマは大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に合わせ、鎌倉幕府ゆかりの「鶴岡八幡宮」。11月30日まで開催され、期間中は各種関連イベントも予定されている。 源頼朝が造営した鶴岡八幡宮の本宮楼門、舞殿をモチーフにした盆景などが設置され、計8千鉢の菊があしらわれている。本宮楼門は実物の3分の1、舞殿は2分の1で、いずれも高さは約4メートル。菊の開花状況は現在一~二分咲き程度で、11月10日ごろには満開になる見込みという。 5~13日は特別に午後5時~8時半を無料開園し、夜菊鑑賞のライトアップも行う。12、13の両日は音楽と肉フェ
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大地震に備え交通対策 静岡県警、三島で訓練 手信号誘導も
静岡県警は28日、南海トラフの大地震を想定した災害交通対策訓練を神奈川との県境にある三島市の箱根峠交差点付近で実施した。9月の台風15号でも発生した大規模停電を見据えて手信号による車両誘導を行ったほか、神奈川県警や地元自治体と連携した被災状況の把握、緊急通行車両の確認などに取り組んだ。 地震の強い揺れに見舞われた県内は東名高速道、新東名高速道がいずれも通行止めとなり、国道1号を緊急交通路に指定した―との想定。国1は自治体や警察、インフラ復旧関係などの車両以外は通行できなくなり、箱根峠で交通検問所を設けて緊急通行車両の確認と標章の交付、一般車両の選別を行った。オフロードバイク隊は三島方面から
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高校生が選ばれる町提案 10年後の三島考える
若者目線で10年後の三島を考える「みしまの未来を描く会」がこのほど、三島市民生涯学習センターで開かれた。市内に通う高校生18人が三島の魅力や強み、キャッチフレーズについて話し合い、さらなる発展に向けた方策を発表した。 4グループに分かれて議論し、せせらぎや湧水などの豊かな自然や首都圏や伊豆半島への良好な交通アクセス、箱根西麓三島野菜などの多様な食材などを三島の強みに挙げた。10年後の三島については特産品を生かした施設の整備や三嶋大社のさらなるPRを通じて人口を増やし、子育て支援も充実させた若者にも選ばれる町になるよう提案した。 三島のキャッチフレーズを「圧倒的王者」としたグループは、「市
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トランペットで全国2位 ソロ演奏の斎藤さん(沼津市立高)
全日本ジュニアクラシック音楽コンクール全国大会でトランペットをソロ演奏し、金管楽器部門高校生の部で2位入賞した沼津市立高2年の斎藤さくらさん(16)=三島市=が28日、市役所に豊岡武士市長を訪ねて喜びを報告した。 4歳でバイオリンとピアノを習い始め、小学6年からトランペット演奏の腕を磨いている。中学1年からソロコンテストに挑戦し、今回が初の全国大会。「良い経験になればと思っていたが、予想以上に良い結果になってうれしい」と振り返り、将来に向けて「音楽大に進んでプロの演奏家になりたい」と語った。 12月には日本クラシック音楽コンクールの全国大会にも出場する。豊岡市長は「さらなる上を目指して頑
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未来の国宝!? 煮干しコレクション 沼田さん(三島)展覧会に出品
開館150周年の東京国立博物館(東京都)が11月2日から開催する「150年後の国宝展」に、三島市でだし専門店を運営する「沼田」4代目の沼田行雄さん(39)が出品した「日本各地で集めた煮干しのコレクション」が展示される。沼田さんは気候変動や漁業者の減少で150年後には国宝級になるかもしれない海産物の未来を憂い、「問題に目を向けるきっかけになれば」と語る。 150年後の国宝展は、同博物館が初めて実施する公募型の展覧会。「ワタシの宝物、ミライの宝物」をテーマに、有形無形を問わず全国で作品を募集した。時代とともに価値や思い出が深まる345点が寄せられ、「電線と電柱のある風景」「努力の足跡 英単語
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取るべき行動は 座学、実技で災害対応学ぶ 三島で講座
三島市はこのほど、「防災力アップ!人材育成講座」を同市の富士山南東消防本部で開いた。35人が参加し、防災に関する座学と実技で災害時の取るべき行動について理解を深めた。 市民トリアージについてNPO法人災害・医療・町づくりの安田清理事長から説明を受けた後、傷病者と診断者役に分かれてトリアージを実践した。歩行の可否、呼吸回数、手首の脈などの設定が事前に傷病者に割り振られ、診断者は症状を聞き取って赤、黄、緑、黒の4段階に分類した。傷病者の設定と診断結果が合致するかを確認し、トリアージを行う際のポイントについて学んだ。 このほか、段ボールやペットボトルなど身近なものを使った応急手当て、ジャッキな
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上空から「特殊詐欺注意」呼び掛け 三島署管内「非常事態」で初
管内で特殊詐欺の被害が多発している三島署は27日、県警ヘリを使って上空から詐欺への注意を呼びかける広報活動を行った。40件の発生件数は県内の警察署でトップ、被害額が5千万円超の現状を「非常事態」とし、県内初の取り組みとして実施した。 JR三島駅と同署の上空を15分間ずつ旋回し、「キャッシュカードを預かります、暗証番号教えては詐欺です」「仕事に失敗した、すぐにお金が必要は詐欺です」などと強調。管内では警察官や市職員、子供や孫をかたるサギ電話も多く確認され、「あなたの家にも必ず掛かってきます」と呼びかけた。 発生件数は前年を16件上回り、架空請求、おれおれ詐欺、キャッシュカード詐欺盗が大半を
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コロナ「第7波」でDI悪化 三島市内中小企業、7~9月
三島商工会議所などが運営するみしま経営支援ステーション「M―ステ」はこのほど、三島市内の中小企業を対象にした7~9月の景況調査結果をまとめた。景況感の「好転」から「悪化」の回答を引いた業況判断指数(DI)はマイナス15・7。新型コロナウイルスの「第7波」と重なり、4~6月よりも3・6ポイント悪化した。 飲食・旅館業はプラス10・0で、前回比マイナス90・0ポイントの大幅な悪化を示した。一方、製造業はマイナス10・0、建設業はマイナス33・3となり、いずれも前回から20ポイント以上改善した。今後については原材料、エネルギーの価格や人件費の上昇が見込まれ、全体でマイナス24・7と収益減少による
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新時代の八百屋に JAふじ伊豆「みしまるかん」オープン 三島
JAふじ伊豆は26日、三島函南地区の農畜産物をそろえたファーマーズマーケット「みしまるかん」を三島市谷田にオープンさせた。セレモニーが開かれ、関係者が新たな食と交流の拠点として期待を込めた。 みしまるかんの愛称は三島、マルシェ、函南などの言葉が込められ、公募で集まった331点の中から選ばれた。同市谷田の直売所「フレッシュ錦田店」を新築移転する形でオープンし、売り場面積は491平方メートル。多品種が特徴の地元農畜産物を並べるほか、合併した同JAの各地からも地場野菜を持ち寄って販売する予定という。 セレモニーに出席した鈴木正三組合長は、「新しい時代の八百屋を目指す。新鮮でおいしい農畜産物を届
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子育て支援充実 新設「出産祝い金」贈呈 三島市
三島市が本年度からスタートさせた出産祝い金「みしまっ子すくすく祝金」の贈呈セレモニーが26日、市役所で開かれた。出産した子供の数に応じて祝い金が支給される仕組みで、市は子育て支援の充実を通じて未来を担う子供を増やす考え。 セレモニーには同市の赤池麻祐美さん(35)が今年5月に生まれた三女の美波ちゃん、次女の菜奈ちゃん(2)と出席した。長女の結衣ちゃん(4)も含めて3人目の出産で、市から15万円が支給される。豊岡武士市長から目録を受け取った赤池さんは「3人目が生まれたので車を大きくしようと思っていた。三島は医療費の無料化もあり、とても子育てしやすいまち」と感謝した。 祝い金は第1子が1万円
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発達障害テーマ実録映画上映 監督トークも 三島市
発達障害の実情を描いたドキュメンタリー映画「だってしょうがないじゃない」の上映会(ありままの会主催)がこのほど、三島市の県総合健康センターで開かれた。自身も発達障害と診断され、映画にも出演している坪田義史監督がトークを披露し、発達障害について「恥ずかしいことではない。堂々と生きていきたい」と思いを語った。 映画は坪田監督と同様に発達障害のある叔父の「まことさん」を主人公に、3年間の生活を実録した。坪田監督はまことさんについて「本当に純粋。美しいものがあると思った」と語り、「自分もフレームに入り、発達障害の概念を捉え直したかった」と撮影を始めた当時を振り返った。 発達障害に対する社会の認識
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外国人の子供 就学支援充実を 3団体が三島市長に要望
三島市を拠点に外国から移り住んだ子供の支援に取り組む3団体が25日、就学支援の充実に向けた要望書を豊岡武士市長に提出した。 3団体は、カサ・デ・アミーゴス、のびっこクラブみしま、あいうえおの会。文部科学省が全国の各市町に実施した「外国人の子供の就学状況等調査」の結果を踏まえ、支援策に関する同市の改善点を中心に要望書をまとめた。外国人の住民登録では子供の就学希望の有無にかかわらず就学の説明と案内を行う、資料を多言語でそろえる―など6項目を盛り込み、支援の充実を求めている。 のびっこクラブみしまの石井千恵子代表によると、文化や言葉の違いから就学の説明を理解できないケースも多いという。外国ルー
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見えない人の立場で情報伝達 三島・長伏小4年生がブラインドサッカー体験
三島市立長伏小でこのほど、ブラインドサッカーの体験学習が行われ、4年生44人が目隠しした状態でボールを蹴ったり情報をつかんだりする難しさを体感した。 日本ブラインドサッカー協会スタッフの小島雄登さん、東京パラリンピックにも出場したブラインドサッカー選手の寺西一さんが講師を務めた。準備運動では2人1組となり、アイマスクを着用した児童がパートナーから言葉で伝えられる動作を実践するなど、視覚が遮断される中での情報伝達に挑戦した。 目隠しした児童が音の鳴るブラインドサッカーのボールを蹴ってゴールを狙うゲームでは、他の児童が声や拍手でボールとゴールの位置を伝えてチームごとに得点を競った。児童らは「
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英語のスピーチ力競うコンテスト開催 三島市国際交流協会
三島市国際交流協会は23日、英語スピーチコンテストを市民生涯学習センターで開いた。 中学生の部に7人、高校生や専門学校生ら一般の部に4人が出場。それぞれの経験や思いを5分間のスピーチに込めて流ちょうな英語で発表し、中学生の部では室伏杏樹さん(三島北中3年)、一般の部ではルハマト・ヒダヤトさん(国際ことば学院外国語専門学校2年)が優勝した。 最優秀の宇山杯も受けた室伏さんは「英語を使った仕事に就きたい。経験を生かしてこれからも頑張りたい」と話した。
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仮装華やかハロウィーン・パレード 三島市の大通り商店街
三島市の大通り商店街で23日、「ハロウィーン・パレードinみしま2022」が3年ぶりに開かれた。さまざまなコスチュームに身を包んだ子ども2022人が参加し、通りをにぎやかに彩った。 三嶋大社から伊豆箱根鉄道の三島広小路駅までの約700メートルが歩行者天国となり、通り沿いにはキッチンカーや出店が並んだ。パレードではアニメやゲームのキャラクター、おばけなどの格好に扮(ふん)した子どもたちが大通りを埋め尽くした。お菓子をもらう恒例の「トリック・オア・トリート」はコロナ対策で事前申し込み制とし、地図を見ながら登録はがきに書かれた商店などを訪問した。 (三島支局・金野真仁)
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ごみ分別、減量の大切さ理解 函南・西小で講座 再生利用の仕組みも
函南町は24日、ごみ分別出前講座を西小で開いた。ごみ焼却場での社会科見学を予定している4年生が受講し、事前学習としてごみの分別、減量の大切さを学んだ。 町環境衛生課の職員が町民1人当たりが毎日出すごみと同じ重さのペットボトルを用意し、児童らは手に持ってごみの量を体感した。スチール缶は鉄製品に、新聞紙はチラシになるなど、分別によってごみが生まれ変わる仕組みも学び、リサイクルの重要性に触れた。ごみを減らすための目標として「食品ロスを出さないよう、もりもり食べる」「分別は2度、3度確認して正しく行う」などと意見を出し合った。 職員は「おうちで家族とも話し合い、みんなで取り組んでほしい」と呼び
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11月に藤岡弘、さん講演会 グラウンドワーク三島 創立30周年
設立30周年を迎えた三島市のNPO法人グラウンドワーク三島は11月12日、俳優の藤岡弘、さん(76)を招いた記念講演会を同市の三島商工会議所で開く。 三島を流れる富士山の湧水など水への思いを語るほか、「未来の三島」と題したパネルディスカッションも行う。基調講演では渡辺豊博専務理事がGW三島の30年の取り組みと成果、今後の展望について紹介する。 午後1時開演。参加無料。聴講は事前の申し込みが必要で、定員200人に達した時点で締め切る。問い合わせはGW三島<電055(983)0136>へ。
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起業家を地域で支援 「スタジオ」設立1年 三島を挑戦できる街に【解説・主張しずおか】
Local to Global(地方から世界へ)―。そんな思いを抱く起業家が新事業に挑む「LtGスタートアップスタジオ」(三島市大社町)が11月で開設から1年を迎える。産官金の5者協定で始まった試みで多彩なネットワークを形成し、「チャレンジ」をキーワードにした三島の新たなブランディングにつなげる考えだ。 伊豆に配流された源頼朝が平家打倒に向けて旗揚げしたとされる三嶋大社から南へ約50メートル。旧商業施設を改装したLtGスタジオは現在、起業を目指す10組が利用する。教育関連やコミュニティーツールの開発など事業の構想はさまざまだが、人のつながりや起業、資金調達のノウハウなどを求めて三島に集まっ
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パン作り、職人が手ほどき なりわい体験24種「みしまKo・to・ri」11月20日まで 三島
地元の飲食店や商店、事業所でさまざまな技術に挑戦するなりわい体験プログラム「みしまKo・to・ri(ことり)」(三島商工会議所主催)が11月20日まで、市内を中心に各地で行われている。和菓子作りやお茶の入れ方教室など多彩な24種類のメニューが用意されている。 22日は同市大社町の「コカラベーカリー」でパン作りが行われ、親子4組が参加した。豊富な食物繊維と低糖質のパンを提供する同店の特徴について説明を受けた後、好きなアニメのキャラクターをモチーフにしたパン作りに挑戦。チョコや栗など好きなあんを生地で包んで形を整え、チョコペンでキャラクターの顔を描いて焼き上げた。同店の職人から手ほどきを受けて
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三島甘藷の学校給食継続を 生産者負担軽減、地元企業7社が支援
JAふじ伊豆の三島函南甘藷(かんしょ)部会は、地元企業7社による「三島甘藷サポーター」を結成した。同部会では毎年、三島市特産のサツマイモ「三島甘藷」を市内の小学校に無償提供してきたが、最近の資材価格高騰により農業者の負担も大きい。地元企業の助けも借りながら、地域の農産物を子どもたちに届ける取り組みを継続する。 サポーター企業の7社は学校給食に提供する費用の半分を負担する代わりに、三島甘藷の出荷箱に協賛企業として各社のロゴを掲載する。今年は12月6日に給食の食材として届ける予定で、同JAの担当者は「企業の協力を結びつけることで、子どもたちも三島甘藷の大切さを感じると思う」と意義を語る。生産者
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エンジニアの移住促進へ 三島市、アジャイル開発会社と連携
観光庁が進める「ワーケーション推進事業」のモデル実証事業として、三島市とKDDIアジャイル開発センター(東京)によるエンジニアの地方移住、交流を促進する取り組みの第1回トライアルプログラムがこのほど、市内で行われた。同社の社員ら8人が市内で3泊4日の研修を行い、オリエンテーションやシェアオフィスの視察などを行った。 同社は顧客ニーズに応じたソフトウエアを設計、試作する手法「アジャイル」を開発する企業で、地方に住むエンジニアとの交流を目指している。IT企業の誘致とテレワーク移住の促進に力を入れる市と連携し、同庁のモデル事業として共同申請して採択を受けた。同プログラムでは計3回の研修を市内で
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白のじゅうたん「三島そば」満開 市街地一望、絶好のロケーション
三島市のNPO法人グラウンドワーク三島が「三島そば」を栽培している同市川原ケ谷の畑で、ソバの花が見頃を迎えている。 小高い山の上に位置する約600平方メートルの畑は無数の白いかれんな花が広がり、三島、沼津市街地や富士山、駿河湾も一望できる絶好のロケーション。ソバ畑の“白いじゅうたん”と周辺の自然が相まって美しい景色を演出し、大勢のカメラマンも訪れる人気の撮影スポットとなっている。見頃は10月末ごろまで続くという。 かつて宿場町として栄えた三島のソバ文化復活に向け、約20年前から栽培を続けている。11月中旬に収穫し、年越しそばとして販売される予定。
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特殊詐欺被害に注意を 広報みしまで特集、卓上三角柱も製作
親族、市職員、警察官などを装って現金や電子マネー、キャッシュカードをだまし取る特殊詐欺被害が相次ぐ三島市は、「広報みしま」10月15日号で多発する詐欺の特集ページを掲載した。犯人の手口と注意を呼びかける卓上三角柱の台紙も製作し、「電話機の脇などに置いて気を付けてほしい」としている。 特集ページではウイルス感染したパソコンの修復名目で電子マネーを要求する「架空請求」、還付金や保険料の払い戻しなどで自宅を訪れて封筒をすり替える「キャッシュカード詐欺盗」の手口を紹介。2日時点で今年の被害件数は36件、被害額が4600万円に上る三島署管内の状況について「県内でも特に被害が増加している」とし、不審な
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高齢者のICTサポート 三島市スマホ・タブレットキャラバン隊、10人新加入
高齢者向けにICT(情報通信技術)講座を行う「三島市スマホ・タブレットキャラバン隊」のアシスタント入隊式がこのほど、市役所で開かれた。養成講座を受講した60歳以上の10人が入隊し、今後は市内の高齢者が集う「居場所」などで出張講座を開催する。 キャラバン隊は昨年12月に発足し、今年9月までに34回の出張講座を行っている。アシスタント養成講座ではICTに関する知識や心構えについて学び、今回の入隊により隊員は計20人となった。新入隊員は「自分も一緒に学びながら楽しく続けたい」などと抱負を語った。 依頼状を交付した豊岡武士市長は「シニアのお助け隊として市民からも好評。気負わず楽しく活躍してほしい
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「祈りの空間」表現し建築 函南・仏の里美術館10周年 設計者栗生明氏、記念講演
開館10周年を迎えた函南町のかんなみ仏の里美術館は15日、記念講演会を町文化センターで開いた。同館を設計した建築家の栗生明氏が「祈りの空間」と題して講演した。 国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館、平等院宝物館・鳳翔館など全国各地の建物を設計した経験談を披露し、人間のみに与えられた「祈り」の空間を表現する意義について語った。被爆者への静かな祈りの場とするために建築物を地下に埋め、水を求めて亡くなった死者の鎮魂を思い水が感じられる施設を造るなど、建築に込めたさまざまな祈りと物語を紹介した。ピラミッド型のお堂を二つ並べた仏の里美術館では、念仏に熱心な地元住民の思いを「空間性に埋め込めないか」と考え
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三島市消防団 ドローン隊お披露目 災害時、情報収集や捜索に活用
三島市消防団は16日、災害時に情報収集や遭難者の捜索などを行うドローン隊「レッドウイング」のお披露目式と秋季訓練を同市の富士山南東消防本部で開催した。 同市外五ケ市町箱根山組合の貸与を受け、消防団では訓練用2機を含む4機のドローンが配備されている。本年度から各方面隊からの希望者18人でレッドウイングを結成し、実機を用いた定期的な訓練を重ねて災害時の出動に備えている。ドローンは最高高度300メートルまで上昇し、市内を広範囲に撮影して地上のモニターに映像を送信できるほか、赤外線カメラを取り付ければ山中での人の捜索にも活用できるという。 お披露目式では高度120メートルまでドローンを上昇させ、
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「鎌倉殿」関連商品を開発 三島市、機運盛り上げ 出演者トークショーも
三島市は地元を舞台にした大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の機運をさらに盛り上げようと、関連する新たな土産物や商品の開発、販売を後押ししている。29日にはドラマで源実朝役を演じる柿沢勇人さん、大江広元役の栗原英雄さんを招いたトークショーも三嶋大社で開催する。 同市の老舗菓子店「兎月園」は16日から、バターサンドクッキー「旗挙げの里」を発売する。絵馬の形に焼き上げたクッキーで小倉バターを挟んだ一品。丹那牛乳100%の粉乳を生地に練り込み、源氏の家紋とされるササリンドウも焼き付けた。店主の綾部剛さん(48)は「盛り上がりがさらなる地域活性化の旗揚げになれば」と思いを語る。 同市では大河ドラマのブー
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返礼品は選手のアタック 三島市ふるさと納税、東レアローズと連携
三島市は10月下旬から、同市を拠点に活動するバレーボールVリーグ男子の東レアローズと三島駅南口の富士山三島東急ホテルと連携し、好きな選手によるスパイクのレシーブ体験と試合観戦を含めた宿泊プランを返礼品とするふるさと納税の受け付けを開始する。 プランは12月3、4の両日で、納税者はホテルに宿泊した後、4日に同市民体育館で開かれるアローズ対堺ブレイザーズの試合を観戦する。レシーブ体験は試合後に行い、納税者はスパイクの強さと選手を指定してボールが体に当たるまで挑戦できる。寄付額は宿泊代、観戦チケット代を含めて6万7千円とし、ふるさと納税サイト「ふるなび」で25日午後1時に掲載される予定。 アロ
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懐古堂ムラカミ屋をリノベーション、ウイスキー蒸留所に 三島のプロジェクト、キックオフ!
三島市大社町の国登録有形文化財「懐古堂ムラカミ屋」をリノベーションし、ウイスキーの蒸留所を立ち上げるプロジェクトのキックオフイベントが13日夜、市内で開かれた。対面では三島限定でウイスキーを販売するものの、購入権を市外、県外にも売り出すことで交流、関係人口の拡大につなげる。 バーボンウイスキーの製造販売を手がける「Whiskey&Co.」(東京)が企画し、内閣府の関係人口創出・拡大に向けたモデル事業にも採択された。三島で製造するウイスキーは市民、市内限定で対面販売するほか、優先購入権として発行されるトークンを取得すれば市外からも買うことが可能。ウイスキーをきっかけに三島との関係人口を増やし
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地元企業でインターン 日大国際関係学部 感想、提言など発表
三島市の日本大国際関係学部は12日夕、市内の企業や市役所でインターンシップを経験した学生の報告会を同学部本校舎で開いた。 地元への就職を希望する学生が多いものの企業について知る機会が少なく、3年生17人が4カ所に分かれて5日間の職業体験に臨んだ。伊豆箱根鉄道でインターンシップを行った学生は、駿豆線の駅や同社が運営する伊豆・三津シーパラダイス、箱根関所などでさまざまな業務を体験した。 シーパラダイスでは軽食のみでレストランがなく、報告会で発表した学生は「再入場を可能にして近隣の飲食店と連携すれば、長時間滞在できるのではないか」と提案した。無人駅でのコミュニケーションや、特急券のデジタル化な
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三嶋大祭りの絵画コンクール 優秀作品を表彰
三島市自治会連合会はこのほど、三嶋大祭りの様子を描く絵画コンクールの表彰式を市役所で開いた。市内の小学生から367点の応募があり、選ばれた最優秀11点、優秀49点は14日まで市役所玄関ホールに展示される。 今夏、3年ぶりに開催された三嶋大祭りで盛り上がったしゃぎりや山車の競り合い、頼朝公旗揚げ行列などを描いた。山下聖秋会長は「力作ぞろいで思いが伝わってきた。今後も大祭りを盛り上げてほしい」と児童に呼びかけた。 最優秀賞に選ばれたのは次の通り。 市自治会連合会長賞 大川哲平(中郷5)▽同副会長賞 飯田真帆(東1)九嶋杏奈(錦田2)原優芽(徳倉3)後藤優里那(山田4)石川心愛(長伏5)山本
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子育て支援フェア楽しんで 三島で16日まで 多彩な体験用意
三島市と県東部の子育て支援グループ「ママとね」は16日まで、「みしま子育て支援フェア」を同市の日清プラザ・イトーヨーカドー三島店で開催している。 日替わりのイベントが用意され、13日には牛乳パックを使ったコマづくりやゴムボールでのボウリング体験などに大勢の親子連れが参加した。ボッチャ体験ではお母さんに抱っこされた子どもたちが赤と青のボールを放り投げ、周囲には笑顔と拍手が広がった。ジーパンやTシャツで作ったバッグなども展示し、分別やリサイクルの大切さも呼びかけた。 両親や祖父母が赤ちゃんへの思いをつづった詩集「トツキトウカ」のパネル展示や、ハンドメイドワークショップなども行われている。
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遺族立ち会い、収骨可能に みしま聖苑 17日から
三島函南広域行政組合が運営するみしま聖苑は13日、新型コロナウイルスの感染対策として遺族の建物への入室を禁じていた火葬について、17日から遺族の立ち会い、収骨が可能になると発表した。 9月中旬を最後にコロナ感染者の火葬が行われていないなど、感染リスクが一定程度収まったとの判断による措置。17日からはコロナの感染が広まる前とほぼ同じ対応となり、告別式を終えた遺族は施設内の待合室で待機し、収骨室で骨を拾うことができる。感染者を火葬する場合は遺体が透明な納体袋に収容、密閉され、遺族は告別室でひつぎの小窓から拝顔できるという。
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ニンジン入り「三嶋ハイボール」で乾杯! 三島バルが閉幕
三島市内で食べて、飲み歩く「三島バル」最終日の8日夜、主催する実行委員会は地元のニンジンを素材に開発された「三嶋ハイボール」の乾杯イベントを同市の三島商工会議所で開いた。近くの白滝公園ではちょうちんの明かりで映画を楽しむ「せせらぎあかり&ナイトシアター」も行われた。 三嶋ハイボールは、箱根西麓で生産される甘みの強いニンジンジュースにシロップを加え、ウイスキーと炭酸水で割って楽しむ。同商議所青年部が開発し、鮮やかなオレンジ色とカクテル感覚の甘い飲み口が特徴。乾杯イベントでも評判は上々で、今後は市内の飲食店にも広げて「乾杯は三嶋ハイボール」の定着を図る。 白滝公園では三島柄をあしらった50個
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ライオンズクラブ フードバンクに食料寄付 三島、伊豆の国など
三島、伊豆の国、伊豆、函南の3市1町で活動するライオンズクラブ(LC)10団体は9日、フードドライブ事業として会員の家庭などにある食料を三島市に持ち寄った。 保存が利く麺や米などが各地区から集まった。ゾーンチェアパーソンの平居匡儀さんは「コロナで苦しい家庭も多い。少しでも力になれば」と話した。
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盛り土、メガソーラー問題… 函南の課題、町長と語る ブロック懇談会
函南町の各地区で抱える課題について住民と町が意見を交わし、町政運営に生かすブロック懇談会「町長と語ろう」が7日夜、同町丹那の農村環境改善センターで始まった。29日まで町内の小学校区ごとに5ブロックで開催する。 初回の丹那小学区では、静岡県東部の業者が山中に造成した不適切な盛り土が議題に上がり、直下に生活する住民の不安や怒りについて地元区長が意見を寄せた。違法行為であれば「逮捕されるのが当然」としつつ、事業者が罰則を受けることで撤去作業が進まずに盛り土が放置される懸念も示し、町に対し「元に戻してほしいという住民の思いを一番に考え、粘り強く実効性ある指導をしてほしい」と訴えた。 都内の業者が
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観光プラン 7年ぶりに策定 三島市、コロナ後見据え具体策
三島市はこのほど、2023年度から5カ年の観光戦略アクションプラン策定に向けた会議を市役所大社町別館で開いた。新型コロナウイルスの影響で自粛を余儀なくされた旅行や人出も徐々に再開され、観光市場や情報発信など各種調査結果を踏まえて具体的な方策を打ち出す。 2020年度に予定していたアクションプランの策定がコロナの影響で見送られたため、新プランの策定は7年ぶり。会議で説明された調査結果では、三島を訪れる観光客は県内か神奈川県からの来訪が多く、日帰り中心で消費単価も高くないという。市内を流れる川の水や街中の美しさに対する評価が高い一方、観光ブランド力や四季の魅力に乏しいなど課題も示した。 19
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東海道巡って集めて「御宿場印」 日本橋―三島、観光促進で9信金協力 駅前の観光案内所などで販売
東京・日本橋から三島へと連なる12カ所の旧宿場町で印章を集める「東海道御宿場印めぐり」が10月7日から、各地区で始まる。それぞれのエリアに本支店を置く信用金庫が連携し、新型コロナウイルスの影響で落ち込む地域経済の活性化を図る。三島市では観光協会が独自のサービスも用意し、地域へのさらなる周遊促進を狙う。 「御宿場印」は神社や寺院での御朱印、城での御城印にちなんで考案され、今回は9信用金庫が作成にかかる初期費用を各参加宿に寄贈する。JR駅前の観光案内所などで御宿場印を購入でき、宿場の愛好者らに各地区の魅力を感じながら周遊してもらうことで消費、観光を盛り上げる。それぞれ価格は300円で、御宿場印
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三島市民芸術祭開幕 週替わりで作品展示 生涯学習センター
三島市民芸術祭が6日、市民生涯学習センターで開幕した。生け花と写真の展示部門を皮切りに、23日まで週替わりで作品が並ぶ。8日からは市民文化会館で舞台公演が始まり、邦楽・吟詠詩舞や日本舞踊などのステージが順次披露される。 計34団体が参加し、日ごろの芸術活動の成果を発表する。市華道連盟による「いけばな展」は2回に分けて作品を入れ替え、計66点を展示する。ススキやリンドウなどの草花がさまざまな花器に飾り付けられ、初日から大勢の来場者が作品に見入っていた。写真展では町並みや人物、鳥の表情などをとらえた106点を展示したほか、三島との友好都市提携が25周年を迎えた中国・麗水市の写真も紹介されている
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函南の山中に不適切盛り土 直下に住宅、住民募る不安 改善見られず
函南町丹那の山中に造成された不適切な盛り土が住宅地の近くで危険な状態で放置されている。現場周辺には約30世帯が暮らし、盛り土から最も近い住宅の距離は100メートルほど。地元からは施工業者に撤去を求める要望書が出され、町も昨年7月に安全な地形への回復を指示する措置命令を発出したが改善はみられない。「雨が降る度に怖い」と、住民の不安は日増しに高まっている。 地元住民によると、2019年10月の台風19号で山中が崩れたため、復旧作業を行う名目で県東部の業者が20年4月から現場に入り始めた。ところが業者は次々とダンプカーで土砂を運び入れ、「みるみるうちに盛り土を造成していった」という。元々は軽乗用
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介護予防や健康増進へ みしまるっと体操完成 三島市
介護予防や健康増進に向けて三島市が考案した「みしまるっと体操」の完成披露体験会が4日、市民生涯学習センターで開かれた。全35種類の動きが取り入れられ、肩こり予防からバランス運動、脳トレまで幅広いテーマを選んで取り組める。市は高齢者の居場所などで体験会を開催し、普及を図る。 認定理学療法士の小原智永さんが監修し、椅子に座ったままでもできる体操を組み合わせた。市のマスコットキャラクター「みしまるくん」の頭にデザインされたイチョウの葉をイメージし、両手を斜め上に伸ばして深呼吸するなど三島の独自性も盛り込んだ。ほおや舌の運動、発声練習による口腔(こうくう)体操、足踏みとグーパー運動を同時に行う脳ト
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順天堂大 三島駅前の医療拠点に進出意向 再開発の核施設
三島市のJR三島駅南口東街区で2026年度の完成を目指して進められている再開発事業で、エリアの核となる広域健康医療拠点に、伊豆の国市などで付属病院を運営する順天堂大が進出の意向を示していることが、3日までの関係者への取材で分かった。高度機能を有する健診センターや外来診療などの医療設備を導入する方針。 現時点の計画では、再開発で建設が予定される高層棟の4階に約千平方メートルの医療スペースを設ける。順大によると「高機能健診センターを中心に専門性の高い外来機能を運営する予定」とし、事業主体のミサワホームと設置構想について協議を進めているという。周辺地域の県東部では静岡がんセンター、ファルマバレー
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本棚オーナー”静岡県外枠”設定 三島の「あひる図書館」 関係・交流人口拡大へ
三島市の居酒屋「風土」の一室を改装し、本棚のスペースを借り受けたオーナーが好きな本を並べて貸し出している「あひる図書館」は、静岡県外からのワーケーション利用者を対象にした“県外枠”を設定し、関係・交流人口の増加を図っている。このほど、県外などから視察を受け入れ、同図書館をはじめとする市民コミュニティーを紹介した。 オーナーが月額2千円を支払って本棚を借り、それぞれの趣味や好みに応じた本を無料で貸し出す仕組み。同様の取り組みはオーナー型私設図書館「みんとしょ」を運営するトリナス(焼津市)が始め、県内7カ所を含む全国50カ所に拡大している。「ライブラリーワーケーション
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函南町 デマンドタクシー始動 桑原・奴田場、65歳以上町民対象
函南町は1日、交通空白地域の同町桑原区、奴田場区で65歳以上の町民を対象にしたデマンドタクシーの実証運行を開始した。来年3月末まで。昨年の試験運行で寄せられた利用者の声を踏まえ、より利便性の高い運用を実施して本格運行につなげる。 65歳以上の両区民は事前に会員登録を行い、設定された10便のうち利用したいタクシーを事前に予約する。それぞれの自宅とJR函南駅、近くにある山口医院の区間を往復し、運賃は1人300円(乗合は100円引き)。途中下車はできないものの、函南駅のバスや電車との接続も考えてタクシーの発着時間を調整している。 昨年の実証試験で利用した計55人のほとんどが午前中に乗車したた
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ディズニー音楽やバレエとコラボも 三島フィルがファミリー演奏会
静岡県内で最も歴史が長い市民オーケストラ「三島フィルハーモニー管弦楽団」のファミリーコンサートがこのほど、三島市民文化会館で開かれた。 ディズニー映画をテーマにした第1部では、「アナと雪の女王」「アラジン」のメドレー曲を披露。第2部ではバレエ音楽「白鳥の湖」を演奏し、市内など県東部でレッスンを行っているバレエスタジオのメンバーも出演してステージを盛り上げた。大ホールの客席には満員の1100人が詰めかけ、多彩な楽器とダンスが繰り出す華やかな舞台に大きな拍手が送られた。
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回覧板で「詐欺防げ」 被害続発の三島、対策や警察の電話番号記載
家族や市職員、警察官などを装って現金をだまし取る特殊詐欺の被害が相次ぐ中、三島市は不審電話への注意点や対策、通報する警察の電話番号などを記した回覧板を各地に配布する。三島署管内で発生した今年の特殊詐欺件数は県内の警察署で最多。被害額は4300万円に上り、市は日常的に目にする回覧板で被害の未然防止を図る。 市と「健康づくりに関する協定」を結ぶ明治安田生命保険が製作し、1775冊を市に寄贈した。通常は広告を掲載する回覧板の中面に「特殊詐欺に注意!」と記し、電話で「お金、キャッシュカード、暗証番号」の話題は相手が誰でも詐欺を疑うよう訴えている。市役所で寄贈式に出席した内田一弘署長は「だまされるの
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家具やじゅうたん 三島で展示即売 静岡の木工所
静岡市駿河区の森下木工所は2日まで、上質手作り家具と手織りじゅうたんの展示即売会を三島市の三嶋大社宝物館ギャラリーで開いている。 山桜、ケヤキ、タモなどの国産広葉樹を素材にしたテーブルやイスなどを並べた。金具を極力使わずに木材を組んで仕上げる「指物技術」を駆使し、精巧な職人技が施されている。希少な黒柿を使った箸や皿などもあり、注目を集めている。 最高級のシルクを用いたペルシャじゅうたんも用意し、販売価格は主に数十万~数百万円。子孫繁栄を意味する「生命の樹」のほか、ペイズリーやバラなど多彩な模様をあしらった貴重な作品が展示されている。
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記者コラム「清流」 3度目はない
三度目の正直、仏の顔も三度まで、二度あることは三度ある―。日本人は「3」という回数までは寛容なのだろうか。どんなに注意しても、失敗やミスは起こりうる。それが人間らしいといえばそうなのだが…。 三島市の源兵衛川では夏になると多くのホタルが飛び交う。産卵、ふ化期に当たる5~10月は川沿いの草陰やコケに卵が産み付けられるため、管理する地元のNPOは市に無断で草刈りや清掃を行わないよう申し入れていた。ところが市は庁内の連絡不足で6月に無断で草を刈り、再度の申し入れを了承しながら9月にも再び草刈りを行った。 源兵衛川は住民の努力によって復活した地域の宝。市はNPOに謝罪し、事前連絡の
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大場地区農地の都市整備 税収効果「大きな期待」 三島市答弁
三島市は27日、同市大場地区の農地を市街化区域に編入して都市的なまちづくりを進める区画整理事業について、農地10ヘクタールが宅地化されれば20万円程度の固定資産税が数千万円程度に増額されるとし、進出企業の設備投資や市民法人税の加算も含めた税収効果に「大きな期待」を示した。市議会9月定例会の一般質問で、土屋利絵氏(改革みしま)に答えた。 事業用地は三島南高の南側に広がる田んぼなど約10ヘクタールで、東名沼津インターチェンジに直結する東駿河湾環状道路にも近い好立地。市は答弁で、既に大手企業を含む数社から進出を希望する意向を受けている状況も明かした。基本構想案と地権者の意向を本年度中に整理し、来
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外部指導者の導入好評 三島市議会、中学部活動など説明
三島市議会9月定例会は26日、一般質問を行い、4氏が移住定住の促進や楽寿園の活用などについて市の方針をただした。 指導教員の負担軽減に向けて中学校の部活動を地域に移行させる議論が深まる中、市教育委員会は昨年11月に立ち上げた部活動指導者バンクについて、45人が外部指導者などとして登録し、本年度は39人が指導に当たっている状況を説明した。外部指導者の導入により指導の技術的なサポートが図られ、技能の向上を実感する生徒からも好評という。一方で登録者の種目に偏りがあるなど学校のニーズに応じられていない部分もあり、市の関係各課や関連団体と連携を深めて幅広い人材の確保を進める方針を示した。宮下知朗氏(
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新聞の特徴、読み方学ぶ 三島南高 読解力養う活用法も
三島南高で26日、新聞講座が開かれ、静岡新聞社読者プロモーション局のNIEコーディネーターが、「新聞購読とマルチメディア」の授業を受ける3年生に新聞の特徴や読み方などについて解説した。 新聞にはさまざまな情報が盛り込まれている「網羅性」、複数の見出しが目に入る「一覧性」などの特徴があるとし、思いもしない記事を発見するなど「自分の関心を見つけ、可能性を広げる」と利点を示した。他のメディアと比較して信頼性の評価が高いものの、「一つの情報だけをうのみにしない」と呼びかけ、テレビやインターネット、他紙などの情報と見比べる必要性も強調した。 見出しの大きさや紙面の配置によってニュースの大きさが分か
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三島西ロータリークラブが慈善コンサート ウクライナ家族に寄付
三島西ロータリークラブ(三島市)は22日夜、会員が結成したバンド「ザ・ウエスト・サイズ―太っ腹の男たち」によるチャリティーコンサートを市内のホテルで開いた。約100人が来場し、チケット収入の10万円は全額ウクライナから同市内に避難している家族に寄付された。 バンドのメンバー8人がステージに上がり、ピアノやチェロ、バイオリンなどの演奏と歌声を響かせた。曲目は「アヴェ・マリア」や「イエスタデイ」などクラシックからポップスまで幅広く、ウクライナ民謡も含めた計15曲を披露した。コンサートは約1時間半にわたって繰り広げられ、最後に同クラブの花房孝光会長がウクライナからの避難家族に寄付金を手渡した。
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三島市新庁舎 1万3千平方メートル 最新技術導入で規模圧縮
三島市議会9月定例会は22日、一般質問を行った。市は老朽化に伴い建て替えを計画している市役所新庁舎について、国土交通省が定める基準で算定した一般的な延べ床面積を約1万8千平方メートルとした上で、デジタル技術の導入やペーパーレス化などにより5千平方メートル圧縮し、想定規模を約1万3千平方メートルとする考えを明らかにした。中村仁氏(緑水会)への答弁。 建設候補地は現在地の北田町とグラウンドがある南二日町の2カ所。敷地が手狭な北田町では駐車場の立体化などが必要になる一方、南二日町は千年に1度の洪水浸水想定区域のために土地のかさ上げなど防災対策が課題となるとした。建設費用の目安は北田町が115億円
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記者コラム「清流」 心のSOS
困った時に発信するSOS。「Save Our Ship(私たちの船を助けて)」の略語という説もあるそうだが、実際は簡単で覚えやすいモールス符号の遭難信号らしい。SOSは素早く、分かりやすく―。そんな意味合いもあるかもしれない。 夏休みが終わり、心が少し疲れる時期ではないだろうか。函南東中で開かれた「SOSの出し方講座」によると、ストレスは心をゆがめるモンスターを増大させる。悪いことを自分のせいと考える「ジーブン」、物事をこうあるべきと決めつける「ベッキー」…。多くの人の心に潜んでいるらしい。 大事なのは思いを吐き出すこと。悩みを受け止めてくれる人はきっといる。心にモンスター
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三島駅南口再開発巡る県要望「適切に対応」 一般質問で市答弁
三島市議会9月定例会は21日、一般質問を行った。市は三島駅南口東街区に広域健康医療拠点や高層マンションなどを建設する再開発事業で、5月に組合設立を認可した県が市などに要望した5分野16項目の調査、対策について「知事から助言をいただいたと認識している。適宜適切に検証しながら対応する」と述べた。河野月江氏(共産)への答弁。 県は事業による地下水・環境保全、地盤、市民との合意形成・情報公開―など5分野16項目について、市民や専門家の懸念、不安を払拭(ふっしょく)するよう市や組合に必要な調査と対策を求めている。市は答弁で、これまでも地下水や環境保全、地盤などについては継続的な調査と周知を行ってきた
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ポロシャツを着て函南の魅力発信 丹那牛乳や西瓜デザイン 若手職員有志がロゴ作成
函南町の若手職員有志による「函南魅力発信倶楽部」は、丹那牛乳や函南西瓜(すいか)など同町の特産品をイメージしたオリジナルのロゴを作成し、ポロシャツにプリントして地域資源のPRを始めた。業務中の職員がポロシャツを着て町の魅力を発信するほか、いずれは役場外の他施設でもロゴの周知を図る方針。 ロゴは同町で盛んな酪農の牛と函南西瓜を盛り込んだデザイン。牛の顔には黒い模様の中に町の地形を白く描き、周りをスイカのツルや花をイメージしたイラストで囲んだ。「KANNAMI」の文字も力強く書き添えている。 同倶楽部は本年度から20~40代の若手職員で発足し、地域資源を町内外に発信しようとロゴの開発を企画。
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詐欺を未然防止 三島署が感謝状 コンビニ店員へ
三島署はこのほど、特殊詐欺の被害を未然に防いだ三島市のセブン-イレブン三島加茂店と同店員の豊田典子さんに感謝状を贈呈した。 8月29日に50代の男性が1万円分のギフトカードを購入しようと同店を訪れ、レジ担当の豊田さんが対応した。男性は自身のパソコン画面にウイルス感染の警告と電話番号が表示され、カードを購入するよう指示されたと説明。架空請求詐欺を疑う豊田さんの説得を受けて警察に通報し、詐欺被害を免れたという。 同署で内田一弘署長から感謝状を受け取った豊田さんは「詐欺が身近に迫っているとあらためて感じた。今後も不審に思ったら声がけをしたい」と語った。同署管内で発生した今年の特殊詐欺は34件で
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大つり橋オレンジ色に 三島スカイウォーク 21日世界アルツハイマーデーに合わせ
三島市と認知症患者の家族をサポートする「倭輝(いっき)」(清水町)は21日の世界アルツハイマーデーに合わせ、同市の観光大つり橋「三島スカイウォーク」を認知症シンボルカラーのオレンジ色にライトアップしている。28日まで。 期間中は連日午後6時半~9時、つり橋両端の主塔をオレンジ色に染めている。同時間帯は三島スカイウォークの営業時間外だが、周辺や市街地からライトアップされた様子を眺められるという。このほど開かれた点灯式では関係者のほか、日大三島高の生徒も参加して司会を務めた。 関連事業として20、21の両日は認知症の相談会を市役所ロビーで行うほか、啓発に向けた展示コーナーが同ロビーで22日ま
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「鎌倉殿」函南とゆかりは 観光振興セミナー 小和田さんが解説
函南町観光協会は16日、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に登場する源頼朝や北条氏などと同町の関係を学ぶ観光振興セミナーを同町文化センターで開いた。静岡大名誉教授の小和田哲男さん(文学博士)が講師を務め、学説や地域に残る歴史的な資源とのつながりについて解説した。 平治の乱で敗れ伊豆に流された頼朝が、北条時政の娘政子と結婚したのは既に平家の勢いに陰りが見えた時期だったとし、時政も「うまくいけば世に出られると考えたのでは」と推察。源氏再興の密議を行ったとされる高源寺や法華経を埋納した六萬部寺、石橋山の戦いで討ち死にした時政の嫡男宗時を供養した阿弥陀三尊像と桑原薬師堂など同町に残る史跡との関係性につい
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白井健三さん体操指導 「ひねり王子」の技も披露 三島北小、中郷中で講演
リオ五輪で金メダルを獲得した元体操選手の白井健三さん(26)がこのほど、県教委の東京五輪・パラリンピックレガシー教育推進校に指定されている三島市立北小、中郷中をそれぞれ訪れ、講演とマット運動の指導、実演を行った。 「ひねり王子」の異名を誇った床運動の技を披露したほか、マット運動の基礎について「前転はおへそを見て回る」「開脚の時は体の近くで手を突く」などとアドバイス。演技の前後に行うポーズについても細かく説明し、「体操がきれいに見えるのは技ではなくポーズ。見え方が全然変わる」と強調した。講演では生徒から「ひねっている時はどんな気持ちですか」「目が回ったりしませんか」などと尋ねられ、質問に応じ
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正しいフォーム学ぶ 実業団元選手が児童指導 伊豆【市町対抗駅伝】
12月3日に静岡市で開催される静岡県市町対抗駅伝(静岡陸上競技協会、静岡新聞社・静岡放送主催)の出場を目指す小学生を対象にした「ランニングクリニック」が17日、伊豆市の天城ドームで開かれた。 県東部8市町の小学3~6年生28人が参加し、第一生命グループ女子陸上競技部の元選手二宮美幸さんから指導を受けた。肩甲骨や股関節の周辺をほぐすストレッチに取り組んだ後、ラダー(縄はしご)を使った正しいフォームの練習を行った。体の姿勢を保ちながら膝を上げたり、リズムに合わせて歩幅を変えたりして手足のバランスやスムーズな走り方を学んだ。 二宮さんは児童の走りを見ながらアドバイスし、「自分で考えた通りに体を
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自立援助ホームを開設 三島のNPO、行き場のない若者支援
三島市で子育て支援に取り組むNPO法人「森のようちえん」は、家庭や経済的な事情で実家や施設を出て行かざるを得ない15~20歳を受け入れる自立援助ホーム「KOKORONE(こころね)」を開設した。県内各地から問い合わせは多く、7月のオープン当初から定員はいっぱい。行き場のない若者の受け皿として、共同生活を通じたサポートを続けている。 同ホームでは高校生5人と来春の高校入学を目指す若者1人が入居し、それぞれの個室と共同スペースのキッチンやリビングなどで生活している。スタッフは宿直のほか食事や掃除をするなどして生活をサポート。県の補助を受けて運営し、原則として20歳まで、大学進学した場合は卒業ま
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悩み隠さず打ち明けよう 函南東中生、SOS出し方学ぶ
函南町立東中は15日、多感な思春期を迎える生徒が精神的なストレスへの対応や助けを求める方法を学ぶ「SOSの出し方講座」を同校で開いた。 エムオーエー奥熱海クリニックの佐久間哲也院長が講師を務め、人によって異なるストレスの原因と自ら解決しようとする耐性について説明した。心にはストレスを受けてへこんだゴムボールが元に戻ろうと反発するような作用がある一方、限界を超えると破裂して自力での回復が困難になってしまうという。自分を責めたりネガティブな部分を過大に受け止めたりする「ゆがみ思考」が一因で、支えてくれる人、時間、環境が心を修復する「三つのくすり」になると述べた。 特に自分の気持ちを吐露する大
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ラグビーの魅力学ぶ 静岡ブルーレヴズ選手が指導 三島北小5年生
2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップ(W杯)レガシー推進校の指定を受ける三島市立北小で13日、ラグビーリーグワンの静岡ブルーレヴズによる体験授業が行われた。 参加した5年生は数人のグループで輪になってパスの練習に取り組んだほか、列に並んでラグビーボールを頭の上や股の下などから後ろの人に受け渡す体験も行った。指導に当たったブルーレヴズの選手らは、パスをする人に「取りやすいボールを出す」、受け取る側には「声を出して合図を送る」などとアドバイスし、「仲間がミスしたらみんなで励ます。勝負の時こそポジティブに」と呼びかけた。 ラインアウトのリフトも体験し、選手に持ち上げられた児童が
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全国の自治体職員が三島視察 課題解決力養成「スクール」
自治体職員の課題解決力を養成する「プラチナ構想スクール」が13日、三島市で開かれた。全国19の都県や市区町から職員が参加し、官民協働で清流を復活させて現在も憩いの場として親しまれる源兵衛川などを視察した。 NPO法人グラウンドワーク(GW)三島のスタッフで、長年にわたり源兵衛川や三島梅花藻の里で管理を続ける山口東司さん(80)が一行を案内した。源兵衛川沿いを歩きながら富士山からの湧き水が市内各地に注がれる仕組みや、かつて各家庭の川端で洗濯などが行われていた様子などを説明した。三島梅花藻の里や雷井戸も見学したほか、視察に先立ちGW三島の渡辺豊博専務理事による「環境再生とNPOビジネス」につい
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三島そば種まき 遊休農地に文化 ブランド化目指す
NPO法人グラウンドワーク三島は10日、地元のブランド化を目指して栽培を続ける「三島そば」の種まきを三島市元山中の遊休農地を活用した畑で行った。 かつて宿場町として栄えた三島のそば文化を盛り上げようと、19年前に耕作放棄地だった畑でそばづくりに乗り出した。三島そばは豊かな香りと甘みが特長で、今年は千平方メートルの畑でそばの実を栽培する。種まきでは同NPO職員や一般のボランティアら12人がくわで畝に溝を掘り、種をまいて丁寧に土をかぶせる作業を行った。 11月上旬に収穫し、年越しそばとして販売する予定。10月ごろには畑一面に広がるそばの白い花と富士山を望む高台の景色が組み合わさり、絶好の撮影
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全国大会優秀賞 市長に喜び報告 三島北高の箏曲部と郷土研究部
今夏の全国大会で優秀賞に輝いた三島北高の箏曲部と郷土研究部の部員が9日、市役所に豊岡武士市長を訪ねて喜びを報告した。 箏曲部は全国高等学校総合文化祭で「糸のためのコンチェルト」を演奏し、2位に当たる日本音楽部門優秀賞の文化庁長官賞を受けた。全国大会では5年ぶりの受賞で、上位4校が出演できる国立劇場での演奏も経験した。 郷土研究部は全国高等学校社会科学・郷土研究発表大会で「富士山と人々の信仰心」と題して発表。女人禁制の富士山が徐々に性別を超えて人々に親しまれる歴史を紹介し、優秀賞を獲得した。 箏曲部の生徒は「のびのびとした演奏ができた」「練習の成果を出すことができ、思い出に残る経験だった
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軟式野球 全国へ意気込み 三島ゴールデンイーグルスが市役所訪問
全日本学童軟式野球マクドナルド・トーナメント県予選で3位入賞し、10日から埼玉県で開催される全国大会「ガスワンカップ」に出場する三島ゴールデンイーグルス(三島市)の選手、監督らが7日、市役所に豊岡武士市長を訪ねて大舞台への意気込みを語った。 県内のスポーツ少年団40チームが出場した県予選は準決勝で函南少年野球クラブに敗れたものの、4回戦までは大量得点で勝ち進んだ。 矢嶋祐輝監督(46)は「基本は良い守りから攻撃につなげる。気持ちの強いチーム」と述べ、塩川新汰主将(西小6年)は「エラーもあるが、みんなでカバーし合って戦っている。全国大会でも最後まで諦めずに頑張りたい」と語った。
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車いす体験 思いやり学ぶ 三島・長伏小でバリアフリー教室
三島市立長伏小で8日、バリアフリー教室が開かれ、4年生約40人が車いすの乗車体験などを通じて障害者を思いやる心やサポートする方法を学んだ。 ノンステップバスの乗降体験では、児童が2人1組で車いすのままバスに乗る難しさを体感。介助者の児童は動かす前に声を掛け、入り口のスロープを使ってゆっくりと車内に入った。障害物を設けたコースを車いすで進む体験も行い、「乗っている人の気持ちを考えることが優しい介助につながる」などと指導を受けた。 バリアフリーのクイズでは、電車の中で立っている妊婦や足腰が弱い高齢者が横断歩道を渡っている様子などを描いたカードをめくり、何に困っているかを説明し合った。弱者の気
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三島市議会開会 21年度一般会計決算案 実質収支21億円の黒字
三島市議会9月定例会は6日開会し、歳入歳出にそれぞれ17億500万円を追加する一般会計補正予算案など22議案を可決した。2021年度一般会計歳入歳出決算案など10議案の認定は各常任委員会に付託した。 市が説明した同決算案は最終予算額448億3500万円に対し、歳入が433億6600万円、歳出が411億8800万円。翌年度への繰り越し財源を差し引いた実質収支は20億9900万円の黒字となり、過去最高額となった。新型コロナウイルスの影響による市税の減収を想定した経常経費の抑制、イベントの中止などで歳出が抑えられた一方、歳入では国からの交付金の配分が見込みを大きく上回ったという。 健全化判断比
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9月定例会開会 函南町議会
函南町議会9月定例会は6日開会し、会期を10月5日までの30日間と決めた後、5氏が子育て支援策の拡充や防災対策などについて一般質問を行った。 同定例会では歳入歳出にそれぞれ9億5900万円を追加する一般会計補正予算案や、2021年度一般会計歳入歳出決算案などについて審議する。盛り土の規制強化に向け、町土砂等による土地の埋め立て等の規制に関する条例の適用範囲の下限を事業区域千平方メートル、土砂等の量千立方メートルからそれぞれ500平方メートル、500立方メートルに変更する条例改正案も上程される。 一般質問は7日も行われ、4氏が登壇する。
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花鳥画 小原古邨展 三島・佐野美術館で始まる
明治後期から昭和初期にかけて数々の木版画を手がけ、欧米で高い評価を受けた絵師小原古邨(おはら・こそん、1877~1945年)の作品を集めた展覧会「海をこえた花鳥の世界」(佐野美術館、静岡新聞社・静岡放送など主催)が3日、三島市の同美術館で開幕した。繊細なタッチと鮮やかな色使いによる花鳥画など約100点が展示されている。10月23日まで。 金沢市で生まれた古邨は花鳥画の名手鈴木華邨に師事し、日本の美意識を表現した花鳥版画が欧米で人気を博した。日本では同美術館2代目理事長の原安三郎氏(1884~1982年)による古邨の作品コレクションが数年前に初公開され、脚光を浴びた。今回の展覧会でも原氏のコ
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中学生も地域防災の担い手に 三島・中郷中 意識向上へ講座
災害時に中学生が地域防災の担い手として活躍する「ふじのくにジュニア防災士」の養成講座が3日、三島市立中郷中で開かれ、1年生68人がクイズやゲームを通じて防災意識を高めた。2年生62人も自衛隊員による指導を受け、緊急時の対応方法を学んだ。 養成講座では東日本大震災で被災した岩手県の語り部動画を流したほか、県職員がハザードマップや避難場所の確認、家具固定などの日常的にできる備えを呼びかけた。 災害時判断ゲームでは大雨で避難する際の注意点を取り上げ、自宅の中で安全を確保する垂直避難や家族にコロナ感染者がいる場合の対応などについて考えた。災害トイレ対策として、凝固剤、猫砂、新聞紙をそれぞれ使った
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花鳥繊細に 絵師・小原古邨の木版画展 佐野美術館で3日から
明治後期から昭和初期にかけて活躍し、欧米で高い評価を受けた絵師小原古邨(おはら・こそん、1877~1945年)の作品を集めた展覧会「海をこえた花鳥の世界」(佐野美術館、静岡新聞社・静岡放送など主催)が3日、三島市の同美術館で開幕する。 展示作品はウグイス、マガモ、スズメなどの鳥や美しく咲く花を題材にした木版画約100点。繊細なタッチと鮮やかな色使いが特徴的で、自然の中でたたずむ鳥のかわいらしい表情や動きがほのぼのと描かれている。会場には数十枚の版を重ねて仕上げる木版の工程を紹介するコーナーや、海外で人気を博した作品や広告カードなども並ぶ。 金沢市で生まれた古邨は花鳥画の名手鈴木華邨に師事
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牛乳パック型の乗車券発売 伊豆箱根鉄道、1日乗り放題+特典も
伊豆箱根鉄道(三島市)は1日から、函南町の酪農王国オラッチェと連携し、同町特産の丹那牛乳のパックをデザインした駿豆線(三島―修善寺)の1日乗り放題乗車券を発売する。来年3月末まで。 乗車券は縦20センチ、横9センチの大きさで、通常は消費期限が記されるパックの上部に乗車の有効期間を印字する。乗車券を提示するとオラッチェでは動物の餌が一つ無料になり、道の駅伊豆ゲートウェイ函南(同町)の観光案内所では丹那牛乳ミルクの湯か白いチョコレートがプレゼントされる。10月11日までは、丹那牛乳のヘッドマークを付けた車両も駿豆線を運行する。 発売枚数は千枚で、税込み1040円。駿豆線の5駅か通信販売いずっ
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牛乳パック型の乗車券発売 伊豆箱根鉄道、1日乗り放題+特典も
伊豆箱根鉄道(三島市)は1日から、函南町の酪農王国オラッチェと連携し、同町特産の丹那牛乳のパックをデザインした駿豆線(三島―修善寺)の1日乗り放題乗車券を発売する。来年3月末まで。 乗車券は縦20センチ、横9センチの大きさで、通常は消費期限が記されるパックの上部に乗車の有効期間を印字する。乗車券を提示するとオラッチェでは動物の餌が一つ無料になり、道の駅伊豆ゲートウェイ函南(同町)の観光案内所では丹那牛乳ミルクの湯か白いチョコレートがプレゼントされる。10月11日までは、丹那牛乳のヘッドマークを付けた車両も駿豆線を運行する。 発売枚数は千枚で、税込み1040円。駿豆線の5駅か通信販売いずっ
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詐欺未然防止に貢献 コンビニ店員2人に感謝状 三島署
三島署は29日、特殊詐欺の被害を未然に防いだ函南町のセブン-イレブン函南柏谷店と同店員の前島稀歩さん(25)、栗原隆之助さん(24)に感謝状を贈った。前島さんは3月にも被害を防止したとして、県警の「特殊詐欺被害防止マイスター」に認定された。 同店では7月27日、70代の男性がインターネットのサイト利用料を支払うとして30万円のギフトカードを購入しようとした。レジ担当の栗原さんと前島さんは不審に思い、店の事務所で男性を説得して警察に通報した。 男性は支払う金額、送付先、カードの種類などについて詐欺の犯人に細かく指示されていたという。 前島さんは「犯罪が身近に迫っていることをあらためて感じ
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JA新店舗愛称「みしまるかん」 フレッシュ錦田店、10月移転
JAふじ伊豆の三島函南地区本部は30日、10月に新築移転する三島市谷田の農産物直売所「フレッシュ錦田店」の出荷者大会を同市の県総合健康センターで開き、同店の愛称とロゴを発表した。公募で集まった331点の中から選ばれた新店舗の愛称は「みしまるかん」で、三島、マルシェ、函南などの言葉が込められている。 ロゴは富士山と伊豆半島の間に位置する三島函南地区を太陽のイメージで示し、店のコンセプトに掲げる「新世代の八百屋」をデザインした。同JAの藤沼和明営農常務は「JAが合併してから初のファーマーズマーケット。総力を結集して素晴らしいみしまるかんにしたい」と語り、出荷者に協力を呼びかけた。 新店舗は同
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三島市 補正で経済対策 事業者や生活支援、9月定例会に提出へ
三島市は30日までに、新型コロナウイルスの感染拡大や原油価格の高騰に伴う物価上昇の影響を受ける市内経済への支援策をまとめた。中小企業、運送事業者への補助に加え、水道料金の減免など生活者支援も盛り込んだ。財源は国の交付金で賄い、関連費用を盛り込んだ補正予算案を6日開会の市議会9月定例会に提出する。 1年前の任意月と比較して2021年4月以降の粗利益が20%減、仕入れ額が20%増となった中小事業者に上限10万円を支援する。飲食、宿泊業は対象外で、1400件程度の支給を想定している。運送事業者には一般貨物7万円、軽貨物4万円を1台につき補助する。市の水道供給を受ける個人世帯、事業所には水道の基本
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市民「三島愛」最高87.4% 意識調査 自然、町並みに評価
三島市はこのほど、2千人を対象に実施した市民意識調査の結果をまとめた。市への愛着率は87・4%で前年を0・6ポイント上回り、調査が始まった2003年度以来の最高値を2年連続で更新した。住みやすさを感じている市民も91・6%(前年比0・9ポイント増)に上り、自然環境や美しい町並みを評価する市民が目立った。 居住環境、市の取り組みの満足度、健康など15項目について5月に郵送かインターネットで調査し、1161人(58・1%)が回答した。市の取り組みに対する満足度は「せせらぎと緑や花を生かしたまちづくり」がトップの69・3%(1・5ポイント増)で、市が進める施策「ガーデンシティみしま」に高い満足度
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三島の観光地、動画で 留学中の韓国大学生、文化や食の魅力を配信
韓国から東京の大学に留学中のチョン・イエビンさん(22)が27日、観光地の魅力を発信する動画撮影に三島市を訪れた。市観光協会の支援も受け、撮影した動画はユーチューブで発信される。 檀国大(韓国)3年のチョンさんは日本語を学ぶために東京の実践女子大に留学し、4月から日本を題材にした動画を伝えるユーチューブチャンネルを開設した。大学の寮のルームメートで三島市出身の柿島愛さん(19)=2年=の紹介で、三島を巡る動画撮影の旅を企画。三嶋大社では柿島さんから参拝の作法なども教えてもらいながら日本の文化に触れつつ、境内の様子を動画に収めながら周辺を散策した。 三島スカイウォークや源兵衛川なども訪れた
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東レ選手が夢応援 浜松の小中生にバレー技術指導 三島
三島市を拠点に活動するバレーボール男子東レアローズはこのほど、浜松市の小中学生を招いたバレーボール教室を三島市の東レ体育館で開いた。6月にSBSテレビで放送された番組を通じて実現し、児童や生徒16人が選手と交流しながら技術指導を受けた。 子どもの夢を応援するSBSの番組で、バレーボール選手を夢見る浜松市立白脇小5年の鈴木咲人さん(10)が出演。東レアローズに1日入団して練習に参加したものの、コロナ対策で他のチームメートが同席できず、今回は鈴木さんが所属するクラブなど2チームの児童生徒が参加した。1~2人に選手やスタッフ1人が指導に当たり、レシーブやトスなど密度の濃い練習が行われた。 選手
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手話ソング、詩吟 ステージで披露 シニアクラブ三島が芸能祭
三島市の老人クラブ連合会「シニアクラブ三島」の芸能祭が26日、市民文化会館で開かれた。 21クラブ32団体から約240人が出演し、合唱や踊りなど日ごろから腕を磨いている芸能を披露した。90歳を超える出演者も元気よくステージに立ち、伸びやかな歌声やダンスを繰り広げた。詩吟や手話ソング、創作ダンスなど幅広いジャンルの演目が続き、客席から大きな拍手が送られた。
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大場ふれあい広場盛況 三島 太鼓やしゃぎり元気よく
三島市の大場商工店会が主催する「大場ふれあい広場」が26日、同市大場地区で開かれた。新型コロナウイルスの影響で開催は3年ぶり。さまざまなイベントが繰り広げられ、大勢の住民でにぎわった。 特設の舞台では地元に加えて同市芝本町の子供らによるしゃぎりが披露され、笛や太鼓、すりがねの音を元気よく響かせた。天城連峰太鼓や八坂太鼓、フラダンスのステージもあり、祭りを盛り上げた。 会場ではさまざまな出店も並び、大勢の来場者が感染対策をしながら楽しんだ。 同商工店会の高橋直也青年部長は「3年ぶりに開催できて良かった。少しずつでもにぎわいが地域に戻ってくれれば」と話した。
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キャッシュレス決済しよう 三島市、11月にポイント還元
三島市の豊岡武士市長は26日の定例記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込む地域経済の活性化策として、キャッシュレス決済を活用して市内の加盟店で買い物した場合に購入額の最大30%をポイント還元するキャンペーンを11月1~30日に実施すると発表した。 市内に本社や本店がある店舗では付与率が最大30%、還元額の上限は1回の決済で2千円、期間中で4千円。それ以外の店では付与率10%、上限は1回千円、期間中2千円。d払い、auPAY(ペイ)、楽天ペイ、楽天Edy(エディ)の決済サービスが対象で、利用者の居住地は市内外を問わない。経費を含む総事業費は1億6千万円。 消費者、事業者向けの説明
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世界最高峰のバレエ学校合格 三島北中の川瀬さん 狭き門カナダへ
三島市のクラシックバレエ教室に通う三島北中2年の川瀬美桜さん(14)がカナダ国立バレエ学校の入学試験に合格し、今秋にも渡米して本格的にプロのバレエダンサーを目指す。今年は世界各国の男女15人が入学し、日本からは唯一という狭き門。25日に市役所を訪問した川瀬さんは「新たな出会いや発見を楽しみたい」と意気込んだ。 身長が高く、姿勢を良くしたいという母美智子さんの勧めで4歳からバレエを始め、小学1年から同市徳倉の「ナツキバレエアカデミー」で学んでいる。プロを志して渡米を考え、オンラインのオーディションによる1次試験と4週間にわたるサマースクールでカナダバレエ学校に合格。勉強もしながら世界最高峰の
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田方農高生 町政に質問、町長らが答弁 函南で高校生議会
田方農業高(函南町)の生徒による「町高校生議会」が23日、同町議場で開かれた。町政に対する疑問や思いに基づいて高校生が質問し、仁科喜世志町長ら町幹部が答えた。 生徒5人が議員席に座り、町民の健康維持や図書館の利用促進などについて質問を寄せた。小中学生に貸与しているタブレット端末の目的外使用を防ぐ対策や、ICTを活用した他市町の学校との連携などを尋ねると、久保田浩子教育長らが「カテゴリー別に使用をブロックし、履歴は確認できる」「西伊豆町の学校と地域を紹介し合う取り組みを行った」などと答弁した。 特定健診の無償化については、仁科町長が「減額も含めて効果を確かめ、他市町の状況を踏まえて考えてい
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ガスの不思議 児童体感 三島市民生涯学習センター講座
三島市は23日、都市ガスの防災・エネルギー講座を市民生涯学習センターで開き、小学3、4年生12人がガスの特徴や家庭で利用されるまでの流れについて学んだ。 市の民間提案制度で応募した静岡ガスの社員が講師を務め、ガスを液化して体積を凝縮することで一度に大量の運搬が可能になる―などとガスの性質を説明。マイナス196度の液体窒素を使った実験では、バラやモヤシなどを入れると一瞬で冷凍された一方、水分を含まないティッシュは変化しなかった。ゴム風船はしぼんだものの外に出したら元に戻り、児童らは結果に驚きながらガスの不思議について考えた。 地中を通るガス管にも触れ、力いっぱい曲げても折れない丈夫な素材が
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記者コラム「清流」 意外にも野菜不足
指先に光を当てて10秒、野菜や果物の食習慣が分かるという。三島市が企業などへの健康指導に取り入れた装置「ベジメータ」を体験したところ、結果は5段階で3番目の「C判定」。好き嫌いなく何でも食べるのが数少ない自慢の一つだが、意外にも厳しい評価を突きつけられた。 生活習慣病予防に推奨される野菜の摂取量は1日に350グラム。数字では分かりにくいが、生野菜なら両手で3杯分にもなるという。どうやら、意識的に食生活を見直す必要がありそうだ。 ベジメータが測定する指先の栄養素は、2週間程度の蓄積量が反映される。やはり、続けなくては意味がないらしい。幸いにも、地元産の箱根西麓野菜は種類が豊富で味も良い。楽
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三島で「だがしや楽校」 遊びや“仕事”に子ども夢中
子どもたちが遊び、学び、お手伝いするイベント「街中だがしや楽校」(同運営協議会主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が21日、三島市の三嶋大社で3年ぶりに開かれた。多彩な体験ブースが用意されたほか、周辺の商店では子どもらが自作の動画で来店を呼びかけるなどさまざまな“お仕事”にも取り組んだ。 大社境内に並ぶブースでワークショップに参加すると、駄菓子と交換できるスタンプがもらえるイベント。子どもらはモーターを回転させて発生する電気で電車の模型を動かしたり、牛乳パックと瓶のふたでタンバリンを作ったりと、大人に教えてもらいながら夢中になって挑戦した。商店では感染対策のため大声でお
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廃材で何ができるかな 三島で児童らアートに挑戦
子どものアート活動を支援し、普及推進を図る「ラボ・キュリオ」(三島市)は21日、廃材や端材を活用した工作のワークショップを同市のみしま未来研究所で開いた。 3歳児から小学6年生までの24人が参加し、企業や商店から集められた革の切れ端や配線ケーブル、陶器のかけらなど通常なら廃棄される素材を使ってアート活動に取り組んだ。切断したり接着剤でくっつけたりして自由な発想でさまざまな芸術作品に仕上げ、完成後は展示してお互いに見せ合った。 同ワークショップは、県の「アーツカウンシルしずおか」の支援を受けて開催した。
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心臓マッサージ体験 三島で親子ら 防災理解深める
三島ライオンズクラブのアラート支部と富士山南東消防本部は20日、親子で防災への関心を高める出前ブースを三島市の楽寿園で開いた。 来場した子供らがダミー人形を使った心臓マッサージに取り組んだほか、自動体外式除細動器(AED)の使い方について指導を受けた。装置から流れるアナウンスに従ってパッドを装着し、ボタンを押してスムーズな救命につなげる手順を確認した。子供用の消防服も用意し、記念撮影などをしながら防災への理解を深めた。 子供の体験を通じて親にも防災意識を高めてもらおうと開催した。今後、さまざまなイベント会場で出前ブースを開いていく予定という。
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三嶋大祭り閉幕 農兵節、みしまサンバ 最高潮でフィナーレ
3日間にわたって開催された三嶋大祭りは最終日の17日、「踊りの日」と銘打ち、農兵節やみしまサンバなどのにぎやかなパレードを三島市の大通りで繰り広げた。子供しゃぎり大会や当番町による山車の競り合いも行われ、熱気は最高潮のままフィナーレを迎えた。 今年は新型コロナの影響でパレードの規模を一部縮小し、農兵節に6団体173人、みしまサンバに8団体252人が参加した。幕末の農兵調練をイメージした農兵節は、市民が世代を超えて受け継いできた伝統芸能。パレードでは豊岡武士市長を先頭に市議会議員やNPO法人みしまびとのメンバーらが続き、沿道の声援を受けて祭りを盛り上げた。 夜は三嶋大社前で山車の競り合い
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頼朝公旗揚げ行列 大泉洋さんら4人の俳優陣も参加 三嶋大祭り
三島市の三嶋大社を拠点に17日まで開催中の三嶋大祭りは16日、メインイベントの頼朝公旗揚げ行列を市内で繰り広げた。伊豆地域などが舞台になった大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が放映中の今年は源頼朝役の大泉洋さんら4人の俳優陣も行列に参加し、沿道に詰めかけた大勢のファンを楽しませた。 平家に敗れ、伊豆に配流された源頼朝が三嶋大社で源氏再興を祈願して旗揚げした―という故事にちなんだ恒例行事。頼朝のよろい姿で登場した大泉さんは安達盛長役の野添義弘さんが引く馬に乗り、沿道のファンに向かって「ありがとう」と手を振りながら行列を率いた。頼朝の弟の源範頼役を演じた迫田孝也さん、仁田忠常役の高岸宏行さんも後に続
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三嶋大祭り「幸せな時間」 参加の4俳優がコメント 大泉さん「小栗旬も連れてきたかった」
■源頼朝役 大泉洋さん 幸せな時間でした。昔からパレードをするのが夢で、それがこういう形で実現した。戦いに出る頼朝が三島の神社のご加護を受けたという思いがあるので、感慨深い。頼朝がこんな風に歩いたんだろうと想像して歩かせてもらった。 沿道から皆さんの愛情を感じた。小栗旬も連れてきたかった。ドラマに出演したみんなも来たがっていた。いつか本当にみんなで来られたらすてきだなと思います。 沿道に手を振る野添義弘さん=16日午後、三島市の三嶋大社前 ■安達盛長役 野添義弘さん 思った以上に多くの方が見に来てくださり、本当にびっくりした。大感激。できることなら、毎年恒例
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開幕「三嶋大祭り」 16日、旗揚げ行列に大泉洋さん参加
三島市の夏を彩る風物詩「三嶋大祭り」(実行委員会主催)が15日、三嶋大社を拠点に市内中心部で開幕した。新型コロナウイルスの影響を受け、開催は3年ぶり。初日から山車の競り合いや伝統の祭りばやし「しゃぎり」が繰り広げられ、歩行者専用道路となった大通りは法被姿の地元住民や観光客らで埋め尽くされた。 6年に1度回ってくる当番町(加屋、清住、三好、西本、緑、南)が山車を引き回し、太鼓や笛、すりがねの音を威勢良く響かせた。夜には大社前で激しい競り合いが行われ、祭りムードは一気にヒートアップ。周辺はしゃぎりと掛け声の熱気に包まれ、詰めかけた大勢の来場者も3年ぶりの“夏”を盛り上
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祭りの高揚感、独特の絵で表現 オーストラリア出身のカーさん
15日に三島市で開幕した三嶋大祭りの熱気を表現した絵画展が17日まで、同市のみしまプラザホテルで開かれている。6年前から伊豆の国市に住むオーストラリア出身の画家エドワード・カーさん(68)が独特の技法で描いた油彩画8点が並び、祭りの盛り上げに一役買っている。 流鏑馬(やぶさめ)や頼朝公旗揚げ行列、しゃぎりなど、コロナ前の2019年に見た大祭りの様子を描き上げた。下地に金色の塗料を塗る日本画の技法に水彩、油彩の技術を融合させ、祭りの高揚感を表現したという。3年ぶりの大祭り開催に、「大勢の人に心から楽しんでもらいたい」と話した。 絵画展の会場は夜もライトアップされるため、ウインドー越しに作品
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ミニ水力発電 児童作品審査 三島の実行委、効率性やアイデア評価
三島市を流れる豊富な湧水を活用し、小学生が創造性を養う「三島せせらぎミニミニ水力発電コンテスト」(実行委員会主催)が11日、同市の白滝公園で開かれた。工夫を凝らした10作品が並び、効率よく発電するアイデアや装置のデザインなどについて審査を受けた。 ペットボトルやプラスチックのざるなど身近な物を使って水車を作り、モーターを組み込んで装置を完成させた。白滝公園内を流れる湧水で効率よく回転させると、設置した発光ダイオード(LED)が点灯して華やかな雰囲気に包まれた。水車で川のごみをすくい上げたり、装置から生まれる電力でミニカーの模型を走らせたりと、さまざまな力作に注目が集まった。 児童らは作品
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新会長に佐藤浩美氏 三島ロータリークラブ
三島市の三島ロータリークラブはこのほど役員改選を行い、第66代の新会長に佐藤浩美氏(55)=写真=を選任した。 任期は来年7月までの1年間で、同RCでは4人目の女性会長。ウィズコロナの社会を見据え、活動を止めずに「リアルなコミュニケーションを大切にしていく」とし、奉仕活動などを通じて地域の困り事を一緒に考えながら「エンジョイ・ロータリーの思いをみんなで共有していきたい」と話した。
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函南・十国峠山頂 「パノラマテラス」オープン 絶景広がる
富士山や駿河湾を望む函南町の十国峠山頂に11日、360度の絶景が広がる「パノラマテラス1059」がオープンした。天空をイメージしたメニューを提供するカフェも開店し、初日から大勢の観光客が訪れた。 伊豆、駿河、遠江、甲斐など戦国時代の10国が見渡せたとされる十国峠は、眼下に広がる駿河湾や相模湾、そびえ立つ富士山も一望できるビュースポット。冬場の空気が澄んだ時期には東京のスカイツリー、横浜ランドマークタワーなども肉眼で見えるという。パノラマテラスにはデッキが設置され、標高770メートルの山頂エリアまではケーブルカーが運行されている。 オープニングセレモニーでは伊豆ジュニアブラスの演奏に続き、
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東レアローズ×静岡ブルーレヴズ バレーとラグビー小学生に指導
バレーボールVリーグ男子の東レアローズ、ラグビーリーグワンの静岡ブルーレヴズによる体験講座「ミシマスポーツフェス」(三島市主催)が10日、同市の東レ体育館で開かれた。静岡県内の小学生72人が参加し、バレーボールとラグビーの基本を体験した。 バレーボールではアローズの選手やスタッフが講師を務め、児童らは上級生と下級生に分かれてトスやスパイク、レシーブなどの指導を受けた。チームでボールを落とさないようトスを上げ続けるゲームでは、必死に食らいついてボールをつないだ。ラグビーではブルーレヴズの育成普及チームスタッフが指導に当たり、子供らはタックルやボールを使った遊びなどを楽しんだ。 市立徳倉小5
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三島、裾野、長泉の首長会議 移住、にぎわい創出に向け連携
富士山南東消防本部を設置している三島、裾野、長泉の3市町による「富士山南東スマートフロンティア推進協議会」の首長会議が10日、三島市の同本部で開かれた。県が進める「ふじのくにフロンティア推進事業」を活用し、移住を含めた人的交流の促進やにぎわい創出に向けて各市町が連携する方針を確認した。 2市1町をフロンティア推進エリアとして計画書を策定し、来年1月に県の認定を受けた上で具体的な事業に乗り出す考え。首都圏に近い立地的な優位性を生かし、転職なき移住先として子育て世帯に選ばれるエリアを目指す。本年度は人口動態や移住ニーズの調査に加え、次世代交通サービス「MaaS(マース)」の実証事業などを通じて
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市役所跡地活用 明大院生と探る 三島市がパートナー任命
三島市は9日、街中に新たなにぎわいをもたらす「共創パートナー」として明治大大学院理工学研究科を任命した。現在は分散している市役所機能の集約化を進めるに当たり、跡地の有効利用を修士課程の1年生約20人が考える。8月下旬に市内を訪れて5日間の調査研究を進め、結果は新庁舎の整備を検討する市民ワークショップに報告される。 市は約10年後をめどに築60年の市役所庁舎を建て替え、現在は離れている中央町別館、大社町別館の機能を本庁舎にまとめる考え。新庁舎は現在地か南二日町広場が建設候補地とされ、学生らはそれぞれのパターンに応じて利用されなくなる市有地や施設の活用方法を提案する。老朽化が進む社会福祉会館、
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三島市、抗原検査キット無料配布 10日から
三島市は10~14日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療機関のひっ迫解消に向け、感染の疑いがある市民を対象に抗原検査キットの無料配布を実施する。 発熱など軽度の症状があるか濃厚接触者になった場合のいずれかで、自分でキットを使って検査ができる市内在住者が対象。18~39歳は、医療機関による薬の処方を希望しない、陽性の場合はインターネットサイトの「自己検査・療養受付センター」に登録し、軽症の間は医療機関を受診せずに健康観察を受ける―も配布の条件となる。市立保健センターの駐車場で10日は午後3~6時、11~14日は午前9~11時にドライブスルー方式で配布する。 希望者は市のホームページから
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プロのショット間近に 三島で日本ゴルフ選手権 児童がエスコート
三島市で4日から開催された国内メジャー大会の日本プロゴルフ選手権大会は最終日の7日、後援する市の募集に応じた市内の小学5、6年生22人がエスコートキッズを務め、選手をティーグラウンドまで案内した。 最終組前の6組でエスコートを行い、児童らは練習グリーンを訪れて選手の様子を見学。ティーグラウンドに向かう前には選手と言葉を交わし、通常では入れないエリアでプロ選手の力強いティーショットを目の当たりにした。 東小6年の甲地琉夏さんと北小5年の森下海さんは、「選手から『いつかゴルフをやってみて』と言われた」「緊張したけど楽しかった」などと話した。 (三島支局・金野真仁)
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三島市長選立候補 石井氏が正式表明
三島市議の石井真人氏(43)は6日、市内で記者会見を開き、任期満了に伴う市長選(12月11日告示、18日投開票)に無所属で出馬する意向を正式に表明した。 三島駅南口東街区の再開発事業は「基本的に推進する」としつつ、組合設立認可の際に県が出した5分野16項目の要望に基づく調査を実施する考え。完了までは権利変換計画の手続きを行わないとし、事業の遅れで生じる借入金利などの負担については「税金投入が必要になるかもしれないが、無視して強引に進めれば市民の不利益になる。調査した上で進めるべき」と述べた。市役所の新庁舎建設や財政健全化についても持論を展開した。 市長選には現職の豊岡武士氏(79)も出馬
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猫おどり 町民メーク、息合わせ披露 函南で3年ぶり
猫の伝説が残る函南町の一大イベント「かんなみ猫おどり」(同実行委員会主催)が6日、同町の川の駅「伊豆ゲートウェイ函南」で開かれた。 「夜になると人間の言葉を話し、踊る猫」という同町軽井沢に伝わる民話を元に続けている恒例行事。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となる今年は規模を縮小し、感染対策も行いながらにぎやかなステージを繰り広げた。 町民有志で結成する「ブルーキャッツ」がそろいの衣装と口元の“猫メーク”姿で登場し、音楽に合わせて息の合った猫おどりを披露した。 会場には出店が並び、大勢の来場者でにぎわった。花火も打ち上げられ、夜空を華やかに彩った。 &nb
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着付け実演 日本文化に親しんで 三島市国際交流協会イベント
三島市国際交流協会はこのほど、市内に住む外国人と市民が日本文化に親しむイベント「日本の装束 十二単(ひとえ)」を同市のホテルで開いた。64人が参加し、着付けの実演を見ながら日本古来の伝統文化に触れた。 実演は静岡市の小林豊子きもの学院静岡本部の講師が行い、小袖と長袴(はかま)姿のモデルに緑や金、赤など色とりどりの衣装を丁寧に着付けた。着る順番やひもの結び方、袖の通し方など古来の作法について解説も行いながら、約1時間かけて重さ20キロの十二単の着装が完成した。襟元に重ねられたグラデーションが美しく、来場者が写真を撮ったりして楽しんだ。 着重ねた装束を抜け出るように脱いだ「空蝉(うつせみ)」
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ヤングケアラー早期発見を 三島で教職員研修
大人に代わって子どもが家事や家族の世話をする「ヤングケアラー」について正しく理解し、早期発見と適切な支援につなげる教職員スキルアップ研修(三島市教育委員会主催)がこのほど、市役所で開かれた。 静岡市教委スクールソーシャルワーカーの後藤久美さんは父親におびえる母親の心理的ケア、アルバイト中心の生活―など、ヤングケアラーを取り巻く実情に触れ、進路変更や学業の遅れなど子どもの生活に与える影響について説明した。子どもは「家族は大切」「やって当たり前」などと考え、保護者は外部の批判を恐れて家族を閉ざす傾向があるという。サポート側の視点として相談しやすい環境を整えて一緒に考える姿勢が重要とし、「大人の
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三島市、13日夜に3回目集団接種 コロナワクチン
三島市は13日午後6時から、帰省する若者が増える盆休みを利用し、新型コロナウイルスワクチンの集団接種を市立保健センターで実施する。 若者や普段は仕事でワクチンを受ける時間がない勤労者世代の接種率向上を図る。対象は2回目接種から6カ月以上経過し、3回目を受けていない18歳以上の市民。ワクチンは副反応が比較的少ないとされるノババックスを使用する。 接種希望者はインターネットかコールセンター<電0570(015)670>への電話で事前に予約する。
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SDGs教育考える 日米の教職員、三島・源兵衛川の取り組み視察
日米両国の人的交流を促進する「日米教育委員会」は3日、官民協働による環境保全が続けられている三島市で教員交流プログラムを実施した。両国の教職員20人が市内を流れる源兵衛川などを訪れ、自然体験を通じて国連の持続可能な開発目標(SDGs)をテーマにした教育のあり方を考えた。 かつて汚染された水を市民、行政、企業の連携により復活させ、今も美しい流れを保ち続ける源兵衛川を視察した。川に入って魚取りなどの体験を楽しんだほか、同市のNPO法人グラウンドワーク三島から自然保護の取り組みや多くのホタルが飛び交う現在の状況について説明を受けた。三島梅花藻の里も訪れ、冷たい清流が咲かせるかれんな花を見ながら
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スリル満点アスレチック 「ドラゴンキャッスル」三島に8日オープン
三島市山中新田で8日にオープンするタワーアスレチック施設「ドラゴンキャッスル」で1日、報道機関向けの内覧会が開かれた。高さ17メートルの展望デッキと多彩なアクティビティーを備え、子供から大人までが楽しめる迫力のコースが設定されている。 隣接する国指定史跡の山中城跡に残る「龍伝説」にちなんで名付けられ、鉄骨に木材をあしらった六角柱型の施設には高さ3メートル、8メートル、13メートルにそれぞれコースが設けられている。命綱のハーネスをワイヤに取り付け、難易度に合わせて自由に進路を選びながら柱の上を渡ったりボートや自転車に乗ったりしてスリルを味わう。 運営会社は観光大つり橋「三島スカイウォーク」
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児童がお店の魅力PR 21日、三島で「だがしや楽校」 動画撮影、CM制作
子どもたちが学び、遊び、お手伝いするイベント「街中だがしや楽校」(同運営協議会主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が21日、三島市の三嶋大社で3年ぶりに開催される。2日には周辺の商店で働く小学生の事前説明会が開かれ、店の魅力や商品を伝えるコマーシャルづくりが行われた。 小学5、6年生が参加する「チビッコあきんど体験」では、三嶋大社周辺の7店舗で数人ずつのグループに分かれて売り子に挑戦する。 新型コロナの感染予防として大きな声で誘客ができない代わりに、今年は店内やおすすめ商品を撮影した30秒~1分程度の動画を店頭で流す予定。 児童は市教委の許可を受けて学校で配布されているタブレット端末を使い
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三島の豊岡市長 4選へ出馬表明
三島市の豊岡武士市長(79)は2日、市役所で記者会見を開き、任期満了に伴う市長選(12月11日告示、18日投開票)に4選を目指して無所属で出馬する意向を表明した。 三島駅南口東街区の再開発事業については「何としても実現し、街中ににぎわいをもたらす」と強調。ロシアの軍事侵攻に伴う建築資材の価格高騰は事業の進め方や販売する床の価格調整などで対応できるとし、「あまり不安には感じていない」と述べた。市内への移住者増加、三ツ谷工業団地の完成など3期12年の実績にも触れ、4期目を「さらなる飛翔(ひしょう)につなげる」と決意を語った。 同市長選には、市議の石井真人氏(43)も出馬の意向を示している。
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議員定数 市民意見募る 22日まで三島市議会
三島市議会は1日、議員定数(22人)のあり方に関する市民意見の募集を始めた。22日まで。議会内では現状維持から1~2人の削減まで意見が分かれ、市民の声を参考にしながら来年春の市議選に適用される定数について協議を進める考え。 会派別の意見では緑水会、新未来21、共産が「現状維持」、改革みしま、公明が「2人削減」。無会派議員は2人が現状維持、1人が1人削減を主張している。定数に関しては議会運営委員会が昨年度に実施した議会基本条例の検証で、前回改正から8年が経過し、人口が減少傾向にあることなどから検討の必要性が指摘されていた。同委員会は市民と市内団体から寄せられた意見を踏まえて30日に協議を行い
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ごみ減量アドバイザー養成 三島市、現状や課題解説
三島市の廃棄物を減らしてリサイクルを推進する「ごみ減量アドバイザー」の養成講座が31日、市役所で開講した。年度内に計5回の講座が行われ、受講者はごみの課題やアドバイザーの役割について学ぶ。 初回のテーマは「ごみ処理の現状と課題」。講師を務めた市職員は年間のごみ排出量が3万3661トン、市民1人では1日当たり845グラムのごみが捨てられていると説明し、「徐々に減少しているものの、まだ多いのが現状」と語った。市の最終処分場は残余容量が約8%と逼迫(ひっぱく)し、焼却灰を全量埋め立てれば約3年で飽和状態になるとし、年間約8千万円をかけて県外に搬出している状況を解説した。 アドバイザーは今後、視
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女性の視点で問題共有 静岡県商工会議所女性会連合会 遠藤悦子会長【キーパーソン】
静岡県内10カ所にある単会が連携する県商工会議所女性会連合会の会長に就任した。各地の取り組みや情報を共有し、新型コロナウイルスの感染拡大で苦境が続く商工業界に女性の視点で貢献する。 ―女性会の役割は。 「女性の資質向上と商工業の振興で地域の発展に寄与することが目的だが、自分たちで景気を良くするとか変革するとかではなく、まずは女性の中で社会の貧困やジェンダーなどさまざまな問題を理解することから始めたい。特に女性は年上だから遠慮するというのが少なく、肩書や年齢にとらわれず対等に話し合いやすい。さまざまな考えがあるからこそ、社会は良い方向に向かうと思う」 ―何に取り組むか。 「10月には3
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速く走るこつは 三島で小中生 正しいフォーム実践
三島市スポーツ協会はこのほど、小中学生を対象にした走り方教室を同市の長伏公園内浄化センター広場で開いた。オリンピック強化スタッフも所属する「クレーマージャパン」の専属コーチが講師を務め、計30人が速く走るこつを学んだ。 年代別に分かれて足の上げ方、腕の振り方について指導を受けたほか、上半身と下半身を連動させるトレーニング方法に取り組んだ。地面に置いた障害物をまたぎながら正しいフォームを身に付け、素早く足を上下させることで推進力を生み出す走り方を実践した。 児童らは普段、陸上競技以外にもサッカーや野球、ソフトボールなどさまざまな種目に取り組み、スポーツの基本として走る大切さを実感した。
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水力発電の仕組み理解 三島の児童、いざコンテスト 事前講座
三島市の小学生が発電の原理を学び、創造性を養う「三島せせらぎミニミニ水力発電コンテスト」が3年ぶりに開催される11日に向け、参加する児童を対象にしたオリエンテーションがこのほど市役所で開かれた。小学生を含む13の家族やチームが出席し、少年少女発明クラブの講師らに水力発電の仕組みなどを学んだ。 コンテストは同クラブやNPO法人地域活性スクランブルフォーラムなどでつくる実行委員会が主催。児童らはモーターやLEDなど材料費3千円の支給を受け、水力発電装置の工作に挑戦する。デザインにもこだわった多彩な作品に仕上げ、コンテスト会場の白滝公園(同市)を流れる水を使って電気を発生させる。 オリエンテー
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⚾日大三島Vナイン 生徒出迎え、市長も祝福「甲子園で旋風を」
29日に行われた第104回全国高校野球選手権静岡大会で優勝した三島市の日大三島高では、春のセンバツに続く甲子園の切符を手にした選手を大勢の生徒らが温かい拍手で出迎えた。選手らは新型コロナウイルスの感染対策に気を付けながら、帽子を取って会釈したり手を振ったりして祝福に応えた。 選手を乗せたバスが同校に到着すると、スタンドで応援した生徒から歓声が上がった。応援団長の石井優大さん(3年)は「昨日の準決勝で逆転サヨナラ勝ちし、決勝は興奮そのままに応援した。春と夏で甲子園に連れて行ってもらえることが本当にうれしい」と声を弾ませた。投打に活躍した松永陽登選手は「また甲子園で野球ができる喜びを実感してい
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知徳高の3選手 アーチェリー女子団体、全国総体へ意欲 三島
5月の県大会で優勝し、8月9日に香川県で開幕する全国高等学校総合体育大会への出場を決めた知徳高(長泉町)アーチェリー部女子団体の選手3人がこのほど、三島市役所に豊岡武士市長を訪ねて本番での意気込みを語った。 全国総体に出場するのはいずれも同市出身で3年の重森萌花さん、浜中和さん、稲垣歩結さん。各選手が70メートル先の的に向けて計72射を放ち、720点満点で合計スコアを競う。県大会では前半で浜松北高に30点差を付けられたが、後半に巻き返して20点差の逆転勝ちを収めた。個人の部でも優勝した重森さんは「個人の自己ベストと団体優勝を目指して頑張りたい」と全国の大舞台を見据えた。 豊岡市長は「集中
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三島でMTB関係者が交流 静岡県東部、自転車聖地に
東京五輪の自転車競技が行われた県東部のレガシーづくりを目指し、各市町でマウンテンバイク(MTB)のコースや施設を運営する関係者が26日、三島市の三島商工会議所で交流会を開いた。 各地に点在するMTBの魅力を線でつなぎ、面に広げて県東部を自転車の聖地として浸透を図る。交流会では10団体が参加し、自己紹介に続いてそれぞれの取り組みを発表した。鉄塔の管理道路を活用した富士市のMTBコースや自転車を楽しめる道の駅の施設、11月に裾野市で開催されるMTBの大会などが示され、関係者は情報発信やイベント開催などでの連携を模索する方針を確認した。交流会は県東部地域スポーツ産業振興協議会(E―spo)が主催
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街中に音楽を 気軽に「よりみちライブ」 三島の有志ら企画
気軽に立ち寄って音楽に親しむ「よりみちライブ」がこのほど、三島市のみしま未来研究所で開かれた。函南町在住のバイオリニスト戸上真里さんとピアニストの服部真由子さんが出演し、聴衆とのトークも交えながら本格的なプロの演奏を披露した。 街中に音楽を響かせようと結成した有志らによる「プロジェクトM」の主催。聴衆は「サクラ」と称して関係者の身内から参加を呼び掛け、定期的にゲリラライブの開催を重ねながら口コミでサクラの拡大を図るという。今回のライブではクラシック曲やルパン三世のテーマなど多彩な約10曲を演奏し、合間には戸上さんが曲の背景について“おしゃべり”するなど「ゆるい演出」
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記者コラム「清流」 暑い夏の幸せ
ジメジメの梅雨があっという間に終わったかと思えば、次は早くも猛暑。6月からクーラーが“フル回転”のお宅も多いのではないだろうか。節約の夏、設定温度を下げるのには若干の罪悪感も抱きつつ、適切な利用と水分補給で熱中症には気をつけたい。 「水の都」と言われる三島市では、川のせせらぎに涼を求める人たちで連日の大にぎわいだ。透き通る富士山からの湧水は訪れた観光客を感動させ、川には水遊びをする子どもたちの光景が日常的に広がる。うだるような暑い夏にも、魅力や楽しみはたくさんあると実感する。 今夏は、市内の「足水スポット」を巡るキャンペーンも始まった。散策で疲れた足を冷たい川に入
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東レアローズ×静岡ブルーレヴズ体験講座 8月に三島、児童募る
バレーボールVリーグ男子の東レアローズ、ラグビーリーグワンの静岡ブルーレヴズの選手やスタッフによる小学生対象の体験講座が8月10日、三島市末広町の東レ体育館で開かれる。主催する三島市は7月1日から、参加を希望する児童を募集する。 両チームによる体験講座は初開催で、アローズは選手、スタッフ、ブルーレヴズは育成普及チームのスタッフが講師を務める。1時間ずつバレーボールとラグビーの両方を行い、いずれも初心者、未経験者を想定した初歩的な講座を予定している。保護者の観覧も可能。 定員は60人。県内在住の小学生を対象に参加者を募る。時間は午前9時半~午後0時15分。申し込みは所定の用紙かはがきに必要
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東レアローズ Vリーグ4位報告「地元の応援、力に」 三島市役所
三島市を拠点とするバレーボールVリーグ男子の東レアローズは12日、選手、監督らが市役所に豊岡武士市長を訪ね、4位となった今季リーグといずれも3位に入った天皇杯、黒鷲旗全日本男女選抜大会の結果を報告した。 胃がんで闘病中の藤井直伸主将ら主力が離脱したにもかかわらず、全ての大会とリーグ戦でベスト4に食い込んだ。コロナ禍の今季、全36試合を戦いきったのは10チーム中でアローズだけ。三島でのホームゲームは5勝1敗の好成績を残し、峯村雄大副主将は「地元の試合は気合が入り、応援が力になっている」と述べた。篠田歩監督は「離脱の穴を選手が埋めてくれたからこそ上位と戦えた」と振り返り、「力を蓄えて来季は優勝
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記者コラム「清流」 ネコに国境はない
青空のビーチでおなかを出してくつろぐ茶トラネコ、好奇心いっぱいの視線で何かを見つめる子ネコ…。三島市の佐野美術館で写真展「岩合光昭の世界ネコ歩き2」が開催中だ。国内外16地域で撮影したネコの表情、しぐさは実にさまざまで面白い。 モルドバでは雪の中を歩き、アラブ首長国連邦では砂丘を散歩する。ニューヨークのピザ屋では“看板ネコ”が愛きょうを振りまきながら客を出迎える。マイペースでも懸命に、それぞれの環境を受け入れながら仲間や他の動物と生きる姿。ネコの世界には国境も差別もないのだ。 それに比べて、戦争の歴史を繰り返す人間の何と愚かなことか。ウクライナではき
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函南町の観光振興 脱“通過点”へ魅力発信【記者コラム 湧水】
伊豆への玄関口に構える道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」(函南町)が1日、開駅から5周年を迎えた。隣接する伊豆わさびミュージアム、めんたいパークなどを含め、特に連休中は大勢の観光客でにぎわう。一方、同町は伊豆に向かう“通過点”としてのイメージも色濃い。町内の豊かな自然や食、観光資源を生かし、滞在時間を少しでも増やす努力が欠かせない。 その一つとして注目されるのがご当地グルメ。地元産の食材を使ったメニューは、その土地ならではの魅力となる。同町でも2018年度、特産の丹那牛乳で作る「函南カルボナーラ」が立ち上がった。町は国の交付金を受けて500万円の予算を計上し、民間企業に
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記者コラム「清流」 有権者の責任
現職と新人2氏が出馬した函南町長選の投票率は、過去最低の前回選を10ポイント近く下回る36.89%。2010年の町長選からは約18ポイントも下落し、投票した有権者は3人に1人を少し上回る程度ということになる。 告示の10日前に3氏の構図が固まり、候補者が政策論争を交わす時間はなかったのかもしれない。しかし、それが言い訳にならないほど今回の投票率は低い。町は財政的に豊かでも人口が増加傾向にあるわけでもなく、むしろその逆だ。町政に無関心で本当に良いのだろうか。 世界にはトップの判断で戦争を引き起こす国もある。政治家の立場はそれほどに重いからこそ、民主国家では国民の意思で選ばれる。有権者の責任は決
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記者コラム「清流」 地域の印象
10年ほど前にイタリアのある都市を旅行で訪れると、街中にごみの山が積まれていた。聞けば回収業者のボイコットが原因らしい。美しい町並みを期待していただけに、残念な思いをしたのを覚えている。 ごみは捨てる人の生活を表すとも言われるが、地域の印象すら左右しかねない。豊かな自然が自慢の三島市でも、「ルール違反」の赤い紙を貼ったごみ袋が回収場所に取り残されている。目にする度に、かつて見たイタリアの風景を思い出してしまう。 三島では毎朝、多くの市民が街中の清掃に汗を流している。地域花壇も各地に点在し、季節の美しい花を咲かせる。そんな努力を無にしないためにも、当たり前のルールはしっかり守りたい。
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ワンコインで自然体験 幼児ら気軽に 三島のNPOが「ソトアソビ」
子供が自然に親しむ場を提供する三島市のNPO法人「森のようちえん・太陽と緑の風クラブ」は、カヤックや釣りなど多彩な体験を楽しむ「ソトアソビ」プロジェクトを開始した。ふるさと納税制度を活用した県のクラウドファンディング(CF)で寄付を集め、幼児から小学生までがワンコインで気軽に参加できる仕組みを整えた。 自宅に閉じこもりがちな子供らに野外の楽しさを伝えようと、これまで木登りなど野遊び中心だった活動の幅を広げた。CFで集まった寄付金100万円を活用し、子供の参加費は1回500円に設定した。活動は月に2回実施し、カヤックによる川下りや無人島遊びなどのイベントを企画している。 23日は同市佐野の
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函南メガソーラー条例 適用巡り割れる見解 事業「起点」施行前か後か【解説・主張しずおか】
民間企業が進める函南町軽井沢の大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設事業で、設備の設置を規制する町条例の適用を巡り町と一部住民の見解が食い違っている。論点は事業の起点が条例施行の前か、後か。建設反対の立場は同じだが、施行前に動きだした当初計画への適用に難色を示す町に対し、条例を改定して全面適用を求める住民の動きも出始めた。 条例が適用されると、業者は町長の同意なしに設備の設置が禁じられる。電力の固定買い取り制度(FIT)は法令順守を前提とし、業者が条例に違反すれば経済産業省から認可を取り消されかねない。町は事業への「不同意」を示しているため、条例適用が事業の阻止につながるとの見方は強い。
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記者コラム「清流」 大火の翌日
衆院選の熱戦が終わって間もない10月31日未明、三島市の大通り商店街で建物火災が発生した。少なくとも計6棟を焼く大火となり、不幸にも1人の死亡が確認された。広小路駅からほど近い市の中心街。深夜とはいえ、現場は大勢の通行人や住人で騒然とした。 その翌日、夕刊に1枚のチラシが折り込まれていた。地元の自治会が火事の迷惑をおわびし、消火活動に感謝する内容だった。地域としても深刻な大惨事にもかかわらず、わずか1日の丁寧な対応に驚かされた。 人のつながりが希薄な時代。困難があれば支え合い、ともに乗り越える地域の関係は何物にも代えがたい。「住みやすい街大賞」で注目される三島には、こんな魅力もあるようだ
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選挙の低投票率 着目点は人それぞれ【湧水】
選挙の度に候補者の政策、主張の違いに着目する。いわゆる「争点」を求め、有権者に分かりやすい構図を示すのがメディアとしての仕事でもある。ただ、今回の参院補選や衆院選のように目立った争点が見えにくいケースは多い。それでは有権者は何に注目して投票するのか。政策や主義主張はもちろん、声、姿、立ち振る舞いなど、あらゆる角度から候補者を眺めてみてはどうだろうか。 国政選挙では、国全体の政策から地域の課題解決まで主張は多岐にわたる。それだけ幅広い仕事を担うのが国会議員の仕事であるのだが、国や地域を良くしたいと思うのはどの候補も同じだろう。考え方に違いはあっても、それが有権者には伝わりにくい。 先日、裾
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リニア「水守り開通を」 三島市長がメリット強調
三島市の豊岡武士市長は28日の定例記者会見で、知事選(6月3日告示、20日投開票)に向けて議論が注目されるリニア中央新幹線の開通工事について、「リニアは県東部にとっても大きなメリットがある。大井川の水をしっかり守った上で開通させてもらいたい」と述べた。 豊岡市長は、リニアの開通で県内の駅には停車しない東海道新幹線「のぞみ」が減便される代わりに「ひかり」の増便を見込み、「三島駅の利便性も高まり、観光客が増加して県東部が活性化する」との見解を示した。交通環境の向上により新幹線を使った通勤圏の拡大にもつながるとし、同市や周辺地域の人口増、にぎわい創出への好影響も期待した。 知事選ではこのほか、県東