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スポーツ合宿 小山町が誘致本腰 宿泊費支援や分宿後押し

 首都圏に近い立地や富士山麓の環境を売りに、小山町がスポーツ合宿の誘致に本腰を入れている。県内他市町に比べて手厚い助成制度を設けた。宿泊施設がノウハウを共有する機会を設け、複数の施設に分かれて宿泊する「分宿」を後押しするなど、地域一体で受け入れる態勢づくりを進める。

地域一体でスポーツ合宿を受け入れる態勢をつくるため、ノウハウを共有する宿泊施設関係者=小山町
地域一体でスポーツ合宿を受け入れる態勢をつくるため、ノウハウを共有する宿泊施設関係者=小山町

 11月に開始した助成制度は、スポーツの技能向上を目的とした団体に町内の宿泊費を支援する。延べ宿泊者数10人以上を条件に、1人1泊2千円を補助する。同様の制度を設ける県内市町の助成額は千円が多く、違いを出した。これまで日帰りで訪れていた団体の滞在時間を増やし、町内の消費拡大につなげる狙いもある。既に高校の陸上部など12団体の利用申し込みがあるという。
 町内では近年、複数の施設がスポーツ合宿を積極的に誘致し、客足を伸ばしている。新型コロナ禍でターゲットを訪日外国人からスポーツ団体に転換した「富士ざくらホテル」の小沢健男社長は、トレーニングに適した高地や充実した施設の存在に加え「富士山の麓という立地に訴求効果がある」と話す。リピーターになる団体も多いという。
 ただ、これまでは観光シーズンの夏季に利用希望が集中し、部屋数を確保できずに需要を逃すこともあった。そこで同町が核となって宿泊施設同士の連携を進め、全体で受け入れ枠を増やしている。
 12月上旬に開いた助成制度の説明会では、実績のある施設の経営者が講話し、利用者に喜ばれるサービス内容を共有した。今後は複数施設による共同サービス実施や分宿などの調整を担うという。
 将来的には合宿客と町民の交流も図りたい考え。町観光スポーツ交流課は「町の子どもが合宿中のアスリートと交流し、より一層スポーツに励んで有力選手誕生につながれば」と思い描く。

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