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鮎沢川冬季C&Rエリア・フライ 良型ニジマス 強烈な引き 地域密着の釣り場づくり【魚影を追って】

 通常の渓流釣りシーズンが終わった後、自然河川の一部を冬季キャッチ・アンド・リリース(C&R)エリアとして、ルアーと毛針釣り限定で開放する漁協が近年、静岡県内でも増えてきた。そんな釣り場の一つ、小山町の鮎沢川・足柄特定区を11月中旬に初めて訪れ、良型ニジマスの強烈な引きを楽しんだ。特定区は6シーズン目で、県内外から愛好者が訪れている。

フライで釣ったニジマス
フライで釣ったニジマス
鮎沢川 冬季C&Rエリア・フライ 使用したタックル
鮎沢川 冬季C&Rエリア・フライ 使用したタックル
フライで釣ったニジマス
鮎沢川 冬季C&Rエリア・フライ 使用したタックル

 区間は約2キロ。千束橋や向田橋など、橋付近が主なポイント。まずは区間全体を川沿いに歩き、状況を確認した。川岸にはブロックなども入っていて足場は良い。所々に入退川のためのはしごも設置されている。
 タックルは9フィートのロッドにラインはWF5番のフローティング、4X9フィートのリーダーのバット部分を2フィートほどカットし、4Xのティペットを4フィートほど足す。
 発泡マーカーのニンフ釣りを選択した。フライは化繊のファーを使ったファジーなタイプ。オレンジや赤、チャートリューズなど原色系を用意した。ティペットは沈みやすいフロロとし、フライから20センチほど上に重さを調整しやすい粘土オモリをより付ける。
 向田橋の下流から釣り始めて数投目。瀬を流し切った時だった。ラインをピックアウトしようとロッドをはね上げた瞬間、「ガツン」という手応え。下流で魚が派手にジャンプし、それっきり。フライを回収すると、軸が折れていた。フッキング重視でドライ用の細軸に巻いた針だったが、耐えられなかったようだ。反省し、太軸の針に交換。
 下流に向かい、新千束橋上の瀬で最初の一匹を手にした。30センチ級の元気が良いニジマス。千束橋下の「いかにも」という淵では、粘ったが反応なし。向田橋に戻り、今度は橋の上流に入る。流れの速い小さな深場に目が止まった。速く、確実にフライを沈めるためにオモリを足す。
 その時は突然やってきた。マーカーが止まり、合わせると、底にへばりつくような感覚に続き、「ゴンゴン」という確実な生命感。「そうそう、この感じ」。久々の重量感を味わいながらのやりとり。ネットに収まったのは45センチ級だった。
 淵やトロ場などの大場所に目が行きがちだが、流れが速く浅い瀬の、ちょっとした沈み石の周りなどを丁寧に流し、結果が出ることも多い。柔軟に試すことで、今まで気が付かなかった攻め方が見えてくる。
 鮎沢川漁協は特色のある、地域密着の釣り場づくりを進めている。中村博之組合長が強調するのは、「地域の人にこの川を知ってもらいたい、守ろうという気持ちを育てたい」ということ。特定区開設後、任意のサポート組織「鮎沢川釣り愛好会」も誕生し、今季は同会が解禁初日に川沿いの公園で初のオープンイベントを開催した。ルアー釣りの体験教室や豚汁サービスなどを行い、好評だったという。
 12月の追加放流では、地元高校生がごみ拾いの後、放流を体験する予定。日釣券は当日と翌日の2日間有効で、日釣券との交換で地元の温泉施設が利用できるというのも特長だ。
 足柄特別区の遊漁期間は来年2月20日まで。遊漁料は日釣券が2千円、シーズン券は大人5千円、高校生2千円、中学生以下は無料。問い合わせは鮎沢川漁協<電090(8865)0414>へ。
 (K)

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