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悲惨な戦争体験に耳傾け 御殿場・秩父宮公園でツアー 防空壕見学も

 終戦の日に合わせて御殿場市の秩父宮記念公園は15日、戦争をテーマとした語らいや防空壕(ごう)見学のツアーで平和について考える特別イベントを同園で開いた。当時を知る市民ら約30人が戦争の歴史や体験を振り返り、悲惨な歴史を二度と繰り返すことがないよう思いを新たにした。

秩父宮が避難した防空壕を見学する参加者たち=御殿場市の秩父宮記念公園
秩父宮が避難した防空壕を見学する参加者たち=御殿場市の秩父宮記念公園

 独自に戦争について研究している同市の斉藤治俊さん(75)が語り部となり、明治維新から終戦までの歴史を追った。太平洋戦争時に工場労働に徴用された父親が残したという記録を紹介し、忠君愛国の思想や国民の経済的困窮の状況などについて説明した。終戦前に米軍が日本の民間人や兵士の戦意喪失を目的にまいた印刷物「伝単」の実物など貴重な資料も示した。
 参加者は、1945年7月30日に小山町の富士紡の工場が空襲され、同市でも小型爆弾や機銃掃射の被害が出た際、公園内の秩父宮家別邸で療養していた秩父宮と勢津子妃が避難した園内の防空壕を見学。終戦時に2人と高松宮が玉音放送を聴いた旧別邸の「西の間」で同じように放送を聴き、当時に思いをはせた。
 戦史への興味が強く、中学生で唯一参加した御殿場南中2年の渡辺真之さん(14)は、参加者が語る爆撃時の凄惨(せいさん)な記憶などに真剣に聞き入った。「日本は平和ボケしていないかと感じる。戦争の歴史は風化させずに残していかなくてはならないと改めて思った」と話した。

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