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負傷者多数の多重交通事故想定 迅速な情報共有、連携 重点 御殿場市・小山町消防本部 バス横転教訓に訓練

 御殿場市・小山町広域行政組合消防本部はこのほど、多数の負傷者がいる多重事故を想定した対応訓練を同市の御殿場消防署訓練施設で実施した。2022年10月に小山町須走の県道(通称ふじあざみライン)で発生した観光バス横転事故の出動経験から、初動対応や関係機関・団体との迅速な情報共有と連携を意識して訓練を展開した。

多数の負傷者がいる事故を想定して行われた訓練=御殿場市の御殿場消防訓練施設
多数の負傷者がいる事故を想定して行われた訓練=御殿場市の御殿場消防訓練施設


 29人が死傷した観光バス横転事故では、負傷者らの治療の優先順位を決める「トリアージ」や医師への派遣依頼などを初めて経験した隊員もいた。消防の複数の部隊や警察、医療機関など多くの関係者が現場に入り交じり、協力して対応に当たる中で情報共有の課題も見えてきたという。
 訓練は、国道交差点で右折した乗用車と直進した乗用車が衝突し、後続車を含む計4台による多重事故が発生したことを想定。119番から事態の重さを判断すると、素早く医師を現場に送る準備やドクターヘリの運用の段取り、警察など関係先への連絡などを進めた。現場に急行した隊員たちは計11人の負傷者のトリアージを実施。到着した医師に結果を報告し、搬送先を決めた。車内の要救助者を救う車両用カッター、ペンチ、油圧救助器具などの使用手順も確認した。
 勝間田弘和消防司令補(42)は「今回は分割的に訓練し、各隊の動きを再確認できた。引き続き訓練を行い、実災害に備えたい」と述べた。
 (御殿場支局・塩谷将広)

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