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富士山の歴史 地層に見る 富士宮・世界遺産センターで企画展

 富士宮市の県富士山世界遺産センターで18日まで、企画展「地層剥(は)ぎ取り資料が語る富士山の噴火と崩壊」が開かれている。山麓や関東地方の地層を紹介し、噴火の歴史をひもといている。

富士山麓の地形の歴史を表す剥ぎ取り資料=富士宮市の県富士山世界遺産センター
富士山麓の地形の歴史を表す剥ぎ取り資料=富士宮市の県富士山世界遺産センター

 剥ぎ取り資料とは、崖などの表面に接着剤を塗り、ガーゼと一体化させて地層を転写して作る。会場の中央には、小山町大御神で採取した長さ約10メートルの剥ぎ取り資料が展示されている。資料の底辺は約3500年前に堆積した土砂とみられ、宝永噴火(1707年)による降下火砕物の黒色の層や、仁和地震(887年)でかつての富士山噴火で形成した山が崩れ、麓に堆積した土砂の層が確認できる。
 富士山東麓や神奈川県、東京都内で採取した資料も並ぶ。宝永噴火の火山灰は茨城県鹿島沖まで到達したとされ、各地点に降り注いだ軽石やスコリアの堆積量などが比較できる。
 10日と18日は午前と午後各1回、同センターの小林淳教授(火山地質学)が展示資料を解説する。小林教授は「地層は富士山の生い立ちを物語っていて、剥ぎ取り資料で当時の状況がよく分かる」と話す。17日は神奈川県立生命の星・地球博物館の石浜佐栄子氏が神奈川県西部の土壌の成り立ちを説明する。

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