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富士山観光「負のイメージ」懸念 小山バス事故1週間 紅葉シーズンに影響

 小山町須走の県道でツアー中の観光バスが横転し、乗客1人が死亡、26人が重軽傷を負った事故は20日、発生から1週間を迎えた。現場は国内有数の観光資源、富士山の麓。観光需要喚起策の全国旅行支援が始まったばかりでの惨事に、新型コロナウイルス禍の影響で落ち込んだ団体客の回復を期待していた観光関係者は、誘客への影響を懸念している。

富士山須走口5合目は間もなく紅葉のピークを迎える=17日午後、小山町須走
富士山須走口5合目は間もなく紅葉のピークを迎える=17日午後、小山町須走

 「事故の影響はないと信じたい」。富士山須走口の山小屋関係者の1人は慎重な口ぶりだった。「一切話したくない」とする関係者もいた。事故後、ツアーキャンセルなどの影響が出ているという。
 事故現場は富士山須走口5合目と麓を結ぶ通称・ふじあざみライン。富士山の登山ルートは既に閉鎖されたものの、5合目周辺は例年11月下旬までハイキングなどが楽しめ、間もなく紅葉のピークを迎える。気軽に富士山を体感できる5合目の情報発信に力を入れてきた町は「(事故で)富士山にマイナスイメージが付いてほしくない」と懸念する。
 町の計測によると、今夏の富士山開山期間中の須走口登山者は昨年より約8割増えたが、コロナ禍前の2019年の7割弱にとどまった。町は原因の一つを団体客やグループ客の伸び悩みと分析、今後の課題としていた。
 町の担当者は「重大な事態が起きて心を痛めている」とした上で「観光資源としての富士山の魅力は変わらない。引き続き多くの人を迎えられるようPRしたい」と話す。

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