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テーマ : 磐田市

ジュビロ磐田ホームタウン拡大 静岡県内クラブ 切磋琢磨を【記者コラム 黒潮】

 今季サッカーJリーグ1部(J1)に復帰するジュビロ磐田のホームタウンが、昨年から従来の磐田市に加え、新たに静岡県西部7市町(御前崎、菊川、掛川、袋井、浜松、湖西市、森町)まで拡大した。Jリーグ昇格31年目を迎えるクラブが活動を展開する舞台は大きくなった。それだけに、サッカーを通して以前にも増した密度の濃いスポーツ振興や地域貢献が求められる。
 ジュビロ磐田は今年に入り、ホームタウンで生産・製造された緑茶を用いた「遠州お茶ぱん」を商品化した。お茶ぱんは災害時の非常食にも活用でき、地域防災意識の向上と緑茶消費の拡大という地域課題の解決を図るという。ホームタウンの広域化に伴う、とても良い取り組みだと思う。地域があってこそのクラブという思いを忘れず、次の一手にも期待したい。
 県内のJリーグクラブは、ジュビロ磐田のほか、J2の清水エスパルス、藤枝MYFC、J3のアスルクラロ沼津と計4クラブ。人口が密集する首都圏や関西圏以外でこれだけのクラブ数がひしめくのは全国的にも異例だ。競技や運営面での盛り上がりを含めて切磋琢磨(せっさたくま)できる面はもちろんある。
 清水エスパルスは昨年末、同じ中部地区に本拠地を構える藤枝MYFCのホームタウンとなる焼津市と包括連携協定を結んだ。市民にとって応援するクラブの選択肢が増えることは望ましいことかもしれないが、限られたパイの奪い合いは避けなければいけない。
 2年後の2026年からシーズンの秋春制への移行が決まり大変革期を迎えるJリーグ。テレビ地上波での中継は減りサッカーへの関心がさほど高くない「ライト層」への訴求が難しくなっている。県内のクラブ関係者は「チームの勝ち負けに関係なく応援してもらえるクラブにならないと」と切実な思いを口にする。
 少子高齢化はさらに加速し、娯楽が多様化する中で、エンターテインメントとしてサッカーを選び続けてもらうのは容易ではない。そのためにはクラブ全体で目線を下げ、これまで以上の地域密着と「地元」を大切にする姿勢が重要になるのは間違いない。
 (運動部・名倉正和)

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