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テーマ : 磐田市

記者コラム「清流」 米粒から膨らむ想像

 磐田市の社山城跡で1978年に炭化した状態で見つかった米が、室町中期1436~77年の兵糧だった可能性が高いと市教委が発表した。社山城に関する最も古い歴史資料になった。
 室町中期と言えば、応仁の乱が起きた。その当事者だった斯波氏は遠江守護職を巡って今川氏と争っていた。社山城も抗争の舞台になった。室町後期に今川方の兵を率いて遠州に侵攻した伊勢宗瑞(後の北条早雲)も社山城を訪れたかもしれない。戦火で焼けたとみられる小さな米粒だけで、はるか昔までイメージが膨らみ、胸が高鳴った。
 同市は古代から近現代までの歴史資源がそろう貴重な環境にある。ただ、誘客に生かし切れていないのが残念。市民や訪れた人が各時代に思いをはせ、当時の生活や文化に没入できる仕掛けを期待したい。
(磐田支局・八木敬介)

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