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テーマ : 磐田市

卓球・伊藤美誠 世界1位へ決意 「感覚、実力もっと向上を」

 2021年の東京五輪の卓球で金銀銅メダルを獲得した伊藤美誠(スターツ、磐田市出身)が4日までにインタビューに応じた。代表入りを逃したパリ五輪の選考レース中の心境を語り、新たに目標に掲げる世界ランキング1位へ「海外選手とたくさん試合をして成長したい」と決意を込めた。

卓球世界ランキング1位への決意を語った伊藤美誠
卓球世界ランキング1位への決意を語った伊藤美誠

 東京五輪前、周囲から「この子は死ぬんじゃないか」と思われるほどの練習を積んだ自負があった。水谷隼(磐田市出身)と組んだ混合ダブルスで金を獲得。しかし、シングルスは銅メダルで頂点に届かず「これだけ練習したのに」と挫折感を味わった。
 東京後は練習に身が入らず、22年3月にパリ五輪の国内選考会が始まっても意欲は上向かなかった。「体が勝手に動いているけど魂がない。やっても上達しない。(選考会に)何で出なきゃいけないんだろう」
 同じ22年3月にシンガポールでの世界ツアーに「気持ちも体も全てボロボロ」の状態で臨み、3回戦敗退。母美乃りさんから「(競技を)やめるかパリを目指すかどっちかにしな」と諭された。「卓球が嫌になった状態でやめたくない。無理やりだけど五輪を目指す」と泣きながら伝えた。
 選考レースの後半、試合でベンチにコーチを置かないことや、参戦するTリーグの日本生命の選手と練習するようになるなど競技との向き合い方を変えた。徐々に楽しむ気持ちを取り戻せた。
 1月に代表選考を終え、五輪出場を僅差で逃した。悔しさの中で自問自答すると「やめたいけど、もうちょっとやりたい。世界の大会にいっぱい出て、もっと感覚や実力を上げたい」と、世界ランク1位という目標がすぐに固まった。
 世界ランクは自己最高が2位で、2月27日付では14位。今後は7日開幕のシンガポール・スマッシュなど格が高い大会で上位進出を目指す。
 パリ五輪期間中に初めてラケットを持たずに旅するという楽しみな計画がある。「それまでやり切りたい。(五輪後のことは)全く考えていない」。7月の世界ツアーまで全力を注ぐ。

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