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テーマ : 磐田市

ヤマハ発本社工場“革新” 二輪車組立ライン、自動搬送車で効率化

 ヤマハ発動機は、本社(磐田市)の二輪車組立工場の革新に取り組んでいる。コンベヤーで車両を搬送していた組立ラインを、独自のAGV(自動搬送車)バイパス方式に転換し、同一ラインで多品種を製造できるようにした。最新技術を生かしたスマートファクトリー化を進め、生産効率の向上を図る。

AGVが自動で車両などを搬送するヤマハ発動機の本社二輪組み立て工場=磐田市
AGVが自動で車両などを搬送するヤマハ発動機の本社二輪組み立て工場=磐田市

 ヤマハ発は、需要拡大が著しい東南アジアなどで現地生産を増やす一方、本社工場では大型バイクやプレミアムスクーターなど欧米や日本向けの高付加価値製品を中心に35モデルの多品種少量生産を担っている。
 従来のコンベヤー方式はカテゴリーごとにラインを分けて組み立てていたが、モデルごとに器具や設備の片付け・準備などの「段取り」をする必要があることから、1モデルの最低ロットは40台だった。このため、1日に生産できるモデル数が限られていた。
 新方式は、モデル情報をIDタグで管理する自社開発のAGV135台が車両や部品を自動で搬送してラインを形成し、組み立て後に完成検査工程まで運ぶ。AGVがモデルに応じた動きをするため、段取りにかかる時間のロスを減らしつつ、全モデルを毎日製造できる1ロット4台のハイサイクル生産を実現した。担当者は「出荷までの時間が短縮し、お客さまにタイムリーに製品を供給できる。生産性は従来の1・5倍に高まった」と説明する。
 AGVには作業者に合わせた高さに自動調整するリフターが付き、従業員の負担軽減にもつながる。経路上に計50カ所の非接触急速充電器を設置し、人手による充電も不要という。
 ヤマハ発は、誘導線がなくても指示に従って走行できる屋外対応の自動運転EVを使い、別棟からエンジンを組立ラインまで搬送する実証実験も進めている。
 (磐田支局・八木敬介)

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