静岡人インタビュー「この人」 県社会人リーグ1部 サッカークラブ「SS伊豆」代表理事 片岡大輔さん(函南町)
2016年、「伊豆半島から世界へ」を合言葉にクラブを設立。東駿河湾3部リーグ(J12相当)から5年連続で昇格し、10月に鹿児島県で開かれる全国社会人サッカー選手権全国大会に初出場を決めた。37歳。
-チーム設立の経緯は。
「プロ選手を目指して中学卒業後にイングランド、スペインに留学した際、週末は各町のスタジアムで試合観戦するサッカー文化に衝撃を受けた。帰国後、プロを諦めたものの草サッカーでは物足りず、国内のアマチュアチーム層の薄さを痛感。あえてプロを目指さないチームを創設した。2年前にセカンドチームも設け、トップから漏れても頑張れる環境を整えた」
-活動形態は。
「メンバー26人中18人が、日中はスポンサー企業で正社員として働き、夜と週末に練習する『デュアルキャリア』で活動する。高校卒業後にサッカーを辞める人も多いが、仕事と両立できる環境を整備し、少子化に伴う人材不足などの社会問題解決にも貢献したかった」
-社会貢献活動に力を入れる理由は。
「サッカーができるのは地域や企業の協力あってこそ。理念に賛同した選手が全国から集まってくれた。小学生向け教室や障害者スポーツ練習会に力を入れている。また、海外でプレーするには英語が必須。世界に羽ばたく子どもを育てたいと思い、英会話教室も開いている」
-今後の目標と課題は。
「来季の東海2部リーグ昇格が目標。少しでも明るいニュースを地域に届けたい。県東部は人工芝のグラウンドが不足し、練習場所を奪い合っているのが課題。地域に必要とされるチームを目指し、伊豆半島のサッカー文化醸成に力を入れたい」