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放課後子ども教室、学童と一体運営 4月統合の静岡・中藁科小 下校バス待つ児童に「居場所」

 静岡市は新年度、旧清沢小と旧水見色小を統合する中藁科小(同市葵区)で、地域ボランティアによる「放課後子ども教室」を放課後児童クラブ(学童)と一体運営させる方針を固めた。柔軟な運用によって、学校統合で生じる下校時のバス待ち時間に全児童の居場所を確保し、子どもを見守る体制を整える。市によると、一体運営は静岡県内初。

放課後子ども教室と放課後児童クラブ(学童)の一体運営のイメージ
放課後子ども教室と放課後児童クラブ(学童)の一体運営のイメージ

 旧清沢小と旧水見色小の児童は路線バスで通学するが、バス運行は学校の日課に合わせられないため、学校の日課が終わってから帰宅用の路線バス到着時刻までの待ち時間の安全確保が課題だった。また、統合後は学区が広がるため児童が帰宅後に子どもだけで遊びに出かけるのも難しくなる。市は一体運営がこれら学校統合に伴う課題の改善につながるとみている。
 放課後子ども教室は、お年寄りや保護者ら地域住民がボランティアとして学校で子どもと一緒に遊んだり子ども同士の遊びを見守ったりする活動で、全児童が無料で参加できる。学童は保護者が仕事で家にいないなど条件を満たす児童が有料で利用する。一体運営に伴い、子ども教室のボランティアと学童の支援員が連携して放課後、路線バス到着時刻までは全児童を対象に活動可能になる。その後は学童に切り替えて支援員が一部児童に対応する。
 4月から中藁科小の子ども教室は、同校で学童を担う民間事業者が運営を兼ねる一方で地域ボランティアをスタッフとして採用。ボランティアは従来通り子どもに対応し、旧清沢小や旧水見色小の地域に住むボランティアとも連携していく。実施日はこれまでの週2日から平日全ての曜日に拡大し、学校が特別日課の場合は活動の開始時間を早めるなど柔軟に運営する。
 市教委教育総務課の担当者は「一体運営によって、子どもの居場所を安定的に提供できるようになるのが一番のメリット。異なる学区に住んでいた子どもや大人がつながる接点にもなる」と説明している。
 (社会部・大橋弘典)

 放課後子ども教室 小学校の放課後などに安全で安心な活動場所を提供し、地域の大人や異年齢の子どもとの交流を通じて児童の社会性や自主性を育む社会教育活動。地域のボランティアの参加により、学習支援やスポーツ、文化芸術活動が行われる。放課後児童クラブと異なり、誰でも自由に参加できる点が特徴で、子どもたちがさまざまな体験を通して成長できる。

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