テーマ : 教育・子育て

静岡県内の公立小中学校 過去10年に50校閉校 中山間地で加速、今後は市街地にも

 児童生徒数の減少に伴い、過去10年間に閉校した静岡県内の公立小中学校が50校に上ることが4日までの静岡新聞社の独自集計で分かった。子どもの数に応じた教育効果を考えて適正な規模に学校を統廃合する動きが中山間地を中心に進んだ。一方で小中学校は住民のつながりを生み出す機能もあり、学校のなくなった地域はコミュニティーの維持が課題になっている。県内の少子化は中山間地に限らず進んでいて、学校統廃合の動きは今後10年間で市街地に波及する見通しだ。

過去10年間の県内小中学校の閉校数
過去10年間の県内小中学校の閉校数

 県教委と静岡、浜松両市教委に取材し、2014~23年度末の小中学校の閉校数を取りまとめた。13年度末までの10年間に統廃合された小中学校は37校だったのに対し、23年度末までの直近10年間は後半の5年間だけで37校が閉校し、統廃合の動きが加速していることがうかがえた。
 統廃合された学校は県中西部の山間部や伊豆地域など人口減少が進む中山間地が大半。小中学校を同じ敷地に移して施設を一体化する小中一貫化の事例も目立った。小中学校の教育課程を従来の「6年・3年」の枠にとらわれず柔軟に編成できる「義務教育学校」も一部で導入されている。
 ただ、一部の地域ではコミュニティー維持への懸念などから統廃合に反対する動きが見られ、統合した場合も空き校舎の活用などが課題になっている。
 静岡市教委は28年度に想定される学校別の児童生徒数を公表していて、担当者は「28年度以降も少子化が進み、市街地の一部の学校も適正規模を割り込む見通し」と説明する。浜松市教委の担当者も「これまでは中山間地の統合が多かったが、旧浜松市の地域でも小規模校が出てきている」と統合検討の必要性を示唆している。
 (社会部・大橋弘典)

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