テーマ : 教育・子育て

インフルエンザ 子どもの異常行動に注意 「飛び降りようと」「外に走り出す」 施錠や見守りで対策を

 インフルエンザにかかった子どもの異常行動に気をつけて―。静岡県内では今シーズン、1日当たり約3300人の患者が推定され、その8割を10代以下が占める。重大事案は全国で年間50~80件程度あり、長年この重大事案を分析してきた国の調査データからは、抗インフル薬の服用にかかわらず飛び降りなどの事故が起きる可能性がうかがえる。識者は「子どもの誰にでも起きる可能性を想定しておくべき」とし、見守りや就寝環境のチェックを呼びかけている。

異常行動による事故を防ぐための対策例
異常行動による事故を防ぐための対策例


 国の調査グループが分析した2006年以降の15年間のデータによると、異常行動は「突然立ち上がって部屋から出ようとする」「興奮して窓を開け、ベランダから飛び降りようとする」「人に襲われる感覚が生じ、外に走り出す」など。平均年齢は8~10歳だが、中学生の年代の割合も一定数みられた。性別はいずれの年も男子が過半数を占め、多い年は8割を占めるなど、女子よりも男子が多かった。
 発熱から2日目以内に起きるケースが7~9割で、眠りから目覚めて急に、という事例が多い。異常行動に至った子の最高体温の平均は39度ほどで、インフルエンザ患者の体温として特別に高いわけではなかった。
 抗インフルエンザ薬の服用については特定の種類や組み合わせが突出しておらず、「全て服用なし」は年によって異なるが、6~25%だった。分析グループの代表を務めた小児科医の岡部信彦さん(川崎市健康安全研究所長)は「本人は行動時の記憶がなく、家族が抱きかかえるとはっと、われに返る。発生の瞬間を見逃さないよう気をつけてほしい。中学生の男子など、力が強い子だと制止を振り切られる可能性がある。悲しい事故を防ぐためには施錠などの対策も欠かせない」と指摘する。
 年齢的に個室で寝ている子が想定されることや、新型コロナウイルス禍以降に浸透した、家族にうつらないよう隔離する感染対策も、岡部医師は「見方を変えると、発見が遅れるリスクになりうることを踏まえておいてほしい」とも。各住宅でできる対策は「窓に格子がある、ベランダに面していない部屋、一戸建てなら1階など、子どもを寝かせる場所を選ぶ」「各部屋の窓や玄関を施錠する」などで、子どもが不慣れで簡単に開けにくい補助鍵の活用も有効だという。

いい茶0

教育・子育ての記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞