テーマ : 教育・子育て

幼小中高一貫で認定 静岡サレジオ(静岡市清水区)【国際バカロレアとは? 静岡県内の認定校、全部取材しました③】

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 幼稚園から高校まで一貫して「国際バカロレア(IB)」認定校となった静岡市清水区の静岡サレジオ。仕組みや授業の様子を取材した。(取材は2024年1月)
どんな仕組み
 幼稚園、小学校、中学校、高校でIBを導入している。2022年に学校教育法で定められた学校(一条校)として国内で初めて、幼稚園から高校まで一貫したIB認定校(園)となった。いずれも日本の学習指導要領(幼稚園は幼稚園教育要領)を満たしながら、世界的な教育法のIBで授業を行っている。
 PYP(Primary Years Programme)は幼稚園と、小1から小4までの年代で実施。「私たちはどのような時代と場所にいるのか」「この地球を共有するということ」などのIBのテーマを教科と組み合わせた「国語探究」「理社探究」などの授業を行う。英語の授業は英語で行い、コミュニケーション能力を育成する。
 MYP(Middle Years Programme)は小5~中2の年代で実施。教科ごとに探究活動やプロジェクトを行う。英語の授業は英語で実施。
 DP(Diploma Programme)は、教育提携校の上智大への進学を目指すソフィアコースの高2と高3の学年で行う。英語と演劇の授業は英語で実施。卒業生の大半はIB資格を取得し、上智大へ進む。(中3と高1は「プレDP」として導入的な授業も行う)
どんな授業 photo01 PYP(小1)の授業
 PYP(小1)の探究の授業では、クラスの役割について考えた。児童はクラスの目的を「楽しく勉強すること」と決め、日直や係のほか「授業中に発言する」「人の話を聞く」など自分たちが果たしたい役割について意見を出し、プリントに記入した。
 MYP(小6)の図工では、オリジナル家紋作りの準備に取り組んだ。制作に先立ち、日本の伝統的な家紋の事例やモチーフを調べ、さらに海外に家紋と似た役割を果たす存在があるかを探すことに決まった。 photo01   DP(高2)の授業
 DP(高2)の歴史の授業では「18~19世紀の革命を担った階層は」「(欧州各地の)1848年の革命に代表される19世紀の革命は、どのような国家を生み出したか」などの課題に小グループで挑戦。教科書やウェブサイトで調べ、事例を挙げながら意見をノートパソコンにまとめた。
どこがポイント
 普通(IBでない)学校との違いは何か。問いに対して、杉山公英教頭は「世界的に認められた教育法(IB)で教えていること」と切り出す。「自ら疑問を持ち、調べ、考えをまとめてプレゼンテーションする。これを幼い頃から徹底的に繰り返すことで、思考力と判断力を鍛えている」と言葉を加える。
 IBチーフコーディネーターの西多美保さんは「日本のこれまでの授業は板書して説明する教師が忙しかった。IBの授業は自ら考え、リサーチして主体的に学ぶ子どもが一番多く頭を動かしている」と説明する。

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