テーマ : 教育・子育て

学校行事を紙面化、表現力磨く 浜松・春野中、ワークシートで読解力も向上 

 浜松市天竜区春野町の春野中はNIE実践指定校となり2年目の本年度、学校行事を振り返る新聞の作成に取り組んだ。生徒たちは写真と記事で1枚の紙を埋める作業を通じ、体験や感想を生き生きと表現する力の向上につなげている。
新聞作りに取り組む生徒たち。体験内容や感想をつづる=浜松市天竜区春野町の春野中
 「見出しは短く、インパクトがあるようにしないと」「写真はここに貼ろうかな」-。2年生が総合学習の時間を活用し、11月に開かれた学習発表会「黎明[れいめい]祭」の様子をつづっていく。2時間ほどすると、一点物の新聞をほぼ完成させる生徒の姿もみられた。
これまでに作成した新聞
 昨年4月以降、職場体験や陶芸体験などの学校行事を振り返る機会として新聞作りを重ねてきた。「春野の魅力新しく発見」「とても緊張した職場体験」といった見出しからはそれぞれの個性が浮かぶ。2年の山田偉葵[いさき]さん(14)は「新聞には難しいイメージがあったが、意見をまとめたり見出しを考えたりしているうちに面白さを感じるようになった」と話す。
 新聞記事を使い、放課後の時間に約15分学習する活動も重視する。静岡新聞のNIEウェブサイトからダウンロードした「新聞ワークシート」を活用し、記事から読み取るポイントを考える問題に回答していく。地域の課題への理解を深めるとともに、読解力を養うことに役立てている。
 生徒に行ったアンケートでは、ワークシートに取り組んで以降、読解力が「高まった」「少し高まった」との回答は2~3年生全体の9割に上った。「テストの問題の意味を理解できるようになった」「本の内容を要約することが容易になった」などの感想からは、文章を読み取る力が普段の学習に好影響を与えている状況がうかがえる。
 NIE学習に取り組む全校生徒数は47人。教諭間で試行錯誤を重ねてきたことで、指導ノウハウの向上にもつながっているという。NIE学習を担当する武井千幸教諭は「少人数の学級だからこその丁寧な指導で、伝える相手を意識した言葉の学習に取り組んでいる。全ての教科に必要な表現力や集中力の向上につなげていきたい」と話す。
 (天竜支局・平野慧)

 

いい茶0

教育・子育ての記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞