テーマ : 教育・子育て

思い出の子ども服 ひな人形の衣装に 静岡の工房「左京」2月下旬から受注開始

 静岡市葵区の人形工房「左京」は2月下旬から、子供が幼少期に着ていたベビー服やお食い初めの晴れ着など、家庭に眠る思い出深い子供服をひな人形の衣装に加工するサービス「きおくひとえ」の受注を開始する。少子化の影響で人形業界の市場規模が縮小する中、伝統文化の継続や衣類の廃棄削減にもつながる利点をPRする。

子供服を利用して作ったひな人形を披露する望月専務=静岡市葵区の人形工房「左京」
子供服を利用して作ったひな人形を披露する望月専務=静岡市葵区の人形工房「左京」
試作モニターで完成品のイメージを打ち合わせる親子と望月専務=静岡市葵区の人形工房「左京」
試作モニターで完成品のイメージを打ち合わせる親子と望月専務=静岡市葵区の人形工房「左京」
子供服を利用して作ったひな人形を披露する望月専務=静岡市葵区の人形工房「左京」
試作モニターで完成品のイメージを打ち合わせる親子と望月専務=静岡市葵区の人形工房「左京」


 再利用のアイデアを提案したのは東京都内のマーケティング会社に勤務する青沼克哉さん(34)=浜松市中央区出身=。昨年5月、「思い出の詰まった子供服を活用し、ひな人形を作れないか」と思い、依頼に共感してもらえそうな同世代の人形職人を探す中で、左京の望月琢矢専務(32)のSNSアカウントを見つけ、メッセージを送った。
 老舗工房の4代目として伝統産業を継承する望月専務は「自分と同世代の人がひな人形に関心を持ってもらえてうれしかった」と提案に共感した。事業化に向け、生産体制や受注方法など半年間かけて打ち合わせを重ねた。
 サービス開始に向けて1月下旬に行った試作には横浜市の家族が参加し、5歳と4歳の姉妹が着ていた子供服20着を持参した。「2人が着た虹色のサロペット(肩ひもがあるつなぎ服)を使いたい」との要望を受け、完成品のイメージをすりあわせた。望月専務は「親子の絆を反映した世界で一つだけのひな人形として、世代を超えて愛してほしい」と話した。
 サービス一式には、男びなと女びなの人形一対に台座などの備品が付く。価格は15万~20万円前後で、注文から約半年の制作期間が必要。問い合わせは左京<電054(253)4828>へ。
 (社会部・薬袋貴信)

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