テーマ : 教育・子育て

ランドセル 環境と体に配慮 植物素材や布製 来春商戦に

 早くも来春の1年生を対象としたランドセル商戦が始まっている。環境問題を踏まえた素材を使った商品のほか、体への負担を減らす機能や軽さと丈夫さを備えた布製が注目されている。

セイバンの「パイナセル」
セイバンの「パイナセル」
セイバンの直営店で販売されている「パイナセル」=兵庫県たつの市
セイバンの直営店で販売されている「パイナセル」=兵庫県たつの市
エルゴランセル合同会社の「エルゴランセル」
エルゴランセル合同会社の「エルゴランセル」
ワークマンの「ESスチューデントデイパック」
ワークマンの「ESスチューデントデイパック」
セイバンの「パイナセル」
セイバンの直営店で販売されている「パイナセル」=兵庫県たつの市
エルゴランセル合同会社の「エルゴランセル」
ワークマンの「ESスチューデントデイパック」


 アップサイクル
 セイバン(兵庫県たつの市)は、2月、パイナップルの葉が主原料のビーガンレザーと呼ばれる素材を使った「パイナセル」の販売を始めた。
 廃棄予定だった葉を活用した“アップサイクル”製品。担当者は「子どもたちの未来のために環境に配慮した商品を目指した」と説明する。革製造で排出される二酸化炭素(CO2)の量は牛革の40分の1、人工皮革の5分の1という。
 植物由来の素材は他にもあるが、耐久性に優れ、個性的な風合いと柄が美しいことからパイナップルの葉を選んだ。グリーンなど3色あり販売価格は6万4900円。

 軽くて機能的
 タブレット端末など荷物は増加傾向にあり、通学時の小さな体への負担に着目する企業も。エルゴランセル合同会社(埼玉県川口市)の「エルゴランセル」(5万5千円)は、登山リュックの機能を備えたのが特徴だ。
 体に沿う立体的な肩ベルトや背中にフィットさせる胸バンド、重さを腰で支えて肩の負担を減らす腰ベルトも付けた。重さはベルト込みで1150グラムだ。重い荷物を背中側に固定できる内装ポケットも備えた。本体は耐久性や撥水[はっすい]性に優れたナイロン素材でかぶせる部分に人工皮革を採用した。
 平田海介代表は「長女の体への負担を減らすために開発した」と話す。顧客からは「学校まで距離があり坂道もある。こうした製品を探していた」「本を入れても軽い」という声が寄せられる。

 新規参入も
 布製ランドセルへの関心が高まる。イオンやイトーヨーカ堂が販売。作業服大手ワークマンも、ナイロン製の「ESスチューデントデイパック」(8800円)で6月に市場へ参入する予定だ。
 昨年、中高生向けかばんを試験販売し反響を得た。小学生向けでも高機能で低価格な製品をと開発した。防弾チョッキにも使われる高い強度と耐久性がある「バリスティックナイロン」を採用。背面部分にはアルミ製のプレートを入れ背中全体で重さを負担する構造に。下部に防水カバーも収納。色は黒のみ。オンラインで注文を受け付ける。

 <メモ>ランドセルには性別を問わないデザインや豊富な色、1キロを下回る重さなど多彩な製品がある。

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